FC加盟の際のチェックポイント
 

 ■経営はあくまで自己責任

  FC事業はビジネスの仕組みは提供してくれますが、それを活用して実際に業績を
  あげるのはあくまで加盟店自身です。

  加盟店はあくまで独立企業であり、その経営はすべて自己責任ということになる。

  FC加盟によってビジネスのスタートアップは早くできますが、いったんビジネスを開
  始したら、自力で新規事業を開始した場合と同様の経営努力が求められるというこ
  とになります。

  □FC加盟の際のチェックポイント

   加盟にあたっては、FC本部の方針と自社の考え方とが一致することがまず第一
   ですが、それ以外にも重要なポイントがいくつかあります。

   以下では、FCに加盟する際に注意すべきチェックポイントをご紹介します。

    1.アプローチ先を決める場合のチェックポイント

      ◎FC本部の設立時期はいつか
       FC事業を始めたのはいつ頃か確認しましょう。
       新しいFC本部の場合、先行者利益を享受できるチャンスも多い
       のですが、ノウハウやマニュアルが十分整備されていないことも
       あります。

       ただし、FC化を始めたばかりでも、直営店の歴史が長ければノウハウの蓄 
       積はできているでしょう。

      ◎FC本部の規模は大きいか
       優れたFC本部であれば、業績もよく、大きく成長しています。
       そして、規模の大きいFC本部には、ある程度レベルの高い経営ノウハウが
       あるとみてよいでしょう。
       また、直営店の多いFC本部ではノウハウの蓄積も進んでいる場合が多く
       なっています。

      ◎アポイントを取る時の対応は適切か
       通常の場合、電話で担当者にアポイントを取りますが、このときに担当者が
       横柄であったり、逆に頼りない場合には注意します。
       加盟希望者との直接の接点である担当者がきちんと対応できないのでは、
       しっかりした経営状態とは考えにくいからです。

    2.FC本部訪問時のチェックポイント

      ◎担当者の能力は高いか

       担当者は、加盟希望者に対し、自社の魅力を伝える立場にあります。
       したがって、優れたFC本部の担当者であれば、情報を整理して的確に伝え
       るという訓練ができているでしょう。
       担当者の説明を聞けば、経営状態がある程度分かります。

      ◎主要な情報を提供されたか
       以下のような主要な項目について、説明をしてくれないFC本部は避けるほ
       うが賢明でしょう。

        ・FC本部の経営理念、活動方針

        ・加盟、開業のためにどの程度の費用が必要なのか

        ・どのくらいの売上と利益を見込めるか
         →短期・中期の収支見込みを算出してもらうか、あるいは出店
          予定地に似ている条件の店舗の実績を教えてもらいましょう。

        ・開店までの指導、販売促進、開店後の経営指導がどのように
         行われるのか

      ◎信頼するに足る企業であるか

       経営数値以外にもFC本部の信頼性を判断するために、次のような項目を
       確認しましょう。

        ・既存甲加盟店を積極的に紹介してくれるか

         →優良なFC本部では、実際に加盟店のオーナーに会って話を
           開くことを勧めます。
           逆に、加盟店の経営状況がよくないFCでは紹介を渋ることが
           あります。

        ・法定開示書面(後述)を交付してくれるか

         →法定開示書面とは、法律によって公開が義務付けられている
           書類です。
           この書類が公開されていないとすれば、その他の必要書類も
           整備されていないと思われます。

        ・契約にじっくりと時間をかけようとしているか

         →優れたFC本部は、加盟希望者の適性や意思をじっくりと時間
           をかけて見極めようとします。
           逆に、適性や意思を十分に確認せずに加盟を許可するような
           FC本部は、店舗数の拡大ばかりに気を取られているといえる。

      ◎加盟店をタイムリーに指導できる組織体制になっているか

       FC本部と加盟店をつなぐスーパーバイジングは、FCシステムの要です。
       ところが、急速に店舗数を増やしているFC本部のなかには、スーパーバイ
       ザーの採用や育成が追いついていないケースもみられます。
       FC本部の組織体制については、加盟店を指導するに十分な量と質を備え
       ているかを確認してください。

    3.既存加盟店訪問時のチェックポイント

      既存の加盟店のオーナーは、同じ加盟者側の立場で、そのFC本部の特徴
      や長所、ときにはFC本部の欠点さえも教えてくれるものです。

      ◎FC本部の謳い文句に偽りはないか

        ・投資額はFC本部の提示する額で収まったかどうか

        ・投資額を回収するまでにどのくらいの月日がかかったか

        ・FC本部の提示した売上予測と実績にどれくらい差があったか

      ◎FC本部に十分なマニュアル、指導力があるか

        ・マニュアルは業務遂行に十分といえるか

        ・競合店の出現に対して、FC本部はどのように対応したか

        ・スーパーバイザーの能力は十分か

      ◎コミュニケーションは密に取られているか

        ・FC本部と加盟店との間のコミュニケーションは密に取られているか

        ・加盟店だけの会合はあるか

    4.契約時のチェックポイント

      ◎FC本部が行う指導、援助の内容は明確にされているか

       万が一、経営不振で閉店するようなことになった場合、FC本部が契約で取 
       り決めていた指導、援助を怠っていれば、責任の一部がFC本部にあること
       を証明できます。

      ◎加盟店が支払う金銭の取り扱いは明確にされているか

       加盟店がFC本部に支払うとされている金銭は、加盟料、保証料、ロイヤル
       ティー、一時金、更新料、手数料など、さまざまな名称となっています。
       金銭の取り扱いについては、どのようなことをしてくれた場合には、どれだ
       けの金銭を支払うという取り決めをしておくべきです。

      ◎契約解除の際の取り扱いは明確にされているか

       契約を解除する際の条件、手続き、解約金、損害賠償金などについて、明
       らかになっているでしょうか。
       契約を解除する場合、FC本部と加盟店の関係が良好であることはほとん
       どありません。
       取り扱いが定められていない場合は感情的な対立につながります。

      ◎加盟店に対する制限条項に納得できるか

       契約書には、取引条件や店舗イメージの統一、契約終了後に果たさなけれ
       ばならない義務など、加盟店の自由な行動を制限する条項がいくつも設け
       られているのが普通です。
       これらは、ほとんどのFCの維持にとって必要な条項です。
       したがって、加盟時にはこれらの条項の一つひとつを確認し、もしどうしても
       納得ができない条項がある場合には、加盟を踏みとどまることも必要です。
     
   <参考(法定開示書面)>
    −中小小売商業振興法による「開示事項」(法定開示事項)−

     1.本部事業者の氏名及び住所、従業員の数(法人の場合は、その名称・
       住所・従業員の数・役員の役職名及び氏名)

     2.本部事業者の資本の額又は出資の総額及び主要株主の氏名又は
       名称、他に事業を行っているときは、その種類

     3.子会社の名称及び事業の種類

     4.本部事業者の直近三事業年度の貸借対照表及び損益計算書

     5.FC事業の開始時期

     6.直近の三事業年度における加盟者の店舗の数の推移
       ア.各事業年度末の加盟者の店舗の数
       イ.各事業年度内の加盟店の新規出店数
       ウ.各事業年度内の契約解除された店舗数
       エ.各事業年度内に契約更新された店舗数及び更新されなかった店舗数

     7.直近の玉章業年度において、フランチャイズ契約に関する訴訟の件数
       ア.本部が加盟者又は元加盟者を訴えた件数
       イ.加盟者又は元加盟者が本部を訴えた件数

     8.営業時間・営業日及び休業日

     9.本部事業者が加盟者の店舗の周辺の地域に同一文は類似の店舗を
       営業又は他人に営業させる旨の規定の有無及びその内容

    10.契約期間中・契約終了後、他の特定連鎖化事業への加盟禁止、類似
       事業への就業制限その他加盟者が営業禁止又は制限される規定の
       有無及びその内容

    11.契約期間中・契約終了後、当該特定連鎖化事業について知り得た
       情報の開示を禁止又は制限する規定の有無及びその内容

    12.加盟者から定期的に徴収する金銭に関する事項
       ア.徴収する金銭の額又は算定に用いる売上、費用等の根拠を
         明らかにした算定方法
       イ.商号使用料、経営指導料その他の徴収する金銭の性質
       ウ.徴収時期
       エ.徴収方法

    13.加盟者から定期的に売上金の全部又は一部を送金させる場合は
       その時期及び方法

    14.加盟者に対する金銭の貸付又は貸付の斡旋を行う場合は、それに
       係る利率又は算定方法及びその他の条件

    15.加盟者との一定期間の取引より生ずる債権債務の相殺によって
       発生する残額の全部又は一部に対して利率を附する場合は、利息
       に係る利率又は算定方法その他条件

    16.加盟者に対する特別義務(店舗構造又は内外装について加盟者に
       特別の義務を課すときは、その内容)

    17.契約に違反した場合に生じる金銭の支払いその他義務の内容

    18.加盟に際し徴収する金銭に関する事項
       ア.徴収する金銭の額又は算定方法
       イ.加盟金、保証金、備品代その他の徴収する金銭の性質
       ウ.徴収時期
       エ.徴収方法
       オ.当該金銭の返還の有無及びその条件

    19.加盟者に対する商品の販売条件に関する事項
       ア.加盟者に販売し、又は販売を斡旋する商品の種類
       イ.商品の代金の決済方法

    20.経営の指導に関する事項
       ア.加盟に際しての研修又は講習会の開催の有無
       イ.加盟に際して研修又は講習会が行われるときは、その内容
       ウ.加盟者に対する継続的な経営指導の方法及びその実施回数

    21.使用される商標、商号その他の表示
       ア.使用させる商標、商号その他の表示
       イ.当該表示の使用について条件があるときはその内容

    22.契約の期間並びに契約の更新及び解除に関する事項
       ア.契約期間
       イ.更新の条件及び手続き
       ウ.解除の要件及び手続き
       エ.契約解除の損害賠償金の額又は算定方法その他義務の内容


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