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労務リスクと労務管理 |
この矛盾と付き合っていくためには各種規定の周知徹底と運用がベースとなります。 企業リスクの80%以上が人に関わるものです。 会社の規模に関わらず、一人でも従業員がいる限り労務問題は存在します。 労務リスクが顕在化した場合、それが企業経営に与える影響は甚大なものとなります。 しかし、いざ労務管理に取り組もうとしても、なかなか組織に定着していかないのが実情 人が人を管理する労務管理では、管理者や部下の性格や就業意識などといった属人的 企業の労務管理方針とは異なるイレギュラーな運用が こうした残業命令を労働契約に関する権利意識が また、そうした残業命令が繰り返されることで部下の このように、属人的な要素の影響を受ける点が労務管理の根本的な問題です。
様々な会社規程は、制定当初は自社の企業防衛や円滑な業務遂行などの目的のため しかし、それらは時に法令順守を体裁的に取り繕った、場あたり的な規定の可能性も なぜなら、現実的には建前と本音がイコールになるケースは極めて稀であることから、 従って、どのような規定であれ、制定する際には、そのギャップをどこまで理解して 規定を絶対的なものとして『完璧』にリスクコントロールすることは、不可能な分野なの 労務リスク対策には規程の整備を含め、業務改善による正しい業務のあり方、そ 業務改善のための強化策(コンサル・セミナー・研修・講演)のご案内 労務リスクを洗い出す過程の作業の一つに、就業規則の分析が挙げられます。 就業規則も書籍や他社の規定を会社名だけ書き換えコピーしたものから、オーダー ご承知のとおり、どのような規定でも運用次第では逆に自社の首を絞めることになりかね 過去には、大手消費者金融会社が2年分の未払残業代を数十億円かけて清算した このバランスが非常に難しく、まさに従業員の教育の基本であり、企業利益に直結する 多くの会社がこの分野をおろそかにしています。 この労力を最優先課題のひとつと考え、真剣に取り組むかどうかが企業繁栄の分岐点 中小企業における実際の労務管理は、人間関係の延長線上でしかなく、どちらかと もちろん、経営者・リーダーが持っている「感覚」はとても大事であり、多くの問題が、 ところが、最近は従業員側に「コンプライアンス、雇用契約」といった意識が強くなり、 例えば、かつては従業員のためによかれと思って臨時に行っていた昇給に対して、 1.給料(賃金)の支払い 当たり前のことのようですが、実は意外とできていない会社が多くあります。 給料の額そのものには特に決まりはありません(最低賃金の決まりはありますが)。 ところが、給料の払い方、計算方法は法律できちんと決まっているのです。 この決まりを「労働基準法 賃金支払い5原則」といい、次のものをいいます。 ①通貨払いの原則(円建てで) ②直接払いの原則(本人以外への支払いは認められない。例外:妻・子等) ③全額払いの原則(残業代の不払いは違反) ④毎月1回以上払いの原則(日払い、過払いは該当しない) ⑤一定期日払いの原則(例外:臨時支払の賃金、賞与その他これに準ずるもの) 作業事故の防止に限らず、長時間労働、特定個人に過重な負荷がかかるような 一度従業員を雇うと、簡単に辞めてもらうことはできません。 最低でも、従業員が納待できるような理由がなければ解雇できないと考えてください。 労働基準法では、「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」の3種類の書類を作成し、 このほかにも、入社時に渡す「労働条件通知書」、退職時に従業員から請求があっ 公的保険に関しては、福利厚生の一環で「入ってやっている」感覚の経営者がたま 最近は従業員が退職後に雇用保険加入を請求したり、毎年本人に送付される さらに、社会保険料の強制徴収に関しては国税庁が行うなど、今まで通りというわけ 労務管理を取り巻く法令は非常に多く数十種類存在します。 会社はそれら法令の網にがんじがらめにされており、賢い労働者は会社を訴えようと 訴訟にならない会社と言うのは必ずしも労務管理が適正なのではなく、単に運が良い 本来圧倒的なカリスマ経営者が存在すれば規定などいらないのですが、人事異動を 当然のことながら法令の改正や同業他社・世間一般の情勢にも連動し、随時メンテナンス 特に現代の就業形態は、正社員、パート社員、期間契約社員、嘱託社員、派遣社員、 当然のことながら、悪意的な基準など排除しなければなりません。 中小企業が労務管理に取り組む際は、属人的な要素から生じるイレギュラーな運用を そのために必要となる取り組みが「規程類の整備」「適切な運用」「保険の活用」の 労務管理を推進する際に車の両輪となるのは「規程類の整備」と「適切な運用」です。 企業が定める労務管理のルールを就業規則などの規程類として(1)文書化するとともに、 こうすることで、文書化された明確なルールに基づいて適切に労務管理が行われ、労働災 中堅・中小企業が労務管理に取り組む際の第一歩といえるのが、就業規則など 中小企業では就業規則などが整備されておらず、事案が発生するたびに個別に対 規程類は企業の労務管理のルールを示す客観的な文書であり、何らかの労使 作成した規程類は必ず全従業員に周知徹底し、企業内の見やすい場所に掲示 周知徹底することでルール順守に対する従業員の意識が高まります。 また、労働契約法では、「合理的な内容が定められている就業規則を従業員に 労働契約とは、就業規則と本人への辞令のことで、会社と従業員との合意に基 労働条件をめぐるトラブルが発生した場合、企業は自ら主導して作成した就業規則 規程類は、労働法の法令改正に合わせて適時、変更しなければなりません。 労働法は頻繁に改正されるので、定期的に厚生労働省や都道府県労働局のWeb 1.管理者の意識改革 属人的な要素の影響を排除し、規程類に定めたルール通りに労務管理が行われ 管理者が中心となって、現場の業務管理を適切に進めます。 業務管理の意味は広範ですが、労務リスクの原因となりやすい「労働時間管理」 労働時間管理と業務配分管理ができていないと長時間労働や業務量の過多につ 長時間労働で従業員がイライラして言動が乱暴になり、パワーハラスメントにつな 企業は安全配慮義務を負っており、それを履行しなければなりません。 安全配慮義務とは、企業の指揮命令下で従業員が労働する過程において、従業 企業が安全配慮義務を履行するための具体的な取り組みの一部は、前述の業務 定期健康診断は福利厚生の一環として行われるものではありません。 従業員は労働契約に基づいて労務を提供するよう自らの健康状態を良好に保つ この互いの義務を履行するための手段の1つが定期健康診断であり、「労働安全 そのため、企業は必ず定期健康診断を行い、従業員の健康管理をしなければな 「規程類の整備」と「適切な運用」管理を行っていても発生してしまうのが労働災害 労働災害はちょっとした気の緩みなどから発生するもので、完全になくすことは不可能 万一の備えとして労災保険などの法定・法定外の労災保険などに加入することが重要 近年、過労死やパワーハラスメントに関する事案が労働災害として認定されるなど、 労災事故と企業責任について万一不幸にして、労災事故が発生すると、次のよう 労働災害が発生すると、労働安全衛生法違反がなかったかについて、労働基 その場合労働安全衛生法違反の他、刑法211条の業務上過失致死傷の罪に 業務上過失致死傷は、「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者 重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。」としています。 ①労働安全衛生法の罰則規程の適用 ②業務上過失傷害などの刑事責任 労災事故が発生した場合、事業主は、過失の有無にかかわらず労基法により しかし、労災保険に加入している場合には、事業主にその事故について労災 しかし、仮に事業主が故意または重大な過失より、労災保険に加入していな また、労働基準法上の補償責任とは別に、労災について安全配慮義務違反な なお、労基法に基づく補償が行われたときは、その価額部分は民法による損 ①労働基準法等 災害補償責任 ②民法 損害賠償責任 労働安全衛生法に基づき、作業停止命令や設備等の使用停止命令などの また、例えば建設業の場合は一定期間の指名入札禁止などの処分が行わ 刑事事件に相当しない程度の事故災害でも、労基署から「厳重注意」「是正勧 重大な労災事故が発生した場合や、たびたび労災事故を発生させた場合、公 また、マスコミ等の追求も厳しいものがあり企業の社会的信用も失墜してしま 労働安全衛生法の第3条では使用者の責務として、「事業者は、単にこの法律で また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するように また、労働者は、その事業場で労働安全衛生法等の違反があるときは、労働基準 さらに、平成20年3月に施行された労働契約法の第5 条で、「使用者の労働者 労働者は労働災害を被った場合、被災者あるいはその遺族が、労災保険に補償 しかし、補償給付額は必ずしも被災者側の満足する額まで届かない場合が多く、 そこで会社に対して損害賠償という形で請求することが多くなってきました。 使用者に損害賠償を請求するには、従来のケースでは、被災者側は使用者の不法 しかし、現在では、判例上確立しさらに明文化された「安全配慮義務」という根拠 また、新聞報道によれば、政府内部でこの労働福祉事業の撤廃も検討されている ようなので、それが現実になるとすると損害賠償請求の流れは一層強まり、請求 さらに、民事上の損害賠償請求にかかる時効は不法行為に基づくものの場合、 労災事故が起こった場合の損害賠償請求は近年巨額になっていく傾向にあります。 そのためにも、 ①労働安全衛生法の遵守 ②労務管理マニュアルの整備・作成・安全管理教育の徹底 は、事業主にとっての必須事項です。 加えて使用者賠償責任保険等の労災上乗せ保険の活用なども考えるべきかと オーナー社長にとって会社は我が子同然。 会社と社員を守るのが社長の役割であり責任です。
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静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
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