ライフプランと保険
  

  ■保険選びにお客さんは悩んでいる

   生命保険は、人の生死にかかわる保険。

   死亡保険金は、保険の対象となる被保険者が死亡した時(遺族などが)受け取るもの。

   満期保険金あるいは個人年金は、被保険者が生きていたら受け取れるもの。

   これに対し、物の損害を補償するのが損害保険だが、損害保険でも、自動車保険、
   傷害保険、火災保険の障害費用保険金など、人の死亡に対して保険金が支払われる。

   ただ、対象は偶然の事故による死亡であり、病気死亡は対象とならない。

   既にご承知と思うが、これが生命保険と損害保険の原則的な違い。

   しかし、細かく言うと、生命保険にも偶然の事故による死亡だけを対象とする特約 
   (災害割増特約、障害特約など)があり、損害保険にも病気死亡まで対象とする保険
   (介護費用保険、海外旅行障害保験など)がある。

   また、よく新聞などで、かなり保険料の安い生命保険の広告を目にするが、これは、
   交通事故による死亡だけを対象にした保険や、がんによる死亡だけが対象の保険。

   このように、最近は、お客さんにとって生命保険と損害保険との違いが分かりにくい
   ほど、特定の原因による死亡を対象にした商品や特約が続々と出てきた。

   もし、自分が交通事故で死ぬことが分かっていたら、あるいはがんで死ぬと決まって
   いるのなら、そういう、安い保険に入るべきである。

   何で死ぬかは分からないけど、自分がいつ死ぬか分かっていたら、これまた入るべき
   保険がはっきりする。

   百歳まで長生きするのが分かっていたら終身年金保険、あと一年以内に確実に死ぬ
   ことが分かっていたら保険期間一年の定期保険、といった具合。

   しかし、そんなことは分からない。

   だから、保険を選ぶのは難しいのです。(もっとも、皆がそんなことを分かったら保険が
   成り立ちませんが)

   だから、保険に入って得をしたか損をしたかということは、保険契約が終了するとき
   (保険金を受け取ったときか保険期間満了時)まで分からない。
 
   なのに、「この保険は絶対お得です」なんてセールストークを使ってはいないだろ
   うか。

   「損をするかもしれないけど、その損の額を少しでも少なくする方法があります」と言う
   べきできでしょう。

   あなたは本当にお客さんのためのライフプランを設計した上で提案してるだろうか?

   お客さんが加入している社会保障、その他の保険をかんがみてお客さんの損になる
   ことをしていないだろうか。

   各保険会社によっては商品に多少の優劣はあるが、そんなことだけで解約させてない
   だろうか。

   今の内容がよりよいものなら、現在加入の保険を続けさせ、あなたへの加入を断る
   ことをしているだろうか。

   それが結果的に、あなたへの信頼感となって表れるのです。

   基本的には損保は1年に1回のメンテナンスができるが、生保は長期契約が多い
   ため、生保代理店にとって顧客との接触が契約時と保険金請求の時だけといった
   ことになりかねない。

   ある統計によると、生保代理店の顧客との接触が、契約時から3年〜5年に1回が
   最も多いことからも、加入後に本当のお付き合いが始まることを認識している代理店
   がどれだけいるだろうか?

  □ライフプラン

   不況、倒産、リストラ、自己責任、年金問題など新聞を見てもこの言葉が載っていない
   日はない。

   結局政府の無策のツケは我々国民にまわって来る。

   ライフプラン、それはあなたの家庭の夢を描いたものであり、人生の目標でもあり
   ました。

   ところが、世の中の様子がすっかり変わってきて、これまでのライフプランは考え直さ
   ざるを得なくなってきました。
 
   ところでライフプランとは?

   ライフとは「生命、人生、生活」のことですから、ライフプランとは「健康づくりの
   計画」「生きがいづくりの計画」「家庭経済の計画」であるということになる。

   これらの計画のうち、見直さなければならなくなってきているのは、どの計画だろうか。

   それは家庭経済の計画、「我が家のファイナンシャルプラン(資金計画)」である。

   多くの家庭のこれまでの資金計画は、我が家の収入は年々増えていくものという前提
   で作られていた。

   よって、住宅ローンをステップ返済にしたり、生命保険を更新型の契約にしたり、
   そんなことも当たり前のように決めてきた。

   でも今は、そしてこれからは、確実に収入の増加を見込むのは難しくなってきた。

   従って、右肩上がりに収入が増えることを前提にしてきたきた資金計画は、修正しなけ
   ればならなくなってきたのです。

   同時に、わが家族にもしものことがあった場合への備え(リスク保障)についても、
   見直す必要がある。

   適切な保障内容にするということと、保障のコスト(保険料)負担をできるだけ低く
   抑えるため。

   暮らしの保障はどのように考えたらいいのか、保障手段の一つとしての保険をどう
   利用すべきなのかということを、ライフプランをどう見直すべきかという観点から考えて
   いきましょう。


  □保険を切り口商品として顧客開拓を図っていくことは困難極まりない

   ほとんどの代理店が、その困難な手法を今も続けている。

   売り方を今の時代にあったやり方に変えていかなければ「保険なんてどこも同じ」なの
   である。

   代理店を商売としていくからには、まず儲けなくてはならない。

   ゆとりのある経営が、結果的にお客さんにより良い提案ができるのです。

   代理店も保険会社社員もまず考えるのは「保険ありき」である。

   頭の中は保険を売ることばかりなのです。

   このことが、益々増収の阻害要因となってくる。

   そして、結果的には今までと全く変わらない、

    ・「行ってこい、やってこい、俺もやってきた」といった ― 根性営業

    ・「営業は熱意と根性」といった ― 精神論営業

    ・G(義理)・N(人情)・P(プレゼント) ― 浪花節営業

    ・提案型・コンサルティング営業 ― 買う気のない人を買う気にさせる
     煙に巻いた営業

    ・商品説明のスキルを高める ― 商品優位性の語り部営業

    ・労多くして、益の少ない飛び込み ― カミカゼ営業

    ・商品を売る前に、まず自分(会社)を売れ ― 人格営業

   売れない時代の今、ほとんどの商品のライフサイクルが成熟期にあることを認識しな
   くてはならない。

   今までの、売れば買ってくれた時代、お客さんである消費者の財布は緩み、セールス
   スキルを上げ、人格を磨き、誠意を尽くし、足繁く通えば売れていたことが営業力と
   勘違いし、今もそれに気づかず、同じことをやり続けている。

   あなたが、増収の停滞・減収に悩んでいるのは、今までのやり方を今も続けている
   から、ただそれだけ。

   同じやり方・考え方を続けていて、違う結果を求めていても、一生なにも変わらない。

  □三つの保障

   「保障の見直しをして保険の組み替えを」とか、「必要な保障に最適の保険を」など
   という言葉が聞かれるが、「保障」とは保険に加入することなのだろうか?

   そんなことはない。

   お客さんが、どのような保障の仕組みの下で生活しているか、整理してみよう。

   まず、すべての国民には社会保障という公の保障制度がある。

   それには憲法に基づく公的扶助(生活保護など)や、社会扶助(児童手当など)、社会
   福祉制度高齢者福祉、障害者福祉など)があり、また、原則として国民はすべて健康
   保険と公的年金制度に加入している。

   さらに、勤労者は労災保険と雇用保険の被保険者になっている。

   次に、組織保障。

   これは人によって異なるが、それぞれが所属している組織が持っている保障制度の
   ことです。

   会社の福利制度や、労働組合や互助会などの共済制度、あるいは生活協同組合の
   共済なども含まれるでしょう。

   三つ目が、私的保障。

   これは個人がそれぞれに準備するものだが、その基本は貯蓄(換金可能資産を持つ
   こと)。

   しかし、高額の貯蓄を持つことはすぐには無理でしょう。

   そこで、保険という保障手段を取ることになる。

   このように、「三つの保障」があることを、よく知っておく必要があります。

   社会保障は、国あるいは地方自治体が責任を持ち、費用の一部を負担している制
   度であり、すべての人の保障のベースとすべきもの。

   組織保障も、利用できる条件を持っている人はフルに活用すべき制度。

   なぜなら、対象者の年齢や条件が特定されていることなどから、掛け金など制度内容
   が保険商品などと比べて、かなり有利だからです。

   そして、この社会保障と組織保障で不足する分を、個人的に補うのが私的保障として
   の貯蓄と保険である。

   なのに、国民年金の保険料を納めずに、民間の個人年金保険に加入している、
   なんて人がいたりするのはなぜなのだろうか。

   今の国の制度を信用していないこともあるでしょう。

   保障イコール保険と誤解していないだろうか? 

   民間の保険を考える前に、社会保障の仕組みと内容をよく理解し、お客さんがが利用
   している組織保障の仕組みと内容を確かめることが、まず必要。

  □資金計画と保障計画

   ライフプランには、資金計画と保障計画という、大きな両輪がある。

   資金計画とは、家族それぞれの成長に合わせて、これから数十年間のライフイベント
   (進学、就職など予定される節目や、家族旅行、マイホーム取得など実現したいプ
   ラン)の必要資金を見積もり、年ごとの収入と支出の予定を立てて、実行に移していく
   もの。

   そのためには、貯蓄残高の推移を確かめる長期資金計画表を作り、生活費の支出
   基準や家事の分担、余暇の使い方など、ライフスタイルを決める必要がある。

   特に、「暮らしの三大資金」と言われる子供の教育資金、マイホーム取得資金、老後の
   生活資金は、いずれもその必要額が数千万円になるので、どうやってその資金を準備
   するかが、長期資金計画のポイントとなる。

   子供の教育資金は、いつ、いくらくらい必要かが、あらかじめ分かるので、計画的な
   貯蓄で備える。

   マイホーム取得資金は、必要な時期に全額を準備することは無理なので、通常はロー
   ンを利用して、長期に返済していく。

   老後の生活資金は、子供の教育資金の支出が終わり、マイホームの返済見通しが
   立った段階から準備していくことになる。

   このようにライフステージ(年代)によって、重点とする資金は異なるが、それらの資金
   をつくるベースになる継続的収入と基礎生活費のバランスが、重要になってくる。

   もう一つの大きな問題が、暮らしのリスクにどう対応するかということ。

   リスクとは、「あってはほしくないが、起きるかもしれないこと」。

   家族の病気、けが、そして死亡、火災や自然災害、盗弊、自動車事故、他人に損害を
   与えてしまった場合の賠償責任などのリスクに加え、勤め先の倒産や給料の減額、
   物価高騰や金利上昇、あるいは逆に、株価や資産価値の低下といった社会的リ
   スクもたくさんあります。 

   このようなリスクには、どんな対策が必要だろうか。

   病気をしないよう食事などに気を付けて健康を守ることとか、定期的に健康診断を
   受けることなども大切である。

   しかし、すべてのリスクを避けることなんて、だれにもできない。

  □なぜお客さんは「保険は難しい」というのか

   もともと生命保険というのは、被保険者本人のためにではなく、被保険者が死亡した
   ときに、遺族の生活を保障するために作られたものである。

   つまり、本来の生命保険とは死亡保険のこと。

   死亡保険の契約パターンには、定期保険契約と終身保険契約の二通りがある。

   定期保険契約とは、保険期間を10年とか15年とか定めて、その期間中に死亡した
   場合にのみ、保険金を支払う契約。

   これに対して終身保険契約は保険期間の定めがなく、必ず(人はいつかは死ぬ
   ので)保険金を支払う契約。

   当然、払い込む保険料は、定期保険契約の方が安く、しかも保険期間が短いほど
   安くなる。

   さあ、どちらにしたらいいか、ここでお客さんは悩む。

   そこで「保険料は安い方がいい。

   でも終身保険も欲しい」と思う人のために、定期保険契約と終身保険契約を組み合
   わせた定期保険特約付き終身保険が売られている。
 
   これらの死亡保険の保険料は、いずれも掛け捨て。でも「掛け捨ては嫌だ。

   死ななかったらお金が戻ってくるといいのに」という人に勧められているのが、養老
   保険。

   しかし、死ななかった人に死亡保険の保険料を返すなんてことはできないので、定期
   保険の保険料に加えて、満期保険金に充てるための積立金を払い込むのが養老保険。

   このように整理してみると、生命保険はとても単純なもの。

   それでも生命保険は複雑で分かりにくいと言われるのは、実は、主契約である定期
   保険、終身保険の仕組みのためではなく、これに付帯するさまざまな特約のためで
   ある。

   特約とは特別契約のことで、事故による死亡、後遺障害、入院などの場合に生活を保
   障する災害関係の特約、病気を対象とした疾病関係の特約、あるいは生存給付金
   支払いの特約など、その種類はたくさんある。

   当然、これらの特約を付けると、特約保険料が加算される。

   まずは、このような複雑な特約のことや、死ななかったら戻ってくるお金のことなどは
   おいて、遺族のための保障となる主契約をどうするのか、それを提案するのがお客様
   にとって分かりやすい提案ではないだろうか。

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