FCビジネスを利用した新規事業と多角化


  大企業を中心に景気は拡大基調にありますが、多くの中小企業では「景気拡大の実感がな
  い」というのが実情ではないでしょうか。

  こうした中、「本業だけでは将来的な展望がもてない、何か将来性のあるビジネスはないも
  のか」といった悩みを口にする経営者は少なくありません。

  一時の消費低迷だけが問題であれば本業に注力し、徹底的なリストラを行うことでなんとか
  乗り切れるかもしれません。

  しかし、自社がおかれている事業分野そのものの将来性に不安をもつのであれば、多角化
  による新規事業を検討することも必要です。

  ■FC加盟による多角化のメリット

   最近は新聞や雑誌でもFC(フランチャイズ)の特集が組まれ、多くがFCについて
   の基本的な知識を持っています。

   FCビジネスは優れた企業のノウハウが手に入れられる、知名度の高さを利用で 
   きるといった一般的なメリットだけでなく、企業の多角化手段として考えた場合の
   FCビジネスがもつメリットにについて挙げてみます。

    1.自社で活用し切れていない人材を短期間で戦力にできる

      独自に新規事業分野への多角化を行うには、社外からノウハウをもった人間を
      スカウトするといった人材の確保が必要になります。

      そうでなければ、自社の人間が必要なノウハウを蓄積するまで待たなくてはなら
      ない。

      FCビジネスでは本部の用意するマニュアルやスーパーバイザーの指導に
      よって、それまで素人であった人間でも比較的容易に新規のビジネスを行う
      ことができます。

      そのため社内の斜陽部門で力を発揮し切れていなかった人材に新しい仕事を与
      えることも可能になります。たんにリストラで減量経営を行うというのではなく、
      雇用を維持しながら将来への布石が打てるわけです。

    2.事業計画が立てやすい

      独自で新規ビジネスを行うにしろ、FCに加盟するにしろ、企業で新しいビジネス
      を行う際に事業計画なしで投資を行うことは考えられません。

      一般的に未経験者が新規ビジネスに参入する際につくる事業計画書は机上の
      空論になりがちです。

      FCビジネスにおいては本部が過去の実績を基にしたシミュレーション資料を出
      してくれるはずです。

      成功確率が高いといわれるFC本部のシミュレーションでも100%確実というわ
      けではありません。

      しかし、一定期間以上継続している本部では失敗事例を含め多くのデータを保
      有していますので、比較的精度の高い事業計画を立てることができます。
        ※きちんとした本部では単年度だけでなく、3〜5年分程度の収益シミ  
         ュレーションを作成しています。

    3.事業の拡大が図りやすい

      新規に参入した分野の事業の拡大を行う際のことを考えると、FCビジネスは非
      常に好都合です。

      自社独自に行った事業で拡大を図るには、事業運営と並行してマニュアルを作

      成したり、指導休制をつくり上げていかなくてはなりません。

      しかし、FCビジネスであれば最初からマニュアルは準備されていますし、新しく
      参加するメンバーも本部の実施する研修を受けることができます。
        ※ただし、本部が多店舗展開を認めていることが条件になります。

  □FC加盟による多角化成功のポイント

   複数のFC本部の加盟店になるという手法で年間に100億円を超える売り上げを誇る
   までに成長した企業が出現したり、エリアフランチャイズ本部事業を展開している 
   企業が東証1部上場を果たすなど、FCを活用した新規事業の多角化はこれまで
   には考えられない展開をみせています。

   ここでは事例を交えながらFC加盟による企業の多角化の成功ポイントを紹介します。

    1.成長市場・成長FC本部を見極める

      FC加盟という方法によって、これまでの事業分野や保有ノウハウにこだわるこ
      となく成長分野への進出を検討することが可能になります。

      それだけに社会の状況・法的規制・消費者動向など広い視点で進出するべき成
      長分野を探すことが求められます。

      また、成長市場という視点と同時に成長FC本部を見極めることも必要です。

      成長しているFC本部では一見飽和しているような市場のなかでも業績を伸ばし
      ているようです。

      たとえば、建設業であっても飲食業のFCに加盟したり、製造業であってもサービ
      ス業のFCに加盟したりすることがあります。

      加盟の理由としては「経営理念に共鳴した」、「急成長しているFCである」、
      「従来とは異なるターゲットを狙っているところが魅力」、「他のFCにない高度
      なノウハウを有している」などがあげられています。

    2.経営資源を活かす

      FC加盟という方法をとることにより、まったくノウハウのない分野への進出が可能
      になり、自社の強みである経営資源を活かせれば、さらに成功確率は高くなり
      ます。

    3.本部の指導に従う

      企業がFC加盟店になる場合に限ったことではありませんが、本部の指導に従う
      ということが大きな成功ポイントになります。

      幅広いビジネス経験のあるFC事業部の責任者ほど、自分独自の工夫を加えよ
      うとする傾向があるので注意が必要です。

      また、FC事業部の責任者が本部の指導を受け入れているのに、経営者やほか
      の役員が口をはさんで混乱するといったことも多いようです。

      先に紹介した売り上げ100億円を超えるまでに成長した企業では「フランチャイ
      ズで成功するにはひとつのブランドから徹底的に学ぶこと。

      加盟店の権利を主張する前に、本部の要求を達成し義務を果たすべきです」
      としています。

    4.経営者がFC部門に関心を払う

      FCの運営実務についてはFC本部の指導事項を忠実に行うべきで、経営者は口
      をはさむべきではありませんが、FC部門には十分な関心を払う必要があります。

      これは本業を離れているFC部門の社員のモチベーションを高めるために不可欠
      なことだからです。

      FC部門の売上比率が低いと関心が薄くなりがちですが、将来の事業の柱になる
      こともあるので、折に触れFC部門の社員に声を掛けるなどモチベーションを維持
      する努力をしましょう。

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