保険代理店の価値を高め発信する
 

  ■保険商品を「モノ」から「コト」へ視点を変える

   保険代理店にとって言うまでもなく商品は保険である。

   しかし保険そのものが商品ではないことを理解する必要があります。

   今までは単に保険商品そのものを売る活動がセールスの主体でした。

   従来の保険の価値提供と言えば、お客様(見込み客)・顧客に商品やサービスその
   ものを提供するだけでした。

   これは保険業界に限らず、現在もまだまだモノづくりに集中して、それによって顧客を
   満足させようとする発想から抜け出せていないケースが多い。

   しかし、これからの価値提供は、「つくったモノを通じて、どのようなコトができる
   のかを創造すること」が重要になってきます。

   行動や思考、思い出などのソフト面に価値を求めるように変化してきている。

   「価値をつくり出すための商品提供」という視点が必要です。

   “モノ”を売るのではなく、“コト(価値)”を売ることに視点を転換させなければなら
   ない。

   日本製のテレビは間違いなく高品質・多機能・高性能である。

   しかし儲かっていないのが実情で、これは家電に限ったことではなく、多くの業界で
   「高性能、多機能だけど低収益」、あるいは「高品質なのに低収益」という日本の商品
   ・サービスをよく見かけるが、高い性能や品質が「高収益」につながっていないのです。

   保険業界が提供している商品に対して、顧客が価値を感じていないということです。

   「多くのお客様の要望に応えよう」「ライバルにあって自社にない機能だから追加しよ
   う」などの考えで、開発や機能の追加が行われているのです。

   ここで起こる最悪のシナリオは同質化です。

   競合他店と“違っていること”をしているようで、実は同じコトを提供してしまっている。

   お客様・顧客が望まない強みは、どれほど付け加えても差別化になり得ないのです。

   したがって、自店にはなく、ライバルが提供している価値であっても、お客様・顧客が
   望まないものは捨てることが大事です。

   やるべきことは、お客様・顧客が自店を選んでくれる理由を明確にし、それを磨くこと
   なのです。

   自店がお客様・顧客に提案を行った際のことを振り返ってみてほしい。

   お客様・顧客は「自社に何が必要なのか」、つまり、「自らの課題」に気付いていない
   ことが多い(潜在的ニーズ)のです。

   お客様・顧客は多くの要望を口にするものの、それが本当のニーズかと言えば、そう
   ではありません。

   時には、その要望自体が間違っていることもあるのです。

   「要望 ≠ ニーズ」

     ですから、売る側としては、客観的にお客様・顧客を見つめ、「顧客が気付いていない
   問題にいち早く気付くこと」が必要なのです。

   それが、「差別化」と「増収」につながってくる。

   このことに気付けない代理店は永遠に「低収益」となる。

   ただお客様・顧客の要望に応えるだけでは、満足も不満もないゼロの状態である。

   お客様の要望に100パーセント応えるだけでは、差別化にならない。

   「お客様・顧客の言う通りにした」、ただそれだけの話です。

   これでは、ライバルと同じである。

   お客様や顧客から見ると、どの企業も同じように要望に応えてくれているので、違いが
   分からず、「取引する(付き合う)なら足しげく通ってくれる代理店がいい」となる。

   もちろん、お客様や顧客の要望にすら応えられない代理店に商機はない。

   大事なことは、お客様や顧客の要望(期待値)を超えていくことです。

   それによって、初めて差別化が始まる。

   期待値を超えるために必要なこととは、「顧客の課題をつかむ」ことである。

   しかし、単に「御社(あなた)の課題は何ですか?」と聞いても、的確に課題をつかみ、
   明確に答えてくれる人は非常に少ない。

   また、誰もが顧客の話を聞いて、問題点に気付けるわけでもない。

   顧客が問題だと思っている“部分”だけではなく、それを取り巻く全体を見る目が必要
   です。

   そして、要望に応えた後の「全体に及ぼす効果」を見せることがポイントだ。

   これができれば、顧客は「価格は高いけれど、あなたから買う」と言うでしょう。

   なぜなら、あなた(自店)の「提供した価値」がライバルの提供価値を上回るからです。

   つまり、目先のメリットより将来のメリットが大きいと示すことが、最も効果的である。

   顧客は、現在取引していない代理店から自社の課題に気付かされて初めて、現在の
   代理店よりも優れた代理店の存在に気付くのです。

   顧客の言いなりにならず、顧客の課題を徹底的に考え抜き、「自店ならではの価値
   (強み)」を提供することは、売る側の責任である。

   また、こうした顧客の問題点に気付くことのできる社員を育成することが、代理店の
   体質を強化していくのです。

  □戦うポジションを価格から価値へ変える

   顧客は、目的ごとに付き合う先を決めている。

   安く買いたいときはあの会社、難易度の高いものはこの会社などと使い分けている。

   顧客への価値提供の第一のポイントは、顧客における、自社のポジションをどうつく
   るかということになる。

   このポジションづくりが将来、大きな差別化につながるのです。

   言い換えるなら独自の強み(得意分野)を持つことです。

   「この代理店は、高付加価値を提供してくれる」と認識してもらわなければならない
   のです。

   つまり、「顧客が望み、競合相手が提供できない、自店が提供できる強み」を示すこと
   です。

   「お客様や顧客が望み、競合他店が提供できない、自店が提供できる強み」を示す。

   そのためには、初回のコンタクトで提供する情報が大事だ。

   顧客の頭の中に、自店をどう位置づけるかを考えて、初回のコンタクトの情報提供に
   工夫を凝らすことが必要となる。

   このひと手間が、将来の高収益を生むのです。

  □強みをメッセージ化する

   顧客に伝えなければならないメッセージの本質は「自店の強み」であり、メッセージは
   顧客に伝わって初めて顧客の行動につながるのです。

   差別化は、顧客の頭の中で行われており、メッセージで大切なことは「情報が顧客に
   伝わり、価値が上がること」である。

   発信するメッセージで、集まる顧客が変わる。

   保険料の安さを訴求するメッセージを発信すれば、安さを求める顧客が集まってくる。

   ですから付き合いたい顧客を選定してメッセージを発信しなければ戦略と実行が乖離
   (かいり)してしまう。

  □同質化から脱却

   多くの代理店が何らかの方法でメッセージを発信しているか、あるいはなにも発信
   していないかである。

   しかし、現状では差別化ではなく同質化が起こっているのです。

   差別化を行っているつもりが、同質化を加速させている。

   これでは顧客は商品の違いが分からず、安ければどこでもよいという状態になって
   しまう。

   顧客はこのような状態に慣れてしまい、顧客の判断基準が「安さ」になっているのが
   現状です。

  □独自性のあるメッセージ

   時代に合った情報提供が必要です。

   「顧客が受け入れるものは何か」「反応率が上がるメッセージは何か」を、ライバル
   との同質化競争でなく、顧客中心で考えていかなければならない。

  □提供する価値

   発信するメッセージで行うのは非価格競争であり、「提供する価値」でアピールする。

   今、顧客の価値観は「代理店の顧客に対する姿勢」「商品・サービスに対する考え
   方」にあります。

  □メッセージは戦略的に発信

   代理店は、顧客に対するメッセージを戦略的に発信しなければならない。

   世の中の変化や顧客の変化をつかみ、「今、顧客は何を求めているのか」ということ
   を常に考えなければならない。

   情報の発信内容がコマーシャル(広告宣伝)であれば、テレビや新聞にも取り上げ
   られない。

   「自店の存在価値」「提供する価値」を発信する必要があります。

   なぜなら、マスメディアからの取材は、無料の広告(パブリシティ)として大きなパワー
   を持っているからです。

   戦略的なメッセージの発信が、自店の明暗を分けると言っても過言ではない。

   今すぐ同質化競争から脱却し、非価格競争を展開する必要に迫られています。

  □非価格競争を展開するポイント

   (1)自店の強みを理解してくれるお客様・顧客の選定

   (2)顧客に認められた「自店の強み」を軸にする

   (3)非価格を軸にした独自性のあるメッセージ

   (4)自店の存在価値、提供する価値を中心に据える

   (5)雑誌・新聞・テレビが取り上げたくなるメッセージ

   顧客にメッセージを発信しない代理店は、決して顧客から選ばれることはない。

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