歯科医院経営とマーケティング

           

歯科医院経営とマーケティング


  ■歯科医院の動向

   現在、歯科業界は構造不況業種の一つとされており、業界内の競争が年々激しさを増して
   います。

   歯科医師は毎年約2,000人近く増加し続けていますが、歯科医院の多くが個人事業主であり、
   定年による引退がないので歯科医院は増える一方です。 

   しかし日本の人口は減少傾向であることを考えると、患者数が増えるということは考えにくく、
   増え続ける歯科医師が患者を奪い合うという状態が今後も続くことになります。 

   2017年度の歯科医院の倒産数は20件で、前年度と比較して81.8%の増加となりました。 

   厚生労働省の調査によると、2017年時点では歯科医院の数は68,940件となっています。

   コンビニの店舗数は5万5322軒(日本フランチャイズチェーン協会調査17年12月末)で、
   コンビニの数より多い状況です。 

   平成28(2016)における全国の届出「歯科医師数」は104,533人で、「男」80,189人
   (総数の76.7%)、「女」24,344人(同23.3%)となっています。

   平成28年届出歯科医師数を前回と比べると561人、0.5%増加している。

   また、人口10万対歯科医師数は82.4人で、前回に比べ0.6人増加している。 

   1日当たりの患者数は95年以降減少頼向にある一方、歯科医院数は増加しており、限定された
   マーケットの中で歯科医院が増加し、医院間の競争が激化している状況にあります。

   そのために、各医院では他院との差別化を図ることができるように、

    ・ターゲットとなる患者層の明確化

    ・自由診療の増大

   など、来院者の増加と診療単価アップのための対策に苦慮しています。

  □歯科医院経営のポイント

   歯科医院経常のポイントは、医業収入の拡大、維持という観点から次の2点が考えられます。

    1.患者の獲得と固定化

    2.診療単価の向上

   1.患者の獲得と固定化

    患者の獲得と固定化を図る場合、通常以下のステップに分けて対策が行なわれます。

     a.自院を知ってもらう

     b.再び自院に来院してもらう

     c.他の患者を紹介してもらう 

    a.自院を知ってもらう

     広く地域住民に自院が存在することを知らせると同時に自院に対する好ましいイメージを
     もたせ、来院を促すような広報活動を展開することが必要です。

     ただし、広告宣伝を行なう場合、医療法において、

      ・歯科医師であること

      ・診療科名

      ・名称、電話番号および所在地

      ・歯科医師の氏名 

      ・診療日と診療時間

      ・入院設備の有無

      ・紹介をすることができるほかの病院または診療所の名称

      ・診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報を提供することが
       できる旨

      ・その他厚生労働大臣の定める事項

     以外は広告をしてはならないことになっています(*)。

     したがって広告のみで、好ましいイメージをもってもらうような十分な告知活動を行なう
     ことは容易ではありません。

     そこで、 

      来院を促すために、

      イベントの開催(来院患者だけでなく、広く地域住民にアピールする
      イベント)や院内報の発行などを積極的に行なうことも検討きれた
      ほうがよいでしょう。 

      *歯科医院には直接の影響はあまりありませんが、このほかにも「療養型
        病床群の有無」についても広告できるとされています。 

    b.再び自院に来院してもらう

     一度来院した患者の転院を防ぎ、再来院を促すには、患者との間に良好なコミュニ
     ケーション関係を築く必要があります。

     そこで、 

      患者の立場に立った臨機応変の応対を行なうことで、
      患者の安心感と満足度を高めることができるよう、
      スタッフ教育に注力する必要があります。
      また、治療方針、治療手順に関して
      患者に十分納得してもらうように説明することを心がけるようにしましょう。 

     さらに、患者を維持・確保する方法として、リコールを積極的に行なうことも大切です。 

      リコールは、患者と継続的にコミュニケーションを図り、
      自院の固定患者となってもらうための有力な手段です。 

     具体的には、治療終了後にハガキを出すことにより、定期健診を促すことになります。

     定期健診が実現することで、歯科医院にとっては患者の固定化が可能となり、また患者に
     とっては虫歯を早期に治療できるというメリットが生じます。

    c.ほかの患者を紹介してもらう

     自院のことをほかの患者に紹介してもらえるまで、患者の固定化を進め、地域の患者は
     確実に自院に吸収するシステムを作り上げることがここでの狙いとなります。

 

      新規患者の大部分は、
      近隣の評判や友人・知人の紹介などによって、
      どの歯科医院に行くかを決めていると考えられますので、
      口コミでの評価を高めることが望まれます。 

     たとえば、自院の親派団体をつくり、そこに所属する患者を確実に自院に吸収するような
     仕組み作りを行なうことが考えられます。

     そのための有効な方法のひとつが、「おやつ教室」「歯周病の予防」「歯のかみあわせと健康」
     などをテーマにした「イベントの開催」です。

     具体的には以下に記すような団体を対象に実施することが考えられます。

      ・保育園、幼稚園、学校

      ・子供会、婦人会、老人会

      ・スポーツクラブ、カルチャーセンター

      ・病医院(一般医科)

      ・一般企業、金融機関

      ・理美容院、エステティックサロン

      ・経営者グループ(JC、ライオンズクラブなど)  

     ただし、「イベント開催」を行なう場合の留意点として、 

      アピールすべき医療技術サービスなどがなければ、
      単なる「客寄せ」として受け取られ、
      逆にイメージダウンとなるリスクがあるということが挙げられます。

   2.診療単価の向上

    競合関係が激化するなかで勝ち残り、収益を拡大していくには、前述した「患者の獲得と
    固定化」を進めると同時に診療単価をアップしていく方法が考えられます。

    診療単価を上げるひとつの方法として、自由診療を増やすことがありますが、この時に
    注意すべきなのは、「保険では診てくれない」という誤った認識を患者に与えないように
    配慮しなければならないという点です。

    そのためにも 

     「保険の枠内では十分な治療ができない」ということを
     患者の納得がいくまで十分に説明することが必要です。

  □歯科医療のマーケティング 

   ラーメン屋さんも天下のアマゾンもお客様がいなければ倒産してしまいます。

   今までは黙っていても患者(お客)さんが来てくれました。

   しかし、少子化・患者ニーズの多様化・医院の増加さらに2002年に予定される抜本的
   医療改革等、歯科医院経営は一般ビジネスと何ら変わらないれっきとしたサ−ビス業です。

   これからの歯科医療経営は大きな節目となり規制緩和が進み、自費治療分野にアメリカ資本
   の導入、国内企業の参入により低価格の自費診療の普及など生き残りをかけた戦国時代の
   到来は必至であります。

   グローバルスタンダードの流入に対応していくためには「ドクター中心の医療」から「患者中心の医療」
   というマーケティング力の強化が急務ではないでしょうか。 

   貴院では下記事項を理解し、対策を講じているでしょか?

    ・うちは最新の技術・設備があるから大丈夫?

    ・「患者」としてではなく「お客」として接しているか?

    ・中断患者の再来院の促進は?

    ・貴院の強みは?

    ・スタッフの育成は?

    ・ドクター中心の医療になっていないか?

    ・患者(お客様)とのコミュニケーション(信頼関係)は?

    ・患者の不満で一番多いのは何?

    ・「おまかせ医療」から「納得の医療」へ

    ・患者のための会報誌は?

    ・貴院の特典は?

    ・院長の意識改革からスタッフの意識改革

    ・貴院に対する患者の不満足は

    ・患者一人ひとりに親切丁寧な治療説明をしていますか

    ・患者(顧客)満足はまずスタッフ満足から

    ・貴院のファンはどれだけいますか

    ・乳児対策は

    ・母子の囲い込みは

    ・治療のアフターケアは

    ・「痒いところに手が届く」経営

    ・患者(顧客)を生涯顧客にしていくための患者教育は

    ・コストをかけずに中断患者の再来院を促進

    ・「歯の治療」から「歯のケア」(ホワイトニングによる白い歯)

    ・貴院でできるテレマーケティングによる増患戦略

    ・患者(顧客)情報のデータベース化がされているか?

    ・DM・インタ−ネット(ホームページ)を活用してますか

    ・診療日時の見直し

    ・往診・患者の会

    ・来院者へのアンケートの活用

    ・院内環境は

    ・治療過程・薬・治療費等の説明が丁寧ですか

    ・インフォームド・コンセント

  □繁盛院の実践具体策 

   繁盛院は患者をお客様と理解し接しています。

   一般のビジネスと同じように患者のニ−ズとウォンツを把握し実践するためのマーケティング力
   を強化していかなければなりません。

   患者の不満で一番多いのは何かご存知だろうか。

   「何で一回の治療をチョコチョコやって何回も通院させるのか」お金儲けのためにやっている
   のではないかと思っている。

   この治療行為がなぜ必要なのかの説明不足からである。

   また、40代以上の患者は理解し納得しなければ治療を受けたくないないという人が多い。
   (言わないのは遠慮か、我慢してるだけ)

   赤ちゃんのいるお母さんが歯医者さんに来れない理由は、子育てが大変でという理由より、
   歯医者さんに迷惑がかかるという不安からである。

   このように歯科医院内の一人ひとりが患者の立場に成り代わってどうしたら喜ばれ、感謝される
   かを院内のミーティングで徹底的に討議し、実践していくことが勝ち組みになる必須条件です。

  □「名医の条件」

   ある歯科医は治療に来た患者に必ず日曜日に電話をするそうです。

    「その後、歯の具合はいかがですか?」

   たったこれだけのことで、この歯科医院は予約で満杯です。

   技術や設備において、どの歯科医院も大差はありません。

   来院者を「患者」として捉えるのではなく、「お客様」として接することが差別化に繋がる事例です。

   残念ながら、私自身はそのような歯科医院に出会ったことはありませんが、もしもそのような
   対応をされたなら、私は一発でファンになります。

   更に、そこで良好な人間関係・信頼性が生まれれば、虫歯が完治していたとしても、たとえば
   歯のクリーニング、あるいはホワイトニングといった、スポットのニーズを顕在化できるかも
   しれません。

   当然、リピーターになるでしょうし、友人にも紹介しますよね。

   ぜひ、あなたも、組織として、このような「仕組み」づくりをしてみてください。

   貴院のサービスをいったん利用したら、二回目以降は、必ず他院ではなく、あなたから
   サービスを受けたくなるはずです。

 

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