営業に欠かせない顧客の会員化と関係強化


  ロイヤルティ・マーケティング 

   過去の大量生産大量消費時代には「マーケットシェア」といった言葉ががもてはやされて
   きました。

   しかし、今ではあなたと顧客との一人ひとりの関係づくりが重視されることから
   「リレーションシップ・マーケティング」「ワン・ツウ・ワン・マーケティング」といわれ、
   「マーケットシェアの拡大」から「顧客シェアの拡大」へと変化していています。

       あなたが顧客一人ひとりとの長期的な関係づくりを重視し、
       一生涯にもたらしてくれるであろう利益の大きさ

   に、関心を払うことです。

   ロイヤルティー・マーケティングの手法は小売業、サービス業、航空業界などで関心の
   高いマーケティング手法です。

   その手法の一つである「顧客の会員化」については、各業界においてすでに実証済み
   です。

   何のために会員化を図るのでしょうか? 会員化にはさまざまな考えがあります。

   顧客間の差別化(優良顧客を優遇)、競合他社との差別化、顧客のファン化など。

   新規開拓は既存顧客開拓と比較し、5倍のコストが掛かります。

   一人の営業マンの活動コスト

    ・新規開拓のための1日の訪問コスト・・・

    ・既存客への訪問コスト・・・

   1人の営業マンが新規開拓で1日動けば、人件費と交通費その他を加えると、2万円
   程の費用がかかります。

   それと比較し、既存客開拓(訪問) は4千円。

   新規開拓はもちろん重要ですが、優先順位は既存客対策です。

   その既存客からの収益アップを図ることです。
    
   一般的に20%の優良顧客が80%の利益をもたらすとされています。(パレートの
   法則)

   優良顧客との長期的な関係を築くことが、より多くの利益をあなたにもたらしてくれ
   ます。

   特に、優良顧客の「口コミ」から得られる利益は大きいものがあります。

   既存客を末永く固定客としていくためには、現状のやり方に甘んじている
   わけにはいきません。

   それでは、顧客の会員化について考えてみましょう。

   すでにご承知のようにあなたの役割は、お客様の困っていること(抱える問題、悩み、
   不便、苦痛)は何か。

   その解決策があなたの商品・サービスとなります。

   そのためには異業種との提携や有益情報の購入などが必要になってくるでしょう。

   当然有料化するのであれば、顧客が満足する内容(魅力的なサービス・特典)でなく
   てはなりません。 

   料金設定も重要となります。

   一概には言えませんが、提供するサービス・特典によって違いますが、無料にだけは
   しない方がいいでしょう。

   単なる商品やサービスの購入者という希薄な関係だけでは競合他社との差別化を図る
   ことは不可能でしょう。
    
  ■既存客との関係強化

   顧客が一生のうちにどれだけの成約、多種目成約をしてくれるか(ライフタイム・
   バリュー:顧客の生涯価値)に注意を向けるべきである。

   顧客の生涯価値をしっかり見据えて、契約を継続的に維持していくためには、
   顧客との良い関係を構築していかなくてはならない。

   これからの営業は、より戦略的に顧客と結びつかなくてはならない。

   競争はますます激しくなり、油断していれば顧客はすぐに浮気してしまうでしょうう。

   自由競争、自由選択の時代が、顧客主導の市場をどんどん形成していくなかで、
   いかにして顧客をつなぎ止めるか?

   競争が激しい時代とはいえ、その背景には営業の努力不足があるのではないかと
   考えたくもなる。

   多くの営業スタイルは、時代に大きく遅れを取っているのは間違いないでしょう。   

 
  □顧客の流出防止チェックポイント

    ・顧客別にコミュニケーションするために、独立した顧客データベースがあるか。

    ・1人の顧客を獲得、維持するのにかかるコストを把握しているか。 
    ・休眠中の顧客を抽出でき、その顧客を再活性化させるためのプロクラムがあ
     るか。 

    ・顧客別に購入頻度や、成約頻度・単価の高い顧客であるか、少ない顧客で
     あるか判別し、それに応じたマーケティングを実施しているか。 

    ・ダイレクトメール・電話・ファックスでの接触や訪問をするときに、顧客1人当り
     の接触コストがいくらか理解しているか。 

    ・1人の顧客が去ってしまった理由を知るために、顧客に連絡を取るなどして、
     流出防止対策を講じているか。 

    ・顧客はあなたの会社のビジョン・使命・価値について知っているか。 

    ・定期的(最低年に1回)に顧客の満足度を測定し、収集された情報は満足度を
     向上させるために使用しているか。 

    ・新規顧客にたいし、クロスセルを促進するプログラムを持っているか。 

    ・1人の顧客が離れたために失ってしまう価値を理解し、流出を抑えるための
     マーケティングプログラムあるか。 

    ・継続的に契約していただくために顧客に投資しているか。
     その投資コストは見込まれる収益と関連させ、費用対効果を測定しているか。

    ・あなたは優良顧客とのリレーションシップ(関係性)を育てることに前向きか。

    ・既存顧客に向けて、商品やサービスのアップセル・クロスセルを実施する
     プログラムを持っており、その実施結果の測定を定期に実施しているか。

   基本的に顧客は浮気性である。

   まして熱意と根性で成約した契約は、さらに熱意のある、低価格のところに
   移ってしまう。

   頭を使わずに取れた契約は簡単に落ちると考えていいでしょう。

   顧客の流出を防止するためには、上記のポイントを抑え、顧客志向を高めたデータ
   ベース・マーケティングを導入することが急務となります。

   今までのようなセールススキル(売り込む方法を追求)のレベルアップから、顧客に
   充分に理解されて、納得されて、顧客から声がかかってくるような販売方法(マーケ
   ティング)に営業を改革していかなければならない。

   売り込むのではなく「売れる仕組み」を作り上げることがマーケティングです。

   欲しいと思われる商品・サービスを企画し開発する。

   それを消費者に認知してもらうように広告や販売促進を行なう。

   消費者の気持ちを考慮しながら売れるように組み立てることがマーケティングといえる
   でしょう。

   セールスのように一方的な売り込みではない。

   「売る」の間に「れ」が入るのと入らないのとでは大きな違いがある。

   必要なのは「売る」から「売れる」への発想転換です。

   例えるなら、セールスは顕在化している需要を片っ端から刈り取る狩猟型と言えます。

   マーケティングは種をまき、飼料を与え、果実になるまで時間をかけて市場を育成
   します。

   実になってはじめて収穫する農耕型の販売手法です。

   マーケティングは「将来にわたって継続して売り上げ・利益を確保する仕組みづくり」
   である。

   この手法を実践していくには大きく分けると2つの戦略が考えられます。

   同業他社とほとんど差異のない環境を打破して戦うには、

    ・同業他社にないサービスや機能・性能で戦う

    ・特殊な商品あるいは特定のエリアに集中して戦う

   そして、なにを武器に戦うのか、明確な方針を出して戦わなければ、ケンカに勝つこと
   はできない。

   あなたの商品は他社の商品に比べてどれだけの性能を持っているか、販売している
   商品の性能・価値を的確につかんでいなくては差別化はできない。

   お客様が契約を決意するのは、それを購入すれば必要が満たされるか、あるいは
   満足を手にすることができるからである。

   必要性も利便性も満足も感動も得られないのであれば、顧客は購入を決意しない
   でしょう。

   商品に名演技をさせるためには、営業マンがその商品の性能・価値を把捉していなけ
   ればならない。

   大切なのは、相手をうならせる「感動を呼ぶ提案」「理知的な提案」ができるかどうか。

   商品やサービスの特徴をつぶさに検討して、どの特徴をどのようなセールストークに
   展開するか、気の利いた材料を揃えて、あらかじめシナリオ(セールスプログラム)を
   作成しておく必要があります。

   御用聞き営業からマーケティング営業に変えていくためには、面談プロセスを一枚
   の表にきちんと整理し、頭の中に叩き込んでおかなくてはならない。

   面談プロセスなしに、ストーリーのあるセールストークを作ることはできません。

   複数のセールストークを整理し、用意しておかないと、セールス時点で顧客に聞かれ
   るままに答えてしまう受動的な営業に終わってしまう。

   いまやありきたりの便益や価格だけでは、顧客の購入意欲を呼び起こすことは
   難しい。

   ブランドイメージやサービスといったパフォーマンスを、より具体的に強く訴えかけて
   いく必要があります。

   顧客の心理的、社会的、あるいは感情的なニーズに訴えることを念頭におく。
   「こんなにたくさんの人が使っています」「知的生活者ならこの商品です」などは、
   相手の不安や喜びの感情を刺激している表現である。

   不安を与えたり、夢を与えたり、ユーモアを感じさせたりするには、感情に訴求する
   キーワードを巧みに使う必要がある。

   商品に「感情の言葉」で演技させるのです。

   そのためには、商品の特徴やサービスが、どのような「感情の言葉」を呼び起こすのか
   を明確に定義しておく必要がある。

   顧客ニーズが多様化・複雑化している現在、販売の土俵を決めて戦力を集中しなけれ
   ばならない。

   すべての人を対象にしたマーケットに、すべての商品やサービスを販売するデパートを
   目指すべきでない。

   しかし、ほとんどの営業パーソンがこの販売手法です。

   だからといって分野や数を絞っても、ただ漠然と販売を展開したのでは何の意味も
   成さない。

   その商品を、どのような相手に、どのように販売するか、明確に設定しなければなら
   ないのです。

   市場のどこで勝負をかけるか、「販売する土俵」(他社と違う土俵)を設定することが
   ポジショニングである。

   ポジショニングを明確にしなければ、自分がどこで誰を相手に勝負しているかもわか
   らず、ただ時間に流されて毎日が忙しいだけである。

   ポジションを決め、ターゲットを明確に定め、そのターゲットに向けてもっとも効果の
   高い販売戦略を展開する。

   ポジションを明確に設定しないと成功の確率がなかなか上がらない。

   あらかじめ攻める市場を狭く限定し、その市場のニーズ・ウォンツを見つけ
   (作り)だす、どんな提案が喜ばれ感動されるかを準備し、集中していく作戦こそが
   成功をもたらす。

   あなたのポジション・マーケットを明確にせず営業を推進していくことは、“下手な鉄砲
   も数打ちゃ当る”方式の「努力すれど成果あがらず」という結果に終わってしまいます。

   あなたの土俵設定(セグメンテーション:マーケットを細分化)の基本は、あなたの商品
   がどこを狙うべきかといった、ポジショニングを決めることです。

   そのために必要とする情報として、

    ・ビジネス環境の分析(外部環境分析)

    ・自社の経営状況(内部環境分析)

    ・強み、弱みの明確化(自社経営に影響ある機会脅威)

    ・強みをどうやって伸ばすか

    ・弱みをどうやって克服するか

   あなたが成功するには自己目標だけでは達成できない。

   あなたの成長は、マーケットとの良い関係を築いているかどうかにかかっている。

   つまり、顧客のニーズや欲求に合致しているかどうかで成功が決まるのです。

   よくマーケティングの書籍に、人の商品の購入動機は理屈ではなく感情によると言っ
   たことが書かれています。

   人の感情(心理)を洞察し、「人間の欲求にどのように対応していけばマーケティングを
   成功させられるか」という物差しである。

   あなたも聞いたことがあると思いますが、マーケティングにおいて十分に活用できる
   理論の1つに「マズローの欲求5段階」という有名な概念があります。

   マズローの説によれば、人間の欲求は、「生存の欲求」→「安全の欲求」→「所属の
   欲求」→「尊重の欲求」→「自己実現の欲求」と階段状に登っていくといわれています。

   人間の欲求はエスカレートし、欲求には際限がない。

   最初の欲求が満たされると、つぎの段階の欲求が芽生えてくる。

   たとえば、空腹さえ満たせばよかった欲求は、「食事を楽しむ」という欲求に変化する。

   防寒のための衣服は「美しく着飾りたい」という欲求に変化する。

   雨露を防げれば良かった住まいは「快適に過ごせる家」「安全な家」という欲求に変化
   する。

   それらが満たされると「誰かに認められたい」「尊重されたい」という欲求が起こり、
   社会参加が盛んになる。

   自己実現の欲求は「自分を磨きたい」とか「体を鍛えたい」とか「見聞を広めたい」とか
   「ゆとりある生活をしたい」とか「趣味を持ちたい」というような欲求に変化してくると
   いうわけです。

   欲求(感情)=ニーズ・ウォンツには、
   所有することの誇り 安全性 自己改善 身分 スタイル 世間体 野心 権力 利便
   性 安らぎ 向上 社会的認知(ステイタス) 健康と福祉 利益 貯蓄ないし経済性
   順応性といったことがあげられる。

   対象となるお客さんの真の欲求(裏の欲求)が何かを探ることが契約に結びつきます。

   顧客が欲する・望むことを、顧客が望む方法で提供する会社だけが、顧客の支持を
   得て成長することができる。

   顧客のどんなニーズ、どんな欲求に対応していくかという、貢献意志・貢献目標を
   決める必要があります。

   「○○のサービスならどこにも負けない」といったリーダーシップが顧客への貢献を
   生み、顧客からの評判を得て商売は成功するのです。

   もちろん、ただむやみに貢献すればいいというものではない。

   貢献目標が、結果としてあなたの利益にどう結びつくかを、あらかじめよく検討して
   おく必要があります。

   まずは顧客ニーズにどのように貢献していくか、大きな貢献テーマを明確にしよう。

   そして、ただ漠然と目標を掲げるだけでなく、なるべく細かく貢献できる要素を洗い
   出していき、それぞれの貢献度合を検討してみることが重要となります。

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