営業活動に不可欠な顧客データベース


  ■契約者データではなく顧客データ   

   顧客情報を業務に生かすためには「顧客データベース」が不可欠です。

   しかし、対応履歴が抜け落ちているため、「単なる住所録」としてしか機能していな
   いケースが多い。

   顧客とどう接したか、どういう話題があったかといった「対応履歴」こそ、顧客獲得、
   満足度向上の決め手となるのです。

   顧客データベースの生かし方、作り方、選び方を紹介します。
 
   優良顧客を囲い込みたい、顧客ニーズやクレームを探り出し顧客満足度を高め
   たい、顧客情報をビジネスに活用したいと考えている経営者や営業担当者は多い
   はずです。

   商品が売れず、しかも顧客ニーズが多様化している現在、従来の“勘と経験”
   だけでは通用しなくなってきました。

   そこで活用したいのが、顧客に関連するあらゆる情報を蓄え、様々な切り口でデ
   ータを活用できる『顧客データベース』の存在です。

   既に顧客データベースくらい持っている、とあなたは言うかもしれません。

   しかし、住所や電話番号などありきたりな情報だけの「単なる住所録」に成り下が
   ってないだろうか。
 
   あなたが顧客(取引先)を訪問したり電話で話をしたときには、必ず何らかの情報
   が得られるはずです。

   世間話のこともあるでしょうが、これから顧客が取り組もうとしている事業の話かも

   しれないし、自社製品への質問やクレームかもしれない。

   この何気ない会話の中に仕事に生かせる情報が眠っているのです。

   新規事業の話であれば新たな売り込み先を開拓できるかもしれません。

   質問してくるということは、その商品に対する関心が高い証拠だ。

   クレームを減らしていけば、顧客満足度を確実に向上できる。

   つまり、仕事に役立つ顧客情報は、住所や電話番号といった「静的な情報」では
   なく、顧客と接した時に得られる「生きた情報(対応履歴)」です。

   データベース・ソフトは蓄えた情報を様々な切り口で縦横無尽に検索・抽出できる
   機能を持っています。

   対応履歴を蓄え、顧客の切り口で取り出せば、営業担当者が顧客ごとの要望に
   応えたり提案したりできる「現場」に役立つ情報となる。

   また、問い合わせやクレームといった分類ごとに取り出せば、潜在的に市場が大
   きい顧客ニーズを発掘したり、顧客満足度を低下させているクレーム要因を特定
   するなど、「経営」に役立つ情報となるはずです。

  □顧客データベース作成の準備

   顧客データベースを作るには、いったい何をどう準備すればよいのでしょう。

     顧客データベースを作る場合、どうしてもデータを蓄える「器(うつわ)」ばかりに目が
   いきがちだ。

   アクセスなどの開発ソフトを使って自前で作るべきなのか、それともパソコン量販店
   で購入できる市販ソフトで十分なのかと、あれこれ悩むでしょう。
 
   要は、「データベースを何で作るか」が重要なのではありません。

   重要なことは、データベースに住所や電話番号といった“静的な情報”だけではなく、
   顧客と接した時に得られる“生きた情報(対応履歴)”を蓄え、それを縦軸(顧客
   ごと)や横軸(分類ごと)に分けて見ることにあります。

   データベースを作ろうと、何も計画がないままパソコンに向かうことはお勧めでき
   ない。

   まずは、データベースに蓄える情報やそれらの分類方法を事前に洗い出しておく
   ことです。

   実態を調査してから、パソコンでの作業を進めるべきだ。

   調査方法としては、紙の顧客カード(顧客カルテ)を作り、1週間から1カ月間を
   かけて顧客情報を書き出してみるとよいでしょう。
 
   例えば、一つひとつの対応履歴を一枚のカードに書き込み、それを顧客(取引先)
   ごとに箱に分類して保管する。

   箱に蓄えられた対応情報が、それぞれの顧客満足度を上げるために役立つ情報
   となります。

   ある程度情報が蓄えられたら、それらのカードを「クレーム」や「問い合わせ」とい
   った分類ごとに分けてみる。

   この作業が潜在的な顧客ニーズを発掘する情報となります。

   パソコンで顧客データベースを作ったとしても、そこから得られる情報は紙のカード
   を使った情報と何ら変わりはありません。

   劇的に変わる部分は、何百件という情報から特定の情報を検索・分類するスピ
   ードだけです。

   「顧客データベースがあれば何か変わるだろう」という漠然とした期待は禁物です。

   顧客カードを使って洗い出しができたならば、実際にパソコンでデータベースを作る
   段階に入る。

   ここで迷うのが、アクセスなどを使って自作を目指すか、出来合いの市販ソフトを
   購入するかでしょう。

   アクセスなどでデータベースを作った経験があれば自作でもよいが、全くの初心者
   であれば市販のパッケージソフトをお勧めします。
 
   自作の利点は、自社の業務にぴったり合ったデータベースを作れる点にある。

   例えば、効率よく営業活動が行えるように「獲得見込み度」や「セールス状況」、
   住宅地図の「地図番号」を書き込める項目を作ることもできる。

   一方で、自作の場合は作るための時間(人件費)がかかることも忘れてはならない。

   途中であきらめてしまったり、出来上がったものがパッケージソフトと変わらない
   ようであれば、苦労が報われません。

   自作ソフトとは逆の利点と欠点を持つのがパッケージソフトです。

   買ってきたその日から使い始められる利点は大きい。

   種類も豊富で宛名書きソフト感覚のものから、販売・会計業務などと連携できる
   ものまであります。

   だが、項目や分類方法を自由に追加/変更できない点が問題となる場合も少なく
   ありません。

   データベースを作る、もしくは購入する場合、「導入しました。みなさん使って下さい」
   と、一方的に器だけを押しつけても失敗するでしょう。

   実際に顧客情報を入力・活用する現場の意見が反映されないと、データベースは
   生かされません。

   まずは「会社のため」ではなく「自分のため」の顧客データベース作りを目指すこと。

   ある程度データが蓄えられ、自分でも“使える”と思えるようになったら、スタッフに
   利用を勧め、使い勝手を良くするための意見を聞いてみよう。

   「こんな項目が欲しい、こういった切り口でデータを取り出したい」といった様々な
   要望が出てくるはずです。

   すべての意見を聞くことは難しいが、この段階をクリアして初めて、自社で使える
   データベースとなるのです。  

   順調にデータベースを活用できるようになったら、残すは後継者の育成です。

   特に自作データベースの場合は、作成者のスキルの限界がデータベースの限界に
   なってしまう。

   データベースをさらに育てていくためにも、意欲のある社員にバトンタッチしてさらに
   使えるデータベースに育てていきたいものです。

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