QC7つ道具のもつ意味と正しい使い方

           

QC7つ道具

  ■QC7つ道具のねらい

   職場の仕事を進めていくうえでは、データによって事実を正しく知ることが非常に大切です。

   データによる事実の正しい把握が、正しい判断を生み、大きな成果をかち取ることになるのです。

   しかしながら、データをとっただけでは事実の正しい把握はできません。

   QC7つ道具とは、たくさんのデータ、たくさんの意見を上手にまとめて、データのもっている
   情報を正しく引き出すための手法のことです。

   この手法のおもなねらいとしては、

    ・仕事の結果、できばえにバラツキがないようにする

    ・ムダのない経済的な仕事の仕方を作り出す

    ・ムリのない、安心してできる仕事のしくみを作り出す

    ・お客様に溝足してもらえる物やサービスをつくり出す

   ということがあげられます。

   ですから、よくいわれる「発表会のためのQC活動」のように、すでに結果のでているものに
   対してQC7つ道具を用いても何の意味もないのです。

   QC7つ道具を使って、バラツキ具合や因果関係を調べたり、層別にして客観的に事実を
   浮きぼりにし、解決策を導くことこそ、意義のあるQC活動なのです。

   実りあるQC活動を行うためには、なぜQC7つ道具が必要で、どのような場合に効果を発揮
   するのかを理解しておく必要があります。

   そこで、次項ではQC7つ道貝の目的と内容を、分かりやすく簡潔にまとめています。

   より深く理解するためにも、ぜひ、自社にあるQC7つ道具の各図を参照しながらご覧ください。

  □QC7つ道具

   1.層別

    職場で発生する問題、あるいは改善したい点をプレーン・ストーミングなどの方法で列挙
    していくと、思いのほかたくさん出てくるものです。

    層別とは、この山ほど出てくる問題を性質の似たいくつかのグループにまとめていく方法です。

    そのうえで、問題A・問題B・問題C…というように個別に問題点を検討していきます。

    層別の目的と内容をまとめると、次のようになります。

    (1)目的

      層別する前の全体の品質のバラツキと、層別後の小さなグループの品質のパラツキを
      比較することによって、品質に影管する原因をつかんだり、その原因の品質に対する
      影響度を推察するために層別が用いられます。

    (2)内容

      層別とは、ひとつの集団を何らかの特徴に基づいていくつかの部分に分け、分けた
      部分ごとに検討し、比較することによって問題解決の手がかりを得る手法です。

      【層別の項目例】

       @作業者別  ……男女別、年齢別、学歴別、技能別、勤続年数別など

       A機械・装置別……メーカー別、形式別、能力別など

       B原料・材料別……メーカー別、銘柄別、ロット別など

       C時間別   ……午前・午後別、曜日別、昼夜別、週別など

       D作業方法別 ……測定方法別、作業条件別など

       E測定・検査別……試験機別、計測機別、測定者別、検査員別など

       F組織別   ……部門別、工場別、地区別、課別など

   2.特性要因図(フィッシュ・ボーン図)

    QC活動では、層別したもののなかから重要と思われる間遠をひとつ選び出し、その間題に
    対して原因と思われる要因をあげていきます。

    これを原因と結果(特性)という観点で分類し一覧表にまとめたものが特性要因図です。

    その図の形からフィッシュ・ボーン(魚の骨)図とも呼ばれています。

    特性要因図作成の際には、原因をグループごとに分類して図に表すことで、後工程である
    要因分析が行いやすくなります。

    ◎特性要因図例

     特性要因図の目的と内容をまとめると、次のようになります。

     (1)目的

       問題としている製品の品質特性と、これに影響をおよぼすと考えられる要因との
       関係を体系的にまとめ、目で理解できるように図示したもので、これによって不良の
       原因を追求し、その改善に役立てようとするものが特性要因図です。

     (2)内容

       特性(結果)に影啓を与えていると思われる要因をすべて引き出し、ひとつの図で
       関係づけることで、ある工程について品質特性と要因との定性的な関係がはっきり
       して、原因の究明に役立ちます。

   3.パレート図

    パレート図とは、不良項目を件数や金額の大きさの順に並べ、不良項目のうち何が重点
    項目なのか見つけだす手法です。

    たとえば、不良項目を発生件数や損失金額の大きい順に左から順に並べていくことで、
    重点的に改善するべき点が明確になるのです。

    ◎パレート図例

     パレート図の目的と内容をまとめると、次のようになります。

     (1)目的

       不良項目のなかには、件数や金額が大きなものから小さなものまでたくさんの問題が
       あります。

       効率的に問題を解決していくためには、件数や金額の大きなものを重点的に改善して
       いくことが肝要です。 

       パレート図は、この件数や金額の大きなものを明確にするために用いられる手法です。

     (2)内容

       パレート図は、「多数の不良現象または原因のなかで重要なものは数項目にすぎない」
       という考え方がもとになっています。

       職場の問題をそれぞれ原因別・現象別に分類し、その件数や金額を大きさの順に
       並べた棒グラフと、累積の折れ線グラフを組み合わせたものです。

       この件数や金額を大きさの順に並べることを、重要順位判断または優先職位判断と
       いいます。

       この判断力をしっかりもち、実行するリーダーのいる職場では、改善の成果はいちじるしい
       ものがあります。

   4.ヒストグラム

    ヒストグラムとは、データなどが多数あるとき、その最小と最大の間をいくつかに区分し、
    各区分の発生度数を棒グラフに示したものです。

    これにより、データの全体的な分布の型や、大体の平均値やバラツキの大きさを知る
    ことができます。

    ヒストグラムの目的と内容をまとめると、次のようになります。

    (1)目的

      データ(サンプル)の全体的な分布の型や、大体の平均値やバラツキの大きさを知る
      ことにより、異常が発生している原因を見つけ出し、それを改善します。

    (2)内容

      この手法は、一定量のサンプルをとり出し、そのサンプルがどのようなバラツキ方を
      しているか調べることにより、異常を見つけ出す方法といえます。

   5.散布図

    散布図は「相関図」ともいい、2つの事象が関連しているかどうかを見極めるための図です。

    たとえば、電球のワット数とその照度、あるいは鋼材の処理温度と引っ張り強さ、というような
    相対応する測定値の間の関係をグラフにして調べます。

    具体的には、2種類のデータをそれぞれ横軸と縦軸に目盛り打点したグラフによって、
    相互の関係の強弱を推察します。

    これにより、たとえばXとYの相関関係において]が大きくなるとYも大きくなる「正の相関関係」、
    ]が大きくなるとYが小さくなる「負の相関関係」などが浮き彫りにされます。

    散布図の目的と内容をまとめると、次のようになります。

    (1)目的

      品質特性とそれに影響をおよぼしている要因との関係、要因と他の要因との関係、
      あるいは特性と他の特性との関係を知り、品質の維持、改善に役立てるために散布図が
      用いられます。

    (2)内容

      散布図とは、対になった2種類のデータをグラフ用紙にプロットしたもので、対応した
      データの関係をみるための手法です。

      散布図は20以上のデータが必要で、縦軸に結果のデータ、横軸に原因のデータをとり
      点を打っていき、その点が斜めに、直線に近い形で並ぶと相関は大、点が楕円型になると
      相関は小ということになります。

   6.管理図

    管理図とは、ヒストグラムを横に寝かせて、どこまでもデータの採取分析を続ける時系列グラフ
    のことです。

    横軸を時間軸として、毎日の仕事の出来栄えなどを管理していくための手法です。

    管理図の目的と内容をまとめると、次のようになります。

    (1)目的

      管理図は、製造工程が安定した状態にあったかどうかを調べたり、工程を安定した
      状態に保持するために用いられる手法です。

    (2)内容

      寸法、硬さ、キズ、歩留りなど、あらゆる製品特性には必ずパラツキがあるため、
      このバラツキを管理し、それが安定しているか、それとも異常な変化が起こっているか
      どうかを判断するのに用いられる手法が、管理図です。

      管理図の種類は、特性値の種類(計量値と計数値)によって分類されます。

      計量値とは長さ、時間、温度、厚さなどのように数値が連続して表される場合をいい、
      計数値は製品の不良数、欠勤者数、織物のキズなど、不良数や欠点数で表されるもの
      をいいます。

      このうち、いちばんよく使われるのが計量値の管理図です。

      これは、サンプルの平均値とバラツキの範囲を調べる2つの管理図を重ねて一覧表に
      した図です。

   7.チェックシート

    チェックシートとは、作業の結果や製品を基準と照合し、その結果を簡単な記号で記入する
    ことにより、確認漏れを防止すると同時に分析しやすいデータをとる図表のことをいいます。

    たとえば、不良発生箇所について、キズ・汚れなどの不良が、製品のどの位置にどれくらい
    発生しているのかを調べる場合に、チェックシートで管理しておけば、その部位が一目瞭然と
    なるのです。

    チェッタシートの目的と内容をまとめると、次のようになります。

    (1)目的

      項目別にデータをとったり、確認の抜けをなくすために、チェックをするだけで結果が
      わかるように作られた表や図がチェックシートです。

    (2)内容

      チェックシートには、次のようなものがあります。

      1.計数値用……おもな不良項目を事前に層別しておき、検査結果を
                 該当項目にマークしていくものです。

      2.計量値用……品質特性値のうち計量債に使用するもので、事前に
                 バラツキのクラス分けをしておき、測定したデータを
                 該当するクラスにマークしていくものです。

      3.位置別用……不良発生箇所の位置を示すもので、キズ、汚れなどの
                 不良が製品のどの位置に、どれくらい発生しているかを
                 把握するものです。

      以上の3つのチェックシートが記録用です。

      その他にも点検用チェックシートがあります。

      これは事前に点検項目を点検順に書き並べ、チェックするもので、個別生産に有効です。

  □QC7つ道具導入の意義

   品質管理は、概念や理論を理解するだけでなく、いかに企業内に上手に導入するかに
   その成否がかかっています。

   そのためには、品質管理の明確な方針を打ち立て、実践と経験を積み重ねていかなければ
   なりません。

   それが企業の利益確保、企業の体質改善など、あらゆる面の合理化につながります。

   品質管理活動は、なかなか定着しにくいものですが、

    ・作業の標準化

    ・チェック・測定の重視

    ・作業者の訓練

    ・不良品再発防止の対策

   の4点を品質管理の基本として、品質管理活動を活発に進め、定着につなげることが
   必要です。

   つまり、QC7つ道具をうまく活用することにより

    ・現場の実態を知る

    ・結果をよくするための原因の追求を行う

    ・対策の実行を行う

    ・対策前後の確認を行う

    ・歯止め(※)を行う

   といったことが可能になります。

   QC7つ道具を品質管理活動のなかで実際にいろいろな場面で適用して使い方に慣れ、
   問題解決に結びつけていくために定着させるということが大切です。

   ※歯止めとは、効果のあった解決策を継続するために、実施する施策のことを
    いいます。

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