モチベーションマネジメント

  ■モチベーション・マネジメント

   労働市場が大きな変化を続けている中、離職率は依然として高い水準を保っている。 

   2011年時点での3年以内離職率は、高卒者で40.0%、大卒者で32.3%を示して
   います(「平成24年版労働経済の分析」厚生労働省)。

   その中で注目したい点は「1年以内離職率の高さ」です。

   この中には、入社して3カ月もしないうちに退職、あるいは転職する社員も多数含まれ
   ています。

   最近では、入社と同時に転職サイトに登録する社員が増えているという、にわかには
   信じがたい現象も起きており、「新入社員が入社したから安心」とたかをくくってはいら
   れない厳しい現実が示されています。

   では、若手社員はなぜこれほどまでに簡単に会社を辞めてしまうのでしょうか。

   その理由は個人によってさまざまですが、簡単に言えば「会社を辞めても特に困ら
   ない時代になったから」だと言えるでしょう。

   高度経済成長期は、多くの企業の業績が右肩上がりを続け、終身雇用や年功序列が
   当たり前という時代でした。

   就職することが一種のステータスであり、一度就職してしまえば、後は会社が定年
   まで面倒を見てくれます。

   よほど大きな問題を起こさない限りクビになることはなく、長く勤めれば勤めるほど
   給与や退職金も高くなります。

   逆に言えば、会社をクビになったり就職できなかったりした人には、何か問題があると
   思われるような時代だったのです。

   しかし現代では、昔に比べ進学率も高まり、就職自体もそれほど難しくなくなりました。

   また、正社員としての就職以外にも、留学・進学・起業・フリーター・契約社員・派遣
   社員といった選択肢が増え、個人のライフプランに合わせた道を選ぶことができる
   ようになりました。

   最近では、会社の歯車になりたくないという思いから、あえて正社員の道を選ばない
   若者も増えてきています。

   高度経済成長期に就職した人たちにしてみれば、「入社して1年も経たないうちに転退
   職を考えることなどありえない」と思うかもしれません。

   ですが、彼らにとって、正社員雇用という道はあくまで選択肢の1つでしかなく、自己
   実現をするための手段と考えている若者も多いのです。

   だから彼らは、仕事や会社が自分には合わないと思ったらすぐに辞めて、次の選択肢
   に移ってしまいます。

   辞めたところで、お金を稼ぐ手段や就職先は数多く存在しているため、特に困ることは
   ありません。

   何より、若者は仕事に対し「お金」以上に、「やりがい」や「面白さ」を求めているた
   め、1つの会社に固執する意識が最初から希薄なのです。

   このように、個人の価値観や労働環境が大きく変化したことを考えると、3年以内離職
   率が高いことはむしろ必然だと言ってもいいかもしれません。

  □企業が社員に選択される時代

   このような現状の中、企業は今大きな岐路に立たされています。

   これまで、企業の「終身雇用制度」や社員の「愛社精神」によって相互に結ばれていた
   会社組織は、会社が「魅力的な仕事・労働環境・雇用形態」などを提供し、その見返り
   として社員が「労働力」を提供するという、いわば「相互選択の関係」に形を変えつつ
   あります。

   言い換えれば、社員に対して魅力ある仕事を与えられない会社は社員から見捨て
   られてしまうというこの現状を、経営者はしっかりと認識しておく必要があります。

   現代の若手社員の多くは、昔に比べ、愛社精神が低い傾向にあります。

   日本の経済が成熟期を迎え、大企業でも倒産したり、リストラされたりすることが珍し
   くない現代では、それもしかたのないことかもしれません。

   それに対し、「最近の若者は根性がない」とすべての責任を若者自身に押し付け、
   切り捨ててしまう経営者が多いことも事実です。

   今後、自社がより成長を続けていくためには、社員に対し「働く動機」、すなわち
   「モチベーション」を与えていかなければなりません。

   社員が、仕事そのものや会社に愛着を持ち、気持ちよく仕事ができるように働きかけ
   ていく「モチベーション・マネジメント」は、人材を成長の源泉とする企業が、これか
   らの時代を生き抜いていくために必要不可欠な要素だと言えます。

  □企業の財産は「人」

   モチベーション・マネジメントとは何なのでしょうか? 

   例えば「社員を会社にとどめておくための手段」と考えるならば、それを報酬や待遇に
   求めてもいいかもしれません。

   しかし、高い給与と充実した福利厚生があれば社員は辞めずに、会社に忠誠を誓い
   続けてくれるのでしょうか? 

   残念ながら、答えはノーです。

   もちろん、その社員の考えや世代、事業の種類などによっては、報酬や待遇などを
   良くするだけで多大な効果を発揮するケースも少なくありません。

   ですが、実際に周りの会社を見渡してみると、高い給与や充実した福利厚生などが
   必ずしも効果があるとは言えません。

   高給与・高待遇を捨ててまで、別の職種や会社に移るケースもよく見られます。

   モチベーション・マネジメントの持つ本当の意味は、「社員に楽しく仕事をしてもらう
   こと」、もしくは「仕事に価値観を見出してもらうこと」なのです。

   ここで重要なのは「楽しく」と「価値観」という言葉です。

   「楽な仕事をさせる」という意味ではありません。

   人間というものは、楽しいことは寝る間を惜しんで行います。

   多少厳しい仕事であっても、そこに楽しさや価値観を見いだせれば、社員は率先して
   やってくれることでしょう。

   会社の財産は「人」です。

   会社のために働いてくれる「人」に対し、会社がやる気や魅力を与えられれば、その
   効果は相乗効果を生み、大きな成果をもたらします。

   モチベーション・マネジメントが持つ重要性を改めて認識し、社員に見捨てられない
   会社にしていきましょう。

  □社員が働く原動力

   モチベーション・マネジメントを行う際に大切なのは、「それぞれの社員に適したマネジ
   メント手法を用いること」です。

   モチベーション・マネジメントが持つ本来の意味や役割を考えれば、全社員の性格や
   志向を分析・把握し、それぞれの特性に沿ってマネジメント手法を選択、あるいは
   カスタマイズして、個々の社員に働きかけることが最良のやり方だと言えます。

   しかし十数人規模の会社であればそれも可能でしょうが、数百、数千という社員を抱え
   る企業の場合、それぞれの社員に適したマネジメントを行うことは、コスト的にも人員
   的にも不可能と言わざるをえません。

   そこで、多数の社員をある要因に沿っていくつかのグループに分類し、グループごと
   に異なるマネジメント手法を行っていくことが最も現実的なやり方と言えるでしょう。

   社員を分類する項目は、「人種」「性別」「年齢」「能力」「経験」など数多く存在
   していますが、その中でもより顕著な違いを示す分類項目は「年齢」です。

   人間の性格や考え方はその時の時代背景や社会情勢に大きく左右されることが多い
   ため、生まれた時代ごとに人の傾向を把握する「世代」という分類は、非常に大きな
   意味を持ちます。

   最近では年功序列制度が廃止され、実力によって給与や役職を決める企業も増えて
   きています。

   しかし現実問題として、「20代の若手」「30〜40代の中間管理職」「50〜60代の幹部
   クラス」という組織構造を持つ会社が大多数を占めることは間違いありません。

   現在、数多くの会社が抱えている「中間管理職の心の病の増加」や「若手社員とベテ
   ラン社員との溝の深刻化」といった問題は、このジェネレーション・ギャップによること
   がほとんどだと言えます。                         

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