顧客DB(データベース)を活用して業績向上
 

  あなたの会社には顧客DB(データベース)があるだろうか? 

  大企業では当然の顧客DBも中小企業においては、まだまだ普及しているとは言えません。

  ■顧客DBとは? 

   それは「顧客そのもの」です。

   顧客の社名や氏名、所在地などの「基本情報」から、顧客が何をいくらで、いつ買っ
   たかという「購買履歴情報」、そして、どのような問い合わせやクレームを受けたかと
   いった「接触情報」など。

   これらすべての情報が詰まった電子情報の“懸場帳(かけばちょう)”が「顧客DB」
   なのです。

   この電子版「懸場帳」には、顧客の過去の動きだけではなく、今日あるいは近い将来、
   さらに長期的な将来のニーズが見えてきます。

   それゆえに顧客DBは「顧客そのもの」であり、顧客DBを重視する会社は「顧客第一
   主義」を標榜し、顧客を大切にする会社なのです。

   自社にふさわしい適切な顧客DBを構築することは、顧客をよく分析し、顧客の真の満足
   を追求することに等しいのです。

   今日、多くの中小企業が「顧客第一」を経営理念に掲げているが、こうした会社にとっ
   て、顧客DBは経営の根幹に当たる重要な財産と言えます。  
    
  □CRM
   顧客DBはCRM(Customer Relationship Management:顧客満足度を向上させる
   ために、顧客との関係を構築することに力点を置く仕組み)という経営手法を実践するた
   めの一手段でもあるのです。

   DBは、ただそれを眺めているだけでは何一つ経営効果を生みません。

   ここで大切なことは、顧客DBを分析し、そこから
   得たヒントや仮説、事実に基づき、これまでより
   も優れた顧客対応を行うという経営手法を取
   り入れることです。

   CRMとは、顧客との「関係性」に着目し、顧客
   を「得る」のではなく、顧客とのより良い関係
   性を維持することを主眼にした経営のことを
   いいます。

   昨今、このCRMへの取り組みが中小企業に
   強く求められています。

  □中小企業にCRMが必要な理由
   ・顧客、消費者が会社(店)を主体的に選ぶお客様主導の
    時代になった。

   ・競争相手は、従来の同業者から、異業種やインターネット
    店舗等、多面的になった。

   ・消費者が商品選好に自己基準を持つようになった。

   ・規制緩和が進み、中小企業は競争による切磋琢磨が求められるようになった。

   ・顧客志向の商品開発力の差が売上高を左右するようになった。

   ・顧客、受注元への商品提案力の差が売上高を左右するようになった

   ・購買後に展開される「アフターマーケティング」の有効性が増してきた

   ・人口、世帯数の減少

   ・国内の企業数が減少傾向にある

   このような時代の変化の中、中小企業はどのような目的を持ってCRMに取り組めばよい
   のでしょう。

  □中小企業にとってのCRMの目的

   「マスマーケティング」から「ワンツーワンマーケティング」を実践するために顧客管理
   を行う。

   顧客DBは、ワンツーワンマーケティングを実践する際の中核的なツールです。

   マス・マーケティングからワンツーワンマーケティング 

     ・ 顧客獲得      →      ・ 顧客維持

     ・ 販売取引      →      ・ 関係づくり

     ・ 製品の差別化   →       ・ 顧客の差別化

     ・ 商品管理      →       ・ 顧客管理

     ・ 市場シェア     →       ・ 顧客シェア

     ・ 販売促進中心   →       ・ 顧客サービス中心
 
   「アフターマーケティング(継続した満足を提供するための販売後のすべてのマーケ
   ティング活動) 」を実践するために顧客管理を行うのです。

   顧客管理は、商品購入後のアフターマーケティングを的確に行うことを可能にし
   てくれます。

   購買後に顧客が予想していた以上に、または、予想もしていない顧客に対して、期待以
   上の満足感を与えて、ファン化を生み、次回以降の購買に結びつけるのです。 

  □基本情報の整備から始める

   得意客に年賀状などを出すとき、ほとんどの会社(店)がパソコンで宛先面の住所・社名
   を印刷していると思います。

   また、営業日報などに顧客別の注文履歴や仕入担当者の趣味といった情報をメモしてい
   る営業担当は少なくないはずです。

   このように、既にこの時点で中小企業の“顧客DBづくり”は始まっているのです。

   顧客DBは、これらの顧客に関するさまざまな情報を再整理し、拡充したものです。

   □顧客の基本情報

   上記の年賀状を出す際の住所・会社名などがこれに該当します。

   ただ、この情報の用途は、単に年賀状などを出すためだけにとどまりません。

   以下のように「顧客の基本情報」の全体像を認識することです。

    <主な基本情報>

     ・ 顧客ナンバー(同姓同名の顧客もある
      ので必ず顧客番号を付ける)

     ・ 氏名(会社名)・ヨミガナ

     ・ 性別(または会社の業種分類など)

     ・ 郵便番号

     ・ 住所(所在地)

     ・ 電話/FAX番号

     ・ e-mailアドレス

     ・ 創立年月日

     ・ 会社の場合は担当者名

     ・ 資本金や任意に決めた信用(与信/売
      掛上限)ランクなど

   ここまでの顧客情報をパソコンで管理すれば、とりあえず
   顧客の住所・氏名を印刷したり、販促のe-mailを出したり
   できるようになります。

   しかし、自社(店)の抱える顧客数は相当数に上るでしょう。

   そのためにも、「顧客の基本情報」をしっかり登録・管理できる体制づくりが欠か
   せません。

  □履歴情報は顧客DBの要

   「購買履歴情報」を入力します。

   上記の基本情報だけならデータベースソフトを用意しなくても対応できるでしょう。

   「年賀状ソフト」で十分です。

   しかし、これから入力する顧客の購買履歴情報は、最低でも表計算ソフト  
   (Microsoft Excelなど)、
   一般的にはデータベースソフト(例:Microsoft Accessなど)を用いて管理します。

   この購買履歴情報をデータベース化することで、ワン・トゥ・ワン・マーケティング、
   すなわち全顧客共通の対応ではなくて、顧客ごとに最適な対応を行うことが可能になる
   のです。

   顧客DBの要(かなめ)は、この購買履歴情報にあります。

    <主な購買履歴情報>

     ・ 購買日(もっとも最近購買した日)

     ・ その時の購買商品名・商品型番

     ・ その時の購買額

     ・ 必要に応じてポイント還元額
  
   購買日の情報は、一定期間における購買回数をカウントすることにもなるため、結局は
   購買頻度の程度が分かることになります。

   例えば、1年間で2回購買した顧客と、4回購買した顧客では、購買頻度は2倍の違いがあ
   ります。

   また、1年間(12カ月)で3回購買した顧客は、4カ月ごとに購買していることとなり、
   この履歴情報から、次回購買する時期が予想できるようになる。

   その予想購買時期の直前にダイレクトメールを出せば効果的でしょう。

   さらに、購買商品の傾向を顧客ごとに把握することによって、次回購入しそうな商品を
   予想できます。

   このように、購買履歴情報は過去の購買履歴から近い将来の顧客の動きを見通すことが
   できるのです。

  □信頼度アップに必要な顧客接触情報

   顧客DBの仕上げは「顧客との接触情報」です。

   特定できない顧客からの問い合わせは記録しようがありません。

   しかし、既に登録されている顧客であれば、「先日購入した商品の別仕様の商品はないの
   か」といった問い合わせ内容を記録しておくことができます。

   また、クレーム情報や競合他社のアプローチ情報など、「購買以外」の顧客との接触情報
   を記録していきます。

  情報の共有化 

   例えば、ある顧客が自社(店)の社員Aに伝えたことを、他の社員BやCも共有していると
   します。

   この情報共有の事実を顧客が知ったとき、売り手企業への信頼感は間違いなくアップ
   するはずです。

    <主な顧客接触情報>

     ・ ニーズ関連情報(○○の商品はないのか、など)

     ・ クレーム関連情報(商品や社(店)員などに対するクレーム)

     ・ 競合動向情報(競合会社の価格や提案事項)

     ・ その他、顧客が発した言葉や、顧客と接することで得た情報

  □顧客情報を収集する際のポイント

   顧客管理はワン・トゥ・ワン・マーケティング(一人ひとりの顧客と強固な関係づくり)
   を実践するための手段として行います。

   顧客情報そのものに価値があるのではなく、自社にマッチした活用をすることに意味が
   あるのです。

   収集した顧客情報の管理には十分に配慮しましょう。

   顧客のプライバシー情報保護意識は相当高くなっており、使いもしない情報を収集する
   と逆効果(不信感を抱かれること)もあります。

   顧客DBの構築はスタートから無理せず、徐々に情報を積み上げていくことが継続の
   秘訣です。   

   顧客DBが未整備の中小企業では全顧客に共通のメッセージを送ることしかできません。

   これはロスの多い“前時代的な販促(マスマーケティング)”です。

   顧客DBを活用した販促では、それぞれの顧客に合った内容に加工した販促情報を送る
   ことで大きな効果が得られるのです。

   多くの中小企業は顧客DBを活用した販促の経験に乏しく、データベースを保有して
   いる会社(店)の中には、「データベースを作成したが、活用方法が分からない」という
   場合があります。

   これは、その会社が、「マーケティングに活用
   するためにデータベースを作成した」のでは
   なく「データベースの作成自体が目的」になっ
   てしまったために発生する問題です。

   データベース・マーケティングは、「何のため
   にデータベースを作成し、どのように活用する
   のか」という目的を明確にすることから始まり
   ます。

   データベース・マーケティングを実践する基本
   的な目的は、マーケティングの第一人者であ
   るフィリップ・コトラーは、

    顧客一人ひとりをよく知ることで顧客とのリレ
    ーションを強化し、よい取引関係を継続させ
    ていくこと

   です。

   この目的を達成するために顧客情報に関するデータベースを作成し、自社のマーケティ
   ング活動に役立てていくのがデータベース・マーケティングです。
   
  □ライフタイムバリュー(LTV:顧客生涯価値) 

   現在では、マーケティングにおいて、顧客一人ひとりとのリレーションを強化していく
   ことで自社の利益につなげていくという考え方が主流となっています。

   こうした考え方に基づく指標が「ライフタイムバリュー(LTV:Life Time Value=顧客生
   涯価値)」です。

   ライフタイムバリューとは、顧客が一生涯の中で自社にもたらすと期待される利益のこと
   で、分かりやすく表現すると「ある顧客が一生涯の中でどれだけ自社に対して利益をもた
   らしてくれるか」を意味しています。

   データベース・マーケティングを繰り返し行い、自社の利益を拡大させ、顧客にも喜ば
   れる「自社と顧客のよい関係性」を追求し続けることになります。

   顧客維持率を向上させるには顧客一人ひとりに即したアプローチを心がけたワンツーワン
   (One to one)マーケティングが欠かせません。

   マーケティングにおいては、データベース・マーケティングを繰り返し行い、自社の
   利益を拡大させ、顧客にも喜ばれる「自社と顧客のよい関係性」を追求し続けること
   になります。

   データベース・マーケティングを行う方法はさまざまあります。

    ・ 直接訪問

    ・ 電話  

    ・ FAX  

    ・ メール  

    ・ DM(ダイレクトメール)

   今までは、上記のどのやり方であっても多くの会社(店)が場当たり的に活動してきま
   した。

   しかし、データベースの活用による営業活動を行うことで、上記のやり方も効率・効果
   的な手法になります。

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