■企画開発計画・生産計画の作成 □企画開発計画の策定 ●企画開発計画作成のステップ 企画開発計画とは、商品の企画開発から市場投入までのステップを計画する ものです。 企画開発計画を策定する際に、「新規商品・サービスに関する企画」と 「既存商品・サービスに関する企画」の場合とでは方法が異なります。 まず、新規商品・サービスに関する企画の場合では、最初に取り組まなければなら ないことは、マーケット(市場)自体の発見をしなければなりません。 そして、既存の市場があればそこに参入できるかどうか、あるいは無ければ、 新たな市場を確立することができるかどうかの検討が必要となります。またそのた め、市場機会の分析と、市場、顧客等のセグメンテーションも行う必要があります。 そして次に、アイデア抽出やコンセプトメイクを行い、さらに、市場投入のための具体 的なデザインやスペックを決定していくことが必要となります。 このように、新規商品・サービス企画の場合、比較的長い期間の企画段階を経て企 画開発計画に至ります。 これに対し既存商品・サービスの場合では、既に市場での反響やセールスの実績、 シェアなどが結果として出ているため、まずはマーケティング調査などによるポジシ ョンの確認を行います。 また、それと並行して、既存商品のユーザーの満足度についても調査を行い、商 品を継続して販売し続けるべきかどうか、もし継続的に販売する場合、今後リニュ ーアルをすべきかどうか、などの検討を行います(図2参照)。 このように、既存商品・サービスの場合には、ポジショニング分析などのマーケティ ング段階は比較的短く終わり、既存商品のスペックの改善やコストダウンなどを中 心とした企画開発計画に入ります。 ●企画開発計画の作成方法 商品・サービスの企画開発計画作成の作業は、その対象となる開発商品が多い場 合には開発の優先順位をつけ、作業の割付けを行います。 そして、実際の作業内容としては、商品・サービスの設計・開発から、販売やセール スプロモーション(SP)までが主な検討項目となります。 また、企画開発計画で最も重要な事項の 1つとして、製品開発における原価企画が あります。 原価企画とは、製品企画段階から製品原 価(コスト)の最小化を追求する取り組みの ことを言います。 また、企画開発計画は、基本的には商品企 画部などが計画立案を行いますが、マーケ ティング部門や営業部門、設計部門、生産 部門などさまざまな部門が関係してきます。 したがって、進め方としては、それらの各部からの代表者を決めてもらい、 プロジェクト形式で情報交換をしながら計画を進めていく方法が良いでしょう。 企画開発計画では、まず商品・サービスの開発に必要な作業項目とスケジュールを 明らかにします。 作業項目はマスタープランと、実作業項目詳細の2つのレベルで策定されます。 なお、策定においては、企画自体が独りよがりなものとなってしまって、マーケ ティングや財務、生産現場の視点に抜けがないように計画を策定することが 大切です。 また、関係者間での解釈の相違を防ぐため、定量的な表現が可能なことについては、 極力定量的に表現していく工夫も必要です。 □生産計画の作成 ●生産計画作成のステップ 生産計画は販売計画を受けて作成されます。 生産計画作成の基本ステップは、 (1)部品、原材料、生産能力、倉庫の在庫能力などの基本要素の検討 (2)加工の順序や方法などを定める手順や工数、日程などの検討 (3)(1)、(2)で得られた結論をもとに販売計画とのすり合わせを行い、最終決定する まず(1)の部品、原材料の検討についてですが、製品に必要な部品や原材料が、 指定品質を保って納期通りに指定量の納入が可能かどうかを把握することが必要 です。 次に、生産能力についてですが、この場合、自社の製造ラインはもとより、外注・協 力会社の生産能力まで含めて検討します。 もし、自社の製造ラインでは余力が不十分で、かつ外注・協力会社にも対応能力が ない場合などには、新たな設備投資の検討(詳しくは事項の「設備投資計画」)が 必要になります。 次に、倉庫の在庫能力ですが、SCM(サプライチェーンマネジメント)のようなシステ ムを社内で構築しているような場合でも、不良品の即時交換や品切れ防止のため にある程度の在庫が必要と考えられます。 したがって、生産計画策定の際にも倉庫の在庫能力を把握しておく必要があります。 ●生産計画の作成方法 生産計画では、生産品目ごとに、生産数量、納期を定めたり、実際の生産を行うた めの計画を立てる必要があります。 生産計画では、業務計画としての「手順計画」と「工数計画」、期間に関する計画 としての「日程計画」の3つの計画が必要となります。 それぞれの計画の特徴について簡単に述べておきます。 ○手順計画 3つの計画の中で、一番基礎となるのが手順計画です。手順計画は、作業方法 について具体的に定めた計画で、内容としては、作業の品質が揃って、安定した 生産が可能となるように、誰でも分かるように作業方法が標準化して示され なければなりません。 ○工数計画 工数計画は、納期と生産量から見積もられる仕事量から必要な人員と機械台数を 計算し、現有の能力を調整するための計画です。なお、仕事量があまりにも多く、 現有の生産能力を上回っていれば、人員を増やしたり、残業時間を増やしたり、設 備を改善するなどの対策が必要です。 逆に、下回っている場合には、生産余力の転用を検討することも必要です。 ○日程計画 日程計画とは、計画達成に必要となる作業日程を決定する事です。 そして、その作業期間の長さに応じて、短期、中期、長期の3段階があります。 それぞれ以下のような計画名で呼ばれています。 ・小日程計画:週または旬単位で行う生産統制で、生産現場で実際に起こるさま ざまな事故や設備の故障などによる作業の遅れを考慮して行う計画の微調整な ども含まれる。 ・中日程計画又は月次計画:月単位で行う生産統制 ・大日程計画:半年〜1年単位で行う生産統制 ■在庫計画・設備投資計画の作成 □在庫計画の作成 ●在庫計画作成のポイント 完全な受注生産や予約セールスなどの場合を除き、仕入れた商品は在庫となる。 適正な在庫は販売チャンスを的確につかむことにつながり、販売活動にある程度の 在庫は不可欠な要素となりますが、その反面、保管コストや資金的な負担、また、 陳腐化や物理的な損傷などによる商品価値の低下をもたらす恐れもあり、慎重な計 画が必要です。 在庫計画策定においては、一般的に「売上高の何カ月分」などといった表現をしま すが、ITインフラを活用して効率化させれば、在庫を少なくすることができ、その分 在庫リスクを低減することが可能となるでしょう。 中でも、販売時点情報システム(POS)等の導入は、売れ筋商品情報を素早くつか むことができ、そのため、売れるものを確実・迅速に仕入れ、かつ、生産活動にも連 動させることができ、生産ロスを少なくすることができるでしょう。 在庫計画策定のステップとしては、まずは自社にとっての適正在庫の基準を考える ことが必要です。 適正在庫とは、いつでも出荷できる必要最低限の在庫のことです。 ちなみに、日次の適正在庫は次の式で求めることができます。 日次の適正在庫数量= 1日の平均販売数量+リードタイム(※)日数×1日の平均販売数量 ※リードタイム:商品の発注から納品までに費やされる時間のこと。 ●在庫計画作成時の留意点 通常、仕入は、販売(現金化)に先行して行われるため、過剰、余剰在庫の存在は、 会社の資金が固定化された状態になります。 したがって、最低限必要な適正在庫(恒常在庫)は、借入金ではなく、安全資金であ る自己資金で確保することが望ましいとされています。 ■設備投資計画の作成 □設備投資計画作成のステップ 設備投資計画は、販売計画達成には既存設備だけでは能力が不足する場合や老 朽化した設備の代替が必要な場合に、生産能力の維持増強のため「何に」「いつ」 「どれだけ」投資るのかを明らかにするため の計画です。 上記の「何に」に該当する設備投資は、土地 や建物、機械装置、車両運搬具などの有形 固定資産を主な対象としています。 実際の計画を作成する際には、一般的に、 投資を目的別に分類し、各目的別に具体的 な投資内容を記述し、設備投資案ごとに投資 採算性の分析を行います。 長期にわたって使用する設備の購入金額 を、購入時の費用とせず、その使用期間に わたる各年度に規則的に費用配分する方法 を「減価償却」と言います。 以下が実際の簡易な計算例です。主な設備の使用期間を見積もったうえで、購入 金額をその使用期間(年数)で単純に割り、見積もります。 ●計算例 導入設備:A製造装置 設備購入金額:10,000千円 見積使用期間:10年 年間減価償却予定額:10,000千円 ÷ 10年 = 1,000千円/年 なお、設備投資は長期に資金が固定化されるため、投資段階での資金調達のタイミ ングや投資効果測定、投資資金の回収予測などの検討は欠かせません。 □設備投資計画作成の留意点 設備投資は、それを行うと資金が固定されるうえに保険料や借入金の金利支払い などが発生し、資金繰りに支障を来たす危険性もあります。 また、設備自体も固定化されるため、製品の変更やそれに伴う製造工程の変更も 行いづらくなります。 したがって、そうしたリスクを回避するために、「外部資源の活用」や「設備自体の転用 可能性の確保」を考慮に入れて検討することが大切です。 外部資源の活用とは、自社競争力の維持に不可欠な工程ではない場合に、自前で 設備を持たず、アライアンス(提携)先や協力会社、アウトソーシング、OEMなどを 活用することを言います。 また、設備自体の転用可能性の確保とは、他の製品への転用やライン変更への対応 が柔軟にできるかどうかを言います。 そのような点を考慮し、できるだけ柔軟性のある設備となるようにすることが大切です。 場合によっては、機械設備への投資の代わりに、より柔軟性が期待される工員の 働きを増員することによって強化することも検討に値します。 ■人員計画の作成 □人員計画策定のステップ 販売・生産・設備投資計画などを作成した段階で、事業(プロジェクト)に必要な人員 数の計算を行います。 人員の選定にあたっては、キャリアパス(仕事能力向上のための職場の異動経歴)、 スキル(事業の各業務内容に見合った経験や能力)、その仕事に対する適性などを 考慮して決定し、人員計画をまとめることになります。 なお、ここで注意が必要な点として、それらの人員の選定を全て新規採用メンバーで 行おうとすると、既存組織との軋轢が発生しかねません。 そこで、新規事業(プロジェクト)として社内に特別プロジェクトが編成された場合に は、既存組織などへの業務連携や業務引き継ぎを円滑に進めるため、既存組織の 事情に精通した人員も確保しておくと良いでしょう。 □人員計画作成のポイント 人員計画のポイントとしては、まずは当該事業(又はプロジェクト)の遂行には、 どんな業務が必要なのかといった、「仕事ありき」の考えで、仕事の見積もりを行い、 そこに必要な人員を割り付けるという順序で計画を作成します。 具体的には、まず各業務の内容に関する定義と必要と思われる業務に関するリスト を作成し、誰がどの業務を担当するかを決定します。 この時点でのポイントは、業務の定義の厳密さよりも網羅性に重きを置くことです。 業務に対する人員の割り付けにあたっては、必要なスキルを検討するとともに、 必要とされる人材像のイメージをある程度明確にし、人数の見積もりを行います。 なお、予定人数については、事業の進展の如何によって必要となる人数やスキル などが変わってきますので、大体3〜6カ月単位で計画自体の見直しを行うと良い でしょう。 また、当該事業(またはプロジェクト)の遂行に複数の既存組織が関わる場合には、 そうした業務を組織部門単位に割り付けることが必要です。 このときに大切なことは、プロジェクトチームから既存組織部門への仕事(必要と考 えられる業務)の引き継ぎをどのタイミングで行うかといったことです。 その際は、1つの考え方として、企画段階からの参画度合いなどを検討材料にして 割り付けを決定すると比較的円滑にいくでしょう。 ただ、そうした場合でも、くれぐれも各組織部門への説得や根回しは怠りなく行って くことが肝要です。 □人員計画作成のその他留意点 人員計画作成におけるその他の留意点として、「人件費予算と人員数」及び「業務、 人材のアウトソーシング」について述べていきます。 ●人件費予算と人員数について 新規事業の遂行などにおいては、特に事業全体の予算計画は大切なことですが、 中でも人件費に関する予算のあり方も、その成果を左右する大切な要素となります。 しかし、現実的な面で、事業全体ですら十分な予算で遂行することができないため、 人件費予算も得てして不十分なものになりがちです。 そうした場合での判断基準としては、現実問題として、必要なプロジェクト業務や職 種に、重点的に適材を投入することが必要となるため、派遣社員などの外部人材の 活用を視野に入れ、人件費の変動費化を進める弾力的な意思決定で臨むことが肝 要です。 このように、人員計画を立てるうえでは、変動要員を、業務の繁閑に応じて確保する かがポイントとなります。 なお、人員計画には新規採用の人数を見積もる目的の他に、現有人材のローテー ション(部門内・部門間含む)と人事戦略面の検討も加えることが肝要です。 人員計画で参考となるデータとして、労働生産性と労働分配率を算出する以下の計 算式が参考となります。 労働生産性とは、労働力(単位時間当たりの労働投入もしくは、社員1人当りの付加 価値)1単位に対してどれだけ価値を生めたかを指す指標です。 また、労働分配率とは、付加価値に対する人件費の割合をいいます。 ・労働生産性=生産高(売上高)/従業員数×付加価値/生産高(売上高) ・労働分配率=人件費/従業員数÷付加価値/従業員数 =1人当たりの人件費÷付加価値生産性 したがって、 「労働生産性が高くなる→労働分配率が低くなる」 「労働生産性が低くなる→労働分配率が高くなる」 という労働生産性と労働分配率の相互関係 が成り立ちます。 つまり、人件費を増加させるためには、付 加価値を増やすか分配率を高くするか、 のいずれかになりますが、分配率を高くす れば収益が悪化するため、人件費予算策 の基本戦略としては、分配率を上げないで 付加価値を増やす対策を考えることが肝です。 また、人を増やさず生産高を上げる手段と しては、生産設備の増強投資などによって 生産能力を高めることも検討に値しますが、 それには結果として売り上げの拡大が見込めるようでなくてはなりません。 ●業務、人材のアウトソーシング(外部委託) アウトソーシング(外部委託)とは、限られた経営資源を重点分野に集中するため、 外部企業へ委託することをいいます。 アウトソーシングは業務の企画や計画からマネジメントまでを包括しており、組織体 制の不備を補えるため、特にベンチャー企業からのニーズは高いといえます。 また、現在では、従来難しいとされていた営業や経理業務などにも委託業務が広が り、企業として必要不可欠な業務を、内部に設置するよりもコストを抑えて活用でき るといったメリットもあります。 なお、アウトソーシングの活用にあたっては、外部委託とはいえ、自社の経営機能を 補完して円滑な業務推進を図る目的で行うわけですから、会社全体で計画を理解す ると共に、委託先との業務内容における解釈や責任範囲などに十分配慮すること が必要です。 また、派遣社員の活用の件では、必要に応じて人材の確保の一環として考えること が肝要です。 場合によっては、コアになる人材にも、正社員以外に派遣社員などの外部人材の登 用を考えるべきでしょう。 なお、正社員以外の労働者は、派遣社員のほかに、 ①期間労働者 ②契約社員 ③嘱託 ④パートタイマー ⑤アルバイト といったカテゴリーで分けられますが、その必要となる仕事の内容によって臨機応変 な採用を考える必要があります。 ■資金計画の作成 □資金計画の作成 資金計画は企業の安定・維持・成長のために必要な資金を調達・運用し、利益を生み 出すための計画です。 資金計画は大きく分けて「資金調達計画」「資金運用計画」「資金繰り計画」の 3つから構成されます。 資金調達計画とは、設備投資資金(建物、生産設備、店舗など固定資産の取得などに 使用する資金)などを調達するための計画を言います。 資金運用計画とは、調達した資金の「使い途」を示したものです。 また、資金繰り計画とは、現実の事業を存続させていくために、常に現金がショートする ことなく循環させるための計画です。 前者2つの計画は比較的長期の資金を扱いますが、それに対して後者の資金繰り 計画は、日々の債権回収、債務支払いなどの短期資金を扱うのが特徴です。 なお、資金計画の策定においては、必要な資金計画のレベルとして、それが社内の 一部門(プロジェクトも含む)で策定される事業計画では、一企業レベルで行うような 厳密な資金計画は必要とされません。 なぜならば、基本的には経理や財務部門が資金の調達、運用などについて一元的に 管理を行うからです。 ただし、ベンチャー企業や、大手企業であっても事業部制や社内カンパニー制をとって いるところであれば、独自の厳密な資金計画を立案する必要があるでしょう。 □資金調達計画 ●資金調達計画作成のステップ 金調達の源泉としては、自己資本(資本金 や内部留保金)か、他人資本(金融機関 などからの借入金や社債)になります。 自己資本を当てるのであれば、自己資金の 手持ち状況をチェックしたうえで、その資金 を利用しても問題が生じないかどうかを検 討する必要があります。 また、他人資本で調達しようとする場合に は、金融機関によって借入金額の限度枠 や返済期間、その利息などが異なること にも留意し、場合によってはその事業(プ ロジェクト)が、利息などの面で事業者に優遇措置が施される制度融資の適用対象 となるかどうかも調査・検討しながら、資金調達計画の策定を行います。 ●資金調達計画作成のポイント及び留意点 資金調達の中でも、特に設備資金については、投資しても売上利益を通じて回収さ れるには長期間を要するため、長期の資金で調達することが望ましいと言えます。 また、その他の留意すべき点として、予め考慮しておかなければならない点として、 決算資金や季節資金という臨時の資金需要が発生することがあることです。 決算資金とは、企業の決算に伴って発生する法人税などの支払いや役員賞与、 配当金などの支払いによって必要となる資金のことです。 季節資金とは、毎年特定の季節に定期的に発生するもので、売上が特定の時期に 集中するために発生する在庫手当や従業員への夏期・冬期賞与などに必要となる 資金を言います。 事業を進めるうえで、このような資金需要があることを踏まえて、そのような資金を どうやって調達するかを考えていくことも必要となります。 □資金運用計画の作成ステップとポイント 資金運用計画とは、前述したように調達した資金の「使い途」を示すものですが、 資金の調達と資金の使途とを対比すること、すなわち、資金の調達(当期利益、 減価償却費、借入金、前期繰越金など)と、資金の用途(投資、借入期の返済、 租税公課など)を考慮に入れて計画することが必要です。 そのためには、通常、年度ごとの資金運用表を作成します。資金運用表とは、年度 計画を 実現するため、資金の流れを計画するものです。 この計画を基に資金調達が行われます。 □資金繰り計画の作成 ●資金繰り計画作成のステップ 事業(プロジェクト)を推進するうえで、資金繰り計画の作成は欠かせません。 資金繰り計画とは、事業(プロジェクト)の遂行に必要な現金をショートさせることな く循環させていくための資金計画のことをいいます。 つまり、資金の「入」と「出」を的確に見積もり、支払不足に陥らないように対処する ことです。 そして、この資金繰り計画に基づいて、銀行からの借り入れや増資、債券の発行な どの対策が実施されることになります。 具体的な策定方法としては、月次計画や週間計画、日々計画を基に、資金繰り表 を作成します。 資金繰り表を作成する目的は、資金の収支から資金残高を計算し、資金不足を起 さないように管理していくためのものです。 一般的な内容としては、3ヵ月程度の、資金の回収、資金需要と残高を計算できる ように作成します。 つまり、売り上げによる売掛金がいつどのように回収されて、買掛金や給与、経 費の支払いにいつどのように消えていくかを明らかにします。 ●資金繰り計画作成の留意点 資金繰り計画の作成にあたっては、借入金の増減や月々の返済額の推移に留意す る必要があります。 また、その他の留意すべき点としては、商品を販売する事業形態の場合、支払い でウェイトが高いのは、やはり仕入代金である買掛金の支払いです。 仕入代金の支払いは、売上代金の回収に基づいて自社でルールを決められるため に計画自体は立てやすいと言えますが、場合によっては支払条件が取引契約で定 められていたり、売れ筋商品などの場合には、在庫を切らさないように在庫手当に よる仕入も必要となることがあります。 したがって、資金繰り計画における「支払い」は、仕入、売上、在庫の各計画と連動 させて、その他の必要経費なども含めて計画を作成する必要があります。 お問合せ・ご質問はこちら メルマガ登録(無料)はこちらから |