製造業のフールプルーフ(ポカヨケ)対策


  ■製造業のフールプルーフ(ポカヨケ:うっかりミスを避ける)

   製造業では常に小さな事故(ポカミス)があいついで起きています。

   いずれもウッカリ事故と呼べるもので、機械も止まらず、怪我もなくすんでいます。

   どんなに慣れた工程でもなめないで、真剣に取り組むこと。

   作業をなめると、大きな事故を招きます。

   そして安全作業は、言うまでもなく従業員自身のためにこそ守らなくてはならない
   のです。
   
   では、安全な作業遂行のために、何をどうすればよいか。

   それは基本的なことですが、合い言葉を交わし合うことです。

   ご存じの赤穂浪士の討ち入りでは「山」と「川」の合い言葉が交わされます。

   あれは、味方同士の相打ちを避けるための大切な戦術です。

   そして見事に成功した例です。

   逆の例は、プロ野球を見ていると、フライをめぐって二人の選手がぶつかったりし
   ます。

   あれほど鍛えたはずのプロの選手同士が、ごく基本的なマナーである声を掛け 合う
   ことを忘れたばかりにとんでもないミスをするわけです。

   二人ともが、目の前のボールに集中するあまりにウッカリミスをやらかすのです。

   合い言葉は大切です。  

   とくに、口に出すことです。

   電車の運転手や車掌さんの仕事は、小さなミスが直接人命にかかわるから、安全の
   ためのチェックは二重三重に慎重にしています。

   運転席を覗くと、運転手さんは計器類をいちいち指で差し、なおそのうえに「発車オー
   ライ」とか「信号よーし」とか声に出して確認しています。

   あの慎重さが事故を防ぐのです。
 
   現場でいえば、お互いに作業の確認をし合うことが合い言葉に当たります。

   目で見て、音を聞いて、手で触って、よくよく確認したうえで「OK」「合格」でもいい
   でしょう。

   「了解」「完成」でもいいのです。

   実際に口に出して、お互いの作業を確認し合うこと。

   お互いに確認し、連絡し、報告をする。

   この基本を忘れないことです。

   ほとんどのポカミスはこれで防ぐことができます。
 
   大きなミスを防いで、安全作業を確保する近道は結局、基本を守ることに尽きる
   のです。

   その基本の一つが合い言葉を交わし合うことです。

   基本だからこそ、必ず励行してほしいことです。

   事故の多くは、どこか気持ちのたるみから発生します。

   御社では安全管理対策としてそのようなことを実施しておりますか。

   「安全管理対策」一つをとっても、定期に開催し、従業員が習慣化するまで繰り
   返し続けることが重要です。

  □フールプルーフ(ポカヨケ)対策の必要性とその目的

   人間が作業をする場合、つねに完壁に行うことができるわけではありません。

   作業標準や基準はあっても、ついうっかりミスをすることがあります。

   その場合、人間の判断をできるだけ機械的、あるいは電気的な機構などに置き換えて
   そのミスの発生を極力防ぐことが必要になります。

   ヒューマンエラーによる

    ・人間のちょっとした気の緩みから犯してしまう過失(ポカミス)の防止策

    ・それによって引き起こされる不具合を低減するための工夫

   を「フールプルーフ」(fool proof)、日本語では、「ポカ(うっかり)ミスを避け(ヨ
   ケ)る」で「ポカヨケ」といいます。

   これに対し、機器の一部が損傷、故障、停止などしても危険が生じないような構造や
   仕組みを導入する設計思想のことは「フェイルセーフ」(fail safe)といいます。

   近年、製造現場は、

    ・中小製造業を取り巻く経営環境の低迷

    ・消費者ニーズの多様化に伴う短納期・多品種少量生産への移行による工程や
     作業の頻繁な変化

   により、非常に不安定な状況にあります。

   しかし、そのような現場の現状にもかかわらず、厳しい企業間の競争に勝ち残り生き
   残るためには、均一で高品質の製品を低コストで提供することが要求されています。

   したがって、各企業では、誰もが、どのような環境においてもちょっとした気の緩みに
   よる末加工や操作ミスなど、安全に低いコストで100%の品質の商品が作れるような、

    ・ポカミスを完全に防止する仕組み

    ・ポカミスを注意する仕組み

   を構築し、それをいかしていくことが重要です。

  ポカヨケの仕組み

   「ポカヨケ対策」とは、

   部品忘れや未加エなどの人為的ミスをなくすことにより、品質の向上、コストダウン、
   安全面においての成果を図ることを目的としています。

   そして、それらの目的を最大に達成するためには、

    ・不良品を作らない仕組み、不良品を次の工程に送らない仕組みなどの
     「ポカミスを完全に防止する仕組み」

    ・人的要素が多すぎて、完全に機械的・電気的な機構でうっかりミスができない
     場合の「ポカミスを注意する仕組み」

   という2つの視点で「ポカヨケ」を捉え、その対策を講じていく必要があります。

  □ポカヨケ対策の手順と留意点

   1.改善対象と推進組織

     ポカミスは、

      ・製品設計

      ・設備治工具

      ・環境レイアウト

      ・作業動作

      ・人間配置

     などの改善により防ぐことができます。

     そして、ポカミス防止のための活動は、

      ・職制主導型(職場グループ)

      ・プロジェクトチーム型

      ・QCサークル主導型

     などの組織により推進されます。

   2.ポカヨケ対策における留意点

     製造現場における部品間違い、部品忘れ、不良品混入、異部品混入、未加
     工、操作ミスなどのうっかりミスは、一般的に、

      ・無意識

      ・ほかへの意識集中

      ・体調の不良、疲労

      ・経験不足、教育不足

      ・規律不遵守

      ・外部からの刺激(外乱)

     などの要因により起こると考えられています。

     そして、各要因をみてみると、個人的な理由が大部分を占めているということ
     がわかります。

     よって、ポカミス防止対策を考える際は、

      ・専門的知識を不要にする

      ・高レベルの技能を不要にする

      ・未経験の者にもできるようにする

      ・特殊な技能、資格不要の作業にする

      ・勘、コツに頼らなくてもよいようにする

      ・無駄な気を使わないような体制にする

     という原則に留意し、個々の作業に集中できる仕組みや環境をつくることが重
     要です。 

   3.ポカヨケの改善手順と方法

     ポカヨケ対策は、次の手順と方法によりすすめられます。

     (1)手順

       ①現状の整理把握

         ・過去のポカミスを分析する
             ↓
       ②方針(目標・施策)の確立、対策の組織をつくる

         ・おおまかな実施計画の立案
             ↓
       ③要因の解析

         ・他社の事例と比較することも重要
             ↓
       ④改善案の評価および実施
         ・改善案は、あらゆる角度からできるだけ多く出す

         ・実施の段階では、実際に取り組むことにより不都合があれば改善前に
          戻すというように柔軟な対応で臨む
             ↓
       ⑤徹底・維持・管理

         ・作業標準のなかにポカヨケ対策を織り込み、正しく機能しているかを確
          認する

     (2)方法 

  ポカヨケの事例

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