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顧客を差別化する |
■お客様は「平等」か? ちょっと財布を開いてみてください。 あなたの財布の中には何枚のカードが入っているでしょうか。 カード社会といわれる昨今、クレジットカードの枚数も多いことでしょうが、いわゆ 百貨店のポイントカード、家電量販店のポイントカード、スーパーのポイントカー ポイントがたまると、キャッシュバックや無料航空サービスなど、さまざまな特典が 一方、各企業がポイントカードを発行するメリットはどこにあるのでしょうか。 じつは、ポイントカードを使用して消費者はポイントをためていますが、発行企業 そして、この蓄積した情報を利用してお客様の差別化を図っているのです。 来店してくれたお客様を平等に扱い、同じようなサービスを提供するのが、今まで 実際、百貨店は「エブリワン」を顧客としすべてのお客さまに等しいサービスを提 マーケティングでいうところの「市場細分化」が進み、 細分化された市場にいるお客様を自分のお客様と捉える考え方が これにともない、特定のお客様、それも自社にとって「優良」な客様に標的を絞り まさに「差別化するのは顧客だ」という時代にあります。 「顧客差別などけしからん」という概念は、皆が成長でき、お客様を増やせば自動 現代では、お客様を差別化するツールが求められています。 それを可能にしたツールがポイントカードに代表される顧客データベースであり、 週に3回来店され1回に1万円以上の買い物をしていただけるお客さまと、月に1 月商が1億円の販売店と月商1千万円の販売店に同じように営業マンを訪問させ とにかくお客様を増やせば儲かる、訪問回数を増やせば売上が上がるという「高 お客様の情報を活用できる時代のマーケテイングは、「選択と集中」です。 多くの企業が、ポイントカードなどの手段で集められた情報でお客様の差別化を 米国の例ですが、お客様を「サスペクト=疑似客」「プロスペクト=見込み客」 もちろん、継続客を「優良顧客」として差別化していきます。 つまり、固定客、リピーターを大切にしようという発想にもつながります。 新しい顧客開拓が難しい環境下、新規客よりも既存顧客を重視することが求めら 新車を買うお客様でも、まったくの新規客より既存のお客様のほうが販売に結び また、コストの面からも既存顧客の重要性が指摘されています。 たとえば、新親客を開拓するマーケティングコストは、既存の顧客維持コストの5 今では、 お客様を「平等」に扱うのではなく、 お客様の自社に対する「ロイヤルティー」に応じた対応を考えるべきです。 このように戦略的に顧客を差別化することが不可欠となる。 1.アメリカン航空の例 お客様を「差別化」して捉える考え方の例を見てみましょう。 有名な例は航空会社の事例です。 1970年代初頭の話です。 米国のアメリカン航空は今後のマーケティング戦略策定のためにお客様の調 なんと自社の収益の約65%が3.2%のお客様からもたらされていたのです。 すなわち、年間搭乗顧客数2500万人のうちの3.2%、80万人のお客様、年 この結果に基づいて、アメリカン航空はお客様に接するスタイルを従来のもの テレビや雑誌の広告を通じて「アメリカン航空は最高のサービスを提供します。 すばらしいシートの座り心地をお試しください」とすべてのお客様に訴える見込 必要なのは「いつもご利用ありがとうございます。ご利用いただいているお礼 こうした発想が「差別化するのは顧客」であるという考え方の基本にあります。 企業の収益の7割弱をもたらしてくれるお客様を大切にし、ほかのお客様は、 不特定多数の「見込み客」に向かって膨大な広告宣伝費をかけるよりも、利益 顧客すべてを平等に扱うというのは聞こえがいい言葉ですが、お客様と企業 企業はすべてのお客様を同一に扱うことで、じつはお様まとの対話を拒否して すべてのお客様一人ひとりと対話することはできませんが、自社の製品・サー お客様のなかから自社にとって利益に大きく貢献してくれる「優良顧客」を見つ 多くの一般客の嗜好はつかむことができませんが、自社の製品・サービスへ できるだけ多くのお客様にたくさんの商品・サービスを買ってもらうことを目指 それを知った企業はさまざまな仕組みを考えて顧客の差別化を行ないだしま あるガソリンスタンドでは、来店する車のナンバーを登録して月ごとの来店回 米国のある小売店は、自店にとっての「優良顧客」を分析するシステムを導入 また、ナショナル・オーストリア銀行では個人顧客の口座を分析し、その利益 日本でも、航空会社のマイレージサービスなど、自社のサービスを利用するお 銀行でも残高の金額によってATMの利用料を無料にするなど、お客様への “利益をもたらす「優良顧客」を大切にする” これがアメリカン航空の調査から得られたマーケティング手法であり、「高度成 「80:20の法則」という考え方があります。 投入と算出、原因と結果などの間には不均衡があり、その比率は80対20で たとえば、 ・売上の80%を占めているのは製品の20%である ・売上の80%は20%の優良顧客からもたらされる ・離婚件数の80%は20%の人で占める ・カーペットの擦り切れや汚れの80%は20%の部分で発生する ・試験問題の80%はその科目に関する知識の20%の知識で答えられる といった具合です。 たとえば、100人の人が1カ月に飲むビールの本数を多い俄に並べていった ビール会社が効率的に販促活動を行なっていこうとすれば、上位20%の人に 数値を入れてもう少し具体的に見ていきましょう。 ここでは例として、顧客の売上高比率と利益比率の関係を見てみます。 顧客A、B、Cで売上の累計は20%程度ですが、利益では半分以上を稼がせ 顧客タイプ別に利益に責献している「優良顧客」を見つけることが大切です。 このような表を貴社のお客様を対象に作成してみてください。 「80対20」の法則をうまく利用すること、「80対20」の不均衡を利用してお客 「自社の製品やサービスを頻繁に利用しくれるロイヤルティーの高いお客様」 たまにしか買ってくれないお客様を無視する「選択と集中」が必要です。 重要なのは一部のお客様なのです。 その一部の重要なお客様を差別化して見つけることがポイントになってきてい 「80対20」の法則を利用した考え方を、『80対20の法則』の著者リチャード・ ・化粧品の20%の商品が80%の利益を生んでいます。 ・80%の収益を占める20%の顧客を絶対に放してはいけません。 ・売上の80%、利益の80%を生み出す20%の顧客に販売努力を集中 ・重要なのは一部の顧客であり大半の顧客ではありません。 「選択と集中」「特定の優良顧客を大切にすること」が重要なことは理解していた では、どのようにしてお客様を差別化すればよいのでしょうか。 いくつかの方法を見ていきましょう。 まず、お客様ごとの売上高と売上伸び率を利用して、以下のようなマトリクスを このマトリクスから自社にとっての「優良顧客」を選別していきます。 この事例で見ていくと、右上のマトリクスにあるお客様であるA社、B社が現状 営業担当者を頻繁に訪問させるなど手厚いサービスを提供すべきお客様です。 C社は今後どのように取り扱うか、将来性のあるお客様なのかを慎重に検討 E社は売上高こそ低いのですが成長率の高いお客様です。 今後戦略的に開拓していくことが必要となるお客様という位置づけが考えられ 営業担当者にもお客様の今後の成長動向を聞きだすスタイルが望まれます。 最後のD社、F社にはなるべく手をかけない、お金をかけない対応が求められ 営業担当を訪問させるのではなく電話で対応するなどの差別化した対応が必 このように、すべてのお客様を同じように定期的に訪問する、あるいは訪問回 自社にとって重要なお客様は毎日訪問するなど万全のサービスを ことによると、そのお客様はよそのお客様になってもらったほうが、自社に利益 自社にとって重要でない顧客を見極めて、利益をもたらさないお客様と上手に 小売業など多数のお客様を相手にする業態では、これから説明するRFM分析 横文字でわかりにくそうですが、難しい考え方ではありません。 これまで説明してきた「差別化するのは顧客」であるという考え方と「80対20」 日本でもコストコの出店(1999年)、そしてウォールマートの進出(2002年) 最近ではネット販売においても、アマゾンのビジネスマーケットへの躍進が際 こうした企業では、一時的な「特売」ではなく「毎日、低価格で商品を提供する しかし、「EDLP」は「優良顧客」にもそうでない顧客にも同じサービスを提供す また、店舗としても、低コストの商品をあまり自店で利用しないお客様にも提供 そこで、「よく来店してくれるお客様」「高額のお金を使ってくれるお客様」「最近 米国で理論化されたFSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム=高頻度来 日本語の名前のとおり、高頻度=よく来店してくれるお客様を優遇していく作 「80対20の法則」で紹介したように、来店客別の売上高とその構成比を調査 この3割程度のお客様を「優良顧客」としてもっとも大切にすることが戦略の要 このお客様に対して、ほかのお客様と差別化した「優遇策」をとり、自社、自店 ちなみに、購買金額の下位から5割のお客様の合計購買金額が全体の売上 ある調査ではなんと10%に満たないという結論がでたというデータがあります。 この5割のお客様にかけるコストをいかに削減するかということも、FSPにおけ ぜひ、自社のお客様をFSPのための顧客分析表のマトリクスを利用して分析 自社のお客様の分布が「80対20」の法則にあてはまることが理解できるとと 仮に、500人のお客様をもっている場合、10%ごと=50人ごとに構成比を区 FSPを支える「差別化するのは顧客だ」という考え方をより具体的に分析する RFMの3つの軸を見ていきましょう。 RはRecency=直近の来店日、購買日を基準とした軸 FはFrequency=購買頻度を基準とした軸 MはMonetary=購買金額を基準とした軸 この3つの軸を重視して分析するのは、以下の理由からです。 R(リーセンシー)は最近来店してくれているお客様は今後の販促活動や店内 F(フリークエンシー)は来店頻度ですので、店舗に対するロイヤルティーを示 M(マネタリー)は売上金額ですので売上に重点をおいた販促の企画に活かす RFM分析はこの3つの軸を利用して自社にとっての「優良顧客」を選別しようと 具体的には、たとえば以下のようにポイント付けを行ないます。 さらに、R、F、Mごとに自店の戦略にあわせてウェートづけを行ないます。 店舗ロイヤルティーを最優先し、次に売上金額、最後に直近来店期間とする この基準によって「顧客」の差別化を行ない「優良顧客」を見つけ、優遇的な 海外の例では、上位の顧客にはクーポン券の提供や、先に書いたように七面 貴社でも顧客を差別化していく手段を身につける必要があります。 2割の「優良顧客」が利益の8割を提供してくれているのです。 コツチは、核になる優良顧客を離さない4つの秘訣として、 (1)核になるお客様が誰かを突き詰めること (2)核になるお客様には特別なサービス、場合によっては「常軌を逸した」 (4)核となるお客様からは絶対に目を離さないこと を挙げています。
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対応エリア | 静岡・愛知県内、東京周辺 |
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