〒422-8067 静岡県静岡市駿河区南町2-26-501
顧客タイプ別クレーム対応 |
■クレーム対応に必要な視点 1.重要性を増すクレーム対応 すでに、顧客満足(CS)の考え方は世間一般に広く浸透しています。 そのため、企業に対する顧客の期待は大きくなり、企業に対する顧客の目は 企業活動をするうえで避けられない「クレーム対応」においても顧客の目は厳 悪い口コミは、好ましい口コミよりも広がりやすいことはすでにご承知のことで 特に近年では、インターネットの普及により、口コミの伝播範囲は広がってお そのため、企業におけるクレーム対応の重要性は日に日に増しているといえ このように、クレーム対応がうまくいかない場合には、 ・マニュアルがクレーム対応の基本に沿って作られているか ・マニュアルに頼りすぎて、画一的な対応になっていないか という点を再確認する必要があります。 クレーム対応の基本は、顧客の視点に立つことです。 そのため、マニュアルの内容も顧客の視点に立ったものでなければなりません。 一般的には、クレーム対応は、次のような流れで行われます。 マニュアルの内容は、この流れを踏まえたうえで、「顧客の視点に立つ」という クレーム発生 ⇒ クレーム内容とその原因の把握 ⇒ クレーム対応策の検討 ○クレーム発生時 ・迅速に対応しているか ・対応者を理由なく変えたり、顧客をたらい回しにしていないか ・クレーム内容を的確に把握するため、顧客の立場で話を聞いているか ・顧客の意向をくみ取った対応策を検討しているか ・混乱や不安を招くようなあいまいな表現や態度はとっていないか ・「対応できること」と「対応できないこと」を区別し、その理由を提示して ・対応者が最後まで責任を持って対応しているか ・データベース化など社内にクレーム情報をフィードバックしているか ・経営層および従業員間でクレーム情報の共有化が図られているか すでにマニュアルが整備されている場合は、上記視点でマニュアルが作成され 次に確認する点としては、「マニュアルに頼りすぎていないか」ということです。 たとえ、マニュアルがよくできていても、「マニュアルだけで対応する」という点 普段の企業活動を考えてみましょう。 顧客に対して営業や接客を行う際、マニュアルだけで対応しているでしょうか。 通常は、マニュアルを踏まえながら、場面や状況に応じた対応を行っているは クレーム対応も、顧客に応じて対応を変える、個客対応が必要なのです。 顧客のタイプや考え方によって、クレーム対応に求められるものは異なるた そこで以下では、個客対応という視点から、顧客のタイプ別にそれぞれ求めら 1.顧客のタイプ 企業にクレームをいう顧客のタイプには、 (1)感情表現型 「感情表現型」とは、喜怒哀楽の感情を前面に出してクレームを言うタイプ 感情表現型には、大声で怒鳴るなど感情を前面に出すタイプや、社長や役 ○タイプの特徴と顧客の欲求 「どうなっているんだ!」「すぐに対応しろ!」などのように、語気が このタイプの顧客は感情的にクレームを言うため、対応する側は緊張、 しかし、対応者が冷静でなければ、クレームを適切に対応することは難 顧客がなぜ感情的になっているのか、ということに気を配れば、緊張し こうした顧客は、 ・自分は不当な扱いを受けた ・不満をぶつけたい、分かって欲しい という気持ちが強いと考えられます。 そのため、対応者はこうした顧客の気持ちをくみ取ったうえで、クレーム このタイプの顧客のクレーム対応に当たっては、まず、冷静に話ができ 感情的になっている相手にマニュアル通りの対応をすれば、かえって不 ただし、相手を落ち着かせようと、はじめから「落ち着いて話し合いま ここで大切なことは、顧客の気持ちを尊重し、相手の気持ちに共感する 「おっしゃることはよく分かります。お客様のお話を詳しく伺いたいので、 さらには、「対応者を替える」「場所を替える」などその場の雰囲気を変 例えば、上司に取り次ぐ、応接室に移動するなど場の雰囲気を変えるこ ただし、何の説明もなく対応者が変わったり場所を移動したりすると、顧 そのため、「責任者である上司と一緒にお話を伺います」「応接室にご案 ○タイプの特徴と顧客の欲求 対応者が謝罪をしても「上司に代わってくれ」「社長じゃないと話になら こうした顧客は、自分を大切な客と認めて欲しい、扱って欲しいと考える こうした場合、実際に上司や社長が出て謝罪するケースがあるかもしれ 確かに、そうすることで、顧客の自尊心は満たされるかもしれません。 しかし、クレーム対応で役職者や、まして社長が頻繁に出て謝罪するの こうした場合には、対応者を明確にして最後まで責任を持って対応する 対応者は「私はこの会社でお客様からのお話を受ける責任者であり、あ たとえ役職がなくても、「責任者」が誠実な対応を行えば、顧客の自尊心 「理論型」とは、一言でいえば「頭のいいタイプ」といえるでしょう。 感情的な言動ではなく、自分の主張を冷静に話し、もし企業側の話につじ 理論型には、理路整然と話をするタイプや、法律などを基に主張するタイプ ①筋道を立てて理路整然と話すタイプ ○タイプの特徴と顧客の欲求 このタイプの顧客は、感情的な表現はせず理論的に話を進めます。 対応者の話につじつまが合わないところがあれば、指摘したうえで理由 場合によっては、「こういう対応をして欲しい」と企業の対応方法まで指 こうした顧客は、 ・自分の話は正しい と考えている傾向が強いと考えられます。 また、 ・(自分の話が正しいから)企業は自分の意見に従うべきだ という気持ちが強いともいえます。 こうした顧客に対応する場合、特に注意すべきことは、 ・顧客と議論をしない ・あやふやな態度を取らない ということです。 顧客と議論したり、ましてや顧客を言い負かすことは、決してクレームの 顧客は「自分の話は正しい」という気持ちで話しているため、対応者が そのため、対応者はお互いの溝をつくらないように対応しなければなり 具体的には、 顧客と「協力して」クレームを解決する方法を見いだす姿勢で対応する 例えば、顧客と意見が食い違ったとしても「私どもではそのようには判断 この場合は、 「お客様のおっしゃることはごもっともです。 と顧客の意見を尊重したうえで、協力して解決する姿勢をみせることが 「協力してクレームを解決する」という姿勢が顧客に伝われば、お互い また、クレーム対応の基本として、「確か○○だと思います」などのあやふ 理路整然と話すタイプの場合には特に注意を払わなければなりません。 せっかく顧客が「協力して解決しよう」という気持ちを持っていても、こう 対応者は「すぐに答えられるもの」と「すぐには答えられないもの」を明確 ○タイプの特徴と顧客の欲求 「○○に違反していますよ」「○○に訴えます」などと法律や制度を挙げて こうした顧客は、 ・(○○によれば)私は正しい ・(○○によれば)企業が間違っているから私の意見に従うべきだ と考える傾向が強いといえます。 理路整然と話すタイプと同じように「顧客の話に反論しない」「あやふや こうしたタイプの顧客は、企業の対応に不備があれば、法律などに訴え 「消極型」とは、企業と積極的にコンタクトを取ろうとせず、クレームをあまり 消極型には、積極的にクレームを言わないものの、明らかに不利益を被っ ①積極的にはクレームを言わないが、場合によってはクレームを言うタイプ ○タイプの特徴と顧客の欲求 このタイプは普段はクレームを言いませんが、明らかに不利益を被った こうした顧客は、 ・本当はクレームを言いたくない(が、やむを得ない) ・できることなら争いごとは避けたい と考える傾向が強いといえます。 本当は言いたくないがやむを得ず言うクレームというのは、その顧客に しかし、このタイプは強く主張することがほとんどないため、企業は対応 たとえ企業がいいかげんに対応を済ませたとしても、顧客は争いごとは しかし、こうした場合、顧客自身の不平や不満は解消されていないた そのため、表面上はクレームが解決されたようにみえても、顧客の気持 そこで、まず、 「顧客に多く話をしてもらう」雰囲気をつくる ことが大切といえます。 顧客があまり話したがらないからといって、対応者が一方的に話すと、 さらに、顧客を誘導したり、誤った解釈で対応すると、たとえ口にしなくて そのため、 などの方法で、顧客の話を聞く姿勢を表し、顧客が話しやすい雰囲気を そのうえで顧客の不満、欲求をくみ取り、丁寧に対応することが必要です。 会社や店に直接クレームを言う人はごく一部です。 その理由にはさまざまあるようですが、クレームは労力を使うという点が、 クレームを言う場合には、会社(店)に自らコンタクトを取る「労力」、会社 こうしたクレームにともなう労力を考えて、「面倒だからある程度は我慢しよ 「こうした顧客は把握できない」などの理由で会社(店)は何も対応をしなく 先に述べたように、このタイプは会社(店)から「黙って離れていく」傾向が そのため、例えば、「ご意見箱」を店頭に設置したり、インターネットを利用 ここまでみてきた顧客のタイプ以外にも、さまざまな顧客がいます。 中には、会社(店)を脅して金品を要求することなどを目的に、明らかに不 そうした悪質なクレームに対しては、場合によっては、警察や専門機関など 1.クレームはチャンスと考える 「クレーム」という言葉を聞くと、どうしてもマイナスのイメージがあります。 確かにクレームは、「突然発生するうえ、迅速な対応を求められる」「顧客が不 しかし、クレームは、企業にとって必ずしもマイナスに作用するものではありま クレームに適切に対応することができれば、顧客の不満を満足に変え、結果と そのため、クレーム対応者は、「クレームはむしろ自社のファンを増やすチャン クレームの対応を嫌がるのではなく、お客様の視点で丁寧に対応しよう」という 前向きな気持ちで対応すれば、嫌々ながら対応をする場合と比べ、その結果 近年、クレームに対する企業の姿勢がより一層問われるようになっています。 また、顧客のニーズが多様化していることと同様にクレームも複雑化しています。 この「クレームが複雑化している」という点からみても、マニュアルだけで対応 従って、マニュアルだけに頼ったクレーム対応ではなく、企業全体で個客対応 そのためには、 が不可欠です。 例えば、クレームが発生した場合、その原因や対応方法などをデータベース また、クレーム対応に関するミーティングを積極的に設け、クレーム情報を社 こうした取り組みを通じて、会社全体のクレーム対応の質を向上させることで、
|
対応エリア | 静岡・愛知県内、東京周辺 |
---|