自社の交通事故発生時の対応策
 

  ■交通事故発生時の対応策

   自社に業務用車両(社有車)がありますか?

   また、業務や通勤のために、従業員自身の車やバイク原動機付き自転車、自転車
   等の車両の利用を認めていますか。

   業務や通勤で車両を使用する場合は、相応のリスクが付きまといます。

   もし従業員が、業務中や通勤途上に車両事故を起こしてしまった場合に、会社として
   抱えるリスクを確認しながら、対応方法、活用できる保険に関してお伝えいたします。

  ●例示

   ○○会社のAさんが、勤務時間中に営業車を使って得意先に訪問する途上で、路
   上に飛び出してきたネコを避ける為にハンドル操作を誤って、営業車をガードレー
   ルにぶつける事故を起こしました。

   また、得意先へ届ける予定の商品も破損してしまったようです。

   幸いにも、Aさんの単独事故で済みましたが、Aさんは足を骨折し、2カ月の入院
   生活を余儀なくされました。

  ●対応

   Aさんは会社に電話をして、今後の対応の指示を仰ぎました。

   この際に、会社としては、どう対応すべきなのでしょうか。

    ・被害者の方がいないか、いた場合には救急車の手配を行っているかの確認。

    ・Aさん自身の負傷等の状態はどうなのか、現在地の確認。

    ・警察への通報、今日の訪問予定の会社とのスケジュール調整。
     納品等の代替案。など

   なお、事故を起こした本人は冷静さを欠いた状況にあることが想像出来ます。
   上述の対応について確認した後は、事故処理が完了し落ち着いた段階で、再度
   連絡をもらうようにした方が、より的確に状況を把握できるでしょう。
   電話を受けた会社としても、突如のことにも的確に対応できるように、交通事故等
   の「事故発生時対応マニュアル」を備えておくに越したことはありません。

   また、Aさんに過労、飲酒、危険ドラッグの服用、本当に運転免許を持っているの
   か…など車両を運転する者として、問題は無かったのでしょうか。
   さらに、そのような問題を防止するために「車両取扱い規程」、「マイカー
   自転車通勤規程」が定められているでしょうか。

  ●リスク

   会社として、予見されているリスクに対して様々な保険を契約しているとは思いま
   すが、補償範囲は適切であるか、実態に合わせて確認していくことも重要です。
   適切な内容であれば、起きてしまった事故への補償はもちろん、従業員が働く上
   で、保険があることに対して感じる安心感も、保険がもたらす恩恵の一部です。

   また、事故を起こした際のルールや事故を戒めるためのルール作りもリスク対策
   には重要です。

   自賠責法第3条では「運行供用者責任」、民法第715条では「使用者責任」が明  
   確にされております。

   会社の営業車での事故、会社が認めたマイカー通勤での事故など、従業員のみ
   ならず会社への責任追及があることを想定していかなければなりません。

  □2つの公的保険:労災保険と自賠暮保険の補併内容

   1.労災保険

     業務上や通勤途上のケガであれば、治療にかかる費用、休業した場合の所  
     得補償(休業4日目から賃金の約8割)などの給付を受けることが可能です。

     Aさんは、会社が労災申請を行ったことで、労災保険から治療費・入院費を自
     己負担することなく、会社も補填なしに治療を受け、休業2カ月間の所得の約
     8割を労災で補償してもらえました。

   2.自賠責保険

     あくまでも被害者(人)に対する補償であるため、相手方がいる場合は、過失
     割合に応じて給付を受けることも可能ですが、今回のような自損事故(過失
     100%)に関しては、給付を受けることが出来ません。

   3.その他の保険

     今回の事故では、会社が営業車についての任意保険に加入していたため、A 
     さんの事故によるガードレール・営業車の修理代、得意先へ届ける商品の損
     害は全て賄うことが出来ました。

     また、所得も労災では賄えない残りの部分を補償してもらえました。

     車両事故では、様々な点で費用負担が発生する可能性があります。

     車両に掛けている任意保険が、治療費、休業時の所得補償、ガードレール・営
     業車の修理費用、得意先へ届ける商品の損害補償など、どこまでカバーでき
     るものなのか、再度確認することをお勧めします。

     もし、労災保険・自賠責保険・任意保険のそれぞれが活用できる状況の場合
     には、全ての制度から、同じ補償を重複して受けることは出来ません。

     既にどれかの保険から給付を受けた分は、別の保険で重ねて同じ給付を行わ
     ない調整制度が設けられています。

     原則として、どの保険から給付を受けるかは、本人の自由選択となります。

     最後に今回の場合、単独事故という事で、相手方がいなかったことは不幸中
     の幸いです。

     ただ、このような場合でも昨今では、スマートフォン・携帯電話で写真や動画の 
     撮影をしたものをWEB上にアップされてしまうこともあります。

     営業車には、社名も載っていることでしょう。

     事故時の対応を誤れば、風評被害という損害を受ける可能性もあります。

     車両を業務や通勤で利用される場合は、前述のリスクなどを考慮して、運転免
     許証、加入している保険などの確認、および車両関係のルール作り等につい  
     て今一度確認してみると良いでしょう。

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