はがきコミュニケーション

          

はがきコミュニケーション


  ■文字コミ

   ある調査で、年賀状などを除いて年にどの程度ハガキを書くか尋ねたところ、「0枚」
   と応えた人が最も多くて41%だった。

   この数字からもわかるように手紙ひとつ書くのも大変だが、みんなが敬遠する文字
   コミには二つの注目すべき長所がある。

   一つは低い競争倍率、もう一つは高い伝達能力です。

   面談のきっかけづくりのために同じ苦労をするなら、ライバルが敬遠する方法を選ん
   だほうが得策、かつ効果的である。

   しかも競争倍率は下がる一方だ。

   つまり、レターの効用はみんながやらない点が第一である。自分という存在を注目
   してもらう、特徴や個性を理解してもらう、そしてライバルと比較してもらうことであり、
   これには自筆の手紙を書くと大きな効果が期待できるのです。

      「短く書け、ハッキリ書け、絵で書いたように書け」です。

  □レター作戦三つのタブー

   1.省力化という名の手抜き

     同一の内容、大量に印刷、一斉に発送。これらはすべて受け手に黙殺される
     原因となる。

     時間、手間、経費的な効率のみを考えていては自分を売り込み、自社商品を
     売り込むためのツールにはならない。

     たとえ字が拙くても、心をこめたメッセージであれば一対一の「さし」の関係を
     つくることは可能だ。

   2.一方的で中身が乏しい内容

     差出人の「顔」、受け手の気持ちを思い計る熱意、平均値を打ち破るパワー、
     の三つがないものは無視される。

     個人的に出すハガキは、上に「超」がつくほどパーソナルなコミュニケーション
     メディアでなければ価値がない。

     効果があるDM(ダイレクト・メール)とは「ダイレクト・メッセージ」の略である。

   3.見てくれよりタイミング

     すかさず、のがさず、おくれず、やめず。

     営業レター成否のカギはタイミング。

     内容や見栄えに気を取られ、つい油断すると時期を逸してしまう。

     スピードで内容をカバーできても、その反対はまずあり得ない。

     セールスという仕事は、効率ばかり考えていてもうまくいくものではない。

     時間をかけずに、「すぐにでも商品を売りたい」といった短絡的な気持ちは相手
     に見透かされてしまう。

     しかし、だからといって時間をかけて通い詰めれば、それがそのまま成績につ
     ながるとは限らない。

     実働時間も短くなりつつある。

     となれば誰だって無駄なことはしたくない。

     できるだけ効率よく、できるだけ成果が早く出る方法があればと思うのも人情
     でしょう。

      (1)顧客への接触度合いを高めること

      (2)仕事の効率化を図ること

     この二つの相反する問題を解決するのに役立つ方法はないものか。

     そんな声をしばしば耳にするが、実はある。

     ハガキを出せばいいのです。

  □御用聞き(用がない状態)の打破

   直接会う、あるいは電話するというアプローチに比べて、ハガキは次の点でメリットが
   ある。

    @ 時間や経費的な損失が小さい

    A 接触しやすくて嫌われにくい

    B 用がなくても声をかけられる

   きっかけをつくるためには、用がない状態を脱する必要があります。

  □きっかけのタネまき

   ハガキを使って「用がない」状態を越えようとするときに、相手の気持ちをよく考え
   ることが大切になる。

   具体的には、

    (1)相手が「自分のために」と実感する内容であること。

    (2)商売ッ気を抜きにした誠意ある内容であること。

   「相手のため」と「売り込まない」を意識すれば、必ずピンとくるもの、書いて出そうと
   いうものは見つかるでしょう。

   何かアドバイスを受けたら、必ずその結果を報告するとよいでしょう。

   相手への礼状。

   「そうか、そうだったか」と言われるくらい、できるだけ早目に出すことが大切。

   その経過や出くわしたいろんな話を伝えると喜ばれます。

   このように、なんらかのきっかけを足掛りにして接触を深めていきます。

   ときには、仕事という枠を離れてビジネスチャンスをつくるのも営業の仕事なのです。 

   そのためにも、あえて「用もないからこそ」ハガキを出す習慣をつける必要があるの
   です。

   手紙・ハガキはワザワザ書いてくれたんだと思うもの、“ワザワザ”が入っているから
   好意が倍増する。

    ・超私的な情報の発信

   読まれるハガキを書くのに求められる要素には次の2つがある。

    @発信者の「顔」

    A情報を発信する人間の意欲と熱意

  □工夫

   1.継続するための工夫

     ハガキを営業活動に使って成果を上げようとするなら、とにかく縦続すること。

     そして同時に、継続できるような工夫が大切です。

     なぜなら、
      (1)数回程度ハガキを出すだけでは相手に通じず、認知もされない

      (2)粘り強く発信することによって少しずつ相手との距離が縮まる

      (3)労を惜しまずに書くという姿勢と実績が相手の心を動かす

     営業ハガキは中身ももちろん重要だが、継続による積み重ね効果を最も重視
     すべきです。

     だが、継続はけっして楽ではありません。

     それどころか、すぐに怠けたくなるのが人間の本性であり、続けられない理
     由、つまり言い訳も簡単に見つかる。

     したがって、継続できるような工夫をしなければ、ちょっとぐらいの心掛けでは
     すぐにダウンしてしまいやすい。

   2.パッと書き出す工夫

     継続の工夫は「事前の用意」である。

     書かなければと思う気持ちを邪魔するのは、ハガキに向かうまでの煩わしさに
     象徴されるように、“助走”の部分で手間取るためである場合が多い。

     そこで、スムーズに運ぶようにするには次のようにする。

      (1)デスク、カバン、車、上着のポケットなど、思いつくところにつねにハガキ
               を準備しておく。

      (2)あらかじめハガキの裏面(通信文を書く面)にケイ線やマス目、または独
        自のフォーマット(前略ハガキなど形式化したもの)を入れてすぐ書けるよ
        うにしておく。

      (3)名刺を交換したら、忘れないように裏に「一番印象に残ったこと」か「ひと
        こと言いたいこと」をメモする。

        できるだけ具体的に書き留めるとあとで活用しやすい。

      (4)「面談後すぐに」か「その日の退社時までに」ハガキを書く。

        文章が思いつかなければ、宛名だけでも書いてしまう。

      (5)お礼、お詫び、連絡などの状況に応じて使える定例文をつくり、部分的に
        アレンジする場所をマークしたお手本を用意しておく。

      (6)「拝啓、秋風とともに」云々の形式を一切やめて、すぐに要件から書く。

        多少雑で、乱暴で、稚拙でも、納得いかなくても、とにかく書いてしまう。

   3.極力失敗しない工夫

     「失敗の防止」である。

     これには次のような点に注意します。

      (1)ハガキの裏と表、上と下とをよく確認する。

        せっかく通信面を書いたのに表をひっくり返すと天地が逆。

        こういった失敗は大きなダメージとなる。

      (2)要件から書いていく。

        最初に結論、次に説明、さらに余裕があれば補足、という順序で。

        こうすれば、万一書くスペースが足りなくなって最後が尻切れになっても
        大丈夫です。

        伝えたいことが書けたらとりあえずそれでよし。

        逆の場合の失敗は、たいてい余計なことが先にくる。

      (3)通信面だけで文筆がまとまり切らない場合、表面にも書くか、
        それでもダメなら二枚書く。

        こうすると相手に失礼ではないかと考えるかもしれないが、けっしてそうで
        はない。

        むしろ親近感すら感じてもらえる場合も少なくない。

        あまり形式ばって考えない。

        要は書いて出し、それが届くことが先決。

      (4)字を書き間違えたり書き損じをしても、絶対に書き直さない。

        市販されている「はがき用ペン修正液」を使えばほとんど目立たずにすむ
        ので、その部分だけ塗って訂正する。

      (5)ハガキ一枚を書くのに要する時間は三分までにする。

        長くなるとイヤになるし、負担になれば結果的には失敗である。

        したがって、表現を選ばないで最初に浮かんだ言葉で一気に書き上げて
        しまうクセをつける。

   4.「手抜き」する

     いい意味の「手抜き」である。

     とくに勧めたいのが、せっかく苦労して書いたハガキは必ず控えを取っておく。

     さんざん苦労したハガキをボンとポストに投函してしまったが最後というのでは
     あまりにももったいない。

     次のハガキを書くときにまた同じような苦しみを味わうのは損である。

     自分の書いたものは最良のお手本、使い勝手もいいのでコピーをとっておく。

     【控えを残しておくメリット】

      (1)同じような文面を考えるときに、最初から頭を悩ます必要がない。

        お礼やお詫び、報告、連絡、相談、お願い、案内など、ハガキを出す目的
        はそんなにバリエーションが多いわけではない。

        それぞれ、標準的なものと、ちょっと変わったものとの二種類あれば十分
        役に立つ。

        あとはその二つを参考にしながら、必要に応じて部分的にアレンジすれ
        ばいい。

      (2)ハガキを投函した日に合わせて、営業日報やシステム手帳(この場合は
        縮小コピー)に貼っておけば、相手先からの電話や対応にもあわてずに
        すむ。

        何日かして突然、「先日のハガキの件だが」と言われて「どんなこと書きま
        したか?」では逆効果。

        記憶より控えが確実。

     (3)内容が前に書いたことと同じとか、重複する部分が多いハガキは相手の
       印象を悪くしがちである。

       まずいことに、ハガキの内容というものは出す側より受け取る側のほうがよ
       く覚えているものです。

       その失敗を防ぐためにも、記憶にたよらず、控えを見て確認するほうが気
       楽で、しかも間違いが少ない。

  □違いを感じさせる

   1.差別化

     重要なのは、

      (1)ハガキの書き手である営業マンの存在を感じさせること。

      (2)そのために、とにかく何かで差をつけることである。

     なんでもいいから、よその人とは違うように、違うようにと考えたい。   

     ハガキで営業マン自身のメッセージを発信するなら、パーソナルな情報の提供
     だけに絞り切る。

     この考え方に徹すると突破口が開けてくる。

   2.文字以外で目を引く

     具体的な提案として、パーソナルな情報を提供するのに、文字以外のものを
     ハガキに盛り込むことを考えてみる。

     たとえば、

      @カラー写真を貼る

      A新聞や雑誌の切り抜きを貼る

      Bパッケージを貼る

      C見本の一部を切って貼る

      D現物を縮小コピーして貼る

     この他、頭をやわらかくして考えれば、いくらでもアイデアは出てくるはずです。

    【成功事例】

     @カラー写真を貼る

      住宅メーカーの営業マンは施主が契約後、遠方に単身赴任をしたため、工
      事の進み具合を確かめられずにいた。
      そこで工事現場の様子を同じ位置からカメラで撮り、写真をハガキに貼って、
      完成まで毎月送り続けた。
      ちなみに添え書きは「今月はここまで進みました」のみ。
      だが施主からは「わざわざウチのために、しかも毎月」と感謝され、二人の知
      人を紹介(その後成約)してもらったという。

     A新聞などの切り抜きを貼る

      ソフトハウスの営業マンは知名度が低くて苦戦していたところ、アプローチし
      ていた会社の営業部長が刀剣マニアであることをたまたま知り、関連する新
      聞記事や雑誌の情報を切ってハガキに貼りつけ、おりある毎に送った。

      出張時には骨董店に寄って情報を収集し、マニアだけの品評会があるという
      ニュースも提供。
      書く内容は刀剣のみに徹した。
      やがて、相手先から「システムの変更を検討しているので、いちど詳しい話
        を」との電話が入る。
      決裁権をもつ営業部長に気に入られ、競合他社を抜いて契約にこぎつけた
      という。

     B現物を縮小コピーして貼る、見本の一部を切って貼る

      面談嫌いの相手が読書好きであることを聞きつけ、共通の話題をつくるため 
      「今週はこんな本を読みました」というハガキを出し続ける。
      書籍の表紙を縮小コピーしたものをハガキに切って貼りつけ、短いコメントを
      書き添えた “手づくり情報が目を引き、面談に成功したという。

   3.相手の関心事を重視

     ハガキを受け取る側にしてみれば、読む・読まないの判断はハッキリしてい
     る。

     次の4つのうちのどれかがあれば読む可能性は高い。

      (1)もらう理由があるか

      (2)もらって役に立つか

      (3)もらってうれしいか

      (4)もらって楽しいか

     「相手にとって」と「その人だけに」が必須条件である。

  □ハガキ=文字

   その発想を破って、写真や紙、ものによっては布やシールを貼りつけ、脇に短いコメ
   ントを書き添えると、注目率はグツとアップする。

   たった一人のためにわざわざ。

   その手間ひまを惜しまないところに、ハガキを送った人の気持ちが伝わるのです。

   そこで、オリジナリティをプラスして「型破り」に挑戦するのに、いくつかのヒントを事例
   とともに紹介します。

   @黒以外の色にする

    「前略葉書」のパターンをふつうにコピー、もしくは印刷すると黒色だが、季節に
    合わせて色を変えてみる。
    コピーショップで好みの色を指定するのもいいし、プリントゴッコのような簡易印
    刷器で季節感あふれる色に刷るのも注視効果がある。

   A名前やデザインを変える

    「前略葉書」をアレンジして「冠省葉書」や「さわやか通信」、「ご無礼ながら柴田
    ○○です」など。
    デザインも横書きや縦の罫線だけのものなど、自分に合ったスタイルにする。

   B自分の似顔絵を入れる

    イラストはアイキャッチャーとなり、存在感を訴えるのにも効果的。
    シンプルで親しみやすい感じにすると目を引く。

   C写真を貼る

    一枚のカラー写真があるだけでビジュアル度はグンと高まる。
    全面びったり貼っていても、サービス判程度なら料金内で届く。

   D現物を貼ったり絵を描く

    桜の花びらを文章に添えて貼ったり、パースを縮小したものを貼りつける。
    簡単なイラストをあしらうのも気が利いている。

   ハガキを超私的な営業ツールとして活用すべし、ということです。

   そう提案する最大の理由は、効果があるから、やって損なしだからです。

   ハガキを書いたが勝ち、というのが結論でもある。

   なぜ効果があるかを説明すると、ハガキをはじめとする「文字コミ」は競争倍率が低
   く、しかも伝達能力が高いからである。とくに、競争倍率の低さは注目に値する。

   多くの営業マンはたいへんな筆不精で、とにかく文字を書かない、あるいはすすんで
   書こうとしない。

   ということは、書くだけで差がつく。

   ライバルが敬遠するのを尻目にどんどんハガキを書けば、それだけで目立つ。

   しかも競争倍率は下がる一方。

   さらにハガキを書いていると、次はどのようにアプローチすべきかも頭に浮かんでくる。

   このように、ハガキを書くといろんな面で違ってくるし、変わってくる。

   気づくこと、発見すること、感動すること、刺激されることなど、実に多い。

   低い競争倍率、しかも、その数字は下がる一方という現実。

   辛抱強くやり続ける者にビジネスチャンスは必ずやってくる。

   それはわかっているはずなのだが、ほんのしばらくで、あるいは少し我慢しただけで
   書くのをやめてしまう営業マンが跡を絶ちません。

   実に残念なことです。

   文字によるコミュニケーションの効果は性急に求めてはならない。

   ハガキを一、二度出したくらいで「書いてもなかなか反応がない」と決めつけない。

   売り込みの言葉ばかり書いて先方の気を引こうと考えてはだめだ。

   むやみに即効性を期待しないことです。

  □ハガキは「約束と拙速」

   ではどうすれば書き続けられるのか。

   解決策として、

   (1)苦労して考えて書いたハガキはコピーを残すこと。
     自分の書いたものが手元にあれば、後で同じような内容の手紙を出すときに
     は、それをアレンジして書けるので助かる。

     同じ苦労はなるべくしないために、工夫することで継続につながる。

   (2)ハガキを出す際に、自分から勝手に約束すること。
     そしてその約束は必ず守る。

     訪問したときに相手がいなかったり、短い時間でも会えたら会えたで、商品に
     興味をもってもらえたらもらえたで、とにかくそれを材料にハガキを書き、同時
     に次はこうしますと約束をする。

     これで次のハガキが書きやすくなり、自然と続く習慣がつく。

   (3)拙速。

     拙速という言葉の意味は「へたでもできあがりの早いこと」である。

     中身よりスピード優先、早い者勝ち、明日の100点より今日の60点。

     「あとで」と思ってもまず実行できないのが人間の弱いところで、それを許さな
     いための考え方である。

        要はとにかく書いて出すことが重要なのだ。

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