ブランドづくりの条件と留意点

   
  ■ブランドづくり

   21世紀は、ブランドづくりの時代である。

   「モノ」中心の時代は終わり、「よいモノをつくれば売れる」という時代は、もはや過ぎ
   去ったのです。

   成熟社会の今日、世の中にはモノがあふれています。

   モノづくりのレベルはあがり、品質のよい商品を提供できる企業はたくさんある。

   単に品質がよいだけでは、消費者は「買いたい気持ち」にはならないのです。

   日本の優秀なモノづくり大企業のいくつかが苦境に陥っているのも、ここに要因が
   あるのかもしれません。

   「モノづくり」で勝っても「ブランドづくり」で負けては売れません。

   人を動かす大きな力は、「モノ」から「ブランド」へとシフトしています。

   消費者に選ばれるためには、モノづくり志向からブランドづくり志向へと発想を転換
   し、モノ(品質)を超えた「こと(コト)」を創造することが不可欠になっている。

   品質を超えた「何か」がコトであり、それが「ブランド」なのです。

   しかし、中小企業の経営者からは、

    「ブランドの重要性はわかるが、うちには予算の余裕もないし、そこまで手が
    かけられない」「規模が小さく、人もいないため、ブランドをつくれない」「歴史
    も伝統もないし、ブランドづくりは困難だ」

   と言った言葉が聞こえてきます。

   ブランドは大企業だけのものだろうか?歴史ある企業だけのものだろうか?

   規模が小さい、広告宣伝費もない、歴史もない、そんな中小企業でも、ブランドづく
   りは可能だ。

   それでは、強いブランドは、どうすれば生み出すことができるのでしょうか?

   どうすれば、自社商品のブランドカを強くすることができるのでしょうか?

  □強いブランドの条件

   強いブランドにはどのような条件がそなわっているのだろうか?

   条件1 コンセプトが明確であり、イメージが明快である。

    「コンセプトが明確に設定されている」、「そのブランドのイメージが明快である」

   条件2 感性に訴求する
    「感性に訴える商品である」、「センスがある商品である」

   条件3 情報発生力がある

    「新聞、雑誌、テレビなどのメディアに取り上げられることがある」「インターネ
    ットで商品名を検索すると、上位に表示される」

   条件4 口コミ発生力がある

    「口コミが発生しやすい」、「口コミ客が多い商品である」

   上記の条件はブランドづくりに、いかに重要かを理解してください。

   そして、強いブランドをつくるためには、以下の2点が必要です。

    ①どのようなブランドになりたいのか、ブランドの理想の姿、すなわち
     「ブランド・アイデンティティ」を明確にする

    ②売り手のセンスやデザインカなどで、顧客の「感性」や「情緒」に訴求する
     中小企業のブランドづくりの取り組みの多くが、明確な戦略なしに「ブランド」
     という
言葉だけが先行しているケースが多い。

   「こういうブランドをつくろう!」と、ブランドの理想の姿を明確に描かなければブ
   ランドづくりは始まりません。

   また、単に機能や品質が優れている(特徴)だけでは、強いブランドにはならない
   ということです。

  □ブランドづくりに欠かせない留意点

   ブランドづくりは簡単ではありません。

   以下の点の一つでも当てはまれば、ブランドづくりはうまくいかない。

   ブランドづくりに成功するためには、すべての項目において、この逆をいくことです。

    (1)品質管理がしっかりしていない

      ブランドは手段であって、目的ではない。

      にもかかわらず、ブランドづくりに目を奪われ、肝心の品質をおろそかに
      してしまうと、ブランドづくりは失敗します。

      品質は、ブランドづくりの「土台」です。

      品質に問題のある商品を販売すれば、商品に対する信頼は一瞬のうちに
      消え去り、ブランドカは地に落ちてしまう。

      手段と目的を取り違えてはいけない。

    (2)戦略がない

      強いブランドは、成り行きまかせではできません。

      「どのようなブランドをつくるのか」という明確な方向性なしに「ブランド」と
      いう言葉を先行させても、ブランドづくりはうまくいきません。

      ブランドづくりには「羅針盤」が不可欠だ。

    (3)共感性の欠如

      消費者が有するイメージ、期待、信頼にそむく商品は、強いブランドには
      なりえません。

    (4)コミュニケーションに一貫性がない

      場当たり的なコミュニケーションをいくら繰り返しても強いブランドはできま
      せん。

      統一性、一貫性がなければ、消費者の心に明快なイメージをつくることは
      できない。

    (5)無関係なブランド拡張

      ブランドをむやみに広げると、ブランド価値は希薄化されてしまう。

    (6)なんでも屋になる

      「いろいろあります」「たくさんあります」「何でもあります」ではブランドはで
      きない。

      強いブランドは焦点が絞られています。

    (7)消費者の声を聴かない

      一方的に消費者に語りかけるだけでは、強いブランドはできない。

      消費者との情報のキャッチボールがないと、独りよがりのブランドになっ
      てしまう。

    (8)値引き競争をする

      価格の安さを売りにする商品は、強いブランドにはならない。

      価格競争に巻き込まれる商品はブランドではない。

    (9)感性に訴えない

      機能やコストだけによる勝負では、ブランドづくりはできない。
      強いブランドは顧客の感性にも訴える。

   (10)動きがない
      チャレンジせず、現状維持でよしとすると、ブランドカは弱体化していく。

  □ブランドは、積み重ね

   ブランドは、消費者の心の中にある。

   ブランドは「累積」の概念であり、一朝一夕にはいきません。

   ブランドは、「売り手」の前向きなチャレンジの継続と、「買い手」の経験の積み
   重ねによって生まれます。

   ブランドは、消費者がみたこと、聞いたこと、感じたこと、体験したことのかけ算。

   どんなに強力なブランドでも、磨かなければ、徐々に陳腐化していく。

   たとえば、「コカ・コーラ」は世界的なブランドの評価機関インターブランドの評価
   でも、ブランド価値は世界トップレベルです。

   にもかかわらず、なぜ今も、あれだけのテレビCM、店頭プロモーション、PR活動を
   続けているのでしょう?

   いくら強いブランドでも、マーケティング努力がなければ忘れられてしまうおそれが
   あるということです。

   強いブランドは、常に進化をし、いつでも新鮮である。

   たしかに、コカ・コーラも、マクドナルドも、ディズニーも、ロングセラーブランド
   でありながら、まったく古さを感じさせない。

   ブランドにとって、陳腐化は最大のリスクなのです。

   現状維持を続けていると、次第にブランドカは弱くなる。

   ブランドづくりは、進化であり、チャレンジ。

   ブランドに完成形はありません。

   強いブランドは、育てるものです。

   タネをまき、毎日水をやり、大切に育てなければ、強いブランドは生まれない
   し、維持できないのです。

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