損害保険代理店の事業化に向けた合併

   
  ■事業化のための合併

   代理店業にとって、今後ますますチーム体制の構築が急務となってきます。
   今までの一匹狼で、川上から川下の仕事を一人でこなす代理店業は通用しない
   環境であること
はあなた自身ご存知のはずです。

   顧客の大切な財産(保険)を預かる立場を認識しなければなりません。業務の
   煩雑化・複雑化が
進む中、複数の人がチームとして管理・サービス・営業を分担
   していく体制でなければ、代理
店として「安心・安全を売る」とは言いがたいの
   ではないでしょうか。


   営業においても、今までのセールス(保険に加入してくれそうなお客様を探す
   活動)からマーケ
ティング(見込み客開拓から新規顧客にしていく「育てる営業」
   )営業に変えていかなければ
なりません。

   これを一人でやっていくことは不可能です。

   最近、合併が活発化していますが、多くが手数料率の維持・手数料アップを目的
   にしたものです。


   合併とは名ばかりで、やっていることは個人代理店の時と同じで、単なる共同
   事務所と化して
いるといっていいでしょう。

   これでは合併効果など期待できず、逆にデメリット効果の方が大となりかねま
   せん。


  □今なぜ合併か?
 
  ●合併のメリット
    ○個人商店では立ち行かなくなるため
    ○スケールメリットにより、顧客サービスの充実が図れるため
    ○事業化推進のため
    ○フロントオフィスとバックオフィスを明確にし、顧客対応力を強化するため
    ○業務分担により、業務の仕組みが構築できる

   ●合併のデメリット
    ○複数体制により、顧客対応力に格差が生じる
    ○顧客ごとの担当分けが今までのままではサービスの低下につながる
    ○組織体制を明確にしなければ、共同経営的寄り合い所帯化しかねない
    ○挙績規模拡大目的の合併は決して成功しない
    ○マネジメント能力が無ければ合併効果は薄い

 
  損保代理店合併の成否は単なる基準を満たすためだけの合併に終わらせない
   ことです。

   合併の目的は組織化により顧客サービスの充実を図ることです。

   損保代理店が家業から事業に改革していくには合併は緊急課題であり、我流に
   よる合併は大きなリスクとなることから、正しい合併プロセスについてサポート
   します。
   
  ■合併につ
いて

   合併を検討する際には、経営に対して自身と同じ価値観を持つ相手を選ぶことが
   大切です。

    また、合併前のミーティングでは、合併を通じてどのようなメリットを期待するの
   か、そのメリットを得る
上での留意点に対してどのような対策を講じるのか、と
   いったことを十分に議論して、相互の総意をもとに気運を高めてい
くことが大事
   です。


   合併の成功には、「経営安定性」、「効率性向上」、「サービスレベルの向上」に
   関するさまざ
まな効果が期待できます。

   大切なことは、「自分の顧客」から「自社(店)の顧客」へと意識を変えるように
   お互いが努力する
ことです。

   また、各人が新設代理店(会社)における役割に徹すること、営業戦略を策定し、
   実行することが大事です。


  □顧客が代理店へ求めているもの
   今更と思うでしょうが、お客様があなたに求めていることをもう一度確認して
   みましょう。

    ・事故時の適切なアドバイス
    ・保険内容の詳しい説明
    ・リスクにあった保険の提案
    ・賠償問題についての相談
    ・新しい保険情報の提供
    ・会社破綻時の契約保証(生保)
    ・自分、家族に必要な保障
    ・年金、介護、医療に関する情報
    ・保険金請求手続き
    ・商品比較(既契約の分析)
    ・保険料の節約方法       

   あなたの代理店経営において、上記のことが確実に履行されているでしょうか?

   もし履行していない場合、お客様はあなたにどんな不満を持つのでしょう?

  □代理店に対する不満
   ・詳しい説明がない
   ・情報に乏しい
   ・「企画力」「情報力」「提案力」の欠如で
   ・真のコミュニケーションが感じられない。
   ・対応が悪く、やる気が感じられない
   ・こちらの不満足を知らなさ過ぎる
   ・質問や依頼に対する回答がない
   ・満期以外に連絡がない
   ・保険以外に話題や情報がない
   ・経営状況や業務を知らない
   ・事故の対応が悪い


   顧客が求めていること、顧客が不満に感じていることに応えていくためには、
   チームをつくる
ことです。

   個人商店から組織(チーム)に移行(合併)することには大変な労力が必要となり
   ます。

   個人代理店の多くに見られる「オレが、オレが」がであっては合併はうまくい
   きません。

   合併前に以下の詳細な運営ルールをつくることが求められます。
 
   ・合併の目的の明確化
    ・強み・弱みの分析
    ・保有契約の分析
    ・給与規定、就業規則の策定
    ・合併のメリット・デメリットを確認
    ・役割(業務)分担の明確化
    ・利益配分、経費分担の検討
    ・タイムスケジュールの策定
    ・経営理念、計画の策定
    ・システム整備
    ・顧客への案内
    ・オリジナル情報紙(代理店ニュース、有益情報)
    ・フロントオフィス、バックオフィスの明確化

   これらの不満をもたれる主な原因は代理店側の体制にあります。

   個人商店で業務すべてをこなしていることにあるのです。

   保険業界を取り巻く環境の変化は、今までのような代理店のやり方・考えを否定
   する状況にあります。

   合併前の準備の確立が合併の成否を分けます。

   合併してからといった事後対応は絶対避けるべきです。

   計画を立て十分な準備期間をおくことをお勧めします。

   まさしく、顧客主導の時代なのです。

   言い換えるならばCS(顧客満足)です。

    今までの売る側の視点に立った顧客満足の発想からお客様視点に立った顧客
   満足を実践していくことです。

   顧客満足度を高めていくには仕組みと適正な人数(スタッフ)の存在が欠か
   せません。


   個人商店的経営では業務の全てをこなし、上記の不満足を解消することは不可
   能なのです。

   合併の最優先目的は顧客満足の向上にあります。

   その好結果が継続した増収となります。

    そのためにも、顧客満足の実現には「顧客対応力強化」のための      
    ・営業社員の強化、育成

    ・内務スタッフの活用、強化

    ・タイムリーな情報提供

    ・業務の標準(マニュアル)化

   が、重要となります。

  □代理店合併の目的
   1.顧客対応力の向上(高品質のサービスを安定的に提供できる)
   2.複数営業体制の実現、後継者の確保
   3.経営の効率化、高度化が図れる
   4.スケールメリット

  □代理店合併のメリット
   (1)
 顧客対応
     ① 営業社員、内務スタッフが複数体制となることにより、担当者が不在
       でも的確な対応が図れるなど、充実した顧客対応が可能となる。

     ② 営業社員同士の幅広い情報交換が可能となることで、顧客に対して
       も高度な情報提供、企画・提案が可能となる。

     ③ 営業社員が取組事例を相互交換することで、不得意分野を補完する
       ことができ、個々のレベルアップが可能となる。

   (2) 業務フロー
     ① 個々の業務分担を明確化し、重複業務を削減することで効率的な代
       理店経営が可能となる。

     ② 情報の共有化を図ることで、担当者が不在でも的確な対応が可能と
       なる。

   (3) 経費・収入
     ① 人件費、事務所賃料など、ランニングコストの削減が可能となる。

     ② 営業活動地区を担当別に設定することで、同一地区での営業活動の
       重複が回避でき、時間と経費の削減が可能となる。

     ③ 内務処理を統一することで、時間と経費の削減が可能となる。

   (4) 人員体制
     ① 営業社員、内務スタッフが複数体制となることにより、次期世代の者
       (後継者)への育成が可能となる。

     ② 従業員が複数体制となることで、事業の継続性が確保できる。

     ③ 営業社員が複数体制となることで、幅広い世代の顧客層へ対応が可
       能となる。

   (5) スケールメリット
     ① 合併することにより、挙績規模の手数料メリットが享受できる。

     ② 高レベルの業務力を目指すことで、更なる手数料メリットが享受でき
       る。

     ③ 代理店経営の基盤が確保されることで、最終的には、増収へつなが
       る。

  □代理店合併の留意点
   (1) 顧客対応
     ① 営業社員が複数体制となることにより、個々に力の差が生じ、顧客
       サービス・対応に格差が生じる可能性がある。

     ② 従業員が複数となることより、責任の所在が不明確となることがる。

     ③ 地区ごと、顧客ごとに担当分けすることが上手くいかない場合、余計
       な管理が生じ、顧客サービス、対応の低下へとつながる恐れがある。

   (2) 業務フロー
     ①
既存顧客の引継ぎが上手くいかなければ効率化は進まず、担当者交
       代に伴う手間と時間とロスが生じてしまうリスクがある。

     ② スムーズなバックアップ体制がなければ、組織としての信頼を逆に損
       なう恐れががある。

     ③ 特定の人しか処理できない業務プロセスを作ると、事故発生時等に
       そこがボトルネックとなり、業務の停滞を招く恐れがある。

   (3) 経費・収入
     ① 新規開拓力の差や、代理店経営に対する貢献度の格差が直接収入
       へ結びついていないことへの不満が生じる。

     ② 急激な規模拡大は収益性や財務安定性に悪影響を及ぼすこともあ
       る。
       (多額の投資や人員増に関する意思決定は慎重に行う。)


   (4) スケールメリット
     ① 挙績規模が拡大することにより、手数料メリットが期待される反面、従
       業員の力・質の格差によりデメリットが生じることがある。
 

     ② 合併前の個人の勘・経験に頼ったやり方を続けることは組織化を図る
       上で、大きな足かせとなる。

      
 し待ったなしの保険業界の激変 

  あなたが保険を事業として位置づけていくつもりならば、今すぐ行動に移さなければ
  ならないことがあります。 

  それは、合併・事業(法人)化です。

  家業から事業に改革していくには我流は厳禁である。

  今までのマンパワーから合併・事業化による仕組みをつくることで、チーム力が活き、
  組織化が確立されます。

  このテーマを実践していくには、今まであなたがやってきた仕事のスタイルを変えなくては
  なりません。

  これは自身で法人化しようと、合併であっても同じである。

                  「事業化対策のための合併手順書」について

  ここでは合併・事業(法人)化に伴うポイント、法人化を実践していくための各種手順
  書について紹介します  

 従業員の採用(雇用)計画 

  組織体制の整備をしていく上で、欠かすことのできない「人材」の採用は代理店事業
  の継続的発展に大きく左右します。

  業界における環境は今後ますます厳しくなることは確かであり、損保代理店の中で
  も専業代理店に残された道は1つしかありません。

  事業化のための組織体制の構築です。

  組織(チーム)として保険代理店事業を運営していくこと以外にありません。

  そのためにも、チームづくりに欠かせない「ジンザイ」採用には計画的にステップを
  踏んで実施してい
かなければ、結果的に「こんなはずでは」といったことになりかね
  ません。


 <雇用形態>

  雇用元(その企業との雇用関係の有無)、契約期間(期間の定めの有無)、労働
  時間
(フルタイム・パートタイム)別に分類されます。

  正社員
  人材確保の観点で安定性が高い一方、業績が悪い時などやむを得ない状況の
  際に
解雇がしづらいなどのデメリットがあります。

  委任型使用人
  正社員に比べて人件費負担を軽減できるメリットがありますが、営業ノウハウを
  自店で蓄積しにくいなどのデメリットがあります。

 <採用に関する留意点>

  採用において最も重要なことは、求める人材像を明確にしておくことです。

  それは、経営理念や経営方針などに描かれた代理店の将来の姿に則したものでな
  ければなりません。

  正社員として採用するだけでなく、職務によっては委任型使用人や派遣社員を
  活用
するなど雇用形態をいろいろ変えることで人件費負担を軽減できます。

  採用後にその人材を活かすために、職場環境や教育体制をきちんと整備しておく
  ことが必要です。

 <人材確保のルート・方法 >

  人材確保には色々な方法がありますが、大切なのは限られた予算の中で職種や雇
  用形態等にできるだけ合った方法を採用することです。

  代理店の場合、(1)知人や同業者、客先による紹介や(2)吸収合併、(3) その他
  の方法としては、折込チラシや求人誌、ハローワークなどの方法があります。

  「こんなはずじゃなかった」ということにならないように、事前に明確な労働条件
  (給与、
労働契約の期間、就業の場所、業務内容、始業・終業時刻、所定労働
  時間を超える
労働の有無、休日・休暇など)を提示することが大切です。

 <パートから正社員、正社員から嘱託社員といった雇用形態の変更>   
  雇用形態の一般的な変更は、採用リスクの軽減を目的としたアルバイト・パート
  か
ら正社員への変更、戦力強化を目的とした嘱託社員や委任型使用人から正
  社員へ
の変更、そして人件費負担の軽減を目的とした正社員から嘱託社員や
  委任型使用
人への変更があります。

  雇用形態の変更に伴う手続きは、労働者との雇用関係の有無によって大きく変わ
  りま
す。

  雇用関係のあるアルバイト・パートや嘱託社員については、雇用保険や社会保険
  な
どの主な手続きは「変更」になります。

  一方、雇用関係のない委任型使用人については、正社員に転換する場合、雇用
  保
険や社会保険などの手続きが初めて発生することになります。

 <解雇について>
  解雇には、「普通解雇」と制裁としての「懲戒解雇」、そして形式は自己都合退職でも
  実質的には解雇である「諭旨退職」があります。

  基本的には、使用者は合理的かつ論理的な理由が存在しなければ解雇はでき
  ない。

  むやみな解雇は「解雇権の濫用」とみなされ無効となります。

  原則として最低30日前に「解雇予告」をしなければいけません。

  「解雇制限」が適用されて解雇できない場合があります。

  また、労働者の国籍や信条、社会的身分や性別などを理由として解雇することも
  禁
止されています。

  採用に関しては、目的、計画、方法、面接、 手続といったさまざまな課題が発生し
  ます。

  採用における基本的考え、手法、手順を分かりやすく解説した採用マニュアルを
  あなたが従業員を採用するための手引書としてご活用することをお勧めします。

                         「従業員採用の手引書」について
  

 賃金(給与)の策定

  賃金を策定する環境は代理店合併時に多く発生すると思います。

  代理店合併は事業を拡大し、さらに飛躍を遂げるための有効な手段となり得る一
  方、単なる手数料体系における規模メリットのみを目的とした寄り合い所帯的な合併
  では、結果的に合併効果が発揮されず、合併解消に至るケースも散見されます。

  個人の力から、メンバーが力をあわせ事業拡大を図ろうとする組織の力に高めてこ
  そ、合併の意義が発揮されるのだという点をぜひ留意ください。

  賃金の策定は検討事項で最も慎重な配慮を求められます。

  固定制にするのか歩合制を取り入れるのか、皆に公平感のある方式を採用する必
  要があります。

  収支計画を含め、シミュレーションを加えながら慎重に検討を進めなくてはなり
  ません。

  また、大型化を図るためには、資金を計画的にプールしていくことが必要です。

 <給与制度>

  給与制度は、従業員に対して支給する給与の決定方法や支払時期などを定めた
  制度です。

  給与は、生活保障、企業への貢献度、労働市場価値の考え方を中心に、年齢給や
  家族手当、職能給あるいは職務給などを組み合わせて構成します。

  これらの決定における考え方は、経営理念や人材ビジョン、事業特性、規模などに
  よりそれぞれ異なります。

  支払時期や支払い方法についても個々の事情により異なります。

  また、どのような結果をどの給与要素に反映させるのかといった処遇の対象や、反映
  の際の方法論についてもさまざまなケースが見られます。

 <給与制度策定における留意点>

  給与制度を定める際には、「経営」、「時代の流れ」、「労働基準法」の3つの視点を
  考慮することが大切です。

  「経営」の視点から“総人件費管理”、“人件費の変動費化”、「時代の流れ」から
  “能力よりも職務の大きさ”、“プロセスよりも結果”、「労働基準法」の視点から
  “労使対等の原則”、“均等待遇”、“男女同一賃金の原則”、などが挙げられます。

  ただし、労働基準法に定められた事項を除けば、これらの留意点はあくまでも各
  代理店の経営理念や経営方針、事情といったものにより異なります。

  大切なことは、自店にあった給与制度を定めることです。

 <(月例)給与・賞与の決め方>

  月例給与と賞与のどちらをどのくらい業績によって変動させるか、または保障給与と
  するかは、それぞれ自由に決定できるが、月例給与は生活保障としての意味が強く、
  固定されやすい性格があり、賞与は組織業績や個人業績に応じて変動させやすい
  性格をもっています。

  月例給与と賞与の配分の決定の際は、社会保険料の扱いや管理の手間、業界水

  準や慣習などを考慮することです。

  月例給与も歩合給や業績給といった形で一部変動させ、人件費の固定化を回避
  しながら、経営上のリスクを軽減することも考えられます。

 <最低賃金の種類と対象>

  最低賃金は都道府県別に決定されています。

  対象となる賃金は、臨時の賃金、1ヶ月を超える期間を対象とする賃金(賞与など)、
  時間外・深夜割増賃金、休日割増賃金、通勤手当や家族手当などを除いた額です。

  パートやアルバイトを含む全ての労働者を対象としていますが、精神や身体の障害
  により労働能力が低い者や労働時間が短い人、試用期間中の人などは、適用外です。

 <源泉徴収の基本>

  源泉徴収には、所得税の源泉徴収と地方税の特別徴収があります。

  雇用主が従業員の給与から天引きして徴収し、税務署や市区町村へ納付します。

  年末調整で、1年間の従業員の給与に基づいて正確な税額を算出し、実際に納め
  た税額との過不足を調整します。

  余計な加算税や延滞税を課税されないように、納付は遅れないこと、そして師走の
  忙しい年末調整の時期には、スケジュールをきちんと立て、経理業務を円滑に進め
  ることが大事です。

  賃金の策定は経営計画における重要な一部となります。

  合併時における賃金の策定は資金繰りを考慮した制度を作り上げないと、

   ・対価として十分な給与が得られない

   ・予想していた給与が得られない

   ・合併以前より手取り額が減少してしまった

   ・事務量だけが増大してしまった

  などの不満だけが先行し、最悪の事態を招きかねません。

  そのためにも、公平性のある制度構築が欠かせません。
 

 経営計画の策定 

  お客様のあなたに対する要望や期待は今までとは比べようがないほど多様化して
  きており、従来のような人の繋がりだけでは、お客様を繋ぎとめておくことは不可能
  といえるでしょう。

  新規のお客様獲得、既存のお客様への多種目販売、また既存のお客様の流出防止
  のためには、他には無い、質の高いサービスを提供することが必要不可欠です。

  現在、あなたに求められるサービスは、事故処理や契約手続きに止まらず、各種情報
  提供や様々な相談に対応できる能力など、その内容は多岐にわたります。

  そのようなお客様からの要望に応えていくために、本格的に組織化された「事業型代
  理店」となることが求められています。

  「事業型代理店」は、法人化、専用事務所の開設、内務スタッフの採用など、形式的な
  要件以外にも、組織としてきとんと機能していることが求められます。

  それまでの「家業型代理店」から「事業型代理店」への脱却を図り、目指すべき方向
  性をきちんと見定めた組織運営が必要となっています。

  そして、それを実現するために重要なのが、「経営計画の策定」なのです。

                          「経営計画の策定」について


 各種規定(人事・労務 ) 

  人事・労務は経営の要といいます。

  「企業は人なり、リスクも人なり」といわれるように、社内で発生する問題の80%
  以上が人に関わる問題です。

  社内における各種規定を作成する上で、会社防衛を含めた規程作りが必要となり
  ます。

 <給与規程と必要最低記載事項>

  賃金に関する事項で、労働基準法で必ず定めなければならない事項として以下の
  4項目が就業規則に定められていれば、就業規則とは別に給与規程を新たに定め
  る必要はありません。

  ただし、就業規則が膨大になりすぎる場合には、就業規則の本則で「賃金については
  別に定める」などのように記載し、「給与規程」を独立したものにする方が従業員に分
  かりやすく、改訂する場合も別規程だけを改正すればよいので便利です。

  特に賃金は従業員の生活に直接影響を及ぼし、不満や労働力意欲の低下につなが
  る恐れがあるため、別規程にして詳しく定めることが望ましいでしょう。

  就業規則あるいは給与規程に必ず記入する4項目

   ◎賃金の決定及び計算方法  ◎賃金の支払方法

   ◎賃金の締切及び支払時期  ◎昇給に関する事項

 人事考課・考課の際のポイント>

  評価には、売上など数値で測られる短期的な貢献度を評価する「業績評価」と長期
  的な人材育成を目的とし、人物を評価する「人事考課」があります。

  人事考課における評価の対象は「能力」や「意欲・態度」などが中心となります。

  代理店における評価については、総人件費管理の視点と明確な職務区分が可能な
  ことを考慮すると、能力や意欲・態度を中心とした人事考課よりも「実績」や従業員が
  担う「職務」を対象とした「業績評価」に重心を置いた方が望ましいと言えます。

  考課の際のポイントは、従業員へのフィードバックを行うルールを設けること、評価
  項目・基準の明確化と公開性および従業員の納得性を重視すること、昇格や昇給
  へきちんと反映させるルールを設けること、などがあげられます。

 <社会保険・労働保険について>

  社会保険には健康保険と厚生年金保険、労働保険には労災保険と雇用保険があり
  ます。
  この4つの保険制度をまとめて社会保険制度というのが一般的です。

  健康保険は、被保険者が業務あるいは通勤以外の事由で病気、ケガ、休業、出産、
  死亡などの保険事故に対して給付されるものです。

  一方、業務上や通勤途上での病気やケガであれば労災保険が給付されます。

  厚生年金保険は、老齢、障害、死亡などの保険事故遭遇したときに年金給付を中心
  とした長期の保険給付を行うものです。

  雇用保険は従業員が失業した場合に必要な給付を行います。

 以上、組織化のために必要な事項を簡単ではありますがまとめてみました。

 くどいようですが、今あなたが早急に推進すべき課題は事業化であり組織化です。

 以上のように合併による組織化には適正な各種規定書、マニュアル等の作成が欠か
 せません。

 独自で作成することも一考ですが、時間とコストを考えると外部の専門家に依頼する
 ことも考慮すべきでしょう。 

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