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ベンチマーキング |
自社の経営力向上のために、日頃から「他企業のよい点は積極的に取り入れたい」と すでに成功している企業の経営手法を参考にすれば、自社でゼロから考えるよりも しかし、「もっと上手な商売や仕事のやり方はないかな」と漫然と探しているだけでは、 より効果的に成功企業の経営手法を取り入れるための、ベンチマーキングの手法に 1.ベンチマーキングとは ベンチマーキングとは、競合他社、異業種企業の優れた経営手法を研究し、自社と 簡単にいえば、成功企業の優れている部分を自社流にアレンジして取り込むという 比較的大きな会社であれば、社内の他部門から学べることもあるでしょう。 でしょう。 客として入店し、料理の味、接客、価格、調度品などを確認します。 自店よりも優れていて、かつ導入可能なものについては自店に取り込もうとする これらの一般的な視察だけでも、有力な情報が得られることはあります。 このような味が出せるのか」、「なぜこんなに心地よい接客が提供できるのか」 ベンチマーキングとは、視察による表面的な「観察」を超えて、なぜそれらが たとえば、飲食店が新たにデリバリーサービスを開始する際には、すでに宅配ビジネス 近年ベンチマーキングが注目されているのには理由があります。 向上を図る」といった、過去の延長線上に目標が設定されます。 しかし今まで通りのやり方で目標を設定していたのでは、経営の革新はできません。 今後、他社よりも優れた経営を行うため、迅速に経営に結びつけるスピードが大切に 近道になるとして注目されているのです。 2.ベンチマーキングの対象 ベンチマーキングの対象は次のように分類できます。 内部ベンチマーキングとは、組織内、自社内、グループ内など、似通った たとえば、長時間残業が続くスタッフ部門のなかで、経理部だけはほぼ定時 同様に営業一課と営業二課の比較、第一工場と第二工場の比較などから、 社内部ベンチマーキングは、細かいデータまで収集できるため、より緻密な 一方で、あくまでも組織風土や仕事の進め方が似通った内部での比較になる 競合ベンチマーキングとは、自社と競合する業種の企業から学ぶことです。 自社が飲食店であれば、競合する繁盛店の秘訣を学ぶということになります。 究極のベンチマーキングでは、自社の課題解決のために、すべての成功企業 しかし、それでもできるだけ多くの繁盛店を参考にするほうが、より自社に したがって、物理的に訪問が容易な地域を中心に数多くの繁盛店の事例を比較 また、ときには自店が存在する地域と食文化や生活習慣が全く異なる地域 ベンチマーキングの対象は競合他社にとどまりません。 機能ベンチマーキングとは、比較対象となる機能を有する自社業界以外の 大手企業の機能ベンチマーキングの例としては、ゼロックスが全くの異業種 たとえば、飲食店の「接客」については、多くの小売業やサービス業の接客を 異業種であるため、業界内の慣習や常識の範囲では解決できない問題に ベンチマーキングをより効果的に行うためには、次のような手順で進めます。 なお、ここでは「競合ベンチマーキング」と「機能ベンチマーキング」を想定して 企業成長のためには、「社会動向」、「顧客動向」、「新技術」など、あらゆる 環境の変化が読みにくく、かつ変化のスピードが加速する今日においては、学びの ベンチマーキングは自社の経営課題解決のための最適解を、すでに成功している 社長は従業員に対して「ベンチマーキングは成長の早道である」ことを説明し、 社長自身がベンチマーキングから学んだことを従業員に詳細に説明することなども ベンチマーキングは通常のPDCA(「計画」、「実施」、「評価」、「改善」) サイクルを応用した、SPDLIサイクルに沿って進めて行くのが一般的です。PDCAサイクルはすでに決まったことをいかにきちんと行っていくかに力点が おかれていますが、SPDLIサイクルでは、「何を学び、何を革新すべきか」という 戦略段階から始めます。 また、成功例から徹底的に学ぶというフェーズが入っていることも特徴です。 (1)戦略策定(Strategy) 戦略とは自社のめざすべき姿に近づくためのシナリオのことです。 多くの企業ではすでに中期経営計画などで戦略を策定していると思いますが、 自社が今後さらに強化していきたい「強み」や、成長の妨げになっている「弱み」 ここからは「顧客満足度向上」を戦略テーマの例として以下のフェーズを説明 実際にどのようにべンチマーキングを行うか明らかにします。 ベンチマーク先の候補企業(組織)の選定、ベンチマーキングのための プロジェクトチームのリーダーは当該戦略テーマについての責任を担っている ここでは、ベンチマーク対象に応じた自社の業務プロセスを分解・分析する 自社ではどの部署がどのような活動を行っているか、顧客評価をどの これにより次のフェーズの「情報収集」でベンチマーキング企業との 次のようなベンチマーキング設計シートをあらかじめ準備しておき 計画にしたがってベンチマーキング候補企業の情報を収集します。 情報収集には新聞、経済誌、業界専門誌、業界団体が公開している統計資料、 また、商工会やコンサルティング会社が行っている「成功事例セミナー」、 さらに先方企業から直接ヒアリングする方法もあります。 競合企業からのヒアリングは困難かもしれませんが、機能ベンチマーキング先 「学びたい」という姿勢を前面に出して、疑問点を聞いてみましょう。 なお、その際に相手から求められた場合は自社の情報も公開することが 前述のベンチマーキングシートを使って、自社の業務プロセスや満
(4)学習・分析(Learning) 複数のベンチマーキング候補企業から情報が収集できたら、そのなかから特に優れており、かつ自社でも対応可能と思われる手法を抽出します。 そして、自社の業務プロセスと比較してそのギャップを明らかにし、ギャップ を埋めるためには何をすればよいかを分析します。 分析結果はベンチマーキング分析シートにまとめ、プロジェクトメンバー 全員が認識を共有します。 そしてすべてのベンチマーキング項目について、「誰が、いつまでに、 どの水準を達成するか」という具体的な実行計画を策定します。 計画は実際に活動に取り組む現場の理解を十分に得ながら進める必要が あります。 また、達成状況を正確に把握するために、目標はできるだけ数値化します。 ◎戦略テーマが「顧客満足度向上」の場合の例 たとえば、ベンチマーキング先企業が10名の顧客対応専任者をおいている 場合などは、自社でそれをすぐに実現することは難しいかもしれません。 その場合は、ベンチマーキング先企業と自社の企業規模や顧客数の違い などから、自社が当面めざすべき体制を考えます。 (5)革新(lnnovation) 「学習」の結果を踏まえた計画を実行します。 それぞれの活動についてプロジェクトリーダーはつねに進捗状況を確認し、 そして、すべてのベンチマーキング項目が達成された場合に、それが十分な 不十分な場合はベンチマーキングの項目と達成水準を見直して、SPDLI このサイクルを粘り強く回し続けることがより高いレベルでの戦略実現に
3.留意点 (1)本質をしっかりと学ぶ ベンチマーキングは、たんなる「ものまね」ではありません。 優れた企業の手法を学ぶためには手法そのものだけではなく、「なぜその 冒頭であげた飲食店の例では「なぜこの値段でこのような味が出せるのか」 同様に本項で取り上げた「顧客満足度」についても、なぜベンチマーキング ベンチマーク項目を検討する際にはその点を十分に留意する必要があります。 また、ベンチマーク先企業は長年の取り組みの結果、成功手法を身につけて 自社がそのレベルに短期間で追いつくのには、相応の努力を覚悟しなければ
(2)ヒントはどこにでもある ベンチマーキングを進めるうちに、「あの会社(業界)だからできることで しかし、ベンチマーキングとはそもそも、自社内のこれまでのやり方だけでは 最初はベンチマーキング先の施策が特別にみえて当然なのです。 特に異業種から学ぶ「機能ベンチマーキング」ではライバル企業がまだ 自社の常識や発想とはかけ離れたところに、問題解決のヒントが眠っている □ベンチマーキングのプロセス ベンチマーキングのプロセスは、「ベストプラクティス」を発見し、取り入れ、そのベ これを継続的に実施することにより、具体的なシステム改善の状況、効果を把握します。 一般的なベンチマーキングのプロセスをまとめると、次のようになります。 ここでは、ベンチマーキングの基本的導入事例として、「業務改善」をテーマに進めて まず、どの業務にベンチマーキングを適用するかを検討します。 例えば「工場から小売店店頭までの物流の見直し」「検品作業の効率化」「残業を まずは自社が他社よりも劣っているのではないかと思われる業務をいくつか選び、 できることから着手し、ノウハウを身につけた後で高度なベンチマーキングにチ 改善する業務が決定したら、ベンチマーキングにより問題点を明確化します。 この段階では、公表資料を中心に他社と自社との比較検討を行います。 新聞、雑誌の記事、インターネット、あるいは官庁や業界団体の各種統計資料、 自社のデータについては、把握できるものは数値化し、「なぜ改善が必要な 調査した各種データをもとに、すでに成功していると思われる企業の経営手法を 対象相手は1社である必要はなく、複数の企業からそれぞれの優れているとこ この対象相手の選び方によって目指すべき目標が定まりますので、非常に重要 対象相手の選び方はベンチマーキングしたい業務によって異なりますが、選び方 (1)社内ベンチマーキング 社内のほかの事業部や関連会社などを比較対象とする方法です。 社内ベンチマーキングは、細かいデータまで収集できるため、より緻密な分 一方で、あくまでも組織風土や仕事の進め方が似通った内部での比較にな 同業他社を比較対象とするベンチマーキングでは、当然業界トップ企業が対 同業他社という点で直接交渉して情報を得ることは難しいかもしれませんが、 他業種の同一部門を比較対象とするベンチマーキングです。 直接事業に関わる部門では比較しにくいのですが、総務、人事、広報など、 他業種のため、比較的容易に情報を公開してもらえます。 業界、業務に限らず、広く比較対象を選定するベンチマーキングです。 例えば、「検品について」なら検査を行う作業はすべてベンチマーキングの対 契約書の内容、領収証の発行の仕方、労務時間管理など、細かい業務工程 比較対象の選定が終わったら、「処理フロー」「保管方法」「スケジュール」「使 そして「付加価値性」「利益性」「効率性」「迅速性」などのベンチマーク項目 ベストプラクティスには、「どれだけの業績、生産性を上げることがが可能か」 と 自社の粗利益率は60%だが同業他社は75%の場合、この結果を目標として 例えば、同業他社が自動機械導入による省力化、臨時雇用による人件費削減、 作成したベストプラクティスをベースに、目標に到達するまでの期間や費用、労 例えば「納期短縮」をベンチマーキングの対象とした場合を考えてみます。 従来の自社の納期が6日でベストプラクティスが2日だった場合、いきなり2日に 目標では従来の半分である3日に設定するなど、実現の範囲内で定めます。 これに限らず、現状が数値で把握され、ベストプラクティスにより近づけることが 目標を実現するための具体的な導入計画を作成するのが、次の手順となります。 この段階ではあくまで実現させることが目的となり、詳細な計画を作成します。 計画を実行に移すのが最終段階ですが、ベンチマーキングの手法では、計画を 実際に「目標を達成できたのか」「効果はどの程度なのか」という評価を行うこと 達成のレベルを把握するためには、ベンチマークの把握を継続的に行い、常 常に効果を把握していれば、さらにベストプラクティスに近づけるよう、再度目標 |
静岡県静岡市のビジネス・ソリューション㈱です。
静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
企業運営に欠かせない3つの仕組みづくりを支援いたします。
経営者にとって重要課題は会社をつぶさないことです。
しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
少しでも多くの企業が、このような危機に見舞われず、最悪の事態を招く
ことのないよう、私ども専門家集団は事業運営に欠かすことのできない
マーケティング、業務改善、リスクマネジメントについて全力投球で支援
してまいります。
対応エリア | 静岡・愛知県内、東京周辺 |
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