アナログ社長のインターネット活用

 

  ITの活用が必要と考えている企業の割合は、「コストの削減、業務効率化」では、
  小規模事業者で7割弱、中規模企業で9割弱である。

  次いで、「営業力・販売力の維持・強化」、「新規顧客の獲得」の割合が高い。

  「コストの削減、業務効率化」について、ITを導入した企業の割合は、小規模事業
  者で3割強、中規模企業で6割弱である。

  また、ITの活用が必要と考える企業のうち、導入した企業の割合は、小規模事業
  者で約5割、中規模企業で7割弱となっている。

                              出典:中小企業庁 - 経済産業省


  「電子メールの利用」については、9割を超える中小企業で実施されているが、「自
  社ホームページの開設」については、大企業の実施割合が8割を超えていることに
  対し、中小企業の実施割合は7割に届かない低い水準にとどまっている。

                               出典:中小企業庁

  上記のように、本来大企業と比較して「ヒト、モノ、カネ」といった現有資産に限りが
  ある中小企業こそ、ネットの有効活用を推進していかなければならないはずだが、
  まだまだ勘と経験に依存した経営体質から抜け出せないようです。


  ■ホームページをみてみる

   1.ホームページは手軽な情報源

     「インターネットの活用=自社ホームページの開設」と考えがちですが、ホーム
     ページを開設しなくても、インターネットをビジネスに活用することはできます。

     インターネットとは、世界中にある複数のコンピュータネットワークを接続したも
     の、と考えればよいでしょう。

     インターネット上では、企業はもちろん、各国政府や官公庁、自治体、学校、個
     人までが、「ホームページ」という形で自由に情報を発信しています。

     つまり、インターネットに接続すれば世界中から情報を収集することができる
     のです。

     そこで、まずは「ホームページをみる」ことから始めてみてはいかがでしょうか。

     インターネット上には膨大な数のホームページが存在しており、さまざまな情
     報が発信されています。

     そのなかには自社の経営に役立つ有益な情報も含まれているはずです。

     有益な情報がいつでも、誰でも、どこにいても、入手できるわけですから、ホー
     ムページは手軽な情報源といえます。

     また、数多くのホームページをみていると、利用者にとって魅力的なホーム
     ページと、そうでないものとの見分けがついてくるでしょう。

     ホームページ作りのコツがわかれば、自社のホームページを作成する際にも
     役立つのではないでしょうか。

   2.目的別の情報源

     ここでは、どのようなホームページが情報源となるか、目的別に一例をご紹介
     します。

     (1)取引先を開拓したい

       自社が取り扱っている製品名やサービス名、あるいは技術・資格などを
       キーワードに、取引先となりそうな業者のホームページを探したり、展示
       会・見本市の開催情報を調べてみましよう。

       また、業界団体のホームページで会員となっている企業を紹介していること
       もありますし、自治体や商工会議所のホームページで地元企業を紹介して
       いることもあります。

       取扱企業が少ない製品でも、インターネットを使えば全国から取引先を探
       すことができます。

       海外の取引先を開拓することも可能です。

     (2)業界の動向などを知りたい

       監督官庁や業界団体、業界紙(誌)などのホームページで、統計データを
       公表したり、業界の現状を解説したり、成功事例を紹介していることがあり
       ます。

       たとえば経済産業省ホームページでは工業統計や商業統計などの各種
       統計調査結果を公表しています。

     (3)加盟店を募集しているチェーンや、代理店を募集している企業を探したい

       チェーン名などがわかっている場合は、そのチェーンのホームページを探し
       てみます。

       多くのチェーンでは、募集要項や説明会の日程、問い合わせ方法などを掲
       載しています。

       具体名がわからない場合は、業種名などをキーワードにして検索してみま
       しょう。

       そのほか、日本フランチャイズチェーン協会や、日本ボランタリー・チェーン協会
       のホームページにも、会員企業の情報が掲載されており、各チェーンの加
       盟費用などがわかります。

  □電子メールのやりとりをしてみる

   インターネット上では、「電子メール(Eメール)」と呼ばれる電子的な手紙のやりと
   りをすることができます。

   ホームページにURLという住所が割り当てられているのと同様、電子メールも
   「メールアドレス」と呼ばれる住所で宛先を指定します。

   互いのメールアドレスがわかっていれば、いつでも、どこにいても、電子メールの
   やりとりができます。

   ホームページをみるにはブラウザという表示用ソフトウエアを使いますが、電子
   メールの送受信をするには電子メールソフトが必要です。

   さまざまな機能をもった電子メールソフトが市販されていますが、最初はブラウザ
   付属の電子メールソフトを使用すればよいでしょう。

   (1)電子メールのやりとりをする

     電子メールは、文字だけではなく図表や写真、動画、音声なども送れるうえ、
     受信者が電子メールの内容をパソコンに取り込んで印刷・修正・加工などをす
     ることもできます。

     さらに、同じ内容の電子メールを複数の人に一斉に送ることもできます。

     電話とは異なり、相手が不在でも、早朝や深夜でも、思いついたときに、また
     は時間のあるときに、電子メールを送ったり、自分宛に届いた電子メールを読
     んだりできる点が、非常に便利です。

     また、郵便とは異なり、遠距離でもすぐに届きます。

     そのため、ビジネス上の問い合わせや連絡に電子メールを活用するほか、製
     品の共同開発などに役立てている企業もあります。

     このように便利な電子メールですが、コンピュータウィルスを媒介しているのも
     電子メールです。

     多くのコンピュータウィルスは、電子メールに添付され、知らないうちに送信さ
     れて被害を広げていきます。

     とくに企業の場合、いったん感染すれば取引先に被害を与えてしまう危険性
     が高く、被害を与えてしまってから「ウイルスに感染していたことには気づかな
     かった」ではすまされません。

     最悪の場合、損害賠償問題となる可能性もあります。

     したがって、そのようなことにならないように、ワクチンソフトを導入するなど、
     しっかりとしたウイルス対策を行うことが肝要です。

   (2)メールマガジンを購読する

     電子メールの形で送られる「メールマガジン」と呼ぶ情報誌も多数発行されて
     います。

     一度登録すれば定期的にメールマガジンを送ってもらえるので、興味のある
     テーマについての情報を継続して入手することができます。

     大半のメールマガジンは無料で購読できます。メールマガジンの発行者は企
     業から個人まで多種多様で、テーマも多岐にわたっていますので、以下の
     ホームページなどで興味のあるテーマのメールマガジンを探してみましょう。

      ・まぐまぐ

      ・メルマ! 

   (3)発注を行う

     取引先がインターネットを使った受発注を行っていれば、

     電話やFAXではなく、電子メールで商品を発注することも可能です。

     電子メールで商品を発注するメリットとしては、

      ・発注作業が効率化できる

      ・システムによっては、在庫照会や納品期日の確認、決済まで可能となる

      ・仕入価格の引き下げや納品リードタイムの短縮が期待できる

     などがあげられます。
    
  □自社のホームページを開設する 

   自社のホームページを開設すれば、インターネットの活用方法はさらに広がります。

   その際には、
    まずは誰に何の目的でどんな情報を発信するのかを明確にしたうえで、
    ターゲットと目的に合った内容を検討することが大切です。 

   以下ではおもな目的別にポイントをご説明します。

   1.広告宣伝に活用する

     ホームページに所在地や業務内容、自社の特徴、アピールポイントなどを掲 
     載して広告宣伝を行い、取引先や顧客の開拓を図っている企業は少なくあり
     ません。

     ホームページによる広告は、他の媒体に比べて安価であり、製品の特長や
     サービス内容などを詳しく掲載することができ、内容の更新も容易であるという
     メリットがあります。

     また、電子メールで、製品やサービスに関する質問やカタログの請求を受け付
     ければ、迅速に対応することができます。

   2.採用活動に活用する

     中小企業における新卒者の採用活動は、学校に求人票を送付したり学校の
     就職部を訪問する、会社説明会を(単独あるいは他社と共同で)開催すると
     いった手法で行われていることが多いようです。

     また、中途採用については、ハローワークを利用するほか、従業員から紹介し
     てもらうなど口コミを利用するケースが多かったのではないでしょうか。

     しかし、最近は、求職者のインターネットを利用した就職活動が一般的になっ
     てきています。

     そこで、ホームページ上に自社の会社概要や募集事項を掲載して積極的に情
     報発信することも検討されてはいかがでしょうか。

     資料請求や会社説明会の参加申込を電子メールで受け付ける、個別の問い
     合わせや質問に電子メールで回答するなど、双方向のコミュニケーションも可
     能になります。

     中小企業にとって優秀な人材を獲得するチャンスと考えられます。

     そこで、新たな求人ツールとしてインターネットを積極的に活用してはいかがで
     しょうか。

     また、自社のホームページを利用するだけでなく、以下のような求人情報専門
     のホームページに自社の情報を登録することも考えられます。

      ・商工会議所就職情報

       *求人情報の登録は各地の商工会議所で行っている

      ・リクルートナビ 

   3.販売・受注活動

     インターネット利用者の増加にともない、企業においてはインターネットを活用
     した販売業務や受発注業務など電子商取引の利用も拡大しています。

     電子商取引市場は、パソコン・書籍などの最 終消費財や有料ネットワークコ
     ンテンツなどのサービスの取引を行う企業−消費者の市場と、企業間で原材
     料などの取引や受発注、生産管理、工程管理などを行う企業間の市場に大別
     できます。

     たとえば、中小製造業のなかには、日本を代表するような技術力があり、ニッ
     チ市場において世界的なシェアを誇っている会社もあります。

     しかし、その一方で、技術力が大変高いにもかかわらず、営業力が弱いため、
     売上が伸び悩んでいる中小企業も数多く存在しています。

     インターネットを活用した販売・受注活動は、時間や場所の制約を受けません。

     日本中、あるいは世界中の企業と取引を行うことも可能です。

     そのため、従来からの限られた市場のなかでのみ営業活動を行ってきた中小
     企業にとって、企業規模の限界を克擬する強力なツールになると考えられます。

     ただし、ホームページを開設すればすぐに注文が殺到するということはありえ
     ませんし、実際の店舗でまったく売れなかった商品がインターネットでは飛ぶ
     ように売れるということもないでしょう。

     したがって、売上に結びつけるためには、ここで紹介しているようなインター
     ネットの特性を踏まえた明確なマーケティング戦略と、創意工夫が求められます。

   4.新製品の開発

     下請中小企業の多くは、親企業の仕様にしたがって製品を作ってきました。

     そのため、消費者からの声は、直接にはそれら下請中小企業に届かない状況
     が続いていました。

     ところが今では、大企業は国際競争力を高めるために積極的な海外展開を行
     い、既存下請取引の比率を低下させています。

     そのため、下請中小企業は従来と同様の売上を確保するためには、大企業か
     らの受注に頼ることのない自助努力を行う必要があります。

     インターネットを使えば、消費者とのダイレクトなコミュニケーションができるため、
      今までほとんど消費者と接する機会がなかった下請中小企業においても、
      消費者サイドに立ったものづくりやサービスの提供が可能になる

     たとえば、下請企業からの脱却を図る意味でも開発した新製品をホームペー
     ジで紹介し、最終消費者からの意見を反映させた「ものづくり」を行うことが考
     えられます。

     このようにして、インターネットにより得られる消費者からの生の声は、貴重な
     情報として社内に蓄積することができます。

     その結果、消費者サイドに立ったものづくりやサービスの提供を行うことが可
     能になるのです。

  □ITを効率的に活用する

   限られた経営資源を有効に活用することは、企業にとってこれまで以上に重要な
   課題となっています。

   なかでも経営資源の乏しい中小企業にとっては、深刻な問題といえます。

   企業を取り巻く経営環境は絶えず変化していますし、とりわけIT(情報技術)分野
   においてはめまぐるしい速さで技術革新が進んでいるため、IT活用についてもい
   かに効率的に進めるかということを検討する必要があります。

   そこで以下では、企業がITを効率的に活用するためのポイントをご紹介します。

   1.安価で使い勝手のよいシステムの構築

     パソコンの高性能・低価格化やインターネットの普及が急速に進んだことによ
     り、情報システムは従来に比べて安価で容易に構築することが可能になって
     います。

     企業の社内外の情報ネットワークについても、以前は高価な専用回線を用い
     て構築することが一般的でしたが、今ではインターネットの標準技術を利用し
     て、イントラネットを構築したりウェブEDI(電子データ交換)を行ったりする企
     業が増えています。

     標準化された技術や汎用的なツールを利用することによって、これまでよりも
     低コストで済ませることができるためです。

     また、インターネットに接続可能な携帯電話の普及により、これを通話や電子
     メールといったコミュニケーション手段としてだけでなく、業務システムの1端末
     として活用するケースも増えています。

     携帯電話で社内ネットワークにアクセスし、データベース上の顧客情報や在庫 
     情報などを確認して発注までできるようにしている例などがあります。

   2.アウトソーシングサービスの利用

     企業のさまざまな経営課題の解決にあたって、自社の経営資源だけで足りな
     い場合には外部の経営資源を活用することが有効であり、IT活用においても
     同様のことがいえます。

     たとえば、ホームページの運営やさまざまなデータ処理を行うためには、サー
     バーと呼ばれるコンピュータが必要になりますが、サーバーは必ずしも自社で
     購入したり管理したりする必要はありません。

     サーバーの容量の一部をレンタルできる「ホスティングサービス」や、自社で用
     意したサーバーを回線や電源設備の整った施設に設置して管理してもらう「ハ
     ウジングサービス」を利用することができるためです。

     また、各種の業務用アプリケーションソフトについても、インターネット経由で各
     種のソフトを企業に貸し出す「ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)
     サービス」を利用すれば、必要なソフトを必要なときに使うことができます。

     ASPが提供しているソフトには、電子メールやグループウエアから、電子商取
     引、給与計算や勤怠管理など会計・人事関連、営業支援、物流、マーケティン
     グ、さらにはERP(統合業務システム.財務、会計、販売、購買、生産管理、在
     庫管理など全社的な基幹業務の管理に使用される)まで、特定業種向けソフト
     も含め、利用者のニーズに応じてさまざまな種類が用意されています。

     また、ソフトの利用料も、各ASP事業者によって、月額固定料金、従量制料金
     など、多様な料金体系が用意されています。

     このようなアウトソーシングサービスを利用すると、

      一般的には自社でサーバーを購入したり、独自にソフトを開発するよりも、
      初期投資負担が小さく総合的なコストも低く済ませることができます。

   3.外部の人材や情報・ノウハウの活用

     外部資源の活用は、ハードやソフトだけでなく、人材や情報・ノウハウなどにつ
     いても可能です。

     たとえば社内ITに精通した人材がおらず、ITの具体的な活用方法などがよく
     わからない場合には、外部の専門家を利用するとよいでしょう。

     情報システム会社やIT専門のコンサルタントなどと契約する方法もあります
     が、「ITコーディネータ」と呼ばれる専門家を利用するのもひとつの方法です。

     ITコーディネータは、ITと経営の両方について豊富な知識と実務経験をもち、
     ITの活用によって自社の経営課題を解決していくプロフェッショナルです。

     ITコーディネータの指導・助言を受けたい企業に対しては、費用の一部負担
     や政府系金融機関による低利融資などの支援施策が設けられています。

     詳細については各地の中小企業支援センターにお問い合わせください。

     さらに、自社単独でITの活用に取り組むのでなく、他の企業と連携を図ること
     も有効です。

     IT活用による情報共有で商品供給の一連の流れを最適化しようとする「サプ
     ライチェーン・マネジメント(SCM)」も、その一例です。

     また今では、情報だけでなく、技術力や販売力など経営ノウハウの共有化を
     図るところも出てきています。

     中小企業など規模の小さい企業ほど大企業に比べて経営資源上の制約が大
     きく、1社のみで対応できない経営課題を数多く抱えています。

     そのため、企業間ネットワークで同業他社との連携を強化したり、さらに一歩
     進めて異業種とのネットワーク化に取り組んだりすることは、大変意義のある
     経営戦略といえるでしょう。

                      組織力強化マニュアルについてはこちら

                      メルマガ登録(無料)はこちら

                      お問合せ・ご質問はこちら 


                      

 

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
054-270-5009

静岡県静岡市のビジネス・ソリューション㈱です。
静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
企業運営に欠かせない3つの仕組みづくりを支援いたします。
経営者にとって重要課題は会社をつぶさないことです。
しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
少しでも多くの企業が、このような危機に見舞われず、最悪の事態を招く
ことのないよう、私ども専門家集団は事業運営に欠かすことのできない
マーケティング、業務改善、リスクマネジメントについて全力投球で支援
してまいります。

対応エリア
静岡・愛知県内、東京周辺

お気軽に
お問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

054-270-5009

 (コンサルティング部門 直通<柴田>)

新着情報

2024年3月28日
記事:「メルマガ705号」 更新しました。
2024年3月27日
記事:「新規事業開発成功のポイント」更新しました。
2024年3月25日
記事:「タイムマネジメント Ⅰ」 更新しました。
2024年3月22日
記事:保険代理店 業務の標準化」更新しました。 
2024年3月21日
記事:メルマガ704号」更新しました。
  • 詳細はこちらへ

ビジネス
ソリューション
仕組み構築

住所

〒422-8067
静岡県静岡市駿河区南町
2-26-501