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社長に必要なコミュニケーション |
■なぜ自分の指示が伝わらないのか 「なぜ、自分の指示が部下にうまく伝わらないのか?」、このような疑問を抱いたこ 「きちんと指示しただろう」と苛立ったり、「そんなこと言われなくても常識だろう」と なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか。 人間は相手に何か伝えるときは伝えたいこと(メッセージ)をいったん言葉に置 受け取る側はその言葉からメッセージを酌み取ります。 ここで注意したいのは、伝える側は「伝える側の感覚」でメッセージを言葉に置 当然ながらそれぞれの感覚がまったく異なれば、伝える側のメッセージは相手 このことが、指示が部下に正確に伝わらない最大の原因です。 指示事項をきちんと伝えるためには、図のように指示事項だけではなく、指示 たとえば、A社長は、最近疎遠になりつつある大口取引先のB社長のことが気 「最近B社長から連絡がない。昔はよくゴルフにも誘われたが、それも音沙汰 もしかしたら取引を切るためにあえて疎遠にしているのではないか」といった具 しかしながら最終的にA社長が部下に発した質問は「最近B社とはうまくいって 質問を受けた部下としては、取引量が減っているわけではなく、B社の担当者 しかし、数カ月後にB社の社長から「もっと条件の良い会社が見つかったから、 もし「最近B社とはうまくいっているのか」という質問でなく、「B社の社長に直接 このケースでは、図(指示事項をきちんと伝える)の中の「指示の背景」につい 会社が小さなうちは取引先や事業内容も限られています。 そして、社員数も少なく必然的に会話も多いため、部下は比較的上司の指示 また、報告を受ける上司も、部下の業務の細かい部分まで目が行き届いてい しかしながら、会社が大きくなってくると徐々にそれが難しくなってきます。 社員がそれぞれ取引先対応や仕事をやるようになり、人数も増えて社員一人 そして、指示どおりの仕事や報告がなされないということがあちこちで起こって これを避けるためには、次項で紹介するような方法で、共通認識を構築する土 前項の図の「指示の背景」の下にさらに「常識」という階層があります。 これは社会人としてのマナー、仕事の仕方といったすべてのビジネスマンに共通 つまり、ある問題に直面したときに、他社の社員はこのように対応するかもしれな そして、その行動原則を規定するのが自社の経営理念ということになります。 経営理念とは「自分たちはこうありたい」「社会に対してこのような貢献をした 自分たちの行動を規定する価値観といってもよいでしょう。 社員が経営理念をきちんと理解し、共感していれば、理念に沿った行動をとる 部下は上司から出された業務指示に対して、具体的な遂行方法を考えるとき たとえば、「お客様とともに幸せになっていこう」といった経営理念がある会社 お客様の満足度も高まり、かつ自社も売上拡大できるような施策を何とかして 経営理念を社員に説明し、浸透させていくことは、社長にとってもっとも重要な しかし、実際には経営理念が作成されていない会社も多く、また、あったとして 経営理念を社員に浸透させるにはいくつかのステップがあります。 経営理念を作成し、その意味合いを経営者がしっかりと認識することです。 経営理念の言葉だけを一人歩きさせずに、その理念を作成するに至った背 それを社員一人ひとりにきちんと伝えることです。 朝礼などで繰り返し説明したり、経営理念を書いた紙を事務所に掲げるな 経営理念実現のためには日々の業務のなかでどのような行動をとるべきか もちろん経営者自身も経営理念実現のために、自分はこんな姿勢で業務に このようにして経営理念が浸透すると、日々の業務指示をするための土台が いったんそうなってしまえば、具体的な業務指示の際にも、単純なコミュニケー 指示を受けた部下は、無意識のうちに経営理念というフィルターでその指示を そのとき「おかしい?」と感じれば、質問して上司の指示の真意を確認するよう 経営理念浸透という土台構築に加え、日々のコミュニケーションのなかでも留意 そのいくつかのポイントを紹介します。 指示が的確に伝わらない大きな理由のひとつに、「その指示が遂行された結 たとえば、「今週中に新規見込客を5件訪問しろ」という指示を部下が額面どお 「新人営業マンに度胸をつけさせる」ということが目的であれば、この指示は的 しかし、ほとんどの場合は、「5件訪問して少なくともそのうち2件は、次の営業 したがって部下に指示をする際には、「何々を行え」という行動の指示ではな 部下に指示を出す際には、その指示を出すに至った背景もできるだけ詳しく説 先の例でいえば、5社を訪問して、うち2社を次の営業ステップにつなげるとい たとえば、「会社全体としての目標がこうなっているから、君にはこれだけがん そのように伝えることによって、指示内容がより明確になるだけでなく、部下は 現在社内で起こっていること、置かれている経営環境などを、メールなどを また、指示を出すだけでなく、同時に動機づけも行いましょう。 その際にはあまり難しく考える必要はありません。 「君の能力ならこれくらいは十分可能だろう」とか、「これができたら会社への どのような社員でも「評価されたい」という気持ちを強くもっています。 日頃から部下への期待感を伝えておくことは非常に重要です。 指示を伝える際には、部下がその指示内容を理解しているかをきちんと確認 その際には、指示の目的や背景を復唱させてみるのが効果的でしょう。 また、指示を出した事項について、その結果をいつまでにどのような形で報告 上司としては、結果が出たらすぐに知りたいと思っていても、社員は「次の営業 社長にとって重要なコミュニケーションとして、最後に紹介したいのが、「自分自身 人間は「あの人はこういう人だ」ということを認識したうえで、その人との適正な距 社長がいくら「自分は社員のことを本当に大切に考えている」と思っていても、社 実は「自分」が認識している自分と、「周囲」が認識している自分はまったくの この差が大きいほど「社員は社長である自分を理解していない」ということにな これは提唱者の名前と四角いその形から、「ジョハリの窓」と呼ばれているも このうち A「開いた窓」とは、自分も周囲も知っている自分です。 B「隠した窓」とは、自分は知っているが周囲に隠している自分です。 C「見えない窓」とは、自分は知らないが、周囲は知っている自分です。 最後に D「未知の窓」とは、自分も周囲もまだ気づいていないまさに未知の自分で 自分自身が考える自分とは、この図のAとBの窓から見える自分のことです。 一方、周囲が考える自分とはAとCの窓から見える姿になります。 それぞれが違う窓から自分を見ているわけですから、そこにズレが生じる、つ では、できるだけ正しく社員に自分を理解してもらうにはどうすればよいので 図のように「開いた窓」を大きくし、「隠した窓」、「見えない窓」を小さくして このようにすれば自分自身が知っている自分(AとB)と周囲が知っている自分 まず、「隠した窓」を小さくするためには、社長自身が胸に秘めていることを社 たとえば、「社員のことを大切に思っている」ということをもっときちんと伝えて また、「見えない窓」を小さくするためには、社員が社長に対して言いにくいこと 社員にとってやはり社長は絶対的な存在です。 なかなか社長の欠点などを指摘することはできません。 そして、その欠点に社長自身が気づいていなければ、社員との溝は埋められ ここまで紹介したのは「いかに自分のことを社員に知ってもらうか」ということ。 しかし、相互理解の観点からは、社長も社員一人ひとりについて、深く理解す そのためには、社員とじっくり話をする時間を取り、社員一人ひとりの「開いた しかし、社員数がある程度の規模に達すると、そのような時間をとることが難し そのような場合でも、「定期的に何人かの社員とランチをとる」、「特に心配な また、日々の業務のなかで報告や相談を受ける際にも、忙しさにかまけて、 もちろん業務報告は「まず結論・経過の順に伝え、背景などは要約して手短に しかし、それがあまりに度を超すと、社員は、社長から「おまえの報告など、忙 そして、社長にそのように思われていると感じた社員は、社長に対して一定の したがって、どんなに忙しくても、「忙しいから話は聞けなくて当然」ではなく、 社長が忙しいことを社員は皆知っています。 このような姿勢を示すことで、社員に余計な誤解を与えずに済むのです。
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静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
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経営者にとって重要課題は会社をつぶさないことです。
しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
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