保険代理店の営業はソリューション 


  ソリューション(問題解決)営業

   ソリューションという言葉をよく耳にしますが、意味としては「問題解決」。

   保険代理店に限らず、すべての業界が問題解決業であるということです。

   このソリューション営業について考えてみましょう。

   そのためには、あなたの営業活動の見直しを進めていかなければなりません。

   これまでの営業スタイルはフットワークや気合いを前面に押し出したものが多く、
   営業マンは頻繁に顧客を訪問し、
自社商品の優位性の宣伝に終始することが少
   なくありません。


   例えば、営業マンが話す内容は

     1)商品・サービス導入のメリット 

     2)商品・サービスの機能 

     3)商品・サービスの優位性

   に大別されますが、顧客にとって最も重要なのは1)の商品・サービス導入のメリット
   なのです。


   にもかかわらず、「この保険の特徴は…」など商品・サービスの機能や、「この保険
   は他社に比
べて…」など商品の優位性ばかりに終始した営業を行い、肝心な「サ
   ービス導入による顧客の
メリット」をあまり説明しない営業マンが多いのではない
   でしょうか。

   保険代理店は扱い保険商品(サービス)を熟知しているため、サービスの機能や
   優位性を話しやす
い面は確かにありますが、最も重要な顧客のメリットを強調でき
   ないのは問題といえるでしょう。


   ところが、これまでの顧客は営業マンが提供する、限られた情報の中から商品や
   サービスの
採用を検討することが多々あったのも事実です。

   また、頻繁に訪問してくる営業マンに「親密感」すら感じていたのです。

    そのため、いままでは扱い商品の機能や優位性(とはいっても、以前、どこかの
   CMでもいっていたよ
うに「損保なんてどこだって同じだろ〜」)に終始した営業活動
   でも、新規の顧客を獲得
することができてきたのです。

   しかし、業界を取り巻く経営環境が厳しさを増してくると、顧客は営業マン以上の
   情報を収集し
て知識を高めたうえで商談に望むようになってきました。

   また、コストや性能の面においても厳しい目で選別するようにもなってきています。

    顧客は信頼できる営業マン(保険会社)からの提案を受け、本当にメリットのある
   商品を採用し
たいと強く望むようになりました。

   こうなると、従来のようにサービスの機能や利点ばかりを強調する営業トークでは
   顧客に納得し
てもらうことが難しくなります。

   また、営業活動は個々の営業担当者の「経験」「知識」「勘」に頼る部分が大きい
   のが現状だったが、
複雑化する顧客のニーズに一人の営業マンが応えることは
   困難になってきました。

 
   こうした中、あなたを含めメーカーである保険会社は全社を挙げて顧客のニーズの
   充足に努める
ようにしなければなりません。

   営業活動のコンセプトも、あなたの売り上げを最終目標とする自分本位の営業では
   なく、これま
で以上に顧客の立場を重視しながら、顧客とあなたが共に発展を目
   指す「顧客志向」の営業を展
開することに変化してきています。

   そして、顧客志向の営業スタイルを実現するものとして、近年、大きな注目を集めて
   いるのが
「ソリューション営業」である。

   あなたの売り上げ向上のみを最終目標とする自分本位の営業活動ではなく、徹底
   的な情報収集・
分析を通じて顧客の抱える問題、ビジネス上の課題を把握し、その
   解決策を提案することで顧客と自社(店)の
利益を同時に達成し、他社が介入する
   余地のない長期にわたるパートナーシップを確立する「
顧客本位の営業スタイル」
   への転換が求められているのです。


   ソリューション営業はIT業界を中心に取り組まれてきた営業スタイルですが、現在
   では業界問わ
ず多くの会社がその実践に取り組んでいます。

   これは、多くの会社が「足を使うような従来型の営業活動」に限界を感じ始めている
   からに他な
りません。

  □ソリューション営業で重要な顧客の情報収集と分析

   ソリューション営業の進め方は、従来型の営業活動に比べ、多大な労力が必要と
   なります。

   なぜなら、ソリューション営業は、顧客に関するさまざまな情報を収集・分析した
   うえで課題を発見し、それを解決に導く提案を行わなければならないからです。

  ○ソリューション営業を行うための顧客選別

    すべての顧客にソリューション営業を行うことは難しく、営業の非効率につな
    がる危険性がある。
                                 
   ○対象となる顧客に関する情報の収集・分析のための管理

    ソリューション営業において最も重要なステップ。必要な情報を効率的かつ迅
    速に収集し、分析しなければならない。ここで失敗すると、顧客の課題が把握
    できない。

   ○課題の把握と提案の立案

    情報の収集・分析に基づいて仮説を立て、対象顧客が抱えている課題をイメ
    ージする。

    その仮説を顧客に伝え、実際にそうであるのかを確認し、提案を立案する。

   ○提案内容をプレゼンテーション

    立案した提案内容を顧客にプレゼンテーションする。

    プレゼンテーションでは、情報収集・分析の経緯、他社サービスとの価格差な 
    どを明確に伝える。

   ○フォローアップ(効果の確認)

    提案したサービスの導入当初に想定していた効果が、実際に表れているか
    を確認する。

    効果が上がっていないようであれば、再度、情報の収集・分析から始める。

   上記5点の中で最も重要なのは、対象顧客に関する情報の収集・分析。

   ここで集められた情報から顧客の課題を導き出し、提案内容を決定することになる
   から。

  □情報収集の基本

   顧客に関する情報を収集する際に重要となるのは、

    → 何故、顧客情報を集めるのか?

    → 情報を集めてどうするのか?

   その意味が正しく理解されないと、情報収集は長続きできない。あなたにとって大事
   なのは「契約管理」ではなく「顧客管理」

   顧客の「契約内容の把握、管理」だけではお客さんのすべてを把握、管理している
   ことにならない。

   これから益々、一人のお客さんの全体に対して、一代理店の時代となります。

   よって、顧客情報の収集と管理を考える上でもっとも大事なことは、

    → 何のために情報を収集、管理するのか(収集の目的)

    → どんな情報を収集するのか(収集の対象)

   顧客情報の収集は、お客さんを丸ごと抱え管理していくこと、他の代理店にお客様
   を奪われないよう保全すること又、更にお客さんとのより良いリレーションシップ
   (信頼関係)を維持・発展させていくためです。

   次にお客さんの「管理」「囲い込み」「保全」「信頼関件の発展」における具体的な
   行動としては、具体的には以下の2点の実行である。

   「顧客管理」とはお客さんに対する

    ①クロスセル(多種目販売)の実行

    ②アップセル(1件の単価アップ)の実行

    ③リレーションマーケティングの実行

    情報の収集は上記2点の行動と切り離さずに同時併行で行うこと、収集した顧客
   情報を活用しやすい形で蓄積していくこと、更に常に最新状態になるようにメンテ
   ナンスしていく必要があります。

  □情報収集

   全てのお客様と同じように接点をもつことは殆ど不可能です。

   重要な点は、どのようなお客様には時間をかける価値があるか、すなわちどのよう
   なお客様が代理店経営上、優先順位が高いかを見極めて、自分なりにお客様の
   分類ができるようにしておくこと。

   例えば、お客様分類指標の一例として、

    ・既契約の収保規模により上位○○社(人)

    ・同業者組合や地域の組織などで役員をしているお客様

    ・取引先の多いお客様

    ・あなたの得意な業種(建設業など)の企業等

   分類付けの指標は、個々の代理店の営業戦略によっても当然に異なってくる。

   接点を多く持つには、保険の契約に直接関係すること以外にも、

    ・代理店ニュースを定期的に発行・送付

    ・法人顧客で業種を絞って有用な情報を提供

    ・個人顧客を子供の有無・年齢等で分類し、その層に有用な情報を提供

   これらの刺激を与えることによって、必要な情報をひきだすことができるだけでなく、
   あなたの存在・価値をアピールすることもできるのです。

   一人のお客様と接点をもてる時間は限られている。その時間は最大限有効に活用
   しなければならない。

   そのためには、事前に自分の得たい情報をあげ、それに優先順位をつけて準備
   しておくことと、それを引き出すための話法を組み立て、情報引き出しのツールを
   整えておく必要があります。

  □情報収集時のヒアリングシートの例

   情報を収集する方法として「聞く」があります。

   聞き手となる営業担当者にそれなりのテクニックが求められる。 

   ○顧客が受け入れやすい話題から始める

    顧客と会った瞬間に商談の話をすることもあるが、これは、その顧客とある程度
    の面識がある場合に限られます。

    新規の見込み客を訪問し、開口一番に「いい商品ですから、ぜひとも購入して
    ください」などといったら、顧客が警戒心を強める。

    そこで、まずは顧客にとってよいニュース、あるいは当たりさわりのない話題から
    はじめ、全体の空気を和ませることから始めましょう。

   ○自分ばかりが話し過ぎない

    あなたは商品やサービスを熟知しているので、ついついサービスの機能や利点
    ばかりを宣伝しがちになってしまう。

    気が付くと、1時間の商談で営業担当者が45分以上話してしまっていることもある。

    (あなたの話す時間は長くても15分)

    目的はあくまでも情報収集ですから、できるだけ質問することを心掛け、顧客が
    話す時間を長くします。

    ただし、あれもこれも聞きすぎると、顧客が疲れてしまい、話す気を無くしてしまう

    ことがあるので注意してください。

    このような場合は、話のところどころで顧客が興味を持つ情報を提供し、「情報
    のギブアンドテイクの関係」を築くと話が進めやすいでしょう。

   ○あらかじめ質問内容を準備しておく

    「聞く」情報収集は、顧客に質問し、それに対する回答から必要な情報を導き出す
    もの。

    よって、最低でも訪問前に質問したい事項をまとめておく必要がある。

    ただし、用意した質問をすべてしなければならないと考え、顧客の話の腰を折
    って質問を投げ掛けるのは問題です。

    あくまでも、話の流れを止めないように臨機応変に対応します。

    また、話しているうちに、事前に準備していた質問が的外れとなってしまうことが
    あります。

    こうした場合は、準備していた質問にとらわれることなく、新たに浮かんでくる疑問
    について、素直に質問してみるといいでしょう。

   ○相づちは打つが、メモは取り過ぎない

    顧客との1時間の商談の中で、すべての会話が最重要であることは、ほとんど
    ありません。

    本当に重要な情報は会話の中のごく一部であるのが通常です。

    そして大切なのは、重要な情報を聞き出すことだから、適度に相づちをうち、適
    度に笑う。

    また、必要に応じてメモを取り、真剣に話を聞いている姿勢を顧客に示します。

    ただし、あまりに真剣にメモを取り過ぎるのは問題となることがある。

    メモは紙の残るものであるため、顧客が警戒して話しを止めてしまうことがある
    からです。

    メモを取るべきなのは、顧客が話した本当に重要な情報の部分だけで十分。

   ○フィードバックを行う

    会話が一段落ついたところで、「今のお話は○○ということですね?」といったよう
    なフィードバックを行うとよいでしょう。

    フィードバックの効果は大きく2つあります。

    1つは、顧客が「自分の話を聞いてくれているんだな」と気分をよくすること。

    2つ目は、営業担当者がフィードバックした内容について、顧客が補足説明を
    して
    くれることがあるということ。

    補足説明を受けられれば、より幅広い情報を収集することができます。

    営業担当者の中には、わざと間違えたフィードバックを行い、顧客の補足説明
    を導き出すテクニックを使う人もいる。

    ただしこれは、一歩間違えると「理解の遅い営業担当者だ」と顧客に嫌われて
    しまう危険性もあり、使う相手と場面を確実に見極めることが重要です。

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