る仕組みづくり
 

  ■仕組みで売れるには

   セールス、マーケテイングにおいて、「差別(異)化する」ということは基本です。

   他と違うからこそ、お客様がほしいと手をあげてくれるのです。

   これは間違いありませんが、差異化してもすぐに競合他社に員似をされてしまうことは
   避けられないことであり、差異化には賞味期限があります。

   また、差異化が難しい商品・サービスが存在します。

   フランチャイズや代理店型のビジネスのように、売り物が決められているビジネスは
   その典型と言えます。

   その意味で、差異化だけに頼らずに勝てる仕組みを作ることは、ビジネスを安定的に
   成長させるうえで非常に重要です。

   難しそうに感じますが、それは可能です。

   ある化粧品店の例ですが、全ての商品を定価で販売しています。

   特別な化粧品を売っているわけではなく、100メートルほど先にいけば、安売りのドラ
   ッグストアがあり、同じものを割安で買うことができます。

   しかし、この化粧品店には絶えずお客さんがいっぱいで、1日あたりの売上個数が、
   都内の一等地にある他店を超えることもしばしばです。

   なぜこのような状況になっているのでしょうか? 

   その答えは簡単で、この化粧品店の店員はお客さんにとっての先生という存在になっ
   ているからです。

   確かに化粧品は売っています。

   しかし、それはあくまで結果(手段としての化粧品)として、なのです。

   店員は専門家として化粧品、スキンケアの方法をお客さんに教えます。

   また来店のたびに細かくカウンセリングすることで、そのときの肌の状態にあった化粧
   品などを勧めています。

   このようにお客様にとっての相談係になることで、商品に頼らない集客を可能にして
   いるのです。

   多くのお客様は「だまされるんじゃないか」「自分に合わない商品を買ってしまうんじゃ
   ないか」ということを恐れています。

   その理由は商品の購買基準が分からないからです。

   そこで、あなたは先生として、商品の購買基準を教えてあげます。

   お客様が商品を通じて手に入れたいメリットを確実に得られるように手助けするの
   です。

   そうするとどうなるでしょうか? 

   お客様にとって、あなたが教える分野について、あなたの言うことは絶対になります。

   「相見積もりをしてくれ」「もっとまけてよ」「他の業者を探そう」なんていうことは
   なくなるのです。

   では、どのようにすれば、お客様にとっての先生という立場を構築することができる
   のでしょうか。

   その答えは販売プロセスです。

  □『売れる仕組み』に欠かせない販売プロセス

   お客様にとって先生となることができるように販売プロセスを作り直すのです。

   販売プロセスは3つのステップとなります。

     1.お客様を価値観で集める

     2.信頼を築きつつ、正しい知識・商品選択基準を伝える

     3.理解した人に『だけ』商品を勧める

    1.お客様を価値観で集める

      世の中に存在するあらゆる商品は、「悩み」を解決するものか、「欲求」を満
      たすものです。

      まとめれば、「よりよい未来」を得るために存在しています。

      当然、あなたが提供する商品やサービスもそうでしょう。

      では、あなたが提供する商品やサービスを購入することによって、どんな「よ
      りよい未来」を得ることができるのでしょうか?   

      それを考えてみてください。

      ただし、この「よりよい未来」はお客さんが認識しているものでなければなりま
      せん。

      なぜなら、お客様が認識しているものだけが現実だからです。

      例えば、“虫歯”の例をあげればわかりやすいでしょう。

      歯がズキズキする、寝られない、熱を持ってくる……。

      そんな症状が出なければ、歯医者に行こうとは思わないでしょう。

      しかし、これらの症状が出るまでに虫歯を発見することができれば、痛い思
      いをする必要もないし、歯医者に行く回数も少なくてすむでしょう。

      一見面倒そうに感じますが、年に1回歯科検診に行くほうが、費用も時間も
      短くてすみます。

      そんなことは皆が知っていることです。

      でも、大半の人は症状が出なければ、「歯医者に行こう」という気にならない
      のです。

      どれだけ「検診するほうがいいよ」とあなたが声を大にして伝えようと、お客
      様にはその声は届かないのです。

      歯が痛いという現実に直面して初めて、歯科検診が重要だと認識するので
      す。

      あなたが提供する商品やサービスも同様です。

      お客様のさまざまな問題解決が可能であったり、素晴らしい未来を提供でき
      るかもしれません。

      しかし、その問題や未来をお客様が認識していなければ、あなたのメッセー
      ジを受け取ろうとはしません。

      ですから、あなたのメッセージを受け取ってもらうためにも、以下のことをでき
      る限りリストアップしてみましょう。

       ・お客さんが『今』悩んでいること

       ・お客さんが『今』ほしいもの

    ◎価値観を教える

     リストアップできたら、リストアップした内容に基づいてノウハウ・知識集(小冊
     子、音声CD、動画DVD、PDFファイル)を作成し、それをお客さんにプレゼント
     してみます。

     大切なのは、これらのノウハウ・知識(無料オファー)をお客様に差し上げる代
     わりに、お客様のメールアドレスなどの情報を残してもらうのです。

     では、どのようなオファーにしたらよいのでしょうか?

     ポイントは、あなたの価値観が伝わるものであるということです。

     具体的には以下のいずれかになります。

      ・理想の未来を得るための具体的な方法
      ・お客さんが理想の未来を得られていない本当の原因

     あなたの価値観・スタンスを伝えることで、興味のないお客様は脱落します
     が、一方で、共感したお客様はそれ以降のあなたの話に強く興味を持ってくれ
     ます。

     このようにすることで、自社のサービスによって「究極の理想の未来」を提供で
     きるお客様(「見込み客」)のリストだけが集まる、というわけです。

    2.信頼を築きつつ正しい知識を伝える

     価値観を伝えることで、「見込み客(集客)」の情報を取得することができたら
     次にあなたがやるべきことは、さらなるお客様の教育、啓発(以下、フォロー
     アップ)です。

     先生として本格的に情報を伝えていきます。

     ステップ1では、プレゼント(無料オファー)として、理想の未来を得るための具
     体的な方法、もしくは得られていない本当の原因を伝えました。

     次は、これらを補完する情報・さらに掘り下げた情報を届けるのです。

     これには2つの目的があります。

      (1)お客様のあなたに対する信頼度を高めること

        人間の相手に対する信頼度は、コミュニケーションの回数に比例します。

        さらに、相手の人間的な側面を知ったときに、より強く相手に好意を持つ
        ようになります。(※ザイオンス効果)

           ※同じ人や物に接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象
              を持つようになる効果

        繰り返し情報を提供することで、信頼度を高めます。

        そして、単にフォローアップの回数を増やすだけではなく、あなたの理念
        やちょっとしたプライベートの情報も盛り込みます。

        そうすることでより信頼度を増すことができるのです。

        しかし、これだけでは不足です。

        単に役立つ情報を提供するだけでは、その後の商品販売にはつながりま
        せん。

        それが目的の2つめにつながります。

      (2)購入から逆算したメッセージを届けること

        これまでお客さんに商品プレゼンテーションした際に、何らかの反論が出
        てきた経験はないでしょうか。

        「価格が高い」「ウチには合わない」など。

        このような寄せられるであろう反論を、あらかじめコンテンツの形でつぶし
        ておくのです。

        「価格が高い」という反論であれば、「価格で選んではいけません。こうい
        う基準で選びましょう」というような内容を伝えておきます。

        「ウチには合わない」という反論であれば、「自分にピッタリの商品の選び
        方」などのコンテンツにしておくのです。

        お客様から反論が出た後に、それについてあなたが答えても、お客様か
        らすれば「営業トークでしょ?」と思われてしまいます。

        しかし、前もってコンテンツの形で伝えておけば、お客さんにはスッと受け
        入れられるのです。

    ◎フォローアップを自動化する

     では、どのようにフォローアップすればよいのでしょうか?

     具体的な方法として、最も有用なのが「ステップメール」とよばれるツールで
     す。

     ステップメールは、ウェブページにメールアドレスが登録されたら、予め設定し
     たスケジュールに沿って、自動でメールを送ってくれるという便利な仕組みで
     す。

     例えば、以下のように、自動でメールを送ることが可能です。
      ①登録して24時間後に「ノウハウはどうでしたか?」というお伺いのメールを
        送る

      ②3日後に自己紹介のメールを送る

      ③7日後に追加ノウハウのメールを送る
         ・   
         ・
         ・

     ステップメールを使う理由は簡単です。

     お客様のメールアドレスを取得してから、フォローアップの途中までを、完全に
     自動化することができるからです。

     ちなみに、この段階では、すでにお客様があなたの商品を買う準備ができてい
     るかといえば、そこまではできていません。

     お客様によって、思い入れには大きく差があります。

     ステップメールでフォローアップすることで、しっかりとメールを読んでくれる人
     とそうでない人に分かれます。

     当然、前者は思い入れが強く、後者は弱い。

     どれだけ優れた人間でも、イヤがる人間を導くことはできません。

     つまり、しっかりとフォローアップすることで、導いてほしい人とそうでない人に
     分けることができます。

     このステップメールですが、ウェブで「ステップメール」と検索すると、さまざまな
     ツールが出てきます。

     価格や機能などでしっくりくるものを選んでください。

   3.理解した人『だけ』に商品を勧める

     オンライン、オフライン両方で正しい知識・ノウハウを伝え続ける方法について
     述べてきました。

     ここからは直接の対面、クロージングが必要になります。

     ここまでのステップを経た後に、いよいよお客様の所に行くことで、これまで
     やっていた営業のときとは、お客様の反応が全く異なることに気付くでしょう。

     すでにお客様は、これまでに積み重ねてきた情報提供により知識を持ってい
     ます。

     従って、懇切丁寧にひとつひとつを説明する必要はありません。

     しかも、あなた(あなたの会社)は、お客様にとって、役に立つ情報を届けてく
     れる先生という存在です。

     ですから、お客様がいざ商品を購入するにあたって持っている不安、疑問を解
     消するための質問に正しく答えることさえできれば大丈夫です。

     疑問がない状態にするだけで、お客様はほぼ購入しようという状態に入りま 
     す。

     ですから、営業担当者が直接お客様のもとに行き、「どうされますか?」の一
     言でほぼ決まります。

     結果、営業担当者のスキル、経験、能力に頼らずに契約が決まっていくことに
     なります。

     極端な話、この販売プロセスを導入することで、入社間もない営業担当者が契
     約を取ってくるということも珍しくありません。

     それほど営業の難度が下がります。

     とはいえ、営業担当者がお客様のもとに足を運ぶということは、それなりの人
     件費、手間がかかることになります。

     ですから、営業担当者がせっかく行ったのに決まらない、という事態はなるべく 
     減らしたいと思うでしょう。

     そのためのコツを3つご紹介します。

      (1)お客様を説得しようとしない

        ほしくない人に売れること、それが本当の営業力だと言う人もいます。

        しかし、そのような営業力には、天賦の才、長期にわたる訓練が必要で
        す。

        そして、そのような力を持っている人は、ごく限られた人であり、どこからも
        必要とされる人間ですから、いつ辞めていくともしれません。

        もし社長がそのような営業力を持っているとしても、社長がいつまで営業
        し続けるのでしょうか? 

        それでは、社長がいなくても売れていくような仕組みはいつまでたっても
        できません。

        仕組みを作るためには、営業担当者の役割を定義し直すことです。

        営業の役割は、お客様を説得するものではなく、お客様の「商品がほしい
        気持ち」が高まっているかを確認することです。

        一定以上「ほしい気持ち」が高まっていれば、あとはお客様の疑問を全て
        解消してあげること。

        それだけすればよいのです。

      (2)相見積もり、値引きは一切受けない

        お伝えしてきたプロセスをたどっていれば、営業に行く前段でしっかりと関
        係を築き、さらにお客さんを導くという姿勢を理解してもらえているはずで
        す。

        ですから、基本的には、相見積もりになったり、値引き交渉に入ったり、と
        いうことが極端に減ります。

        とはいえ、中には、相見積もり、値引き、コンペなどを求められる場合もあ
        ります。

        その場合は、商談途中であっても席を立って帰ることです。

        なぜなら、これらをお客様が求めるということは、あなたのことをその程度
        としか見ていないからです。

        つまり、こちら側の理念・考え方が伝わっていないということ。

        たとえ運よく契約が決まった後でも、理由を付けて引き延ばされたり、こち
        らが望むことをやってもらえない、ということが起こります。

        その結果、成果を上げることができません。

        そうなれば双方にとって不幸になるばかりです。

      (3)今後もお客様を導くことを示す

        今後も責任を持って導くことをお客様に示すことです。

        「責任を持ってアフターフォローをします」というレベルではなく、さらに、
        商品を購入した先の「究極の理想の未来」を手に入れてもらえるように私
        たちは存在しているということを明確にすることです。

        理想の状態を手に入れた後の、さらに究極の状態とはどんなものなの
        か? 

        それをお互いに明確にし、今後も継続的に付き合いが続ことをしっかり
        と示します。

       以上が、お客さんを導く人になる3ステップです。

   ここまでお伝えしてきたことは、非常にシンプルな方法なのですが非常に強力です。

   セールスパーソンとしてではなく、先生として扱ってもらえますから、非常に楽にビジ
   ネスができることがお分かりいただけたでしょうか。

   この情報過多の時代にあって、正しく適切な情報を提供する会社こそが、最も必要と
   されている会社です。

   あなたは単なる売り手ではなく、お客様をよりよい未来に導くリーダーだということを
   覚えておいてください。

   あなたの発言がお客様の人生を左右することになります。

   先生になるということは、それくらい重大な情報を発信する立場になるのだという自覚
   と責任を持つことも忘れないでください。

   ときには、お客様が理想の未来を得るために、自社の商品ではなく他社の商品のほう
   が向いているのであれば、そちらを勧める。

   それくらいの心構えが必要です。

   そうすることで長期にわたってお客様と良好な関係を築き、発展し続けることができ
   ます。

   一つずつでもよいので、ここに書いてあることを実践していってください。

   そうすればお客様との関係が今までとは全く違ってくることに気がつくばずです。

   すると、差異化が難しい商品・サービスであっても、売ることができるようになっていき
   ます。

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