工場のレイアウト改善

             

工場のレイアウト改善

  ■レイアウト改善の進め方

   工場の生産性を向上させるうえで、「レイアウトの変更」という問題を避けて通るこ
   とはできません。

   ここでは、レイアウトを改善するにあたって押さえるべきポイントについて整理して
   みます。

   1.レイアウト改善とは

    レイアウトの改善は、

     工場内の建物や機械設備を流れ作業的に配置し、作業環境を改善する
     ことによって、運搬距離の短縮と運搬の容易化を図る

    ことです。

    そして、品種や生産量、加工方法などの基礎条件が少しでも変わった場合は、
    それに応じた改善を行うことが必要となります。

    具体的なレイアウト変更は、

     ・なるべく配置を工程順にして流れ作業に近い形にする

     ・通路・仕掛品置場・運搬方法などを改善して運搬を容易にする

    ことに取り組むのですが、そのためには、

     「主要通路の確保・舗装」と「建物の敷居の撤去」を行う

    ことが必要になります。

    次節以降では、

     ・レイアウト改善のための調査方法

     ・レイアウト変更の実施

    について整理しています。

   2.レイアウト改善のための調査方法

    レイアウトを改善するためには、一般に次の3つの調査を行います。

    (1)物の動きの調査………工程分析(「流れ線図」の作成)

      「流れ線図」とは、建物や設備配置の平面図を作り、加工品の移動経路を図
      示するものです。

      これは、職場全体にわたる仕事の流れ、各工程における前後工程との関係
      などを検討するのに適しています。

      この図をもとに各工程の分析を行い不合理に動いているものがないかを考
      えます。

    (2)人の動きの調査………作業分析(「作業者移動図」の作成)

      「作業者移動図」とは、作業中における人の動きを平面図に図示するものです。

      各工程における機械・作業台・材料置場・工具箱・通路関係などを検討する
      のに使用します。

      さらに、必要に応じて、準備や後始末作業の動きも分析し、無駄な動きがな
      いか、作業分担は妥当であるかを考えます。

    (3)相互関連図表の作成(多品種少量生産の場合)

      多品種少量生産の場合は上記2つの分析を行っても、人の流れが交錯した
      り、間接作業を行うスぺースが確保できなくなったりする可能性が高くなります。

      そこで、

       ・直接作業場所(設備)

       ・補助部門(工具庫・材料倉庫・検査場・部品置場)

       ・付帯設備(更衣室・食堂・洗面所)

      を一覧表に書き並べ、物の移動や人の動きの点から、各場所の相互関連性
      の程度(近接の重要度)を記号で表示します。

    3.レイアウト変更の実施

     レイアウト変更を実施するには、50分の1または100分の1の建物平面図上
     に、機械や作業台の型紙(平面図)を並べて、種々の案を比較検討します。

     検討すべき事項は、以下の4点です。

     (1)作業場における諸配置

       機械または作業台を中心として、作業者が能率的に動けるように、材料置
       場・完成品置場・道具箱・部品棚などの配置を行っていきます。

     (2)通路および隣接作業との関係

       工場内・職場内に運搬車を通すための通路を確保します。

       通路については運搬(積み降ろし)の便を考えるとともに、先に検討した諸
       配置が運搬の邪魔にならないかを考えます。

       また、流れ作業のように各工程が隣接して配置されている場合には、相互
       関係を考慮して、諸配置を決めます。

     (3)運搬方法との関係

       運搬はできるだけ機械化するのが好ましいのですが、これについてはレイ
       アウトとの関係を考慮に入れて決定する必要があります。

       特に、クレーンなどの配置には、構造物の建築構造についても検討しなけ
       ればなりません。

     (4)採光照明との関係

       昼間の作業には、なるべく窓からの日光を利用することが望ましいので、
       十分な採光が得られるような位置と方向を選ばなければなりません。

       電灯照明を利用する場合には、照明のとり方(特に直接照明の位置)が配
       置上の条件の1つとなります。

      以上が、レイアウト改善を行う際の留意点となります。

      さらに、次節4にてレイアウト改善の要点をまとめておきます。

    4.レイアウト改善の要点

     一般的に、中小規模の工場などではレイアウトに対する考え方が保守的であ
     り、一度決めた設備配置を積極的に変えていこうとする姿勢はあまり見られません。

     しかし、

      望ましいレイアウトとなっていない場合、
      工場全体を効率的に管理することは難しくなり、
      作業能率も落ちる

     ため、もっと前向きにレイアウト変更に取り組む必要があります。

     以下に、主なレイアウト改善の要点を述べておきます。

     <レイアウト改善の要点>

       ・建築物は将来、増築しやすいような構造形式にしておく。

       ・機械などは、床への固定度合いと移動しやすき(固定解除の容易き)
        を両立させる。

       ・小範囲の工程変更や設備の増設、入れ替えというような場合であっても、
        必要であれば部分的に設備配置を変えるほうが望ましい。

       ・現場の工程管理係の位置は、なるべく職場全体を見渡せる場所に配置
        するほうが良い。

  □その他の効率化の視点

   工場の効率化を検討する視点としては、レイアウトの改善に加え、以下のものが 
   あります。

    1.製品や仕掛品の品質を向上させる

    2.在庫量を適正に保つ(製品・仕掛品・原材料)

    3.人員の適正化を図る

   ここでは、これらについて簡単に取り上げてみます。

   1.製品や仕掛品の品質を向上させる

    生産工程のなかで

     最初に改善を図る必要があるのは、加工過程での「歩留まり」を向上きせる

    ことであると言われています。

     この改善によってもたらされる効果は、

      ・仕掛品の不良による損失を減少させる

      ・作業の「やり直し」の手間をなくす

     という2つのものがあり、生産性を大きく向上させることにつながります。

     その実現には、全社的な品質管理を行うTQC活動が効果的であると言われて
     います。

   2.在庫量を適正に保つ(製品・仕掛品・原材料)

    次に、

     製品や仕掛品、原材料に至るまですべての在庫を最少に抑える

    というものがあります。

    これは、トヨタのかんばん方式(必要なものを必要な時に必要なだけ作るという
    考え方に基づいた、在庫をできるだけ持たない生産の仕組み)に象徴されるも 
    ので、効率化(コストダウン)の有効な手段の1つであろうと考えます。

   3.人員の適正化を図る

    さらに、工場の効率を向上させるための3つ目の視点として、

     マンパワーの適正な活用

    があげられます。

    大量生産時代の到来、機械の高性能化、生産技術の向上などにより生産現場
    は設備が占領するようになりましたが、それを稼働させるのは「人」であることに
    は変わりありません。

    人員適正化の具体的な方策としては、

     工員の配置における「熟練者」と「非熟練者」とのバランスをとる

    ということにつきます。

    工場の生産性の向上に向けてはこれらすべてについての検討を行うことが重要
    になります。

                                      お問合せ・ご質問こちら

                                      メルマガ登録(無料)はこちらから