財務分析

           

財務分析


  ■財務分析

  □収益性を示す代表的な指標

   中小企業の収益性を最も端的に示す指標として用いられるのが「売上高営業利益率」
   です。

   これは本業の儲けである営業利益を売上高で除したもので、本業が効率的に営まれて
   いるかどうかを明らかにするものです。

   会社の資産が効率的に活用されているかどうかを見るならば、「総資産回転率」が参考に
   なります。

   これは年間売上高を総資産額で除したもので、計算結果としての数値が大きければ
   大きいほど効率的に資産が活用されたということになります。

   「ROE(自己資本利益率)」は、株主に属する自己資本に対する利回りを見るための
   指標として活用できます。

   この場合の「利益」には税引後当期純利益を用いるのが一般的です。

   出資を純粋な投資として捉えた場合、返済の保証のない株式投資は預金や貸付等の債権
   よりもリスクが高いので、そのリスクに見合った高い利回りが求められます。

   ◎ポイント
    1.本業の儲けである営業利益に着目した「売上高営業利益率」が代表的な指標

    2.資産の運用効率に着目するならば、「総資産回転率(=売上高÷総資産)」等を見るべき

    3.株主の立場で資本の利回りを見るならば、「ROE(自己資本利益率)」が重要な指標
     となる

  安全性を示す代表的な指標

   中小企業の財務安全性を見るならば、「流動比率」もしくは「当座比率」に着目すべき
   だと考えられます。

   前者は流動資産を流動負債で除して求めるもので、短期的な債務支払能力をチェック
   する指標です。

   後者も同じ考え方に基づくものですが、流動資産の代わりに当座資産を用いることで、
   チェックをより厳しく行うものです。

   いずれの指標についても、100%を下回ることは短期的な債務支払能力に懸念がある
   ことを示しますので、注意が必要です。

   「固定比率」は固定資産を自己資本の範囲で賄えているかどうかをチェックする指標であり、
   「固定長期適合率」は自己資本に固定負債を加えた固定的資金で固定資産を賄えているか
   どうかを見るものです。

   前者に比べて後者は基準を緩めたものといえ、この数値が100%を超えている場合は
   短期債務で固定資産を保有していることになり、危険だと判断されます。

   なお、「固定長期適合率」と「流動比率」は論理的に補完関係にあります。

   自己資本の充実度を示す指標である「自己資本比率」も安全性の観点でよく用いられる
   財務指標です。

   銀行などの債権者の立場からすれば、自己資本比率が高いことは債権の保全度が高い
   ことを意味し、自己資本比率が低ければ融資先として危険性が高いと判断します。

   ◎ポイント
    1.短期的な債務返済能力を表す「流動比率」あるいは「当座比率」が自社経営
     の安全性を考える上で重要な指標

    2.固定資産を保有するための調達源泉を見る「固定比率」あるいは「固定長期
     適合率」も財務健全性を考える上では有用

    3.総資本に占める自己資本の割合を示す「自己資本比率」も安全性指標として
     はポピュラーなもの

  □生産性を示す代表的な指標

   1.生産性とは

    「生産性」ということをよく言いますが、生産性について具体的に説明しろといわれると、
    言葉に詰まってしまうのではないでしょうか。

    漠然と理解しているはずなのですが、きちんと説明はできない、という人が多いはずです。

    企業の経営活動の基本は、持っている経営資源を使って、儲けを生み出すことです。

    生産性とは、「経営資源を投じた結果、どれだけの成果をあげることができたか」、
    を示すものです。

    つまり「生産性を上げる」ということは、「より少ない経営資源で、より大きな成果をあげる」
    ということになります。

    生産性は、投入した経営資源によって大きく2種類に分けられます。

    金や物、つまり資本を投入した結果、どれだけの成果が得られたのかを示す「資本生産性」
    です。

    また、人、つまり労働力を投じた場合の成果をみるのが「労働生産性」です。

    労働生産性を分析することで、「社員がどれだけ効率的な仕事をしているか」をみるもの
    です。

    労働生産性は、企業が生み出した新しい価値である「付加価値」を、従業員数で割って
    出します。

   2.付加価値とは

    では、「付加価値」とはなんでしょうか。

    例えば、ある企業が、100円で仕入れたものを加工して160円で売ったとします。

    100円の価値だったものに、加工した結果、60円の「価値」が付加されたわけです。

    この60円分の価値が「付加価値」です。

    付加価値は、それを生み出すために使われた人件費や光熱費などのコストと、会社が
    得る利益から成っています。

    60円のうちの50円は費用、残りの10円は利益、といった具合です。

    付加価値の計算方法には何通りかの方法がありますが、代表的なものに「控除方式
    (中小企業庁方式)」と「加算方式(日銀方式)」の2つがあります。

    控除方式では、付加価値は売上高から外部購入価値(他から購入した物や 
    サービスの費用)をのぞいたものになります。

    この外部購入価値は、原材料費、外注加工費などです。

    加算方式は、付加価値を生み出す項目を加算していく計算方法です。

    加算する項目は、経常利益、人件費、賃借料、金融費用、減価償却費、租税公課の
    6項目です(減価仇却費は含まない場合もあります)。

     控除法(中小企業庁方式)
       付加価値=売上高一原材料t外注費等

     加算方式(日銀方式)
       付加価値=経常利益+人件費+賃借料+金融費用+減価償却費+租税公課

   3.労働生産性とは

    前述したように、労働生産性は、労働力を投入したことで、どれだけの付加価値を生み
    出したかをみる指標です。

    労働生産性は、従業員1人当たりの付加価値額を示し、付加価値を従業員数で割って
    求めます。

    この場合、従業員数は、期首と期末の平均人数を用います。

     労働生産性(円)=付加価値/従業員

    この労働生産性が高ければ高いほど、従業員1人当たりの生み出す付加価値が高く、
    「効率よく儲けている会社」ということになります。

   4.労働生産性を高めるには
    では、労働生産性を高めるにはどうしたらよいのでしょうか。

    労働生産性は、付加価値と従業員数で計算されます。

    ですから、計算式の分子となる付加価値を高めるか、分母となる従業負数を減らすか、
    またはその両方を行えばよい、ということになります。

    @付加価値を増加させる
      付加価値を増加させることを考える場合、控除法の考え方を使うと理解しや
      すいと思います。

      控除法では、付加価値を売上高から外部購入価値を引いたものとしてとらえ
      ます。

      ですから、付加価値を高めるには、売上高を伸ばすか、外部購入費を引き下
      げればよいことがわかります。

      現在の経済状況では、売上高を増加させるのは簡単ではありません。

      そこで、まず外部購入費を引き下げることを考えましょう。

      具体的には、外部から調達していた製品・サービスのコストの引き下げをは
      かってください。

      売上高を伸ばすには、単に販売価格の引き上げをしたり、販売数量の増加
      を狙ったりするだけではむずかしいでしょう。

      高付加価値な新製品を開発することなども必要になります。

    A従業員数を減らす
      これは、日本企業がこれまで最も苦手としてきたことと言えるでしょう。

      期退職制度を導入するなど、積極的な取り組みが必要かもしれません。

    ●労働生産性分析シートの使い方

     日本的経営が終焉したといわれ、経営の「効率性」が何よりも求められている
     今、労働生産性の向上は企業にとって、非常に重要な課題になっています。
     このシートを使って、効率の高い経営を実現してください。

     従業員数を分母に、付加価値を分子にして、労働生産性を求めます。
     この数字が高ければ高いほど、社員が効率的よく仕事をし、付加価値を生み
     出しているということになります。
     労働生産性は、業種によっても大きく異なりますから、一概にどの程度が望ま
     しいとは言い切れません。
     ですが、一般的には1000万円以上であれば健全とされています。
     こうした経営分析の数字は・単純に他社と比較するだけでなく、自社の割合を
     定期的に分析することが重要です。
     月別と半期ごと、さらに決算期ごとに総資本経常利益率を計算してください。
     備考欄には、総資本経常利益率が大きく変動した場合にその原因などを書き
     留めておいてください。

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