セールス活動のポイント


  ■お客様の利益とは?

   それは、お客様が商品やサービスを通して手にする最終成果のことで、利点と
   いってもよいでしょう。

   何か困っていたり、問題があってそれらを解決するような物やサービス、さらには
   「もっと・・・したい」というお客様の要望に応えられるものが利益だということになり
   ます。

   「全く必要のないところに販売トークはない」。

   当たり前のことですが、これが本当に分かっている人は意外に少ないように思い
   ます。

   販売成績をのばす秘訣は、「必要なものを必要な人に必要なときに売る」というこ
   とです。

   この言葉はトヨタの「かんばん方式(ジャストインタイム)」が有名です。
   (元来はアメリカの航空機製造工場で、第2次世界大戦時に在庫コストの節減効
    果を図るために採用された)

   必要のないところに行って、契約がとれないと嘆いても意味がありません。

   水を飲みたがらない馬を川に連れて行くことはできても、水を飲ませることはでき
   ないという例え話もあります。

   どうしても水を飲ませたい場合には、馬を思い切り走らせて喉がかわく状態をつく
   りだし、水を飲みたがるようにしてから水を飲ませるというようなことも考えなくて
   はなりません。

   セールスの世界でもまったく同じことが言えます。

   優秀なセールスは決して無理に売ろうとはしません。

   自然に売れるように手を打っていくからです。

   そのためにも、まず最初に、買ってくれそうなお客様に目をつけます。

   つまり、ニーズの有無を見分けながら、ニーズのありそうなお客様にアプローチを
   かけていくのです。

  □セールスはマーケット志向

   真面目にセールスすることは大事だが、努力、真面目、誠実、懸命というのは、営
   業マンならずとも、ビジネスマンの常識だ。

   自慢にもならなければ、セールスポイントにもならない。

   セールスの世界では、真面目な営業マンが必ずしも成功してはいないのだ。

   にもかかわらず、世の風潮として、ともすれば努力だけでセールスは成功すると
   考えたり、教えたりする傾向が強い。

   これを素直に信じた営業マンは現場で戸惑うばかりだ。

   もっとも直接的に重要なポイントは、どこに顧客がいるかを発見する能力です。

   マーケットの発見能力は、宝の山や金鉱脈を見つける能力に匹敵する。

   なぜなら、営業マンにとって顧客は宝であり、お金そのものだからである。

   適切なマーケットであれば、新人でも会社の信用を背景にして、5年選手、10年
   選手の営業マンよりも実績をあげるケースはざらにある。

   ただし、新人の場合はそこからネットワークをつくれないので、業績もたいてい横
   ばいになってしまう傾向にある。

   それでも確かに、立ち上げのパワーはマーケットの力なのです。

   ここを忘れないことです。

   キャリアを積んでいくと、ともすればスキル志向に陥ってしまう危険がある。

   こうなると、なかなか成約できない顧客に対して、あれこれ知恵を絞ってトライした
   くなるが、よく考えてみてほしい。

   営業マンにとって、重要なことは目標達成である。

   そのお客様に成約させることが、全体の目標でどれだけ貢献度があるのかきちん
   と吟味しておこう。

   でないと、目先の勝ち負けにとらわれて、大事なことを忘れてしまう。

   セールスで成功するためには、あくまでもマーケット志向でなければいけない。

   スキル志向にとらわれると、「売れないのはおかしい。客が悪い」という独善にも
   陥ってしまうから要注意である。

   こうなる営業マンも少なくありません。

   「最近、売れないなぁ。マーケットの選択、間違えたかなぁ」と釣り場をすぐに替え
   られる柔軟性に富んだ営業マンが勝てるのである。

  □具体的なトーク例

   あなたが保険の提案をするとします。

   相手は家族を持つ中堅の会社員という設定では、どういった切り口から展開しま
   すか??

   こういった切り口から始めてはどうでしょう。

    「決断には三つのポイントがあります。まず一つは長期的視点に立った
    決断です。私達が今の時代に保険に求めるものは、補償だけではなく、
    自分自身が老後をどのように豊かに、どのようなライフスタイルで送り
    たいのかということではないでしょうか。そのためには資金の考え方
    にも重点を置く必要があるのです。」

   こういった切り口にはお客様も否定できず、「その通りですね。」となります。

   そこで事実を見せます。
    「こちらのデータを見てください。これは平均的サラリーマンの年間の
    総支出で、住宅費、生活費、お子様の教育費、娯楽費等の割合を示した
    ものです。必要なものばかりですが、この数字を見る限り、自身の能力
    開発や教養を高めること、健康管理、危機管理、それに先ほど述べた
    老後への備えといったことがどうしても後回しになっており、目先の支出
    に振り回されている現実が明らかですが、この点については、どう思われ
    ますか?」

   こういったことは事実のデータを基に話しているわけですから、お客様は「そうな
   んだね。」と頷くはずです。

   二つ目は客観的視点に立った決断です。

    「もし、お客様の友人から、自分の家族を守るため、また、人生の生活基盤
    を創り上げていくための先行投資として保険に入ろうかと思っている…。 と
    相談を受けた時、客観的に見てお客様は、そのことに反対する余地は無いと
    思いますが、いかがですか?」

   これも「そうですね」となります。

   そして三つ目は本質的視点に立った決断、つまり本心からの“内なる声”です。

    「お客様ご自身にもしも何かがあった場合、自分の家族を守るのは現実的
    には経済が最も大きな位置を占めると思います。これを見てください。ご主
    人が保険に加入していなかったが故に、実際に進学を諦めた子は『交通
    遺児育英会のあしながおじさん基金』の例でも、こんなに多くおります。」

   このように、全てを事実とたとえ話で気づきを与えるようなトークを打っていくので
   す。       

  □見込み客開拓

   営業のプロセスで、最も大事なことは、何でしょうか?

   「見込み客開拓」「見込みを育てアポを取る」「プレゼン」「クロージング」「顧客化」
   どれか一つが欠けても契約にはなりませんが、これがなければ始まらない、とい
   うものがあります。

   それは、「見込み客開拓」です。

   売れ続けるコツの基本は、コンスタントに、大量に、「見込み客開拓」をし続けると
   いうことです。

   見込み客開拓を行なう上で意識するべきこと「ソフトコミュニケーションの充実」で
   す。

   「ソフトコミュニケーション」とは会わないで出来るコミュニケーションのことをいう。

   例えば、電話、携帯メール、PCメール、礼状はがき、お祝いのカードやメールなど
   です。

   特徴としては、対面よりも、安価に、短時間に、大量に、長期的におこないやす 
   い、ということです。

   それに対して対面コミュニケーションは、深く、温かく、強烈ですが、会わなければ
   できない。

   一年間に一万人の人と会うことは難しいです。

   しかし、一万人の人とメールや電話FAXによるコミュニケーションならばできる
   のです。

   あなたは、一度会い名刺交換した人と、どんなコミュニケーションでつながってい
   ますか?

   定期的にソフトコミュニケーションし、上質な情報を提供し続ける、ということをやっ
   てみませんか?

   それをする以上、半永久的に相手の記憶の中に自分がとどまり、将来の見込み
   客を自分のもとにつなぎとめることができるのです。

  □見込み客開拓方法の10項目リスト

   1.飛び込み法

     昔からローラー作戦といわれ、その地域の全ての人、会社にアプローチする。

     不特定多数の方を対象にした一般的なもので、車、保険、証券、健康関連商
     品等のセールスに向いています。

   2.電話活用法

     資料の鮮度がカギ。

     資料を入手して徹底して電話をかける。

   3.ダイレクトメール活用法

     一度でも来店したり、商品を購入したり、お客様になり得ると思われる層に、ダ
     イレクトメールを発送。

   4.異業種交流会活用

     異業種のセールスマンから見込み客を紹介してもらう。

   5.直接観察法

     普段から人間関係をつくっておいて、タイミングを狙ってアプローチをする。

   6.講演会活用法

     リード(聴衆)を集めてアプローチする。

     たとえば健康に関する講演会を開き、先生を呼んで講演をしてもらう。

   7.展示販売法

     見本市会場やホテルなどで展示会を開いて販売する。

   8.有力者紹介法

     有力なお客様から、有力なお客様を紹介してもらう。

   9.紹介代理店の活用法

     会を組織しているような人に見込み客を紹介してもらう。

  10.お試し法

     試食がこれにあたります。

     ギブ・アンド・テイクの方法を使っています。   

   すべての人は見込み客になり得ます。

   アプローチするまでは、その人たちは単に、「人」でしかありませんが、その人たち 
   を見込み客にするためには、まず、アプローチしてみること。

   そして、その人たちが商品の必要性を認め、支払い能力を持っているとき初めて 
   その人たちは見込み客になるのです。

  □言葉だけで情報は伝わらない

   プレゼンテーションで大事なことは、それが単なる「主張」に終わってはいけない
   ということ。

   確かな裏付けとしての客観的データ。

   そして写真。

   また様々な自分の言葉を立証するための道具を最大限に活用すること。

   それが、プレゼンテーションの成否に深く関与している。

   昔から「サンドイッチ技法」と言い、トークを打つ場合にニードの喚起から感情移
   入の段階に入り、話の中程に事実としての裏付けを入れ、最後にまたトークで、
   「利点」に焦点を当てたクローズで固めていく手法が、プレゼンテーションでは
   “良し”とされてきた。

   人間は「視覚の生き物」と言われている。

   今は、「パワーポイント」などをはじめとする、パソコンを使ったデータの有効活用
   で、プレゼンテーションは一層視覚的要素が強化されつつある。

   現代は明らかに、“自分自身の言葉+視覚に訴える技術”が必要とされていると
   いうことなのです。

   単純に言葉を並べただけでは情報の7%しか正しく伝わらない。

   加えて、声の高低、調子や響きといったものが加味されてやっと38%、残り55%
   は「ボディランゲージ」という、いわゆる前進から溢れるような熱意、発散されるエ
   ネルギー、真剣な姿勢、様々なコミュニケーションツールといった視覚的なもので
   ある。

  □顧客リスト

   最初に問うのが「御社の商品・サービスを購入する人は、どのような人ですか?」
   です。

   そして、その回答のほとんどが、漠然としたものとなっています。

   また、ときに明確な対象顧客の回答をしたとしても、話を進めていくと実は本当に
   有力な対象ではなかった・・・というケースもあります。

   マーケティングの基本は、顧客リストです。

   そして、その顧客リスト作りでもっとも重要なことは、商売につながる可能性の高
   い有望客のリストであることです。

   そのために利益にもっとも貢献する対象顧客は、いったいどういう人なのか?を
   明確に知ることが、重要成功要因になります。

   実際に、あなたのリストにメールで商品やサービスの告知をしてみてください。

   一体、何人の人がそのメールに反応するでしょうか?

   そして、何人の人が購入してくれるでしょうか?

  □単なる“モノ売り”になってはいないか 特質と利点

   「あなたは保険を売っていると思っているから、訪問をした時に『私は○○の○○でご
   ざいますが、 御社では請負賠償保険にはご加入ですか?』と、多分そんな風に
   訊ねているんじゃありませんか?」

   『保険のセールスに参りましたので、担当の方にご挨拶させていただきたいので
   すが……』と言っています」

    「だから、門前払いをくらうんです」

   商品には「特質と利点」というものがあり、特質というのは“その商品が持っている
   特長で、他の商品には無い際立った性能や機能”と定義できます。

    それに対して利点というのは、
   “お客様が最終的に手にする満足感やメリット”を指して利点といいます。

   その商品に対してウォンツやニーズが無い場合にはニードの喚起と言い、必要性
   を感じさせ、欲しくさせることが先行されない限り、セールスにおいての成約には
   結びつきません。

   ですから、欲しくさせる、必要と感じさせるためにも利点に焦点を当てなければな
   らないのです。

   前述の保険セールスの場合ですとこのようになります。

   「私どもはお客様の抱える問題解決のお手伝いをさせていただいております○○会
   社でございますが、本日は御社の抱えるリスクと解決策についてのご提案を持参
   致しました。

   本来であれば、有料のコンサルティングレポートでございますが、今回私がこの
   地区の担当になりまして、この件につき御社のご担当者様に直接ご挨拶をさせて
   いただくよう、上の者から言われて参りました」

   これは、明らかに利点を売っていますから、相手は会わざるを得ないのです。

   保険を売っているのは、分かりやすく言うと、単なる“モノ売り”です。

   そうではなくて、セールスでは「利点」を売る必要があるのです。

   じゃあ、お客様、あるいは提案先(会社)の求めているものは何か。

   良い保険が欲しいわけではないのです。

   もちろん欲しいんですけども、そういったことを通してもっと売り上げを上げたい、
   もっとコストを削減したいのです。

   これがお客様が考えている「欲しい物」なのです。

   そのことに直結したトークを打っているでしょうか。

   単純に物を売ってはいないでしょうか。

   様々な職業の方がいると思いますが、果たして、あなたは、何を売っているので
   しょうか。

   お客様に最終的に提供している物は何なのでしょうか。

   自分が本当に売っている物、お客様に提供している物は何なのか、考えて、ノー
   トにまとめてみてください。

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