全社員を活かす会社
 

  ■若手(新入社員・20代前半)の傾向と対策

   新卒・第二新卒と呼ばれる18歳〜20代前半の社員がこの「若手」です。

   多感な学生時代を、バブル崩壊後のいわゆる「失われた10年」で過ごしたこの世
   代は、既存の社会システムが崩壊したことを背景に、これまでにはなかった新しい
   考え方や多様な価値観を持っていることが特徴です。

   米国流の「個人主義」や「実力主義」という言葉の中で育ってきた彼らは愛社精神 
   が極端に低く、常に自分の権利を主張したり、自分の能力を過大評価する傾向に
   あります。

   よく言えば「自己実現のためなら苦労を惜しまない人間」、悪く言えば「単なるわがまま
   な人間」と言えます。

   また、親や社会に甘やかされて育ってきたため、ストレス耐性や忍耐力が極端に
   低く、会社に入っても「お客様意識」がなかなか抜けません。

   少しでも嫌なことがあったり、怒られたりすると、前述の「個人主義」や「自意識過剰」
   に伴い、「この会社では、自分の能力を十分に発揮できない」と考え、すぐに転職
   決意する傾向にあります。

   「能力を発揮できない」と思うのはまだましな方で、中には「この会社は、自分の能力を
   引き伸ばしてくれない」「この会社は、何も教育してくれない」など、学生時代の受け身
   的な考えも多く見られます。

   コミュニケーション力が低く、従来は花形と言われていた「営業職」を嫌う代わりに、
   自分の得意な分野を追求していく専門職(エンジニアや研究職、プログラマーなど)
   を好む傾向にあるのもこの世代の特徴です。

   対人コミュニケーションに慣れていないため、「挨拶をしない」「報・連・相(報告・
   連絡・相談)をしない」「飲み会やレクリエーションを避ける」「失敗を上司に報告し
   ない(ギリギリになって報告する)」「人の目を見て話さない」「会議で発言しない」 
   などといった、人との付き合いを苦手とする人も少なくありません。

   このように、会社にとってマイナス面ばかりが目立つこの世代ですが、一方では、この
   世代独自の優秀な能力を持っています。

   それは「IT機器の知識および理解度」「ネットワークを使った情報収集能力」「ビジネス
   における知識」「業務の効率化の追求」「言われたことを言われた通りに行う業務遂行
   能力」などです。

    ◎若手(新入社員・20代前半)の特徴・まとめ

  □中堅(先輩社員・20代後半〜30代)の傾向と対策

   会社にとって、若手社員以上に問題を内包しているのが、この「中堅」と呼ばれる世代
   です。

   この世代は、「失われた10年」「平成大不況」と呼ばれる時代に就職を余儀なくさ
   れた、いわば時代の犠牲者。バブルがはじけ、どの企業も事業の維持がやっとで、
   新卒採用および中途採用の枠を極端に制限した時代に就職活動を続けた彼らは、
   「超超就職氷河期」という厳しい時代をくぐりぬけ、やっとの思いで入社しました。

   そんな時代であったため、自分が行きたかった企業でなくても、「とりあえず正社員に
   ならなくては」という思いで社員になった人も多いため、愛社精神に乏しく、チャンス
   さえあれば、転職しようと考えている人も少なくありません。

   また、実力・経験・体力ともに優秀であるにも関わらず、仕事や未来への希望が薄い
   ため、会社が最もモチベーション・マネジメントに力を入れなくてはならない世代と言え
   ます。

   彼らは後述する「ベテラン」と同世代を親に持ち、価値観が大きく変化した時代の
   過渡期に生まれ育っているため、ITに関する知識・社会情勢やシステムの変革・人々
   の思考の変化といった「若手」よりの事象も理解できるし、人と人とのコミュニケー
   ション・現場主義・愛社精神といった「ベテラン」よりの考えも理解しています。

   上司と部下の双方の言い分のどちらにも理解があるが故に、かえって何もできず、
   ストレスを自分の中にため込んでしまう傾向にあります。

   会社はこれまでも、この世代の苦労や立場を十分理解した上で、部下を教育する 
   ための「トレーニング研修」、部下への教育を通じてともに成長していくための
   「コーチング」、精神を病んでしまった人のための、もしくはそれを防止するための
   「メンタルヘルス」など、さまざまな研修や取り組みを実施してきました。

   にもかかわらず、依然として、この世代の転退職率は高いという状況が続いてい
   ます。

   これまで企業はこの世代に対し、過剰ともいえる期待を押しつけてきました。

   経験面でも体力面でも脂の乗り切った彼らに、さらなる飛躍を遂げてほしいという
   気持ちは分かりますが、それがいつしか単なる責任の押し付けになってしまっている
   ことを経営陣はきちんと理解すべきです。

   上司の「若手の考えはわからないから、君に任す」「若手がすぐに辞めてしまうのは、
   君の教育が足りないからではないのか」という教育放棄と、「仕事ができないのは、
   上司が私をうまく使ってくれないからだ」「あの上司は、私の言うことには耳を貸さない
   くせに、上役の言うことにはハイハイ言う」という部下の勝手な指摘に挟まれている
   この世代には、経営陣が親身になって、社員教育や待遇について考えているという
   姿勢を見せることが必要です。

   また、仕事が体力的にも精神的にも過剰になっていないかをきちんと見極め、厳しい
   ようならセーブさせましょう。

   会社にとってなくてはならない世代だからこそ、相応の待遇や環境整備をしなくては
   いけません。

   くれぐれも、「高い給料と役職を与えているんだから、頑張って成果を出せ」と突っ
   ぱねることのないようにしてください。

  □ベテラン(上司・40代以上)の特徴

   最後は、40代以上の「ベテラン」と呼ばれる世代です。この世代には、経営者や役員
   といった「モチベーション・マネジメントを実施する立場の人」も含まれていますが、 
   今回はあくまで「モチベーション・マネジメントを受ける立場の人」として説明をして
   いきます。

   この世代は、「高度経済成長期」や「安定成長期」と呼ばれる、日本全体が未来への
   希望に満ち溢れていた時代に生まれ育ちました。戦後の日本を立て直し、輝かしい
   未来を作るため、この世代は身を粉にして働きました。

   彼らの働きぶりはすさまじく、海外から「エコノミックアニマル」と揶揄されるほどで
   した。

   その結果、日本は見事経済大国として世界に名を轟かせることになりました。

   そのため、性格は粘り強くてエネルギッシュ。

   また、「景気の右肩上がり」「終身雇用」「年功序列」などが当たり前だったため、愛社
   精神や安定志向が顕著であり、同時に競争意識や昇進への意欲が高いという特徴も
   見られます。

   働けば働いただけリターンが来るという時代が作った特徴だと言えるでしょう。

   反面、リストラや異動、M&Aなどを極端に恐れているため、年を経るに従い、勤勉
   ながらも、徐々に無難な仕事に終始する傾向にあります。

   この世代へのモチベーション・マネジメントは、勤労意欲を減少させないような内容・
   量の仕事を割り振ること。

   具体的には、これまでの経験で培った専門知識や人的ネットワークを活かせる管
   理職の他、本人の意向を聞いた上で、現場や営業などの第一線で活躍できるような
   仕事をさせると良いでしょう。

   この世代は、ITに不慣れなことをコンプレックスにしていたり、若手の台頭で居場所が
   なくなることを不安に思っていたりと、さまざまな悩みを抱えています。

   それらを払しょくさせる意味でも、「あなたでなくてはできない」という仕事を上役が
   割り振り、これまで積み重ねてきた経験を活かせるように工夫しましょう。

   また、若手とのコミュニケーションがうまくできないと悩んでいる場合は、若手を経営
   会議に積極的に参加させることで双方の距離を縮め、「教え、教わる」という環境を
   整えることも大きな効果を発揮します。

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