■お客様の買い方の変化   

   これはマーケット(市場)の成熟化を意味します。

   どの業界でも、その業界特有の価値観、慣れた仕組み、業務にあたっての通念、
   慣行というものがあります。

   しかし、現在ではそれらが価値を失ってきています。

   総じていえば、すべての会社(店)、営業マンが、今は「お客様に負けている」と、言っ
   ていいでしょう。

   まず、市場の成熟化による不況とはどういうものかを考えてみましょう。

   市場の成熟化とは、端的にいえば「コモディティー(ありきたりの商品)が増える」と
   いうことです。

   たとえば、テレビの新製品。

   テレビは各家庭に行き渡り、ひと通り用が足りていますから、新製品の性能をいくら
   熱心に訴えても、お客様はあまり強い関心を示しません。

   あらゆる分野でこの現象が起こっており、たとえばビールなど、以前は新製品が出る
   と、試しに飲んでみようという人が30%はいた
   のに、今は7%程度。

   酒類の総需要はマイナスとなっています。

   しかし、チューハイは伸びており、その担い手は女性たちです。

   彼女たちは「酒を飲む」というよりは「食事を楽しむ」ためのアイテムとして酒を見て
   います。

   だから、酒は酒ではなくなり、食品になってきているのです。

   腕時計においても需要は低迷しています。

   携帯電話で時間がわかるので、腕時計をしない人が増えたのです。

   しかし2万〜3万円クラスの国産品は売れないのに、数十万、数百万円もするヨーロッパ
   ブランドの腕時計は売れています。

   つまり、時刻を知るための時計は携帯電話にとってかわり、その一方で装飾品という
   価値(バリュー)を生んでいます。

   また、銀行は銀行でなくなっています。

   銀行に来るお客様の90%以上がATM利用が目的ですから、お客様にとってはATM
   があれば用が足ります。

   今はコンビニエンスストアにもATMがありますからコンビニで用は足ります。

   また、スーパーでは今、食材の売れ行きが伸び悩んでいるのに対し、総菜の売れ行き
   が伸びています。

   これはお客様の願望、つまり需要が「食材」ではなく「食事」のほうに向いているという
   ことです。

   食事の準備に時間をかけたくない人が増えたのです。

   このようにお客様の願望の進化、変化により、需要は分解し、減っていきます。

   ですから「お客様は、時計を時間を知るためのものとして買う」という需要の定義では、
   もう通用しないのです。

   モノが売れないのは、売る側がこうした進化を捉えきれず、お客様の願望を読み取れ
   ないでいるからです。

   このように、お客様の願望(購入動機)の進化を知ることです。

   そうでなければ、今までの保険営業では効果が上がらず、ムダ・ムラ・ムリの多い営業
   になってしまうということです。

   旧来の通念にとらわれず、どんな商品の、どんな使われ方がお客様の願望を満たし
   ているのか、満たすのか、まずはそこから考えて需要を定義し直さなければ、営業活
   動も功を奏さないのです。

   あなたの扱い商品である保険にも同じことが言えます。

   よく、「モノ」を売るな 「コト」を売れ といいます。

   保険という商品そのものをを売るのではなく、「お客様の生活・事業の安心・安全に
   どう貢献するコトができるか」を売ることです。

   言い換えるなら、あなたの仕事はお客様の抱える問題・悩みの解決をお手伝いする
   問題解決業といえます。

  □従来の営業のやり方・考えを捨てる

   従来の営業の考えは、販売の人員数×訪問数の合計活動量が、販売力であると考え
   られてきました。

   しかし、商品が行き渡り、コモディティ化された用済み商品が増えてしまった今日では、
   それが通用しません。

   いくら人員を割き、訪問数を増やしても「間に合ってます」、「保険には入っているから
   結構です」と断られるのが関の山。

   押しの強い営業スタイル、夜討ち朝駆けといった熱意や精神論の営業は不況下では
   通用しません。

   このような時代に営業が成り立つ基礎は、「お客様を理解する」、つまりお客様の願望
   がどこにあるかを知る力のみにあります。

   「今度のうちの商品は」とたんに力説してもだめです。

   勝負は、お客様の持っている課題を聞き届ける力です。

   それが、今日の営業が成り立つ条件です。

   保険には入っている。 新しい保険はいらない。 

   では、お客様の保険がいらない理由は何でしょう。

   お客様がこれまで加入してきた保険が、その人の生活の中でどういった位置なのかが
   問題なのです。

   たとえば、保険が嫌いになっているのか、「今のままの保険で良いのかな」と思いなが
   らも放っておいているのか。

   そこを聞き取り、理解しない限り、お客様は保険の話を聞く気になってくれません。

   もっともお客様は、自分のプライバシーをそう簡単に他人には喋りません。 

   「子どもが入学するんだけど、保険は今のままで良いのかな?」とか、「マンションから
   一戸建てに住み替えようかな」とか、法人であれば、「業務量が拡大したので人を増や
   したいが」など、訪ねて来た営業担当者に自分から話はしないでしょう。

   しかし、それを汲み取れるかどうか、本来なら話す必要のないことを、話してもらえる
   かどうかが分かれ目なのです。

  固有名詞でお客様をとらえ直す

   市場成熟下の営業では、普通名詞でお客様を捉えていては通用しません。

   たとえば、「主婦」「女性」「中小企業」「経営者」といったお客様はいなくなります。

   38歳で静岡市に住み、2人の子どもを持ち、子育てに奮闘しながらも何か仕事に就き
   たいと思っているA子さん、54歳で埼玉県に住み、子育てを終え、若いころに趣味
   だった登山を再び始めたB子さん。

   従業員30名の工務店で従業員のモチベーション低下に悩む50歳のオーナー社長。
   こういう固有名詞の存在が、成熟下における営業の
   対象になります。

   個別のお客様に向けた営業、つまり固有名詞でお客様を捉えることが、今日では非常に大きな
   意味を持っています。

   なぜでしょう。

   お客様はいつも「今日よりは明日、今年より来年はもっと幸せになりたい」、「自分の暮らしを 
   充実させたい」、「資金繰りを解決したい」、「自社の売上を安定的に上げたい」と思ってい
   ます。

   しかし、一応、モノは足りていますから、その願望を満たすのは、「主婦」や「女性」、
   「経営者」「企業」という漠然とした普通名詞でとらえた商品ではないのです。

   A子さん、B子さんに「これは今の私に合っている」「なくても困らないけど、あれば自分の
   思いをかなえられるかもしれない」、経営者であれば「この仕組みを導入することで従業員の
           チベーションがアップし、売上アップが期待できそうだ」、経営者であれば「銀行に頼ら
   なくてもこの方法で資金繰りが解決できそうだ」と思ってもらえる商品の価値(バリュー)、
   売り方が必要になるのです。

   そのうえで、たとえば「お客様の今の生活や将来を考えると、今の保険ではムダや
   モレがあります。

   それには、やはりその人の生活、願望、法人であれば経営者の抱える問題を知らな
   ければ営業活動はできません。

   「新しい良い保険ができたから入ってください」ではだめなのです。

   まずは従来の保険がそのお客様の生活にどう収まっているかを知ることです。

   そのうえで、たとえば「お客様の今の生活や将来を考えると、今の保険ではムダや
   モレがあります。

   こう組み替えてはどうでしょう」といった具体的な提案ができるかどうか。

   そこが大切です。

   「この人は、私が心配していること、不安に感じていることをずばり捉えている」と
   思えば、お客様は話を聞いてくれます。

   これが お客様を理解する力であり、固有名詞で考える営業のあり方です。

  □あなたの「売り」は人間関係

    今、あなたは顧客が望んでいることを本当にメッセージしているでしょうか。

   じっくりそのことを考えていただきたい。

   本当に顧客のニーズにあったメッセージを伝えているでしょうか。

   顧客の必要性や状況を考えて商売しているでしょうか。

   あなたが成功するには、人のニーズや望みを認識し、それを満足させる方法を見つ
   けることに長けていなくてはなりません。

   それをいつも、よそよりも速く、安く、上手くできて、手軽で、信用がおけるなら、お客
   さんは必ずあなたを認めてくれます。

   努力をしているつもりでも、自分の都合を優先していないでしょうか。

   賢い消費者が、保険加入の選択手段を複数もっていることに気づいていますか。

   あいも変わらず、集金、更改作業に汗を流し満足感に浸っていないでしょうか? 

   今でも顔見せ、御用聞き営業にまい進し「思うように業績が上がらない」なんていって
   ないでしょうか?

   買う動機が希薄になってきています。

   モノへの欲求があまり起こらない。

   特に保険という「予防商品」は、厳しい経営環境下ではコスト削減の第一に挙げられ
   るのが実態です。

   この打開策は顧客一人ひとりの身になって購入を刺激するメッセージを送ることしか
   ありません。

   もっとも効果があるのは、「購入の目的・動機」を、顧客の立場にたってこちらから
   メッセージし、気づかせることです。

   その商品を提案した理由、商品の特徴や機能、今までの商品とどこがどう違うか、
   そして顧客別にどんなメリットが約束されているかといったポテンシャル・メッセージ
   を明確にわかりやすく説明できていなければなりません。

   メッセージは、「顧客別」に送られる必要があります。商品はひとつでも、顧客一人
   ひとりの「目的・動機」はいろいろあります。

   その心の琴線に敏感に触れるようなメッセージを送るとができるようになれば、しめた
   もの。

   ここでデータベースに入力された顧客情報が威力を発揮するのです。

   より多くの顧客情報をデータベース化し、見込み度の高い客をセグメントして、顧客一人
   ひとり、あるいは顧客別のまとまりごとに的確なプロモーションを展開するのです。

   顧客とのワン・トゥ・ワン・メッセージに本気で切り替える必要があります。

   それが実現できて初めて、顧客との関係が生まれます。

   そのためには、焦点を絞り込むこと。

   活動の領域・提案内容(商品)・客層を絞れば絞るほど、立場が強力になります。

   なにもかも追い掛けていると、結局なにもモノにはできません。

   多くの代理店に見られることに「発想の限界」があげられます。

   「わたしは保険代理店です」と、ある代理店は答えた。

   すると、この人は保険商品の種類から商品内容に至るまで、すべてをその周辺で発想
   しようとします。

   「我々は保険代理店です」がクセモノなのです。

   このせいで競合他社にならい、慣例に従い、そして他社(店)と同様のサービスを考え
   てしまう。

   これでは、周囲に埋没してしまい差別化どころではなくなってしまいます。

   成長の機会は現状の業界の定義づけの外にあるのです。

   実際、こうした業界常識の枠組みの中で戦うことは、特に成熟した保険業界においては、
   肉体的にも金銭的にも多大な出血を強いられることになりかねません。

   おそらくあなたも、お客様は保険を求めていると思ってしるかもしれません。 

   しかし、チャンスは見込み客が何か別のものを求めているところにあるのです。

   それが何か、最初に見つけた代理店が勝利をつかむのです。

   顧客が、本当に買っているものは何かを探りだしましょう。

   保険業界を含め、すべての業界にとって、すでにある市場を奪い合うべく戦っている
   のではありません。

   むしろ市場を作るために奮闘努力しているのです。

   見込み客にそのサービスを欲しいと思わせ、求めさせるために苦労をしているのです。

   見込み客には三つの選択肢があります。

   あなたのサービスを「購入するか」「他で購入するか」、あるいは「どこからも購入し
   ないですますか」です。

   多くの場合、あなたの本当の競合相手は同業者ではありません。

   あなたの見込み客自身なのです。

   そして、我々サービス業の本当の売り物は人間関係なのです。

  □お客様が気がついていない(潜在的)願望を読む 

   営業で最も大切なことは、お客様を理解する力です。

   これを高めるにはどうすれば良いでしょう。

   その前に「知覚されない潜在的ニーズ」についてです。

   現在のような不況下での商品には、2つの方向性があります。

   1つはコモディティー商品で、もう1つは付加価値商品です。

   たとえば、ミネラルウォーターが売れ始めた時期、お客様は銘柄で選びました。

   しかし、市場が成熟期(商品が増え、需要が満たされる)に入ると、銘柄に関係なく、
   価格の安いものを求めるようになります。

   同じような商品なら、安いほうが良いというわけです。

   これがコモディティー。

   付加価値(バリュー)は、いわば「私にぴったり」の商品です。

   同じ飲料なら、サプリメント飲料がこれにあたるでしょう。

   水でも、スポーツドリンクでもない、もう少し健康バランスに配慮した飲み物として人気
   があります。

   しかしサプリメント飲料は、実はお客様の「これが欲しい」というはっきりとしたニーズ
   から生まれたものではないのです。

   水とスポーツドリンクの中間を行くものを出したら、お客様が「これだ」と価値を認めた
   商品なのです。

   自分が本当は何が欲しいのかよくわからない。

   商品が現れて、初めて「これは私向き」と気づくのです。

   それが「知覚されない(潜在的)ニーズ」です。

   付加価値商品には、概ねこの傾向があります。

   潜在的ニーズを掘り起こしたか、あるいは予想を超えたパフォーマンスを持つ商品。

   それが成熟下の不況でも、売れる商品の特質です。

   古い例ですが、宅急便もそうです。

   宅急便が欲しいとは誰も思わなかった。

   しかし、宅急便ができたら「え、そんなのあるの?」「これは便利だ」ということにな
   った。

   荷物を先に送り、身体1つでスキーやゴルフに行くなんて想像もしていなかったのです
   から。

   バリュー商品には、おおむねこの傾向があります。

   知覚されないニーズを掘り起こしたか、あるいは予想を超えたパフォーマンスを持
   つ商品。

   それが成熟下の不況でも、売れる商品の特質です。

   保険においても各保険会社の商品はどこも似たり寄ったりです。

   保険商品もコモディティー化したといっていいでしょう。

   IT環境の整備された今、お客様の保険に関する知識向上、保険商品の比較サイ
   トの出現により、保険の低価格を望むお客様にマッチしたのが通販です。

   通販ではないあなたにとって保険をコモディティー商品として扱った営業を行うこ
   とは、イバラの道を歩むことになります。

   保険をバリュー商品として扱うことが必要となってきます。

   コモディティー商品とバリュー商品では、当然売り方も変わります。

   コモディティー商品は価格が勝負。

   安さの価値は、誰にとっても同じですから、複雑な営業の仕掛けはいりません。

   しかし、バリュー商品は、お客様を固有名詞でとらえ、そこに埋もれている「知覚さ
   れないニーズ」をくみ取る力がないと売れませんから、そのための仕掛け、対応
   法が必要になります。

   そこで、1つ重要なのが「同時代性」。

   お客様理解には、同じ世代が一番良いのです。

   同じ時代を生きた者には、共通するライフスタイル、価値観があるからです。

   商品を売れるものにするには、固有名詞のお客様理解のうえに、その商品の持っ
   ているバリューを組み立て直さなければなりません。

   となれば、仮に団塊ジュニア世代にアプローチするには、同世代人か、さもなけれ
   ばその世代の生活ぶりをよく知る人材が必要になります。

   つまり、この世代にアプローチするには、同世代人を主力とした専門チームをつく
   るとか、その世代と接するときの応酬話法を組み立てるといった対応が必要に
   なってくるのです。

   お客様は、自分で気がついていないニーズを喚起する商品、なかった願望を引き起
   こさせる商品を、実は求めているのです。

   保険商品も同様のことがいえます。

   多様な販売チャネルが存在する中で、専業代理店であるあなたも営業のやり方・考え
   を変えなくては勝ち残れない分岐点にあります。

  ■コモディティー商品と付加価値商品の売り方の違い 

   コモディティー商品は価格が勝負となってしまいますが、付加価値商品は価格は二の次
   となります。

   安さの価値は、誰にとっても同じですから、複雑な営業の仕掛けはいりません。

   しかし、付加価値商品は、お客様を固有名詞でとらえ、そこに埋もれている「潜在的
   (隠れた)ニーズ」をくみ取ることで、そのお客様の「喜び、願望」を叶えることです。
   ですから、そのための仕掛け、対応法が必要になります。
    
  □タイミング

   どんなビジネスであっても「タイミング」は重要となります。

   タイミングをはずせば、どんなにすばらしい商品・サービスであっても売り上げ拡大は
   望めません。

   しかし、タイミングが合えば普通の商品・サービスでも売れるのです。

   最近低迷がみられるコンビニ業界ですが、コンビニに置かれている商品はどこのスー
   パーでも売られている商品です。

   さらに、今は少し違いますが定価で売られています。

   スーパーや小売店と価格競争をすれば負けてしまいます。

   にもかかわらず、お客は必ずしも値投の安いスーパーで買わないで、値段の高いコン
   ビニで買ったりするのでしょうか?

   「同じ商品なら安いほうを買う」という理屈からすれば、スーパーのほうが売れてしかる
   べきなのに、現実はコンビニのほうが売れるというのは、いったいどういうわけで
   しょう?

   コンビニはスーパーや小売店と価格で争っているわけではありません。

   いつでも、5分以内に買えるという差別化を図ることで勝ち残ってきたのです。

   「今すぐほしい、今すぐ必要」といった、売る側とお客様のタイミングがジャスト 
   フィットしているからなのです。

   傘を販売している店ではないが、雨が降りそうになるとすぐに店先にビニール傘を
   置くというお店があると聞きます。
  
   100円ショップで販売されているビニール傘ですが、500円で販売しています。

   雨が降れば濡れたくないために、500円でも飛ぶように売れるそうです。

   晴れているときに500円のビニール傘を買う人はいないでしょう。

   これらのことは、あなたにとっても同じことが言えます。

   たとえば地震保険の未加入者へ加入促進していくなら、地震発生から少なくとも3日
   以内に案内することをお勧めします。

   風水災が担保されていない顧客には、台風発生のタイミングを見計らって、被害の
   有無、お見舞いも兼ねて案内しましょう。

  □共感を生む自己紹介チラシ 

   広告にはさまざまな手法や考え方がありますが、最も基本的で、最も重要な広告とは、
   「自分を売ること」なのです。

   物販の世界でも「あの人から買ったのが良かった」「あの人から勧められたから買った」
   ということがあります。

   その要素が保険商品の場合はより強くなります。

   つまり、最初の接点では、商品を分かってもらうよりも先に「自分を分かってもらう」
   ところからスタートすることが肝心です。

   そのための具体的な試みの1つとして、初めて訪問したお客様向けに、手書きの自己
   紹介チラシを作ることをお勧めします。

   それも、保険会社の名前や代理店名は二の次にして、たとえば「ゴルフ歴2年、まだ
   100を切れない○○です」とか、「子どもが生まれて、おむつの交換に四苦八苦の
   ○○です」というように“自分の日常”をキャッチフレーズにした自己紹介チラシです。

   「○○代理店の○○が、あなたの人生設計をお手伝いします」と言われるより、このほう
   が親近感が湧きます。

   つまり、分かりやすさから共感へ、というステップが広告戦略の次のテーマになります。

   自己紹介チラシは、「手書きにする」というのが重要なポイントです。

   パソコンやワープロで作った文字は、きれいで読みやすいけれど味気ない。

   対して手書きの文字は、人柄や温かみを感じさせます。

   メッセージは2〜3行程度の短いもので、大きな太い字ではっきりと書きます。

   印刷されたパンフレットやチラシは、情報量が多いものの、必要と思わなければ相手は
   読んでくれません。

   でも、スーパーで見かけるPOP広告のように一目で読みとれる手書きの短いメッセージ
   は目に止まりやすい。 あれと同じです。

   こういう自己紹介チラシを何種類も用意します。

   そして、訪ねる相手の性別、年齢、職種、趣味などに合わせて使い分けていきます。
   「君はゴルフが好きなのか、でも下手だねぇ」、
   「うちの夫も、子どものおむつで苦労したものよ」。

   そう言ってもらえれば成功。

   そこから次の会話、訪問の機会を作り出す可能
   性が生まれます。

   もちろんパンフレットやチラシ同様に、相手に関
   心がなければ、こうした自己紹介チラシも所詮
   はゴミ箱行きです。

   それでも目に止まるということ、そのための努力
   をすることが大切なのです。

   初対面で自己紹介をしようにも、3分の時間さ
   えもらえない。

   そういうことは多いと思います。

   ならば「何だこれ」「何だこいつ」と思わせるものを残してくる。 

   それが自己紹介チラシの狙いです。

   法人向けであれば、相手の業界に関する経済紙の切り抜き、中小企業の抱える資金
   繰り、人の問題などの情報提供などです。

   これらは1対1の関係をより強く打ち出すツールと考えてください。

   自分を売り込み、印象づける方法、ツールはたくさんあります。

   年賀状や暑中見舞いはもちろん、時候の挨拶やお祝い状もあるでしょう(もちろん
   手書きです)。

   名刺も会社の名刺だけではなく、自分のキャッチフレーズや似顔絵を入れたオリジナル
   を作ってみる。

   何種類も用意して「こんな名刺、作ってみたんですけど」と持っていくのも、実は広告
   活動に他ならないのです。

   自分のホームページを開いて、先のニュースレターのような情報を配信するという方法
   やEメール、携帯メールを利用して誕生日のお祝いメッセージを送る手もあります。

   どのような相手に、どのような商品を、どんな方法で売るかを、ターゲティングといい
   ます。

   お客様の趣味、嗜好、生活がわからければ、商品は売れません。

   それを知るきっかけとして、このようなツールがあるのです。

   共感を得るとは、お客様を知るための入り口であり、ここで私たちはやっと商品を売る
   ことへのスタートを切ることができます。

   ターゲットとするお客様の世代、階層、生活に合わせて組み立てることが大切です。
   商品を売れるものにするには、固有名詞のお客様の理解に加え、その商品の持って
   いるバリューを組み立て直さなければならない。

   となれば、各世代ごとにアプローチするには、同世代人か、さもなければその世代の
   生活ぶりをよく知る必要がなります。

   つまり、その世代にアプローチするには、その世代と接するときの応酬話法を組み立
   てるといった対応が必要になってくるのです。

  ■オリジナリティ

   オリジナル「お役立ち情報」で接点を広げる。

   自己紹介チラシに続いて、オリジナルのニューズペーパーを出すこともお勧めします。
   これも商品情報を提供するのではなく、いわば自分新聞。

   「○○代理店の○○がお届けするお役立ち情報」です。

   盛り込む記事は、たくさんはいりません。

   内容も「最近見つけたユニークなお店」とか「お勧めの散歩コース」、「話題の本を読ん
   でみました」といった身近な情報や、「簡単でおいしいおつまみレシピ」といった雑学的
   なものが1本2本ある程度で充分。

   大事なのは、それを定期的に作ってお客様に届けることです。

   衣類ならば試着、食品ならば試食、試飲ができます。

   商品を体験してもらうというのは、とても有効な販売手法なのですが、保険商品では、
   それはできません。

   では、それに代わるものは何かとなれば、常日頃いかにお客様を気にかけているか、
   ケアを考えているか、それを表現していくことです。

   オリジナルのニューズペーパーもそのための1つの手法です。

   「代理店の○○がお客様の○○さんにお届けする」という1対1の関係をより強く打ち
   出すツールと考えてください。

  □お客様へのサービスとなる自分広告を

   保険は普段身近に感じにくい商品ですが、誰もいらないものだとは思っていません。

   子どもが生まれた、学校に入った、自分は今年40 歳になる。

   そうした人生の節目ごとに必ず気になるものです。

   そんなときに思い浮かび、具体的に連絡を取ってみたいと思うのは、「ちょくちょく 
   うちに来ていた○○さん」とか、「ニュースを送ってくれる○○さん」、「手書きの新聞
   を持って来てくれる代理店がいたね」ということなのです。

   この段階で、分かりやすく共感を得るための作業は、指名という具体的な購買行動に
   つながり始めます。

   そんなふうに自分を売り込み、印象づける方法、ツールはたくさんあります。

   年賀状や暑中見舞いはもちろん、時候の挨拶やお祝い状もあるでしょう(もちろん手
   書きです)。

   名刺も会社の名刺ではなく、自分のキャッチフレーズや似顔絵を入れたオリジナルを
   作ってみることです。

  □営業が生み出す商品の付加価値

   お客様の願望(喜び、満足、解決策)を作り出す対応法をモデル(標準)化する「営業
   は科学」です。

   企業が商品を開発した段階では、その商品の価値はまだ表面化せず潜在しています。

   商品の価値は、お客様の願望を埋めることで決まり、それを決めるのはあくまでも
   お客様です。

   では、営業の役割は何かといえば、開発され未完成の商品を、お客様の願望を埋め
   られる商品に完成させることです。

   つまり、営業は、その商品が持つ本当の価値(付加価値)、お客様が求める価値を実現
   させる役割なのです。

   お客様との接点である営業担当者は、付加価値提供の実現者であり、またそれができ
   るのは営業担当者しかいないのです。

   さらにいえば、今日より明日はもっと幸せになりたいと思っているお客様の「喜び、
   満足感」を作り出すのが営業担当者の使命なのです。

   商品を説明し、売り込む段階(アプローチからクロージングまでのプロセス)でもいろ
   いろな工夫が必要です。

   大切なのは「これを話したら、お客様はどう反応するか」「それに対してどう対処すれ
   ば、お客様の求める価値を実現できるか」、さまざまなパターンを想定し、対応法や 
   応酬話法をモデル化することです。

   しかも、このモデルは、お客様が持つ個々の課題に対し、それに見合った答が出せる
   ようなモデルでなければなりません。

   そのためにも、ロープレといったトレーニングが欠かせません。

   それがお客様を理解する力をつける作業につながります。

   お客様の感性のステップアップに合わせて、売り場や売り方、情報発信の仕方を考え、
   変えていかなければ、売れないということです。

   これは今日、お客様との接点づくりにおいて、どの業界にも共通する課題であり、商品
   の良さ、品揃えは大事だが、それだけでは商売にはならないということです。

  □選びやすく、迷わせない商品情報

   商品を豊富に揃え、好きなものを選んでもらう。

   バブル崩壊以前の右肩上がりの時代なら、そんな売り方も通用したでしょう。

   しかし、似たような商品が何十種類もあり、商品
   の違いがはっきりとせず、しかも不況下という今
   の時代、そんな売り方はお客様を迷わせるだけ
   で、サービスにならないのです。
     
   「分かりやすく、選びやすく、迷わせない工夫を
   する」。

   お客様との接点における商品のアピールや情
   報発信で大切なのはそこです。

   その組み立てを何通りも考え、試してみること
   が大切なのです。

  □優秀な営業マンの話法を標準化し共有

   商品の違いを生み出すのは営業の力です。

   そして商品に価値を与えるのも営業の力です。

   そのために着目すべきは、全体とその平均値ではありません。

   例外と異常値です。

   その中にこそ、商品の違いと価値を生み出すヒントが潜んでいます。

   たとえば、○○代理店の△△さんは、話術はうまくないが成約数が伸びている、あるい
   は、お客様の情報量が豊富だ、など。

   そういう例外があるとすれば、そこに見るべき何ものかがあるのです。

   お客様に「実はそれが気になっていたんだ」「言われて初めて分かった」と言わせる方法
   は何か。

   例外と異常値の意味を整理し直し、法則化し、共有し、それをベスト・ブラクティスと
   して遂行する。

   法則化したものはいくつあってもかまいません。

   ターゲットとするお客様の世代、階層、生活に合わせて組み立てることが大切です。

   さらに、お客様の願望は常に進化するのですから、法則化したお客様への対応法も、
   常に見直す必要があります。

   今日の営業に必要なのは、ただモノを売る気迫ではなく、お客様の「喜び」を作り出す
   気迫です。

   そして例外と異常値から、お客様の知覚されないニーズを読み取り法則化する科学
   なのです。

   保険販売とは、最終的にはお客様に商品を理解してもらい、必要性を感じてもらうこと
   なのですが、そこへ行き着くまでは、「分かりやすさ → 共感 → 指名」という具体的な
   作業が前提になります。

   「いつも自分のことを気にかけてくれていること」。

   これほど嬉しいことがあるでしょうか。

   広告は、それを実感してもらう一つの手法です。

   お客様の願望は常に進化するのですから、お客様への対応法も、常に見直す必要が
   あります。

   今、営業に必要なのは、ただモノとしての保険を売る努力ではなく、お客様の「喜び、
   願望」を作り出す気迫です。

                      代理店強化マニュアルについてはこちら

                      お問合せ・ご質問はこちら 

                      メルマガ登録(無料)は こちらから 

 

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
054-270-5009

静岡県静岡市のビジネス・ソリューション㈱です。
静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
企業運営に欠かせない3つの仕組みづくりを支援いたします。
経営者にとって重要課題は会社をつぶさないことです。
しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
少しでも多くの企業が、このような危機に見舞われず、最悪の事態を招く
ことのないよう、私ども専門家集団は事業運営に欠かすことのできない
マーケティング、業務改善、リスクマネジメントについて全力投球で支援
してまいります。

対応エリア
静岡・愛知県内、東京周辺

お気軽に
お問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

054-270-5009

 (コンサルティング部門 直通<柴田>)

新着情報

2024年4月25日
記事:「メルマガ709号更新しました。
2024年4月25日
記事:「社内体制の強化なしに会社の存続なし」 更新しました。
2024年4月24日
記事:コストダウンの最終目標」更新しました。 
2024年4月23日
記事:保険代理店業の環境整備 Ⅱ」更新しました。
2024年4月22日
記事:「オンリーワンを目指す」 更新しました。
  • 詳細はこちらへ

ビジネス
ソリューション
仕組み構築

住所

〒422-8067
静岡県静岡市駿河区南町
2-26-501