保険代理店にとってのデータベース・マーケティング


  代理店の大多数が個人商店の域を脱していないのが現状です。

  言い換えると、代理店業を「食うための仕事」として捉えていることです。

  保険代理店を事業としてやっていくためにも、個人代理店は自身の給料を削って
   でもスタッフを雇用することです。

  そして、すでにスタッフがいる代理店はマンパワーに頼ったやり方から組織(チーム)
  による体制を整備することです。

  近年、収益アップのためのセミナーやノウハウ本などが横行しています。

  ネットを見ても、まるで魔法の杖でもあるかのようなうたい文句でマニュアル販売や
  セミナー、研修に誘っています。

  確かに、それを購入したり、参加することで増収できたらいうことありません。

  あなたは今まで収益アップにかかわる書籍購入やセミナー参加によって継続した
  増収が実現できていますか?

  人は楽な方法を求めます。

  しかし初めから終りまで楽に儲ける方法なんてありません。

  強いて言えば、ここでお話しする方法が『魔法の杖』に代わる内容のはずです。

  最初は大変かもしれません。

  仕組みの中身は中学生でも理解できる内容です。

  何が大変かといえば、この『仕組み』をマスターするまで継続することです。

  この方法を定着させてしまえば後は手順どおりに進めるだけで、営業経験の浅い
  スタッフ、凡人営業マン、極端にいえば営業経験のないスタッフであっても誰でもで
  きる方法なのです。

  この方法がまさしく継続して収益を拡大していくためには欠かせません。

  集約すると、営業のプロセスを時系列に管理していくことです。

  □データベース

   勘に頼った行動を避けるためには、組織の機能として、データに基づいたマーケ
   ティングの実行こそが、仕組みづくりの心臓部といっていいでしょう。

   代理店営業は、情報の収集と発信にある。

   データベース・マーケティングを実践していくには、データが命と言っても良い。

   既存客の掘り起こしも含め、新規顧客開拓を継続していかなければ、増収計画は
   「絵に描いた餅」に終わってしまいます。

   データを継続して収集するためには、収集マニュアルに基づいて実践していく。

   そして、習慣化されるまでチェックしていく。

   データベース・マーケティング(DBM)を行っていく上で、欠かすことができないのが
   データの収集と活用。

   PCもデータを入力しなければただの箱に過ぎない。

   PCの活用目的は増収のための道具である。

  □マーケット創造(見込み客開拓〜顧客の固定化)

   見込み客開拓では、どのような提案をするにしても絞り込んだマーケットに集中する。

   マーケットは絞り込めば絞り込むほど、効率的で効果的な結果となる。

   提案商品は、提案先のニーズを満たしたものであり、常にお客がどのようなテーマ 
   (または、キャッチフレーズ)に反応してくれるかという仮説を基に切り口(ドアノッ
   カー)商品を作成していく。

   ここでは法人マーケットを対象に解説していく(提案内容によっても異なるが、代理
   店の対象マーケット規模は従業員数が5〜50名が基本である)

   次の(1)(2)の開拓において、代理店が訪問する先は電話、ファックスDM、NL
   (ニュースレター)、メールにより、既に興味関心を持った先である。

    (1)見込み客開拓(法人への提案・面談相手は決定権者であること)

      ①トレンドをテーマに切り口商品を企画(決定権者と面談できる内容)

      ②切り口商品のターゲットとなるマーケットを選定

        データーの入手はイエローページ、商工名鑑、各種同業組合名簿、
        ハウスリスト(自店のデータ)

      ③アクションプラン(開拓行動計画)の策定

        行動計画に従って活動。

        初訪におけるトークはシナリオ(5W2H)に基づきすすめる

    (2)既存客対策(既存客への単価アップ・多種目販売)

      直接的な売り込みはせず、「常にあなたを気にかけている」ことを相手に感じ
      させる

      ①地震・風水害等の天災の直後にお見舞を兼ね、テレマーケティング
        によりフォロー

      ②ファックスにより、創立記念日・社長の誕生日に祝電、業界ニュース
        等を配信

      ③法改正、旬なニュースをテーマに

      ④保険金支払い時こそチャンス(支払いに感謝される仕組みづくり)

      ⑤会社の創立日、社長の誕生日間近の顧客

      既存客は支払い保険料ごとにランク分けし、接触頻度・提供サービスを決め
      る(顧客の差別化)。

    (3)顧客との接触拡大策・顧客の流出防止策

      お客様は、自分が大切に扱われているかどうかを感じ取ることについては敏
      感であり、皆「自分にとって」が最優先であることを常に念頭においておく必
      要がある。

      あなたが売るべきものは保険商品ではない。

      お客様は保険代理店と会うと、売りつけられるのではないかと身構えている
      ことを知るべきだ。

      あなたの売るべき商品は人間関係。

      そして、この点にこそ最も注カしている。

      だからといって、「人間関係を築くには、足繁くお客のもとに通う」ことではな
      い。

      顧客から代理店に寄せられる苦情内容はいつの時代も同じである。

       ・売ることばかりを考えていて情報に乏しい。

       ・質問や依頼に対する回答がない、遅すぎる。

       ・時間にルーズである。

       ・入る時と入った後の対応に差がある。

      といった内容である。

      原因は代理店個人が顧客に関する業務を1人でこなしているからである。

      これはスーパーセールスマンでもない限り至難の技であり、顧客満足どころ
      ではない。

      代理店にとって重要な「顧客との接触拡大」は顧客の流出防止、多種目販売
      に欠かすことができない。  

      代理店が全ての仕事を1人でこなすことで、全ての仕事が中途半端になって
      しまっている。

      「顧客との接触拡大」のための武器として、

       ・NL(ニュースレター)の提供、ハガキによる礼状マニュアルの
        提供、FAXによる経営情報誌の配信、ホット・ニュース、ビジネス
        レポートの提供
 
  □流出防止チェック機能

   今まで、顧客の流出防止策に最適なのは顧客との面談回数を増やすことであると
   いわれてきた。

   しかし、この仕組みを用いれば、それが正論ではないと断言できる。

   1.場当たりな活動から計測可能な活動を

     ・顧客とのコミュニケーションツールによるCS(顧客満足)が可能となる

     ・1人の顧客を獲得、維持するのにかかるコストを把握できる

     ・ダイレクトメール・電話・ファックス、E-mailでの接触や訪問をするときに、
      顧客1人当りの接触コストがいくらか計測できる

     ・1人の顧客が去ってしまった理由を知るために、顧客に連絡を取るなどして、
      流出防止対策を講じることができる

     ・定期的(最低年に1回)に顧客の満足度をアンケートにより測定し、収集
      された情報は満足度を向上させるために活用できる

     ・新規顧客に対し、多種目販売を促進するプログラムが活用できる

     ・継続的に契約していただくために顧客に投資し、その投資コストは見込ま
      れる収益と関連させ、費用対効果を測定できる

     ・顧客とのリレーションシップ(関係性)を育て、優良顧客にするためのプロ
      グラムの活用が可能となる

     ・既存顧客に向けて、商品やサービスの多種目販売を実施するプログラムを
      活用し、その実施結果の測定ができる

     基本的に顧客は浮気性である。

     まして熱意と根性で成約した契約は、さらに熱意のある、保険料の低価格のと
     ころに移ってしまう。

     このことからも、保険契約者全てがあなたの真の顧客ではないと自覚すべき 
     であり、あなたが提供する情報・サービスに満足せず、価格を言ってくる契約者
     には、あなたのビジネスにおける考えを話し、判断してもらう。

     あなたにとって真の顧客とは、あなたの提案に賛同してくれることである。

   2.顧客への情報発信(情報の収集と活用)

     顧客のニーズ・ウォンツを先取りし、

      ・法人マーケット:トレンド(個人情報保護法、賃金・退職金規定、
       助成金等、各種保険商品の見直し)のキャッチ

      ・個人マーケット:トレンド(年金・介護、ペイオフ、年間行事にあわせた
       商品提案)

      ・個人顧客対策:毎月定期のNLの発送(バースデーのお祝い、100円
       ショップ商品)ハガキにより近況報告 等々

      ・法人顧客対策:毎月定期のFAXによる経営情報の送信、設立(創立)
       記念日にFAXにて、お祝い 社長のバースデー(顧客別ランクにより)
       にカードか電報を送付

   3.顧客の会員化(囲い込み)推進

     新規顧客を固定化するための手段。

     顧客向け会員制度を設け、セミナー参加の優待割引き、税務・労務の無料電 
     話相談といった企業経営における身近な問題に回答していくサービス機能。

  □データの一元管理

   「顧客に近づく営業活動」を展開するうえで、マーケティング型の顧客情報管理は
   欠かせない。

    (1)顧客情報がひとつのデータベースに統合化され、一元管理されていること

    (2)顧客情報は営業担当者任せではなく、組織の情報であることをスタッフ全員
      に認識させる

    (3)顧客情報はチームで利用(共有化)されるようになっていること

    (4)情報は時系列に管理する

   契約データばかりではなく、接触データもすべてひとつのデータベースに記録す
   る。

    ・いつ、誰に、どんな内容、どんな方法で提案したか

    ・いつ、誰が、何の用件で電話してきたか、その電話に誰がどのように
     対応したか

    ・いつ、誰が、何の用件で電話したか

    ・営業マンはいつ、誰に、どんな目的で接触したか

    ・その結果はどうだったか

    ・その見込み客・既存客先の最新状況はどうか

    ・その見込み客との提案(販売)段階は、いま、どの段階
     (見込み度ランク)になっているか

    ・いつ、(どの部署の)誰から、どんな内容を、言ったか

   以上のようなデータを、すべてひとつのデータベースに保管しておく。

   顧客への営業活動そのものも、チームで共有することで、急きょ別のスタッフが対
   応しなければならない場合であっても、同品質の対応ができる環境を作っておく。

   5W1Hに基づき、どんな情報をどのように集め、活用するかがカギとなる。

   白地(未開拓マーケット)データと既存客データに分ける。

   顧客情報の管理と活用:絞込み検索の多様化

    ◎収集する情報の範囲

      法人に対する情報:業種・郵便番号・住所・TEL・FAX・決算月・代表者
      (氏名・生年月日)・所属団体(組合)・資本金売上・従業員数・支店・支社
      等の事業所住所・車両台数・車両購入先・キーマン(意志決定権者・保険
      担当者・顧客となった経緯・紹介された顧客先・契約履歴・職域(社員)情報

       個人に対する情報:家族全ての生年月日・職業(会社名、役職)・郵便番号・
     住所・TEL・FAX

   情報は生ものであり、増収していくための「メシの種」である。

   情報は自店にとってのノウハウであり宝。

   期限を設けて収集しなければ、いつまでたっても集められない。

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