保険会社担当者の役割

       

保険会社担当者の役割

   
  ■営業担当者本来の仕事とは?

   一昔前なら、新規代理店の設置、数字のお願い、代理店のケアレスミスの処理、各種
   書類のチェック等々が主業務でした。

   今日に至るまで内容の差こそあれ、ほとんど変わっていないでしょう。

   営業担当者の本来業務に割く時間など、ないのではないでしょうか?

   代理店も含め、業務の優先順位を再確認し、実行していくことが求められています。

   しかし、「言うは易く行なうは難し」の言葉にもあるように、実行は皆無といっても良い
   でしょう。

   皆、優先順位の低いことを優先的にやっています。

   その結果が今を物語っていことは、すでに承知のことです。

   代理店、営業担当者の優先課題はおのずと決まってきます。

   今の環境を変えていかなければ、いつまでたってもマンパワーに頼った過去のやり方
   から抜け出せず、目標計画は画餅に帰してしまうのは明白です。

   担当者であるあなたは「自身がどのような役割を担い、どのような価値を提供できる
   のか?」

   自社を代表し、他社との違いや価値を担当する代理店に伝えることです。

   生産性向上のためにには何が必要で、何が不必要かを明確にしていかなければ
   なりません。

   その代理店を指導していくことが担当者であるあなたに与えられた役割ではないで
   しょうか。
   
   担当者は与えられた目標数字達成のため日々代理店に対して、お願い営業を続けて
   きました。

   この悪循環を断ち切るための行動を起こすことが、双方にとっての最優先課題ではない
   だろうか。

   代理店、担当者は車の両輪であり、担当者の役割は代理店の事業化推進を支援してい
   くことです。

   今では保険会社には「代理店経営サポート」といった部門もあり、担当者はそれを
   自身の担当代理店の経営環境にあわせて活用するのも一つです。

   代理店環境の最前線を知ることができるのが、担当者であるあなたです。

   お客様へのコンサルティング営業が代理店に求められているように、担当者である
   あなたも代理店に対して、コンサルティング営業を欠かすことができません。


   双方において業務改善の実施は緊急課題です。

   過去における損害保険・生命保険の代理店制度は「産めよ増やせよ」の量産が主でした。

   その結果は様々な形で表面化していることも事実です。

   社会環境の変化により、消費者保護のための様々な制度の樹立により、損害保険・
   生命保険会社、代理店双方に量から質への転換が求められています。

   今までの場当たり的な活動から、品質を重視した活動に改革することが顧客からの
   信頼を勝ち得、結果として収益向上につながることになります。

   販社である代理店がルールに則り、継続した増収を図っていくためにも営業担当者の
   経営指導としての役割は、より重要となってきます。

   また、品質の向上は同業他社との大きな差別化策となります。

   今までの損保・生保保険会社の役割である契約者管理、商品知識、コンプライアンス
   等の指導が重要なのは言うまでもありません。

   しかし、ここには『どうしたら増収できるか』が欠けています。

   「それは代理店が考え、実践することだ」といった声もあるでしょうが、はたしてそれで
   良いのでしょうか?

   代理店の多くが、今日の糧を得ることばかりに目が行き、明日の糧を得るための対策
   を講じていないのが実態のようです。

  □保険会社の代理店営業
   保険会社の多くが代理店の新規設置には一生懸命だが、その後の対策には頓着ない。

   代理店の品質も調べず、単に設置件数を増やすことだけにまい進しているようにしか
   見えない。

   その結果、代理店営業における社員の仕事(非生産的)は年々過酷になってしまって
   いる。

   これは自分(保険会社)の蒔いた種だからしかたがない。

   今の関係を見ていても20、30年前とほとんど変っていません。

   保険会社の代理店営業は代理店の営業と大差ないということです。

   本来、保険会社に対する貢献度によって代理店の差別化は当然であるはずだが、
   すべての代理店に同じ対応をしているのが実態ではないだろうか。

   ここで考えなくてはいけないことは、保険会社の代理店に対するサービスとは何だ
   ろう?

   代理店が顧客に対して行うサービスを考えてみましょう。

   ひと昔前では、多くが「事故処理」と言っていました。

   今ではこのように答える代理店はいないはずです。

   担当代理店が顧客にどんなサービスを提供しているかは、担当者のあなたが一番
   ご存じのはずです。

   このことを保険会社の代理店営業に置き換え、考えてみてください。

   これもあなたがよくご存じのはずです。

   今でも「前の担当者は良かった」といったことを見聞きします。

   これもすべての代理店に同品質の対応をしようとすることが原因です。

   代理店が優良顧客と単品種目しか加入していない顧客へ、同等の対応をしている
   ことと同じです。

   あなたがやることの優先順位を明確にすることです。

   保険会社が求める代理店は「保険販売仲介業」ではなく、顧客の抱える悩み・問題を
   解決する「問題解決業」の育成ではないでしょうか。 

   

   ある企業経営者が保険契約を現在加入の保険会社・代理店から他社に移す時に
   各社へに電話して質問しました。

   「御社と契約したらどんなメリットがあり、どんなサービスを提供してくれますか?」

   この質問に保険会社・代理店は何と答えるのでしょう。


  □ある営業担当者(保険会社)
   10年以上前の話になりますが、ある保険会社の営業担当者(S君)の営業活動に
   ついて紹介をしてみます。

   各営業担当者は日ごろから担当代理店への増収、他社代理店の自社乗り合いを
   推進していますが、どこも成果を上げていないのが実情のようです。

   乗り合いをしてもらっても、数字を挙げてもらわなければ意味がありません。

   しかし、ここに紹介するS君は担当する代理店の増収、自社乗り合いをしてもらった
   代理店から主管会社以上の数字をだしてもらっていました。

   それでは、担当者であるS君が実践したこととはどんなことでしょう?

   その前に、他業界の事例を紹介してみます。

   あなたもご覧になったことがあるかもしれません(2009年TV放送)が、BMWの販売
   台数日本一になった舘野さんは124台(平均売り上げ台数はおよそ49台)を販売した
   そうです。

   彼はヤナセがBMWを扱い始めた当初から、年100台以上という販売台数をキープ
   しており、販売台数全国1位にも2年連続で輝いたトップセールスマンです。

   彼の信念は徹底的に「数字」にこだわること。

   実績の理由に、徹底したアフターサービスがあります。

   礼状はもとより、1度訪問した先には次回必ずパンフレット・資料を置いてくる。

   車のセールスでありながら、旅行の予約、子どもの留学の相談、コンサートのチケット手
   配・・・。

   何でもお客さんに頼まれるが、嫌な顔をひとつせずお客さまの為に動きます。

   しかし、決して売り込みはしない。

   その姿勢が口コミで広がり、顧客の数はどんどん増えていったそうです。

   数字にこだわり、「人と同じことをやっていては実績が残せない」とのこと。

   彼は「BMWのことは当たり前、私がおまけ(付加価値)です」との言葉が印象的で
   した。

   お客様は、このおまけ(付加価値)が気に入って、次々に紹介をしてくれているそう
   です。

   まさしく、「車を売るのではなく、自分を売る」ということです。

   さて、S君に話を戻しましょう。

   館野氏の事例からもすでにお分かりだと思います。

   営業担当者であるS君の実践しているのは館野氏と同じことなのです。

   担当代理店がどうしたら増収できるかについて支援したのです。

   彼が担当代理店に実践したことは

    ○顧客向け情報の提供
     (提供だけに限らず、実際に顧客への提供を継続実施しているかの確認と対策)
      
    ○経営計画の策定支援
     (画餅にならず実現可能な計画のつくり方)

    ○会社案内の作成支援
     (営業ツールとして活用するため)

    ○専門家との協業支援

    ○ニーズ喚起チラシ・代理店ニュースの作成手法の指導

    ○マーケット情報の提供

    ○業務の改善指導

    ○見込み客開拓の指導

   さらにS君はこれらを代理店向けに提供するだけでなく、代理店の顧客(事業所)に
   対しても営業で活用してもらうことまで担当代理店に指導したのです。

   いかがでしょう?

   ここまでやってもらった代理店の反応は、言わずもがな、だと思いませんか?

   しかし残念なことがひとつあります。

   それは、館野氏の事例同様、これらのノウハウが他の営業担当者にも使えるよう、
   組織としてこの「仕組み」を構築しなかったことです。

   これらの成果がS君個人の業績に留まってしまっていることです。

   本当にもったいない話です。

   さらに残念なことに、S君は大手製造業のマーケティング部門から誘われ、保険業界
   から去ってしまいました。

   これだけ厳しい環境の中にあっても、各保険会社は過去のやり方・考えをチェンジ
   していない、と思っているのは私だけでしょうか?

   現状に留まらず、「今の時代にあったやり方・考えに改革していかなければ」と、あなた
   も思っているはずです。

   「規模によるマンパワーをこのまま続けていく」のか、「チームによる組織パワーを
   生かしていく」のか早急な決断が迫っています。

  ■損保・生保保険会社担当者の本来の役割とは

   過去には各社商品の内容も保険料も横並びの時代もありました。

    そのような時代であれば、代理店の仕事は「足繁く通う」「熱意」といった活動が他店
   との差別化策でした。

   そして、担当者の仕事は「キャンペーンのお願い」、
   「目標の不足数字のお願い」などのお願い営業が
   主な活動となっていました。

   現在の貴社ではどうでしょう?

   担当者の役割は変わったでしょうか?


   厳しい経済環境が続く中、担当者本来の役割を
   実行しなければ自社の存在価値を高め、勝ち残
   ることは困難となるでしょう。

   顧客主導の時代にある今、言い尽くされた言葉で
   すが『CS』がキーワードとなります。

   保険会社・代理店にとって、商品・サービスや価格にあまり差異のない中で、『CS』
   を基点とした経営が求められています。

   これからは、代理店数の拡大のみを目指すことから、品質を考えた設置が重要です。

   安易な設置数の拡大は代理店の品質(コンプライアンス、CS)の低下によるマイナス
   イメージの拡大につながりかねません。

   これらの問題を解決するためにも、設置後の担当者の役割を見直す必要があります。

   担当者の役割を見直すことで、代理店の品質が大きな差となって表れるでしょう。

   そのためにも、メーカーである保険会社と販社である代理店とのリレーションシップ
   の強化がカギとなります。

   言うなれば担当者は保険代理店の「スーパーバイザー的役割を担う」と言っていいで
   しょう。

  □業務の標準化
   今もって、代理店の多くが勘と経験に頼った経営から抜け出せないでいます。

   下記の品質管理の項にもあるように、これは様々な問題発生の要因となります。

   “業務の標準化”は小規模体制が多数を占める代理店業にとって、必要不可欠な
   仕組みとなります。

   そうしなければルーチンワークに忙殺され、収益に直結した業務に専念できないから
   です。
 
   すでに保険会社ではコンプライアンス、個人情報、リスクマネジメント等に関する標準
   (マニュアル)化はすでに整備済みです。

   しかし、『人に関する問題』、『人材育成指導』、『若手代理店事業家育成』、『業務の
   標準化』、増収対策である『マーケティング営業『組織の構築と強化』、『営業力
   強化』
などのマニュアルの整備は代理店任せとなっています。

  □品質管理
   コンプライアンスの徹底をおろそかにしている代理店はクレーム処理の体制も未熟
   であることが多く、取り返しのつかないレベルにまで状況を悪化させてしてしまうケース
   も少なくありません。

   なぜ不祥事は起こるのか?

   担当者であれば以下のことは既に承知のことでしょう。

   ○不祥事(コンプライアンス問題、クレーム)が起きやすい環境
    ・業務の全てが個人任せで場当たり的

    ・トップが現場を知らない、足を運ばない

    ・社員個々の役割が明確でない

    ・チェック機能の欠如

    ・人材育成の未整備

   ○顧客の不満
    ・加入時と加入後の対応、態度に差(違い)がある

    ・いつ電話しても連絡がとれず、伝言しても伝わっていない

    ・質問や依頼に対する回答がない、遅すぎる

    ・売ることばかりに熱心で情報提供に乏しい

    ・契約時の説明に問題

    ・満期案内、解約、更改、変更に関わる手続きの遅延、誤り

    ・電話、接客等の基本的応対

    ・約束や期限を守らない

   何年たっても顧客の不満の内容はほとんど変わりません。

   顧客からのクレームやコンプライアンス、ハラスメント、労務などの問題発生の多くは
   社(店)内の環境の未整備です。

   社(店)のコミュニケーション不足、モチベーションの低下の原因は報連相にあります。

   これらすべては売上に直結した課題ばかりです。
    
  □顧客との接点強化は競合他社との差別化策
   近年、「マーケットシェア」から「顧客シェア」と言われるように「One to One マ 
   ーケティング
」が重要視されています。

   個々の顧客との関係強化を図ることです。

   それには、顧客との接点の最前線にある代理店の顧客対策の見直しが必要となり
   ます。

   お客様を単なる保険の売り込み先と見るのではなく、末永くお付き合いできる関係
   づくりが求められます。


  □変化への対策
   
業界を取り巻く環境は大きなうねりとなって押し寄せてきています。

   1つは高齢化です。
   現在、代理店業における店主の平均年齢は65歳といわれ、高齢化が進んでいる
   ことから次世代を担う若手事業家の育成システム(経営指導マニュアル)の整備が
   急がれます。

   2つ目が、
   保有マーケットと多種目化です。

   代理店の多くが法人マーケットを苦手としています。

   保有契約の比率も個人顧客70%、事業所30%と、今日に至るまで変わらない状況
   です。

   専業代理店にとって、中小企業マーケットの開拓は優先課題となります。

   多種目販売においても、専業代理店の平均保有種目は2種目に達していないのでは
   ないでしょうか。 

   3つ目として、
   営業会社である代理店の多くが『営業の仕組み』をもっていないことが挙げられます。

   新規開拓、単価アップ、多種目販売、顧客の固定客化(維持管理)には仕組みが
   必要です。

   以上の3点を改善することが担当者としての支援であり、役割ではないでしょうか。

   担当者は育成のためのコンサルタントである必要があります。


  □代理店への経営支援策例 
   代理店営業が「顧客の抱える問題解決の提案」と言われているように、担当者の代理店
   への経営支援も代理店の抱える問題の解決にあるのではないでしょうか。

   自社が継続した収益アップを図るためには、代理店が増収できる『営業の仕組み』
   の構築を支援することです。

   しかし、現状での担当者の業務量をみても、代理店個々の支援に深く関与することは
   困難を有します。

   そのためにも、担当者がなるべく負担のかからない方法で支援できることがポイント
   となりますが、上記のような支援策を提供している保険会社は今のところ皆無といって
   いいでしょう。

   競合会社との差別化を図るためには自社独自の強みをもつことです。

   代理店へのCSを基点とした経営指導、増収支
   援策として、

   ○営業力の強化と見直し
    ・営業手法(集客〜顧客の維持管理)
    ・法人マーケット開拓
    ・データベース(顧客情報)の作成と活用
    ・テレマーケティング 
    ・顧客とのリレーションシップ 

   ニーズ喚起 
    ・各種RM(車両管理、防災、労災、etc)
     ツールの活用
    ・人の問題(労務)
    ・経営情報

   ○経営・業務改革(標準化)
    ・役割分担 
    ・会社案内の作成と活用
    ・基本動作(12項目)(組織人としてのマナーとルール)マニュアル
    ・社内業務の標準化 
    ・CS、コンプライアンス、クレーム対応 
 
   担当者が上記ツールを武器として、既存代理店の育成、良質な代理店設置のために
   活用することは大きな強みとなります。

   これは既に実証済みのことです。

  □代理店育成に必要なRMツール
   保険会社の持っている情報やRMツールは他業界に類を見ないほどの豊富さですが、
   残念ながら、その情報やツールが収益アップに直結した使われ方をしていません。

   なぜなら、これらのツールの活用の仕方を誰も知らないからです。

   保険商品とこれらツールをパッケージにすることで無形の商品を可視化させることが
   できるのです。


  マーケティングの必要性
   特に無形の商品・サービスを扱う保険業界の営業において、マーケティングを抜きに
   増収を図ることは困難を要します。

   生保はニーズ喚起型商品、損保は必要保障型商品と言われているように、生保の
   セールスパーソンはニーズ喚起を得意としますが、損保代理店はこのニーズ喚起を
   苦手とする傾向にあります。

   本来であれば、上記に示した対策は販社である代理店のやるべき仕事です。

   しかし、現状を見てお分かりのように両者には大きな温度差があることから、限られた
   時間の中で代理店の改革を進めていくためには、担当者が役割を担う必要があり
   ます。

     ドラッカーはマーケティングについて、

     販売(セールス)とマーケティングは逆である。
     同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない。
     何らかの販売は必要である。
     だが、マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。
     マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービス
     を顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。
   
   代理店が継続した増収を図るためには、今までの場当たり、熱意といった精神論的
   営業では通用しないことは既に承知のことであり、これは営業担当者にも言えること
   です。

   代理店との関係強化は担当者の役割の担い方によって大きく違ってくるでしょう。

   そのためにも、担当者がコンサルタントの立場で仕組みを理解し、代理店への経営
   指導の支援強化を図ることがますます重要となります。 

 

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