営業について再考する
 

  インターネット等の普及で世の中に情報が溢れ、お客様が持つ情報や知識が、時には
  営業担当者を上回ることさえあるという今の時代は、営業に求められる役割も、以前
  とは変わってきました。

  さらに、購買の主導権は「企業(売り手)から、お客様(買い手)へ」と完全に移って
  います。

  このような環境変化の中では、「売る」という行為ももちろん大切ですが、それ以上に
  「お客様から選ばれる」「お客様が買いたくなる」という「売れる」仕組み、“お客様視点に
  立ち”お客様を基点に営業活動そのものを考え・とらえることが重要になっています。

  □お客様の価値観

   お客様の価値観は、十人十色であるということです。

   つまらなく見える商品でも、相手(お客様)にとって価値あるものなら、たとえ価格や
   条件が不釣り合いに見えても、商品は必然的に売れていくものです。

   こう考えていくと、営業の原点は、「お客様を中心として、相手に求められているものや
   価値観を提供すること」です。

   お客様ごとに異なる価値観に柔軟に合わせていくためには、まず、自社(店)の商品や
   サービスがお客様にとってのメリットをなるべく数多く見つけて、お客様の価値観に
   フィットするための「接点」を増やしていくことが大切です。


  □お客様の価値観を見極めるポイント

   まずは、「観察」が大切です。

   お客様の言葉や服装などの持ち物から、「このお客様は何に興味を持ち、どんな悩み
   (問題)を抱えているか」を想像してみるのです。

   仕事や家族などの話題から、ライフスタイルを想像してみます。

   次に、このお客様なら自社商品のどのようなところに魅かれるかを自分で考え、提案
   してみます。

   その提案は、一度で当てはまることはないかもしれませんが、大切なのはその後の
   観察です。

   自分が提案した商品やサービスに、お客様がどう「反応」するかを見るのです。

   たとえば、「それは、高すぎる」と言われれば、そのお客様の価格感は提案したもの
   より低いため、次はそれを踏まえて提案すればよく、「補償範囲が狭い」と言われ
   れば、特約等をつけたものを提案すればよいわけです。

  
  □自社(店)の扱い商品・サービスに惚れ込む(知る)

   営業担当者の中には、自社の商品・サービスのデメリットや弱みを理由に、「うちの
   商品は○○があったらもっと売れるのに」「自社のサービスは、□□だから売れない」
   などと、売れない理由を自分で決めつけてしまっている人がいます。

   売れない理由を商品やサービス、景気のせいにしているのです。

   売れる人と売れない人がいる状況を考えてみれば、たとえどんな商品を扱ってい
   ても、売れるか売れないかは本人の気持ちの持ち方次第なのです。

   まずは、営業担当者自身が、自社の商品・サービスのメリットや強みを、あらゆる角度
   から見つけ、商品を徹底的に研究し惚れ込むことで、お客様に対する訴求力が増し
   ます。

  □お客様の「買いたい」気持ちを高める(ニーズ喚起

   お客様が商品・サービスを購入する場合、最初から「買いたい」という気持ちになっ
   ているわけではなく、購入の際にお客様がとる行動のプロセス・心の動き心理状態の
   段階を踏んでいくと言われています。

      AIDMA(アイドマ)の法則

      営業担当者に必要なのは、お客様の心理状態を見極め、「今、お客様は、購買心理
   のどの段階にいるのか」を知ること。

   そして、「次のステップに上がっていくには、どうすればよいか」を考え、その経過を
   見ながら、適宜適切なアドバイスや提案・行動をすることです。

   お客様がまだ買いたい気持ちが高まっていない状態で「契約してください」とクロー
   ジングをかけても、契約は決まりません。

   自分の価値観を相手に押し付けず、相手に合わせて商品のメリット(お客様にとって)
   を勧めていきます。

   その上で、競合商品の知識や情報などをあらかじめ収集し分析・研究しておき、自社
   の方が勝っているセリングポイントを見つけ、劣っているところやデメリットには、
   応酬話法(対応するセールストーク)などの準備も必要です。 

   営業担当者の役割は、お客様に購買心理の階段をうまく上がらせることです。

   購買心理の各段階で、お客様には、どうすれば次のステップに上がっていただける
   かという対処法をあらかじめ準備しておけば、スムーズな交渉や営業展開ができる
   のです。

  □業績アップの仕組み

   お客様側の購買心理を、営業の流れ(アプローチ⇒プレゼン⇒クロージング⇒ア
   フターフォロー)に照らし合わせてみると、営業する側にとっては、営業活動を効果的
   に行いながら、実績アップするよう、「仕組み」ができます。

   営業活動の「仕組み」とは、営業担当者が営業の基本的なパターンを作り、改善を
   続けて、よりよい営業のパターンを構築することです。

   「初回面談⇒見極め⇒提案・見積り提示⇒問題点・課題の解決⇒契約⇒アフター
   フォロー⇒紹介依頼」というように、営業活動の流れに沿って、「どのようなタイミン
   グで」「どのような営業をするか」を「仕組み化」しておけば、営業活動が効率よく
   効果的にでき実績もアップして、生産性が上がっていきます。 

   生産性が上がる理由は、営業担当者が、「今日は売れた」「今日は売れなかった」と
   いうような、その日暮らしの場当たり的な営業スタイルを脱却できるためです。

   基本パターンに基づいて、「今日は、こう工夫したら、もっとうまくいった」「今日は、
   ここがダメだったから、改善しよう」という具合に、営業活動を毎日積み重ねるほどに、
   営業活動が改善され、目に見えて上達していきます。

   ですから、営業担当者は自分自身がスムーズに、効率よく営業するための営業
   パターンを構築するとよいでしょう。
 
   また、営業担当者が複数いれば、こうした営業の基本パターンを用いながら日々改善
   していくと、全員が実践した結果をもとに、さらに効果的な営業のやり方を共有化でき
   ます。

   さらに、こうした「仕組み」を社内で共有化しておけば、営業をマネジメントするリー
   ダーや上司にとっては、部下指導そのものが効果的かつ効率的にできるようにな
   ります。

   営業担当者という「人」そのものへの指導ではなく、営業担当者が行っている「営業
   活動」のやり方に対する指導ができるため、営業会議は、「売れた」「売れない」という
   結果管理ではなく、「何が原因で売れないか」「どう改善すれば売れるか」という、プロ
   セス管理となるため、会議の効果も高まります。

   今では、このような営業の流れをWebでシステム化する会社も多くなってきました。

   今のように変化の激しい時代には、次々と競合する他社、商品やサービスが生まれ、
   お客様の価値観も刻一刻と変化していきます。

   現状の営業スタイルに満足することなく、日々、お客様や環境の変化に対応すること、
   そして、そのためには、たゆまぬ努力や改革・改善を心がけたいものです。

  □お客様は、“何”を買っているのか?

   営業で最も大切なこと。

   お客様はあなたから、“何”を買っているのでしょうか?

   もし、「商品・サービスそのもの」だと思っているとしたら、その考え方では、残念な
   がらお客様の心はつかめません。

   お客様が保険商品を買う場合。お客様が買っているのは、保険そのものではなくその
   先にある付加価値(安心感、シーンなど、商品そのもの以外のメリット)なのです。

   子供の教育費への不安に対しては、「子供の成長とそれに伴う進学をまさかに備え、
   人並みにかなえてあげたい」という気持ち。

   医療保険ならば、「治療費のみならず、生活にかかる費用の心配をせず、闘病を
   いたわりたい」、「事業運営のリスクを少しでも抑えたい」という気持ち。

   というような付加価値です。
 
   ですから、営業担当者は、お客様に対して、「保険という商品の先にある付加価値」
   を提案するのが仕事であって、単純に物を売っているわけではありません。

   今は、保険商品を購入しようと思えば、代理店を介さず、ほとんどの商品やサービス
   がインターネットで買える時代です。

   だからこそ、このような付加価値の提案は、営業担当者にとって、これまで以上に重要
   な仕事だと言えるのです。

   自分が提供している商品やサービスがもたらす付加価値で、お客様が喜び、満足
   し、幸せになっていく様子をイメージできれば、営業そのものが楽しくなってきます。

   そして、お客様の心をつかむ営業とは、突き詰めれば、「営業担当者がどれだけお客
   様の気持ちを理解でき、お客様を幸せにできるか」を考え続けることに他ならないの
   です。

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