労務問題を切り口とした法人向け営業のコツ
  
  ■社長の関心ごと

   厳しい経営環境の中、お客様とのよりよい関係を築くことこそが同業他店との差別化
   です。

   マーケットシェアではなく顧客シェアの獲得が勝敗のカギを握るといっても過言では
   ありません。

   今日に至るまで、商品の差別化以外に保険会社・代理店の差別化策は見当たりま
   せん。

   代理店にとって重要なマーケットである中小企業開拓ですが、多くの代理店が苦手意識
   を払拭できていません。

   原因の一つに、企業のトップとの面談を苦手としているからです。

   それは保険以外のトーク・提案ができないことです。

   代理店の多くに保険に関わる周辺知識の不足が挙げられます。

   社長の興味関心ごとは保険ではありません。

   それでは社長の「興味関心ごと」、言い換えるなら「抱える悩み・問題」とは何んでし
   ょう。

   個人のお客様と比較し、法人顧客(社長)の興味関心ごとは明確に絞ることができます。

   それは、「コスト(削減)」「人」に関する問題です。

   企業にとってコスト削減は永遠のテーマであり、企業で発生する問題の80%以上
   が人に係わる問題です。

   特に「人」に焦点を絞ることで、「就業規則の見直し」「賃金・退職金規定の見直し」
   「助成金活用」といったテーマを切り口に提案することが、顧客満足につながり、さら
   には保険の獲得につながるのです。

   最近特に、ニュースなどで取り上げられている賃金トラブル、サービス残業、ハラス
   メントといった問題は規模の大小に関わらず、すべての企業に起こりうることばかり
   です。

   代理店が社労士と提携しているとは言うものの、果たしてどれだけの方が成果を挙げて
   いるか疑問です。

   理由は保険につなげていくためのプロセス、仕組みがないことです。

   社労士と提携すれば保険の成約につながるわけではありません。

   法人向け保険営業のコツは、企業の抱える人(労務問題)を切り口とした解決策の
   提案であり、保険代理店増収の秘訣となります。

  1.リスクコントロールの前に

   様々な会社規程は、制定当初は自社の企業防衛や円滑な業務遂行などの目的の
   ために作られます。

   しかし、それらは時に法令順守を体裁的に取り繕った、場あたり的な規定の可能性
   もあるのです。

   建前(規定)と本音(現実の運用)のギャップにあまりにも乖離があると、その規定は
   無い方が良い場合もあります。

   なぜなら、現実的には建前と本音がイコールになるケースは極めて稀であることか
   ら、殆どの規定にはあらゆるリスクが潜んでいると言わざるを得ないのです。

   従って、どのような規定であれ、制定する際には、そのギャップをどこまで理解して
   いるか、言い換えれば、例えば“法令は白”であるが、“自社の運用はグレー”で
   あることをきちんと理解しているかが重要となります。

   特に労務においては規定の対象者はヒトであり、運用するのもヒトであることです。 

   規定を絶対的なものとして『完璧』にリスクコントロールするということは、不可能な
   分野なのです。

  2.労務リスクとは

    労務リスクを洗い出す過程の作業の一つに、就業規則の分析が挙げられます。

   就業規則も書籍や他社の規定を会社名だけ書き換えコピーしたものから、オ
   ーダーメイドのものまで多種多様です。

   ご承知のとおり、どのような規定でも運用次第では逆に自社の首を絞めること
   になりかねません。

   例えば、残業代の計算方法から支給基準まで事細かに記載してもサービス残業
   が慣例化していれば、いつか必ず痛い目を見ることになってしまいます。

   大手消費者金融会社が2年分の未払残業代を数十億円かけて清算した事件や、
   福利厚生の一環で有給休暇を1 時間単位で分割して取得できる制度を導入したら、
   遅刻早退が増え勤勉な人間までモチベーションが低下したなどという本末転倒な事
   例などもあるのです。  

   会社は労務管理の中で、様々なアメとムチを使い分ける必要があります。

   このバランスが非常に難しく、まさに従業員の教育の基本であり、企業利益に直結
   する部分でもあるのです。 

   多くの会社がこの分野をおろそかにしています。

   適度なバランスが保たれて組織がうまく機能している会社は団結力(モチベーション)
   が増し、競争力が高まるのです。

   この労力を最優先課題のひとつと考え、真剣に取り組むかどうかが企業繁栄の分
   岐点となります。

  3.労務管理のポイント

   労務管理を取り巻く法令は非常に多く数十種類存在します。会社はそれら法令の
   網にがんじがらめにされており、賢い労働者は会社を訴えようと思ったらどんな角
   度からでも間違いなく要所を突く事ができるのです。

   訴訟にならない会社と言うのは必ずしも労務管理が適正なのではなく、単に運が良
   いだけと言ったほうがよいでしょう。

   では労務管理はどうすればいいのか。本来圧倒的なカリスマ経営者が存在すれば
   規定などいらないのですが、人事異動を伴う組織では、やはり運用者が誰になって
   も決してプレない規定が必要とされます。

   その規定はアメとムチのバランスを適度に保ち、ヒトも会社もお互いが成長してい
   けるものでなければならないのです。

   当然のことながら法令の改正や同業他社・世間一般の情勢にも連動し、随時メン
   テナンスを要します。

   特に現代の就業形態は、正社員、パート社員、期間契約社員、嘱託社員、派遣社
   員、日雇社員、と細分化され、また、契約方法も、雇用契約、業務委託契約、請負
   契約などに分けられています。

   この多種多様な集団を会社が統括管理するためには、服務規律・労働時間・休日
   などの基本事項から、人事評価・考課制度・賃金の昇降給・賞与査定・退職金の
   積立方法などを必ず公正なものとして確立し、その公正な規準をオープンにして
   周知徹底させることが絶対必要なのです。 

   当然のことながら、悪意的な基準など排除しなければなりません。

  4.リスクの顕在化とヘッジ策(外部保険と自家保険)

   会社にとってヒトはリスクではありますが、絶対必要な存在でもあるのです。

   この矛盾と付き合っていくためには各種規定の周知徹底と運用がベースとなります。

   その上でなお0%ではないリスクを最終的にヘッジするのが保険です。

   会社運営で想定されるリスク(切り口)と対応策は次に挙げることができます。

   (1)労災事故 → 安全作業マニュアル、職長教育、健康診断・・・使用者賠責、
     傷害保険、休業補償

   (2)自動車事故における運行管理者責任、車両損害
     → 通勤経路の把握、運行管理規定、補償内容の把握・・・自動車保険
       の一括管理

   (3)第三者への賠償と事業所外資産の保全
     → 安全委員会の実施、作業マニュアルの徹底、安全衛生法の周知…
       請賠、PL、建工、土木、組立

   (4)横領
     → 身元信用保証書の適正な運用・・・身元信用保証保険

   (5)従業員の死亡、退職
     → 退職金規定、弔慰金規定の妥当性・・・生保、総合福祉団体定期、
       傷害保険

  5.保険の提案

   完壁な労務管理と業務(作業)マニュアルの徹底が不可能であるからこそ、使用者
   賠償・労災上乗補償・休業補償・請負賠償などが必要とされるのです。

   また、経営者というものはコストを削ることには興味がありますが、コストアップを
   嫌う経営者も多いことも確かです。

   単に保険の提案をすれば、『自分の会社は大丈夫』という信念や『押し売り』と
   捉えられることが多いのではないでしょうか。

   逆に、なぜ保険なのか、なぜこのような補償額が必要なのかを、充分に理解させ
   るまでの過程を築いていけば契約に至る(または契約しないと不安でしょうがな
   い気持ちになる)のです。

   法人向け保険営業のコツは、法人の抱える問題解決を切り口としたニーズ喚起の 
   提案にあり、企業の抱える問題の90%が人に関わる問題であることから、その解決
   手段として保険は欠かせず、保険代理店にとって労務問題を切り口にした営業は手
   数料アップのコツなのです。

   労務管理から保険提案までのプロセス事例

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