業務計画書の書き方
 

  ■業務計画の重要性

   毎日の入出金の管理や、手形の決済日の確認、それにともなう運転資金の手当や
   当座残高の確認、生産計画や在庫確認など、会社の運営にかかわる日常の事務
   処理は、思いのほか繁雑で手間がかかります。

   だからこそ、事務処理は資金状況などを把握したうえで効率良く行いたいものです。

   そのためには、 しっかりとした業務計画をたてて、計画を確認しながら順次業務を
   遂行していくのが最善といえます。

   業務計画作成の重要性はまさにここにあります。

   しっかりとした業務計画を立てることは、効率の良い仕事につながります。

   そのうえ、業務計画作成の段階で、今後しなければならない業務をあらかじめ把握
   することもできます。

  □業務計画書へ記入すべきこと

   業務計画書といっても、年度ごとの会社全体の運営方針を決定するいわゆる「事業
   計画」のように、大がかりで長期的な計画書を作成する必要はありません。

   とりあえず、日常の事務処理を行ううえで把握しておきたいのは、業種にもよりますが、
   むこう2〜3カ月の予定なのではないでしょうか。

   しかし、だからといってむこう2〜3カ月のすべての仕事をただ闇雲に計画書に書き
   さえすれば良いというわけではありません。

   経営者が把握しておくべき内容として業務計画書に特に記入しておくべきこととしては、

    ・給与支払の確認

    ・売掛金の回収

    ・借入金の返済

    ・そのほかの支出予定の確認

    ・そのほかの入金予定の確認

    ・棚卸予定

    ・生産予定

    ・商品納品日の確認

   など、資金繰りや会社の基幹業務に関連する項目でしょう。

   業務計画は単なる仕事の予定表ではなく、あくまでも把握しておくべき業務の計画書
   であり、あまり些細な事柄を書きすぎては繁雑になってしまいます。

  業務計画表の作成方法

   最低限必要な項目だけの記入欄を用意した業務計画表フォーマットです。

   資金繰りと納期管理だけが目的の計画表です。

   記入方法は、

    ・「入金」欄には入金予定金額と相手先。

    ・「支出」欄には支出の予定金額と相手先。

    ・手形の決済もこの欄に書く。

    ・「納品」欄には客先に対する商品の納品予定を商品名、客先、数量まで書く。

    ・単価と請求予定金額まで書く欄があればベター。

    ・「搬入」欄には原材料などが納品される予定日を「納品」欄と同様に書き込む。

    ・「事務処理」欄には給与振込の手続きや保険の手続き、請求書の発行日な 
     ど、しなければならないさまざまな事務処理を書き込む。

    ・一番右の「当座予定残高」欄にはその日にあるべきはずの当座預金の残高を 
     書き込む。

   月末の数字が分かっていれば、あとは入金、出金欄の数字を足し引きすれば自動的
   に算出できます。

   当座預金の流れが複雑な場合には、入・出金のプラスマイナスでも構いません。

   さらにサンプルでは、上段に予定、下段に実績を書き込めるようにしてあります。

   サンプルの表は1ページに掲載するためにかなり縮小してありますが、実際には2枚
   に分けたりもっと大きな表を作ったほうが書きやすいでしょう。

   これにより、向こう1カ月の会社のお金の流れ、商品の流れが一目瞭然になったこと
   になります。

   なお、項目記入の順序は、

    ・毎月かならずあるルーチンワーク(定期入金など)

    ・金額の大きな取引

    ・金額の小さな取引

   の順に書き込んで行けば間違いが少なくなるでしょう。

  □計画表を基に経営計画を検討する

   まずは、向こう2〜3カ月程の計画表を作成して見てください。

   それをじっくり眺めていくと、日によって当座残高の多い日、少ない日が見えてくるで
   しょう。

   さらに見ていくと、月によっても当座の残高に余裕がある月とない月があることに気が
   つくでしょう。

   手形の決済期日の都合や入金予定日の関係で、会社の持っている現金残高は常に
   変動してます。

   そこで、これを逆に利用して今後の計画を練っていきます。

   現金に余裕がない月にはできるだけ支払は持ってこないようにし、銀行からの借り入
   れで手形を決済するようなことはできるならばしないで、手形のサイトを延ばしてもら
   ったり、逆に現金がある月は手形のサイトを早める代わりに値引きしてくれるよう交渉
   するなど、向こう数カ月の会社の資金状況を把握しておくだけで、資金繰りにもひと
   工夫加えられるでしょう。

   販売計画生産計画も同様に一覧表に整理してじっくりと眺めて見ることによって、
   パートタイム労働者の効果的な導入時期や、在庫の出やすい季節、商品などの事実
   が見えてくるでしょう。

   例に挙げたのは最も簡単な形の業務計画表に基づいた業務計画の立て方ですが、
   これを応用してさらに長期の資金計画を練ったり、資金繰り以外の分野にこの方法を
   適用したりといったやり方も可能なので、それぞれの事情にあわせてやり方を検討
   してみるのも方法です。

  □営業分野における業務計画のたて方

   営業職においての業務計画の上手なたて方としては、以下のような方法が考えられ
   ます。

   まず、業務計画表を作り

    ・月ごとの営業ターゲット先の整理

    ・月ごとの売上高の整理

    ・営業先の商談進行状況再確認

   などを確認し、それらに基づいた

    ・中期目標

    ・コスト削減などを目的とした予算目標

    ・通常の業務に基づいた定常目標

   といった内容を営業社員別や部課ごとに整理して、それを3カ月に一度程度の割合で
   各社員ごとに

    ・行動計画

   の形で各部署が持ち寄ります。

   それらをすり合わせ、検討することによって

    ・類似の計画や業務の統合

    ・社内の営業戦略の弱点の洗い出し

    ・営業目標の再検討

   などがより分かりやすく整理された形でできるでしょう。

   また、これらの作業によって社内体制の不備などの問題点も浮かび上がることになる
   ので、組織改革の足掛りとしても有効な方法です。

                      メルマガ登録(無料)はこちら

                      お問合せ・ご質問こちら
                      

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
054-270-5009

静岡県静岡市のビジネス・ソリューション㈱です。
静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
企業運営に欠かせない3つの仕組みづくりを支援いたします。
経営者にとって重要課題は会社をつぶさないことです。
しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
少しでも多くの企業が、このような危機に見舞われず、最悪の事態を招く
ことのないよう、私ども専門家集団は事業運営に欠かすことのできない
マーケティング、業務改善、リスクマネジメントについて全力投球で支援
してまいります。

対応エリア
静岡・愛知県内、東京周辺

お気軽に
お問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

054-270-5009

 (コンサルティング部門 直通<柴田>)

新着情報

2024年4月26日
記事:「保険代理店のプレゼンスキルアップ Ⅰ」 更新しました。
2024年4月25日
記事:「メルマガ709号更新しました。
2024年4月25日
記事:「社内体制の強化なしに会社の存続なし」 更新しました。
2024年4月24日
記事:コストダウンの最終目標」更新しました。 
2024年4月23日
記事:保険代理店業の環境整備 Ⅱ」更新しました。
  • 詳細はこちらへ

ビジネス
ソリューション
仕組み構築

住所

〒422-8067
静岡県静岡市駿河区南町
2-26-501