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プロジェクト |
多くの会社では、日常の業務以外に組織横断的な取り組みが行われています。 たとえば、新商品開発のために意欲の高い人材を集めて特別チームを編成したり、 このような特別業務は「プロジェクト」と呼ばれることが多く、メンバーは期間限定で 経営環境がめまぐるしく変化する昨今では、機動的な対応が可能であるプロジェクト 1.「宴会」も立派なプロジェクトのひとつ たとえば、新入社員のための歓迎会を行うことを考えてみましょう。 社長が、日頃から「宴会部長」と呼ばれている中堅社員Aさんに、「新入社員の その舜間に、Aさんをリーダーとした「新入社員歓迎会プロジェクト」はスタート プロジェクトメンバーはAさんの指示で主要な役職者のスケジュールを確認す また、当日歓迎会に出席する社員は、社長を含めて全員がプロジェクトメン このプロジェクトの目的を改めて考えてみると、それは「全社員が集まって酒を 本当の目的は「既存社員が新入社員に対する歓迎の意を示すこと」であり、そ Aさんを中心とした主要メンバーは、この本当の目的を達成するために、店選 Aさんはたんに「宴会好き」ではなく、「さまざまな宴会の目的を理解し、それを Aさんは新入社員歓迎会のための店選びは「酒の品揃え」よりも「コミュニケー また、日程選択にあたっては「サービスデー」などの割安さよりも、社長を始め また、Aさんたち主要メンバーだけではなく、当日参加するすべての社員がプ つまり、プロジェクトメンバー全員が新入社員歓迎会の本当の目的を理解して このことを忘れて一部の役職者が新入社員に対して「近頃の若い者は・・・」と ここまではわかりやすい例として、「宴会」という比較的単純で、かつ成功のた しかしながら「正しい目的を全メンバーが共有すること」が成功のための第一 1.目的が明確化・共有化されにくい これはプロジェクト業務においてもどうしても日常業務の尺度から抜け出せな 誰もが容易に想像できる「歓迎会」の目的とは違い、通常のプロジェクトではこ たとえば、多くの会社で実践されている、全社員参加型の「生産性向上プロ 生産性向上とは、インプット(労力、時間、経費など)をできるだけ少なくして、 では、この「生産性向上」をそれぞれの部門の立場から考えてみましょう。 同じ生産性向上活動であっても、製造部門にとっての主要な関心事は生産量 たとえば製造部や営業部などの部門では、時間当たりの生産性があがれば、 全社として生産性向上によってどのような状態を実現したいのかという明確な 組織の指示命令系統は、原則ひとつです。 営業部であれば、営業部長をトップにした指示命令系統が構築されます。 そのなかで、上司は部下の業務内容を完全に把握したうえで、優先順位など ところが、全社横断的なプロジェクトが立ち上がると、もともとの所属部門以外 プロジェクト業務は通常の業務と併行して実施されますが、通常業務で大きな 特に短期的な収益に直結しないようなプロジェクト業務ではこの確率が高くな 状況によっては、プロジェクト業務を中断せざるを得ないこともありますが、重 そして、状況が整えばただちに活動を再開します。 避けるべきことは、たびたびプロジェクトを立ち上げておきながら、「不測の事 このような事態が続けば、新たなプロジェクトを立ち上げても、メンバーは「どう また、特に重要なプロジェクトについては、多少のアクシデントが起こっても何 参加メンバーにとって、プロジェクト業務は通常業務に加えての負担になりま メンバーのなかには、その負担を不満に感じる者もいるかもしれません。 また、そのような雰囲気がプロジェクト全体に蔓延すれば、もはや積極的な取 社長やプロジェクトリーダーはメンバーに対して、プロジェクトの目的とともに、 その際には、会社としてのメリットだけではなく、社員一人ひとりにどのようなメ 組織横断的にプロジェクトに取り組むメリットのひとつに、メンバーがそれぞれ しかしながら、状況によってはこのメリットが兼務による絶対的な時間不足とい 特に重要で長期にわたって多くの負荷がかかる業務については、プロジェクト また、新商品開発など、不透明な要素が多いプロジェクトについては、アイデ このあたりの見極めはプロジェクトリーダーによる進言だけではなく、全社的な プロジェクト業務を成功させるためには、さまざまな問題を克服していかなけれ すでにできあがっている通常の組織を使ったマネジメントよりもその難易度は そして、プロジェクトが成功するかどうかの多くは、リーダーのマネジメント次 たとえば、社内でもっとも技術力が高い人がプロジェクトリーダーを務めたとし 特に規模の大きいプロジェクトのリーダーには、社長にも匹敵するような広い プロジェクトリーダー選任にあたっては、社長自らが、さまざまな角度から吟味 一般的にプロジェクト業務は以下のような流れで進めます。 1.構想・方針策定 すべての仕事の出発点は「何のためにやるのか」という目的を明確にすること 目的があいまいなままだと、その後の計画、実行などのプロセスは的外れなも 特にプロジェクト業務では複数の部門にまたがってチームが編成されるため、 構想段階で明確な目的を設定しておくことが大切です。 たとえば、全社的な生産性向上プロジェクトの目的を設定する場合、なぜ、そ その出発点が「現在の長時間労働では社員の健康面で支障が出る」という人 また、目的を達成したかどうかの判断材料となる目標の設定も不可欠です。 そして目標は可能な限り客観的な数字で表せるものでなければなりません。 残業時間短縮が目的であれば、「全社員の月間労働時間を15%減らす」と 目標が設定できたら、それを実現するための基本的な方針を検討します。 具体的にはプロジェクトの重要性・緊急性に応じてプロジェクトに投入する労 この方針作りは、プロジェクトを全社の経営戦略のなかでどの部分に位置づけ 「自社の存続に関わる重要プロジェクト」と「成果につながるかどうかの可能性 このように構想・方針策定段階では、「何のために、どのような状態をめざし 次の段階の「計画策定」からは任命したプロジェクトリーダーに任せても構いま 次に、決定した構想・方針を具体化するための計画策定を行います。 この段階では社長自身がおおまかなアウトラインを描いた後に、詳細な計画 前述のように、誰をリーダーに任命するかはプロジェクトの成否に関わる重要 ほとんどの場合、リーダーは一定の役職があり、すでにマネジメントの経験が 特にプロジェクトメンバーの所属部門上司との業務調整能力などは必須となり また、計画には最低限このような事項を盛り込んでおく必要があります。 プロジェクトが開始されたら、プロジェクトリーダーはマイルストーン((事業の また、リーダーはその結果を社長にフィードバックすることも必要です。 特に、計画変更の必要が生じた場合などには社長からの承認が不可欠です。 一般的に計画がうまくいかない理由には、以下の3つが考えられます。 ①計画そのものに無理があった ②計画は妥当であったがやり方に問題があった(担当者の能力不足・努力 ③計画策定時と比較して環境が大きく変わった この際、①の場合は状況に応じて個々の計画を見直し全体の目標達成への また、②の場合はメンバーへの個別指導や、場合によってはメンバーチェンジ ③の場合は「計画策定段階」で設定した「プロジェクト中断要件」も参照して、 プロジェクトの達成、未達成にかかわらず、きちんとした区切りをつけ、総括を また総括はリーダーだけが行うのではなくメンバー全員が行うことが重要で 未達成の場合にその要因分析をすることはもちろんですが、達成した場合で 達成した場合には総括をせずに「打ち上げ」などの儀式だけで区切りをつける
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