代理店における経営管理

          

代理店における経営管理


  ■経営管理とは

   事業の種類を問わず、経営とは以下のステップの繰返しを意味するものです。

    (1)大きな長期の目標を設定する

    (2)目標をより身近なものとするために、その目標を細分化する

    (3)各目標達成のための活動計画をスケジュールと共に作成する

    (4)活動計画を実施し、目標への進捗状況をチェックする

    (5)獲得したお客様の信頼、満足を得るための活動を継続する

   活動計画・スケジュールの伴わない目標は目標とはいえません。

   目標の達成度合いは活動計画の進捗状況によって大きく変るものであり、常に活
   動がその計画やスケジュール通りに推移しているかどうかを確認する必要があり
   ます。

   また一方、営業はお客様あっての生き物であり必ずしも計画通りに推移するもの
   でもありません。

   活動計画やスケジュールは、ビジネスの進捗や推移、環境や情勢の変化に合わ
   せて見直す事が必須です。

   こうした計画・スケジュールを実績に合わせて見ていき、必要に応じて計画の見
   直しをしていくことが経営管理であると言えます。

   計画の無いところに目標はなく、また目標やその目標達成のための計画がないと
   ころには管理もありません。

   また、管理は継続して初めて機能するものであり、一時的なものとならない様に
   努力することが重要です。

  □経営管理

   1.経営管理の体系図

    (1)計画の実現化

      小さなPDCAサイクルの積み上げで大きな計画を実現することが基本となる。

      PDCAサイクルの基本的な流れは

       @計画・目標を設定(P)

       A目標を達成するための手段で職務を遂行(D)

       Bその手段が適切になされたか、効果があったかどうかを点検(C)

       C必要に応じてその手段を修正・改善(A)

   2.経営管理の要素

    (1) 経営理念の共有と浸透を図る

      一番大切なことは経営者自らが経営理念に基づいて有言実行することです。

      その経営理念は、従業員に分かりやすく明確であること。

      社訓などの媒体を活用したり、理念に基づく行動を評価するなど制度に取り
      入れる工夫も有効です。

      自店は事業を通じて社会に対してどのような価値を提供していくのか、といっ
      たトップの事業に対する思いを従業員が理解していなければ、お客様にも伝
      わりません。

      したがって、トップは従業員に対して常に経営理念を語り続け、その理念に
      基づいて自らが行動することが大事です。

       ・経営理念を従業員に語り続け、自らも行動し、従業員に分かってもらう

        → 経営理念の発信・共有

       ・経営理念が分かった従業員がお客様にそれを伝える

        → 経営理念の伝達

       ・お客様はサービスを通してその経営理念に共感する

        → お客様満足(CS)

      一方で、制度や仕組みの中で経営理念を共有していくことも有効な手段です。

      例えば、理念に整合する行動指針にしたがって業務を遂行したか、という項
      目を評価の一つにする方法です。

      中小企業の評価制度にも見られるやり方です。

      また、単純に評価項目にするだけでは十分ではありません。

      理念を浸透させるには、評価結果の処遇(賃金や昇格)への反映、面接によ 
      るフィードバックなどをきちんと行うなど、制度を適確に運用することが大事です。

    (2)計画を実現するための管理手法

      計画進捗に関する事実(行動を実践した事実、効果が得られた事実)を
      チェックするという姿勢が大切です。

      ヒトを管理しようとすると、アラ探しや責任追及に目が向いてしまい、事業の
      推進力が削がれてしまうことが多く、それぞれの役割を担うメンバーが自己
      管理のもとで業務を推進することが望ましいでしょう。

       ●管理対象 ⇒ なにを管理するのか

        ○手段を予定どおり遂行したか

         ・目的を実現するための『手段』を遂行できたかどうかを確認する

         ・予定どおり遂行できなかったとすれば、阻害要因を取り除く補完策
          や代替策を講じる

       ●管理主体 ⇒ だれが管理するのか

        ○もっとも重要なのは日常の自己管理

         ・成果をあげるために手段の遂行を担う本人による自己管理が基本

         ・日々の業務の中で常に補完・代替策を考えていけば、確実に
          目的実現に近づく

        ○上司や同僚によるチェック

        ・上司は定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて指示・助言を
         与える 

        ・共通の目的に向けて役割を分担する同僚も、適宜情報を交換
         して行動を修正する

     「誰」ではなく、効果を上げるための『手段』と、手段による『効果』を管理
     の対象とする考え方を目標管理の基本とします。

     「誰」を管理の対象にしてしまうと、個人の属人的な手段に管理がとどま
     り、組織全体の手段⇒ノウハウとして共有できない恐れもあるからです。

     その『手段』で業務を遂行すれば誰でも『効果』を上げられる仕組みを創
     り上げることは、特定の個人が属人的に短期的な売上を上げることより
     も、組織にはるかに大きく貢献していると言えます。

     また、上司によるトップダウン型の管理ではなく、日々の定常的業務の中
     で『手段』の遂行を担う本人が自発的に修正・改善・遂行を繰り返す自己
     管理型の環境を創ることが大切です。

     したがって、上司の管理者としての最大の役割は、

      @このような環境を創ること

      Aチェックやアドバイスで部下が採用している『手段』を
        改善するだけではない

      Bその『手段』を組織としてのノウハウとして蓄積・共有・
        浸透していくことです。  

   (3)具体的な営業管理の方法

       個人の情報やノウハウを組織としての情報・ノウハウにする。

      Plan(行動予定)⇒Do(営業)⇒Check(お客様管理)⇒Action(次の作戦)
      が営業管理の基本動作となります。

      営業日報から得られるマーケティング情報(お客様・競合・商品・価格等)を
      組織としての営業戦略の素材にします。

      代理店の競争力は、営業担当者のレベルに依存するところが非常に大きい
      と言えます。

      営業担当者のノウハウを個人的な能力としてとどめておく限り、代理店の競
      争力は向上しません。

      組織全体のレベルアップにつながる営業管理の仕組みが必要となります。

      @PLAN:

       営業担当者の行動予定表を作成し、組織として共有します。
       長期計画ほど具体的な訪問予定は入れられないが、重要な
       お客様○○社への拡販といった戦略的な項目や更改予定等
       予め長期的なスパンで分かるものが中心となります。
       短期であるほど具体的になります。(重点訪問先を入れる等)

      ADO: 

       営業日報が日常の情報収集のツールとなります。
       報告は口頭ベースで記録を残さない代理店が大半ですが、
       組織的に営業力を高めようとすれば、情報共有化ツールとして
       営業日報は重要となります。
       ここで得る情報は営業進捗情報等の「セールス情報」と営業
       戦略のベースともなる「マーケティング情報」の2通りがあります。

      BCHECK:

       「マーケティング情報」は、お客様管理表(お客様データベース)に
       蓄積し、メンバー全員が共有して代理店としての営業戦略を検討
       するベースとします。

      CACTION:

       上の情報をベースに次の新たな打ち手を講じたり、現在のやり方
       の軌道修正を行い、次期計画に反映させます。

    (4)業務(役割)分担の進め方

      組織の拡大に伴い、機能ごとに業務を切り分けて分業体制を構築できれ
      ば、各人の業務効率の向上が期待できます。

      各人の得意な部分をうまく組み合わせて補完的な関係を作れれば、組織全
      体のレベルアップが図れます。

      なるべく業務を標準(マニュアル)化し、特定の人だけでなく、全員でノウハウ
      を共有できるようにしておきましょう。

      競争の時代に勝ち残り、お客様から選ばれる代理店になるためには、お客
      様のニーズに的確にかつ迅速に対応し、専門性・個別性の高い企画提案が
      実施できる、安定した組織体制づくりが必要となります。

      また、生損保併売を効率的に推進する意味でも、外勤者・内勤者の業務が
      適切に分担され、個々の時間を最大限に活用できるような体制の確保が望
      まれます。

      なお、個々の時間を最大限に活用できるような組織体制も大切ですが、個々
      の時間をうまく捻出するための「時間管理」も重要です。

      時間を捻出するということは、なにかをやらずにすませてより価値の高い仕
      事のために時間を生み出すことです。

      そのためには、

       @仕事の優先順位をつけること

       A計画を立てること

       B計画どおり仕事をこなすこと

       C業務遂行にあたり工夫すること

      といった基本動作を習慣づけることが大切です。

      この基本動作をしっかり守りつつ、自分なりのテクニックで時間管理を行うこ
      とが望ましいと言えます。

   会社経営の目的は、環境変化に対応しながら社会に対する責任を果たす一方
   で、適切な利潤を確保しつつ継続的に成長し続けることです。

   代理店経営も同様で、お客様ニーズの多様化やライフスタイルの変化に的確に
   対応しながら、これからの大競争時代を勝ち抜いて行かなければなりません。

   そのためには、お客様第一のスタンスに立ち、将来の夢と目標を明確にするとと
   もに自店の経営課題の解決を図り、毎日を計画的に活動することが何より重要です。

   顧客サービスが全うできているか、顧客に軸足をおき地域に密着した活動を行っ
   ているか、法人化・従業員採用など顧客の信頼獲得のための経営体制が整備さ
   れているか、生損のクロスセル・世帯総合販売ができる販売力が備わっているか
   等、代理店経営上の課題は枚挙にいとまがありません。

   そして、これらの経営課題は一朝一夕に解決できるものではなく、時期や方法を
   明確にし、強固な意志と不断の努力の積み重ねがあってこそ初めて可能になるも
   のです。

   事業を行うには事業計画が不可欠ですが、事業としての代理店経営を行う際にも
   自店の将来像や業績目標あるいは経営課題について、いつまでにどのようにし
   て達成するか、しっかりした青写真を描く必要があります。

 

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