教育は繰り返し行うトレーニング(訓練)
 

  代理店は、保険ありきの発想から、顧客の問題点を把握し、問題解決を提案できる
  営業への変換をしなければならない。

  長期的な視点から、顧客の立場に立って、問題解決をするマーケティング能力を
  養っていかなければならない。

  短期的なセールス発想ではなく、大所高所から顧客を捉えるマーケティング発想を
  身につけていくことがトレーニングの目的です。

  どんなに素晴らしい機能・ノウハウがあっても、それを効果的に活用できなければ
  あなたが目指すべきことが達成不可能となってしまう。

  士業との提携は、リスクコンサルタントとしての知識の幅を広げる役割を担っている
  のです。

  代理店がコーディネーターとして、労務・税務・助成金・RM等の周辺知識を幅広く
  習得し、提案場面を設け、ロープレにより基本となるトークを習得する。

  □自分のポジショニング(戦う土俵) を明確にする

   自身のポジショニングを明確にしなければ、あなたはどこで誰を相手に勝負して
   いるかもわからず、ただ時間に流されて毎日が忙しいだけになってしまう。

   顧客開拓においても、目的を明確にし、ポジション(自分は何をしなければならな
   いのか)を決め、対象となる市場に向けて、もっとも効果の高い販売戦略を展開し
   ていくのです。

   ポジションを明確に設定しないと成功の確率がなかなか上がらない。

   あらかじめ攻める市場を絞込み、その市場のニーズ・ウォンツを見つけ(作り)だ
   し、どんな提案が喜ばれ感動されるかを準備し、集中していく作戦こそが成功をも
   たらすのです。

   根気の要る仕事ではあるが、この企画(マーケットの選定、提案商品、攻略のプロ
   セス)が、成否の8割を占めることを考えると疎かにできない。

   しかし、単に分野を絞っても、漠然と販売を展開したのでは何の意味も成さない。

   その商品を、どのような相手に、どのように販売するか、明確に設定しなければな
   らない。

   市場のどこで勝負をかけるか、「販売する土俵」(他店と違う土俵)を設定するこ
   とが重要なのです。

   顧客ニーズが多様化・複雑化している現在、販売の土俵を決めて戦力を集中しな
   ければならない。

   万人を対象に、すべての保険商品を販売する保険のデパートを目指すことは決し
   てしないことです。

   代理店としてのあなたが最初におこなうべき改革は、保険販売仲介業として染み
   付いた、保険ありきを前提とした販売手法を拭い去ること。

  □代理店業にとってのニーズ・ウォンツ

   よくニーズとウォンツという言葉を聞くが、無形の商品を扱っているあなたにとって
   は重要なことである。

   ニーズ・ウォンツを理解せずに見込み客開拓をするのは、「エスキモーに氷を売る
   ようなもの」である。

   トップセールスマンはニーズをつくりだすことに長けている。

   顧客ニーズは聞きだすのではなく、つくりだすものである。

   質問をすれば情報が入手できるからといって、ただ闇雲に質問をすればよいわけ
   ではない。

   優秀な営業マンは質問がうまく、ニーズを引き出すことに長けている。

   それは、正確には、質問によってお客様のニーズを聞き出しているのではない。

   質問によって、お客さんの心にあるニーズを顕在化させているのだ。

   優秀な営業マンは頭の中でニーズを想定し、そのニーズを顕在化させていくよう
   な質問を巧にしているのです。

   しかし、凡人営業マンにとってこのような高度なテクニックを駆使することには長け
   ておらず、やるべきではない。

   代理店にとって、特別高度なテクニックを使わなくても、シンプルな営業の仕組み
   どおりに継続・実行するだけでいいのである。

   「ニーズを顕在化させていく」という仕組みづくりは本部の役割であり、ニーズづく
   り(仮説に基づいて)に始まり、商談のシナリオを作成していく。

   オーバーな言い方かもしれないが、代理店の役割は舞台(顧客先)に立った役者
   であり、台本(シナリオ)どおりに、役を演ずることである。

   顧客開拓において、見込み客先を見つけるまでが会社(店)の役割であり、見込
   み客先を訪問するところからクロージングまでが営業担当者の役割である。

   営業マン(担当者)が見込み客先に訪問するとき、先方の見込み客は聞く・質問
   するというすでに興味関心を持った環境状態にある。

   営業マン(担当者)の仕事は商品説明ではない。

   質問することである。

  □トレーニング

   トレーニングの設定場面は、テレマーケティングにより、個人情報保護法(参考事
   例)に関するレポートを無料進呈した見込み客先。

   この事例では、マーケティング営業の中身を理解して頂くために、提案商品が複数 
   になっているが、基本的には最初の提案商品は単品である。

    提案内容:個人情報保護法における企業防衛
    面談環境:代理店が訪問する先は、既に聞く耳を持った状態である
    準備すること:面談内容を一字一句ノートにとる
             商談のシナリオ(商談のためのトークマニュアルに基づいて)

    1.あいさつ(雑談)・会社案内の提示

      代理店:はじめまして、私JRBの○○と申します。  雑談 ・・・・。
      代理店:本題の前にJRBという会社について2〜3分ほどお時間をいただ
           き、ご案内(トークマニュアルに沿って)させていただきます。
           (代理店が、先方に商品を売り込むための提案ではないことを認識
            させる)

    2.商談の目的の提示(問題の提示:アプローチ)

      代理店:今回私どものご提案に興味をいただいたわけですが、今社長が抱え 
      る悩み・問題がおありなんですか?
      (この質問に先方が、答えられない・答えが曖昧な場合は、話を早急に切り
      上げ退席する。経験則から、このようなお客は、今すぐ顧客にはなり得ない)
      (この質問で答えが返ってきた見込み客に対してのみ、継ぎのステップへ進 
      む)

      社長:最近友人の経営者と話をしていて、その友人はエステサロンを経営し
      ており、パソコンに顧客のデータが全て入力されていて、コピーしようと思え
      ば簡単にコピーできてしまうと言っていた。
      今、防御システムについては専門家と対策を講じているらしいが、コピーする
      のは人だし、その辺を心配してるようだった。
      この話から、私のところは製造業でメーカーの下請けだからその辺は心配な
      いが、先日いただいたレポートにも社会全体が権利意識に強くなったと書い
      てあったが、つい最近 、うちで労災事故が起こったとき、その従業員が就業
      規則を見せて欲しいと言ってきたことがあった。
      ケガは軽傷で済み、補償についても済んだが、30年以上会社を経営してき
      て、就業規則を見せてくれなんて言われたのは初めてだよ。
      これを機会に会社の防衛策について相談に乗って欲しいので、来社願った
      わけです。

    3.話の展開の提示(お客さんの心にあるニーズを顕在化させていく質問)

      2.による質問の回答から4W2H方式で、
      What「何を?」
      代理店:社長は何を希望していますか?

      社長:会社防衛のための対策だが・・・。

      Where「どこの部分を?」
      代理店:会社防衛策と言っても広範囲になりますが、社長が気にかけている
      のはどういったことですか?

      社長:就業規則の見直し、災害補償、社員教育に関してかな。
      (提出した会社案内の業務内容を見ながら)

      代理店:私どもの就業規則の見直しは、単に文書作成で終わりではなく、労
      務に関する社員教育まで行いますが、現在、御社にこのような方がいらっ
      しゃいますか。

      社長:労務についてみてもらっている労務士はいるが、今まで社員教育など
      やってもらったことはないな。

      代理店:私どものグループには就業規則についてのコンサルタント(社労士)
      がおりますが、どうなさいますか?

      社長:○○さんのほうにお願いします。

      代理店:次に災害補償(規定)についてですが、社長のところでは任意労災
      は加入なさっていますよね。

      社長:もちろん。政府労災だけでは不十分だからね。

      代理店:このような保険を含めた企業リスクの一元管理はしていますか。

      社長:一元管理?

      代理店:企業を運営していく上で、リスクとなる事柄を全て洗い出し、総括表
      (一覧表)にまとめたものです。
      これにより社長が自社のリスク全体を把握することができます。

      社長:どういったものなの?
      代理店:(サンプルを提示しながら)
      企業のリスク全てを保険でカバーすることはできません。
      保険は発生した損害コストを最小限に抑えるための対策です。
      ですから、(業務内容を示しながら)個々に記載してある全ての対策が連動し
      ているとご理解ください。
      保険においても、単に加入するだけでなく、定期的に社員教育(防災・交通安
      全講習会)をしていかなければ結果として対策にはなりません。
      今、保険はどのように加入されていますか?

      社長:部長に任せてあるので、今すぐには分からないが。

      代理店:了解しました。
      代理店:そして、社員教育をご希望とのことですが、その理由はなんですか?

      社長:うちはサービス業と違って直接お客さんと接することがないのであまり
      気にとめていなかったが、組織人としての基本的な挨拶や電話の応対などを
      見ていて、以前から何とかしなくてはと思っていたんだよ。

      代理店:了解しました。
      When「いつまでに?」
      代理店:これらのテーマについて、いつまでに完成させたいのですか?

      社長:それは、早ければ早いほどいいが。

      代理店:これらの対策を全て実施していくには1ヶ月はかかりますが、具体的
      にいつから始めたいですか? 

      社長:来月の初めくらいから始めたいんだが。

      Who「誰が?」
      代理店:対策を講じていくときの責任者は誰になりますか?

      社長:総務部長の○○を担当責任者にするつもりだが

      代理店:決定権者は部長ですかそれとも社長ですか?

      社長:わたしですね。

      How to「どうやって?」
      代理店:対策におけるコンサルティングをしていく上で要望はございますか?

      社長:対策についての内容と進行は部長と進めてくれていいが、進捗状況を
      部長とあなたから定期に報告してもらいたい。

      How much「予算は?」
      (今回の初訪では企画提案書が出せないので、次回の訪問時に提出。)
      代理店:では、企画書を作成させていただく前に、今までのお伺いしたことの
      確認と、不足部分をお伺いさせていただいてよろしいですか?

      社長:どうぞ

      代理店:(ここで初めてノートを社長が見えるように出し、ノートの内容を復唱
      する。そして、不足部分の質問に入る)
      次回の企画書の提出(説明)訪問日ですが、○日の○○時でいかがですか?
      (日時の指定はなくべくこちら主導で)
      その時は、部長の同席をお願いできますか?

      社長:いいですよ。

      代理店:社員教育についてですが、研修時間の始まりは何時からがご希望で
      すか。

      社長:終業がPM5:00だから5:15ころから始めたいですね。

      代理店:災害補償については、御社の全体リスクを把握するうえでも現在ご 
      加入の保険について知りたいので、部長から加入状況の説明をしていただき
      ます。

      社長:いいですよ。

      代理店:それでは、今までお伺いしたことを、ご確認させて頂きたいのです
      が、よろしいでしょうか?

      社長:どうぞ。

      代理店:ノートに記載の内容を全て復唱する。

      社長のご要望は、これで全部と言うことでよろしいでしょうか?

      ― 企画書の提出の訪問 ―
      代理店:(前回の内容を復唱し、再確認する)
       ・それでは、企画書の説明と条件の確認をさせて頂きます。
        (企画書の内容を全て解説する)
       ・以上ですが、ほかにご要望や条件の追加・変更はないでしょうか?

    4.契約締結に対する障害をとりのぞく

      お客さんに何かしら不安が残っているのであれば、その不安を取り除き、明
      確にすることが大切である。
      また、不満があるのであれば、改善提案をしなければならない。
      (この場合も、再度4W2H方式に基づき障害をとりのぞく)

    5.見極め

      お客が提案の商品を必要であり、買いたいと思っているか?
      お客が、この商品を買う予算があるか?

    6.クロージング(行動への呼びかけ)

      代理店:これで、社長の言われた条件を満たしていますが、どうなさいます
      か?

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