ウェブ・マーケティング
 

  ■ウェブ・マーケティングとは

   1.ウェブ・マーケティングが注目された理由

     ウェブ・マーケティングという言葉は既に多くの人に浸透しています。

     マーケティングは企業から市場へのあらゆる働きかけを意味していますが、イ
     ンターネット上にホームページを構築し、それを戦略的に用いてマーケティン
     グ活動を行なっていこうとするのがウェブ・マーケティングです。

     ここでは、ウェブ・マーケティングの概念について取り上げます。

     おさらいの意味も含めて考えてみたいと思います。

     ウェブ・マーケティングが注目されているようになってきた理由は、どこにある
     のでしょうか。

     さまざまな要因が考えられますが、もっとも重要なものを2点あげます。

     1つ目は、

      私たちの生活にインターネットが浸透し、
      それが社会構造に劇的な変化をもたらしている

     ことです。

     インターネットが急速に普及した結果、消費者・企業双方のインターネットを使
     用した活動領域が加速度的に広がっています。

     自宅のパソコンを使って日常的にインターネットによる情報収集を行なうことに
     加え、商品やサービスの購買にインターネットを活用する消費者は増加の一
     途をたどっています(図表参照)。

     一方、企業側もそうした消費者の行動に対応するべく、また時にはそれをリー
     ドしながらインターネット上でさまざまな事業に取り組んでいます。

     もっとも基本的なスタイルは、ネット上に自社のウェブサイトを開設し、消費者
     への財・サービス(われわれの暮らしで、衣食住の欲求を満足させるモノのこ
     と)および情報を提供するものです。

     つまりこれこそが、べ−シックなウェブ・マーケティングの実践にほかなりません。

     ウェブ・マーケティングへの関心が高まりつつある2つ日の理由は、

      私たちの消費行動がきわめて複雑になってきている

     ことです。

     私たちの生活は、物質面からみれば非常に高度な水準で安定しています。

     日々の生活を営むうえで必要な物はほとんどすべて周囲に存在します。

     そのような生活環境にある人々は、物質面だけでなく精神面での満足を追求
     する消費行動をとるようになりますが、それらの行動は個々人の価値観に大
     きく左右されるものであり、したがって多様な商品・サービス・情報のニーズが
     生じることになります。

     ニーズの多様化ないし細分化は、企業のマーケティング戦略そのものに変化
     をもたらしています。

     企業は、既存のマーケティング戦略を続けるだけでは収益確保が困難にな
     り、マーケティングのパラダイムそのものを転換することが求められているの
     です。

     そして、その有効な方法としてウェブ・マーケティングに目を向けるようになっ
     たのです。

     すなわち、

      ウェブを使って多様化した集客ニーズを把握し、
      それに基づいて効果的な商品・サービス・情報の販売戦略を実践し、
      より多くの顧客ロイヤルティーを獲得する

     というものです。

     以上2つの要因によって、ウェブ・マーケティングは企業の新しいマーケティン
     グ戦略として急速にその重要度を増してきました。

   2.ウェブ・マーケティング

     ウェブ・マーケティングとは、

      インターネット上にウェブサイトを開設し、
      ネットを通じて商品やサービスの宣伝広告、見込み顆客の発掘、商談、
      受注、契約、さらにはアフターサービスまでも行なう

     というものです。

     ウェブ・マーケティングでは、既存のマーケティング戦略を包括的に実践して
     いくことも可能ですが、それよりもむしろ他のマーケティング戦略を補完する目
     的で活用しているケースのほうが多くみられます。

     ウェブ・マーケティングの特徴は、

      ターゲットとする顧客に一斉に情報を提供できる

     ところにあります。

     したがって、コスト面でのメリットも大きくなります(ただし、システムの構築と保
     持には一定のコストが必要です)。

     またそれと並んで重要な特徴は、

      顧客と双方向コミュニケーションが可能になる

     ことです。

     つまり、営業担当者と各種広告媒体のもつ強みを兼ね備えているのです。

     これがウェブ・マーケティング最大の特徴であり、最大の強みです。

  □効果的なウェブ・マーケティングを行なうために

   前項においてウェブ・マーケティング登場の背景やその強みがおわかりいただけ
   たかと思いますが、単純にウェブサイトを開設すればその企業の売上が確保され
   るというものではありません。

   この項では、効果的なウェブ・マーケティングを行なうための基本的な考え方をご
   紹介します。

   1.ウェブ・マーケティングの全体構造

     まず、ウェブ・マーケティングの全体構造を明確に認識しておきます(図表参照)。

     ウェブ・マーケティングの実践においては、顧客を自社のウェブサイトに吸引
     し、商品やサービスを十分に知ってもらい、さらに購買行動へと結びつけます。

     その核にあるものはウェブサイトですが、他にもウェブ・マーケティングを構成
     する重要な要素があります。

     ひとつは集客ツールとよばれるものであり、これは大勢の顧客を自社のサイト
     に誘導する役目を果たします。

     そしてもうひとつは、フォローマーケティングといわれる要素です。

     これは一度自社と関係を構築した顧客に対してアフターサービスを行なってい
     くものであり、長期的な売上拡大を考えるためにも必要不可欠な要素であると
     いえます。

     ウェブ・マーケティングの実践では、核であるサイトの作成に関心が集まりが
     ちです。

     もちろん魅力的で実用性のあるサイト環境を提供することは、多くの顧客獲得
     につながりますが、他の要素をおろそかにした結果ウェブ・マーケティングがう
     まく機能せず、次第に核となるウェブサイトにも手を入れなくなるケースも見受
     けられます。

     そうした事態を避けるためにも、まずはウェブ・マーケティングの全体像をしっ
     かりつかんでおく必要があるでしょう。

   2.効果的なウェブ・マーケティングの実践

     では、効果的なウェブ・マーケティングを実践するためにはどのような点に留
     意すべきでしょうか。

     ウェブサイトについては、何よりも見やすさを優先させたいものです。

     必要な情報を簡潔に集約し、誰にとってもわかりやすい形で提示することが重
     要です。

     つまり、

      アクセスするインターネットユーザーの立場にたったサイトを
      構築する必要がある

     ということです。

     無数に存在するウェブサイトのなかから自社のサイトを選んでもらうために 
     は、定期的なリニューアルも不可欠です。

     また、集客ツールの役割はきわめて重要です。

     いかに素晴らしいサイトを構築していても、多くのインターネットユーザーを誘
     導してくる仕組みがなかったら、成功させることは難しいからです。

     ウェブサイトはユーザーと企業との出会いの場です。

     魅力的な出会いの広場にユーザーを連れてくるためのツールがなければ、そ
     の広場の存在に気づいてもらえません。

      集客ツールには、インターネット広告と相互リンク、印刷媒体による告知
      などの方法があります。

     インターネット広告のなかでももっともよく使われるのが、バナー広告です。

     これは、多くの人が見るサイトに帯状の広告を掲示し、関心をもったユーザー
     がそれをクリックすると自社のサイトが立ち上がるような仕組みになっています。

     また、電子メール広告もよく使用されます。

     これは、登録会員に対してさまざまな情報が掲載された電子メールを配信する
     ものであり、そのなかに自社のURLも載せています。

     相互リンクは同じような業界、テーマ、商品を取り扱っているサイトと相互に連
     絡を取り合って、他のサイトで自社のサイトを紹介してもらうものです。

     アクセスの多いサイトとリンクを張ることができれば、より多くのインターネット         
     ユーザーを呼び込むことができるでしょう。

     印刷媒体による告知では、外部の人の目に触れる可能性のあるすべての印
     刷物に自社のURLを載せます。

     会社案内、名刺、便せん、商品パンフレット、チラシなどのほか、タオルなどの
     販促物に入れることも効果的です。

     こうしてさまざまな方法を組み合わせ、最良の効果が期待できる集客ツールを
     作ります。

  □ウェブ・マーケティングとワン・トウ・ワン・マーケティング

   ウェブ・マーケティングを論じる際には、ワン・トウ・ワン・マーケティングの概念を
   理解する必要があります。

   この項では、ウェブ・マーケティングとワン・トウ・ワン・マーケティングの関係につ      
   いて、みていくことにします。

   1.マス・マーケティングとワン・トウ・ワン・マーケティング

     従来の企業におけるマーケテイング戦略は、マス・マーケティングとよばれる
     ものであり、これは大衆を対象としてマーケティング戦略を立案し、実行するも
     のでした。

     しかしその後消費者のニーズは多様化の一途をたどり、マス・マーケティング
     の手法では対応できない部分が生じてきました。

     そこで、セグメント・マーケティングが登場しました。

     セグメント・マーケティングでは異質性の高い市場を、消費者のニーズによっ
     て細かく分割していきます。

     つまり、似通ったニーズをもつ消費者をある程度集めてひとつのまとまった市
     場として把握し、細分化された各市場に対して異なるマーケティング戦略を採
     用します。

     セグメント・マーケティングによって、消費者と企業との距離をかなり短縮する
     ことが可能となります。

     本当に消費者が欲している商品・サービスを、適正な価格で販売するような企
     業サイドの継続的な努力によって、私たちはより快適な生活環境を手に入れ
     ることができます。

     こうして成熟した社会環境が創出されると、私たちはより多くの欲求をもつよう
     になります。

     最初の『ウェブ・マーケティングとは』の項でも触れましたが、自らの価値観に
     基づく消費行動が生活全般に及んできて、消費者のニーズはいっそう細分化
     されていき、セグメント・マーケティングの手法をより高度な次元へと高めるこ
     とが企業の大きな経営課題となってきています。

     こうした市場ニーズとそれに対応した企業のマーケティング戦略の変遷のな
     かで、ワン・トウ・ワン・マーケティングという概念が登場し、多くの人々の関心
     を集めてきています。

     端的に表現すれば

      ワン・トウ・ワン・マーケティングとは、
      一人ひとりの顧客を別々に取り扱うことである

     と定義できます。

     個々人のニーズを的確にとらえ、それに応えるマーケティング戦略を実践でき
     れば、その企業にとってのファンを獲得することができます。

     一度自社のファンとして囲い込むことに成功すれば、それは企業に長期的な
     収益をもたらしてくれます。

     ウェブ・マーケティングは、ワン・トウ・ワン・マーケティングを行なうひとつの重
     要なツールとなります。

     ウェブサイトを開設し一方的な情報発信を行なっているだけでは、顧客の心を
     つかむことはできません。

      ウェブを戦略的な視点から構築し、
      ワン・トウ・ワン・マーケティングを実行することが、
      ウェブ・マーケティングの成育を分ける重要なファクターとなります。

   2.ワン・トウ・ワン・マーケティングを実践するには

     では、ウェブ上で効果的なワン・トウ・ワン・マーケティングを実践するにはどう
     すればよいのでしょうか。

     ここではその概要について簡単にご紹介します。

     ウェブ上のワン・トウ・ワン・マーケティングにおいては、

      自社のウェブにアクセスしてくれた人の行動を追跡し、
      その結果を分析して新たな事実を発見する

     という作業を行ないます。

     アクセスされた情報を入手するためには、サーバー管理者(通常はプロバイ
     ダー)への問い合わせをしますが、そこで入手した情報は数字の羅列にすぎま
     せん。

     それらを読みとるためには、解析ソフトにかける必要があります。

     今では解析ソフトを使用せずとも、以下のことを解決してくれる業者(HP作成)
     もあります。

     そうすることで、

      ・OS別、ブラウザ別のアクセス数

      ・ドメイン別のアクセス数

      ・ページ別のアクセス数

      ・各ページでのユーザーの滞在時間

     などが明らかになります。

     したがって、商品やサービスを注文しなかった人でも、何に興味をもってくれた
     かを推察することが可能になります。

     このように、アクセスしてきた消費者たちのニーズを緻密な手法で推察し、顧
     客のもっている情報に企業が近づいていくことがワン・トウ・ワン・マーケテイン
     グを可能にします。

     アクセス解析によるワン・トウ・ワン・マーケティングを、より系統的に行なって
     いくためには、顧客の性別、年齢その他の属性データと商品の購買層歴デー
     タなどをあらかじめデータべース化しておく必要があります。

     このデータベースは顧客の行動履歴として蓄積されたものであり、顧客がウェ
     ブにアクセスしたときにデータベースを参照してその人専用の対応を自動的に
     行なう仕組みを構築します(図表参照)。

     このように巨大なデータベースを構築し、それを戦略的に活用することでワン・
     トウ・ワン・マーケティングが可能となります。

  □ウェブ・マーケティング導入時の留意点

   最後に、ウェブ・マーケティングを導入する際の留意点を確認しておきます。

    ウェブ・マーケティングを導入するためにはまず、
    その全体構造と導入目的を明確にする必要があります。

   「他社でも取り組んでいるから」という理由だけでウェブ・マーケティングを導入す
   るようでは、大きな成果を期待することは難しいでしょう。

   まず、自社のマーケティング戦略を詳細に分析し、その強みと弱みを明らかにし
   たうえで、弱みを補強するために、あるいは強みをいっそう伸ばすためにウェブ・
   マーケティングが必要不可欠である、そう判断した時点ではじめて導入を検討し
   ます。

   ウェブ・マーケティングの導入を検討する際には、『効果的なウェブ・マーケティン
   グを行なうために』の項で取り上げた全体構造をしっかりと把握しなければなりま
   せん。

   全体像をつかむことは意外に見落とされがちであり、どうしてもウェブサイトの作
   成に関心が集まる傾向があります。

   ウェブサイトの作成のみを重視した取り組みは、長期的なアクセス数の増加には
   つながりません。

   ウェブサイト、集客ツール、フォローマーケティングの3要素をバランス良く検討す
   る必要があります。

   ウェブ・マーケティングの導入にあたっては、そのメリット、デメリットを知っておくこ
   とも大切です。

   メリットは『ウェブ・マーケティングとは』の項で述べたように、多くの消費者と瞬時
   に双方向のコミュニケーションがはかれ、それを売上拡大に生かせるところにあり
   ます。

   ただし、ウェブ・マーケティングにもデメリットがあります。

   それは、データベースの構築やメンテナンスにはある程度のコストがかかるという
   ことです。

   一定の効果を生み出すためには、継続して手を加えなければなりません。

   また、ウェブ・マーケティングのみに頼ってしまう姿勢も危険です。

    ウェブ・マーケティングは、全集の他のマーケティング戦略を補完
    するものであり、そのような視点から取り組む必要があります。

   全体構造とメリット・デメリットを認識し、自社のマーケティング戦略をより高いレベ
   ルへと引き上げることを目的にウェブ・マーケティングを実践するのであれば、そ
   れは大きな価値をもたらしてくれることでしょう。

   ウェブ・マーケティングにおいてもワン・トウ・ワン・マーケティングの考え方は必要
   不可欠となります。

   ところで、ウェブ・マーケティングを導入するには、専門的な知識と技術が必要と
   なります。

   導入にあたっては、ウェブ・マーケティングに強みのある企業に作業依頼をする
   のがよいでしょう。

   ウェブサイトの作成からデータベースの構築、集客ツールの作成など、ウェブ・
   マーケティング全般を行なっている企業もありますし、ウェブサイト作成専門、
   データベース構築専門という企業もあります。

   長期的なパートナーとなりますので、自社に合った企業を慎重に選びましょう。


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