ケティングで売り方を変える


  ■マーケティングとセールスの違い

   既にある商品やサービスをお客様に買っていただくための具体的な働きかけを
   「セールス」と呼ぶならば、「マーケティング」はより上位の概念として位置づけられ
   ます。

   どのようなお客様をターゲットとするのか、どのようにニーズを発掘するのか、ど
   のようにニーズに応えてゆくのか、どのように実際に購買行動に結びつけるか、
   どのように経営資源を有効活用するのか、ということを原理・原則に従って決めて
   いくことが「マーケティング」活動であり、単なる「セールス」活動よりも幅が広く奥
   も深いものと言えます。

   市場が成熟しつつある今日では、お客様シェアを拡大していく志向がより強くな
   り、お客様との長期的な関係を構築してゆくことが求められています。

   そのためには、お客様一人ひとりのニーズに対応する “One to one” のマーケ
   ティングが重要になってきます。

   従業員一人ひとりが、自社の経営理念・方針を守りながら “One to one” を実
   践することが、結果的に営業担当者自身のブランド、ひいては自社としてのブラン
   ド構築につながり、お客様との長期的な関係を構築していくことになるのです。

    ◎Point

     1.「セールス」とは既にある商品やサービスをマーケティング戦略に従って
       販売すること

     2.「マーケティング」とはお客様のニーズに基づいて、商品・サービス、販売
       価格、販売チャネル、販売促進を決めること

     3.自社のイメージや商品・サービスのイメージがお客様の頭の中に植え
       付けられることが「ブランド構築」である

  □自社を取り巻く環境把握

   「情報を制するものはビジネスを制す」という言葉があるが、ビジネス環境が目ま
   ぐるしく変化する今日では、次の一手を正しく迅速に打つためには情報の収集と
   活用が不可欠と言えます。

   情報収集には、一般的に、(1)統計資料や文献の収集、(2)観察、(3)インタ
   ビュー、(4)アンケート調査、といった4つの方法があります。

   官公庁発行の外部統計データ等は、最近ではホームページ上でダウンロードで
   きるものも数多くあるので収集には便利です。

   ただし、それをどのように分析し、分析結果をどのように読むかが大事です。

   競合他社の動向やお客様動向を意識的に観察し、統計データや文献による情報
   とリンクさせて、情報の質を高めるとより現実的になります。

   お客様アンケートはお客様ニーズを発見するのに有効です。

   一部の中小企業では積極的に活用されており、お客様一人ひとりのニーズに対
   応する“One to one” 営業に役立てています。

    ◎Point

     1.外部環境の各要因をどう捉えて、近未来をどう予測するかによって、
       経営のかじ取り(方向性)が変わる

     2.経営に与える外部環境のインパクトを「需要環境」「競争環境」「制度の
       変化」の3つの視点で捉える

     3.これらを把握するために、お客様や競合他社の動向を慎重に観察
       したり、社内外のデータを調査・分析する

  □競合エリアで自社が優位になる

   他社(店)との競争を意識して、独自の商品・サービスを市場に提供することで、
   自社(店)の優位を確保する方法を発見するプロセスをマーケティング用語で「ポ
   ジショニング分析」と言います。

   アサヒビールの「スーパードライ」の成功は、従来のビールの味を変えることで新
   しい市場を創造した典型例で、キリンがもっていた「ラガー」の味を「コク」と「キレ」
   という味に変えて市場制覇を狙い、成長した事例と言えます。

   自社(店)のテリトリー内にある競合A社(店)は、地域密着型で人脈も厚く、まさに
   地域一番店です。

   同じスタイルではA社(店)に対抗できないため、A社(店)でカバーしきれないお客
   様ニーズに応えるために、「地域・総合」から「特定・専門」といった専門店志向に
   変える(ポジショニングする)ことで、自社の優位性を確立することができます。

   このように、競合関係から自社(店)の独自色を打ち出し、新しい事業領域をつく
   る、または既存の事業領域を再設定する方法として、ポジショニング分析はよく使
   われる手法です。

    ◎Point

     1.自社(店)の独自色を打ち出し、事業領域を再設定することが求められる

     2.まず、自社の強みや弱み、自社を取り巻く環境の機会や脅威などを
       きちんと整理・考慮する

     3.自社(店)ならではの強みを機会で最大限に発揮できるアイデンティティ
       を確立する

  □どのようにお客様を選定するか

   他社(店)との差異化や自社(店)の事業領域が決まったら、次に行うマーケティン
   グプロセスが、「ターゲティング」です。

   ターゲティングとは、具体的にどのようなお客様を対象に自店の商品・サービスを
   販売していくか、を決めることです。

   一般的に、小さな会社の場合は、地理的要因である程度ターゲットとされるお客
   様が決まりますが、大事なことはそのテリトリーの中で、自社(店)の強みを発揮
   できる属性のお客様に絞ったり、あるいは弱みを克服するために新たな属性のお
   客様をターゲットとするなど、自社(店)のお客様構成を意識することです。

   そして、地理的要因、デモグラフィック要因(属性要因)でターゲット市場が決定さ
   れたら、そのお客様一人一人のニーズに対応する “One to one” を実践するこ
   とが大事です。

   個々のライフスタイルやライフステージによるニーズ、そのお客様の性格やタイプ
   によるニーズ、など様々ですが、それらをきちんと把握して一つ一つ応えてゆくこ
   とが、お客様との長期的な関係を築く上で不可欠と言えます。

    ◎Point

     1.地理的要因により、自社がターゲットとする市場はある程度決定される
     2.そのエリアの中で人口統計的基準で細分化し、自社の現在のお客様
       構成(強み・弱み)を意識してセグメントを決定
     3.そのセグメントのお客様のライフスタイル・ステージを意識したタイミング
       のよいアプローチで “One to one” を実践する

  □自社の独自性やコンセプトの事例

   自社(店)の独自性やコンセプトは、経営理念やビジョン、差異化要因などを、より
   消費者に分かりやすく、印象に残るように伝えるための表現です。

   フレーズやキャラクター性のある絵を用いた表現は、お客様に親密感をもたせる
   のに有効です。

   ものづくりでは商品コンセプトが企画段階で必ずあるように、社長自身も「何をウリ
   とするのか」、を明確にお客様に表現することが不可欠です。

   商品・サービスを通じ、社長自身がお客様にどのようなことを提供していきたいか
   という点についてわかりやすく掲げることが大切です。

    ◎Point

     1.自社(店)の価値を訴求する「キャッチフレーズ」や「キャラクター」などの
       自己表現を示すことがコンセプトの明確化

     2.コンセプトの明確化は、自社の競争優位の独自性発揮による訴求力の
       向上につながる

     3.自らのニーズに合致する会社を選べるといったお客様にとっても選択の
       利便性メリットがある

  マーケティング・ミックス 

    「どのような商品・サービスを(Product)」

    「どのような価格で(Price)」

    「どこで(Place)」

    「どのような方法で(Promotion)」

    お客様に提供するかという4つのPが、“マーケティング・ミックス”です。

   お客様のニーズに対して、これらの4つのPを最適となるようにミックスし(組み合
   わせ)、自社(店)の経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を戦略的に配分しながら実
   行していくことが、「マーケティング戦略」です。

    ◎Point

     1.自社(店)の掲げるコンセプトを「どのように」お客様に伝達し、購買行動
       に結びつけるかという方法を決める要素

     2.その要素である「商品・サービス」、「価格体系」、「エリア」、「販促」を
       お客様にとって最適となるように組合わせる

     3.最適な組合わせに対して、ヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源の
       選択と集中など配分を決める

  □すべてのお客様に同じように対応すべきか

   バブル全盛期までのマーケティングは、いい商品・サービスをつくり、訪問や広告
   によって商品内容をお客様に伝えれば「売上は伸びる」という、売り手サイドの考
   え方によるマーケティングでした。

   しかし社会の成熟化に伴いお客様の一人ひとりに“ゆとり”が生まれると、ライフス
   タイルの範囲が拡大し、お客様一人ひとりのもつ趣向や特性が多様化してきた。

   また、競合との競争も一層激しくなるなどビジネス環境も厳しくなるなか、お客様
   一人ひとりのニーズに対応する “One to one” がより一層求められるようになり
   ました。
 

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