人材育成の代表例
 

  ■代表的な人材育成手法

   人材育成の代表的な手法には、

   「OJT(On the Job Training)」、「OFF−JT(Off the JobTraining)」、「自己
   啓発」があります。

   OJTとは上司や先輩社員が実際の仕事を通じて必要な技術、能力、知識などを
   身につけさせる教育訓練のことです。

   職場のミーティングや朝礼などもOJTの一種です。

   
   OFF-JTとは日々の業務を離れて行う訓練のことで、代表的なものが自社内で集合
   教育を行うこと、外部の教育機関が主催するセミナーに参加させることなどです。

   また、長期的な視点で他企業や研究機関などに出向させることなどがあります。

   自己啓発とは社員が自分の能力を高めるために自主的に行う学習のことです。

   あくまで社員の自主性次第ですが、会社としてはその自主性を引き出すための雰
   囲気作り、きっかけ作りなどの工夫が必要になります。

   人材育成においては、これらの3つの手法を上手に組み合わせて総合的に行っ
   ていくことが重要になります。
     
  OJT

   OJTは「仕事を教える」ことではない

   1.長期的・計画的な視点が必要

     上記で紹介した3つの手法のうち、OJTについてはすべての会社において業
     務遂行のプロセスを通じて日々実践されているといってよいでしょう。

     「教え上手」な上司や先輩に恵まれた部下は、それだけ順調に育っていくこと
     が期待できます。 

     OJTを効果的に行ううえで忘れてはならないのは、
       個々の社員のどんな能力を、いつまでに、どの程度高めるのか
     という長期的・計画的な視点をもつことです。

     OJTは日々の業務を通じて行われるため、教える側は「目の前の業務の仕
     方」を教えることにどうしても目がいきがちです。

     もちろんこのこと自体は重要なのですが、それが社員のどのような能力向上に
     つながるのかを確認しながら進める必要があります。

     具体的には、以下のような手順で進めます。

     (1)自社の業務に必要な能力と程度を明らかにする

       現所属部門の業務範囲内だけではなく、全社レベルで考えることが大切。

       また現時点だけではなく、自社の将来に必要になる能力も抽出します。

     (2)部下の能力・志向性を把握する

       上記の能力について、現時点での部下の保有度合いや本人の将来的な成
       長の志向性を把握します。

     (3)育成方針を決定する

       必要な能力をどのように身につけさせるかについての方針を決定します。

       幹部候補生に幅広い能力を身につけさせるためには、部門を越えたロー
       テーションなども検討します。

     (4)育成計画を策定する

       育成方針にしたがって、今期末までにどのような能力をどの程度まで高め
       るか、誰がどのようにOJTを行うかなど、より具体的な育成計画に落とし込
       みます。

     (5)計画に基づくOJTを実施する

       部下に逐一細かい指示をするのではなく、部下本人にできるだけ自分で考
       えさせることが重要です。

     (6)定期的に進捗状況を確認する

       半期ごとなど適切なタイミングで進捗状況を確認し、計画未達成の場合に
       はOJTを行う側、受ける側双方についてその原因と対策を明らかにする。

     このように効果的なOJTを行うためには、

      日々のOJTの積み重ねが「結果として」能力向上に結びつくのではなく、
      能力向上を第一義として、そのためにはどのようなOJTが必要か

     という視点をもつことが重要です。

   2.OJTだけでは限界がある

     仮に最適なOJTが行われたとしても、OJTにはいくつかの限界があります。

     ひとつは、OJTで受け継がれるのは、先輩社員の考え方、知識やノウハウだ
     けであり、それ以上の効果は期待しにくいということです。

     たとえば、上司は自分がまったく知らない分野の専門知識や自分がまだ身に
     つけていないノウハウなどを部下に教えることは決してできません。

     また、「最近どのような消費者ニーズが高まっているか」といった目先の業務
     遂行とは少し離れたことについては、OJTの教育テーマには向いていません。

     さらにOJTには「幅広い分野を体系的に教える」ことには不向きであるという弱
     点もあります。

     たとえば、「新入社員」が一人前の「若手社員」になるためにはどのような要件
     があるか、「管理職」になるための要件は何かということなどについては、上司
     自身によるバイアスが強くかかる可能性があります。

     このようなテーマについては、会社全体としての統一した基準のもと教育して
     いく必要があります。
    
  □OFF-JT

   全社員の成長の方向性を示すOFF-JT

   1.軽視されがちなOFF-JT

     OFF-JTはその名前のとおり、日々の業務を離れて行うものです。

     形態としては社内での集合研修、外部機関の主催するセミナーへの参加など
     があります。

     OJTと違って目先の業務遂行に直接には結びつかないことや、プログラム作
     成の手間や外部機関へ支払う費用などがネックになり、企業によってはOFF- 
      JTをほとんど行っていないこともあります。

     しかしながら、上記のとおりOJTだけによる教育には限界があります。

     また、OFF-JTは「階層別教育(後述)」などを通じて、「社員にこのようなステッ
     プを積んで成長して欲しい」という会社全体としての意思を示す場でもある。

     受講する社員にとっても会社が必要とする能力のなかで、自分に不足してい
     る部分を確認できるというメリットがあります。

     社員全体のレベルを底上げし、さらに会社のあるべき姿に向けて社員の成長
     を促進していくためにも、OFF-JTは軽視すべきではありません。

   2.0FF−JTの分類

     OFF-JTの内容としては、大きく分けて「階層別教育」「職能別教育」「課題別教
     育」があげられます。

     (1)階層別教育

       新入社員から経営幹部に至るまでのすべての階層の社員に対し、それぞ
       れのレベルに合わせて実施する教育が階層別教育です。

       それぞれの階層ごとに必要な能力を身につけさせることがおもな目的で
       す。

       特に昇進したばかりの社員に対して、その役職に応じた研修を行うのが効
       果的です。

     (2)職能別教育

       同じ業種を担当する者を集めて行う教育を「職能別教育」といいます。

       代表的なものとしては、
        「技術職教育」「営業職教育」「事務職教育」

       などがあげられます。

       さらに「技術者上級」、「技術者中級」などの専門能力に応じて研修を行う場
       合もあります。

     (3)課題別教育

       その時々の企業の戦略やプロジェクトの遂行に必要な要員の養成が目的
       です。

       たとえば、新規事業に進出する場合に、当該分野の知識を新規事業に関
       わるメンバー全員が学ぶことなどがあげられます。
    
  □自己啓発

   自己啓発には危機感が必要です。

   自己啓発はOJTやOFF-JTとは異なり、社員自らの意志で取り組むものです。

   そのため、自己啓発を促進するためのもっとも重要なポイントは、

    社員自身に自分がどんな人材に育ちたいのかを真剣に考えさせる

   ことにあります。

   たとえば、社員に3年後のめざすべき姿について考えさせます。

   現在営業マンとして活躍している社員は、「自ら営業部隊をマネジメントしたい」と
   いう目標をもつかもしれません。

   また、すでに管理者としての地位にある人は、「幹部として経営に関わりたい」とさ
   らなる成長の必要性を認識することもあるでしょう。

   このように「会社から勉強しろ」といわれたから仕方なくやるのではなく、「自分の
   めざすべき姿に近づくためには自己啓発は絶対に必要である」という危機感を社
   員自身にもたせることが重要なのです。

   自己啓発を促進するために「資格取得講座受講費用援助」などの金銭的支援を
   行っている会社はたくさんあります。

   もちろんこれらの支援も必要ですが、もっとも重要なのは、

    自己啓発への最大の原動力となる「成長への危機感」をいかにもたせることが
    できるか

   という点であるといえるでしょう。

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