サービス業としての保険代理店活動 

   
  ■保険代理店はサービス業

   形の見えない商品だからこそ、同業他社(店)との違い(差別化)が必要。

   保険商品そのものによる内容の違いでは差別化にならないのです。

   お客様が本当に望んでいるサービスとは何でしょう?  

   あなたにとって同業他店(店)との決定的な違いは何ですか? と、問われたとき明確
   に答えられるでしょうか。

   10,20年前ならいざ知らず、事故対応と答える方はいないと思いますが、明確に答え
   られる人はほんのわずかではないでしょうか。

   代理店にとって、メーカーである保険会社から、たんに商品を卸し、販売する仲介業
   ではないはずです。

   あなたは、お客様の抱える問題・悩みを解決していく問題解決業でなくてはならない
   のです。

   今後ますます業界の環境変化は厳しいものとなってくるでしょう。

   どんな環境にあっても、自社(店)における他
   社(店)との違いを構築していかなければなり
   ません。

   そうでなければ、代理店はどこも同じといった
   レッテルを張られてしまいます。

   他社(店)との違い 強み 差別化策 オリジ
   ナリティ 等々。

   言い方はそれぞれですが、あなたの「売り」を
   つくることです。

   それでは、どんな「売り」をつくりだせばよい
   のか。 

   そのヒントは、他がやっていないこと、真似の
   できないことをやることです。

   そして、やって当たり前のことをやることです。

   「当たり前のことをやって差別化になるのか」と思うでしょうが、現在に至るまで、その
   当たり前ができていないのが現状なのです。

   プロとしてやっていく限り、どんな業界でも変わらないはずです。

   例えば、契約していただいたり、紹介していただいたら、口頭でのお礼だけでなく、
   お礼(ハガキ)をする。

   更改落ちであっても、今まで契約していただいたお礼(ハガキ)をする。

   保険のプロとして「やって当たり前」は、お客様からすれば「してくれて当たり前」なの
   です。

   よく商品そのものを売るのではなく、「サービスを売れ」と言われます。

   保険商品で差別化を図っていくことは困難です。

   あなたは、競合他社とほとんど代わり映えのしない保険商品をどうやって販売して
   いきますか?

   価格の安さ? 熱意? それとも・・・。

   一昔前なら売れたでしょう。

   しかし、それが今では通用しないから、悩んでいるのではないですか!?

   これを解決するには、
    ・万人を対象にしない(「商品ありき」から「マーケットありき」)

    ・保険商品の価値(たんなる「モノ」ではなく「コト」)を売る

   を心がけましょう。
   
  □サービス活動

   お客様はあなたを「見た目で判断」しています。

    ・保険料に大きな違いがなければ、お客様は笑顔を選ぶ

    マナー(Manner)はマネー(Money)を生む

    ・笑顔に勝る武器はなし

   これらから分かるように、お客様は理屈であなたを選んでいるのではなく、感情であなた
   を選んでいることを再認識すべきです。

   お客様にとって、あなたの専門知識は「専門家なんだから当たり前」と思っています。

   あなたの扱う商品・サービスの良さは使ってみなければ分かりません。

   保険を利用する顧客は全顧客の10%くらいでしょうか。
    残りの90%の顧客はあなたの良さが分かりません。

   そんな90%の顧客に、あなたの良さをアピールしなければ顧客は他へ移ってしまいます。

   その予防策に、顧客の差別化を図ります。

   あなたの増収に貢献する優良顧客と、そうでない顧客を明確に区別しましょう。
   (区別する際に何を基準にするか:保険料、紹介頻度 等)

   あなたにとっての優良顧客とは、あなたの商品・サービスを多く、長期にわたって購入
   してくれます。

   お客様は「自分を大切に扱ってくれているかどうかを感じ取ることに敏感」です。

   増収の秘訣はただひとつ「顧客との接点拡大」です。

   単なる御用聞き営業ではなく、お客様が「何を望んでいるのか」「どんな問題を抱えて
   いるのか」を知り、解決のお手伝いをすることです。

   その解決策の手段の一部として保険をどう活用していくかを提案することです。

   ですから、あなたは保険販売業ではなく問題解決業でなくてはなりません。


   営業会社である代理店にとってサービスとは、お客様に自社の商品・サービスを購入
   してもらうため、さらに多種目販売、単価アップのための営業活動です。

   しかし、現実の営業活動で増収のための活動をどれだけしているでしょうか。

   この厳しい経済環境下で、今後ますます他業界から保険ビジネスへの参入が増え、
   代理店チャネルの多様化は避けられないでしょう。

   あなたが真剣に今までのやり方・考え方を変えていかなければ契約は他に移るだけ
   です。「うちは大丈夫」だと思っていませんか?

   保険料が半額の通販、お客様にさまざまなサービスを提供してくれる他の代理店。

   一方、1年に1回の集金だけ、電話募集だけで顧客への接点が皆無に等しく、何の
   サービスもない代理店との差は歴然としています。

   お客様は自分を大切に扱ってくれているかどうかを感じ取ることに敏感です。

   今までの顧客が代理店に期待することに、

    ・保険商品の知識が豊富であること

    ・事故対応を適切にやってくれる

   しかし、今顧客が求めることは上記は当然であって、「保険に関する周辺知識が豊富
   であること」を挙げています。

   今では保険知識に関してはお客様のほうが豊富かもしれません。

   あなたがお客様に提供するのは売りたいもの(保険)ではなく、お客様が欲しいもの
   (こと:メリット)であることを忘れないでください。

   そして、サービスは営業活動であること。

   売る順番を間違えないことです。
   
  □あなたのサービスを顧客に意識させる

   あなたがどんなにいいサービスでやってあげても、お客さんにとってはあたり前か、
   感じていないかである。

   しかし、サービスが不十分であれば敏感に感じ取る。

   だから、いいサービスをしてあげて当たり前、失敗は許されないのがサービスなのです。

   信頼を築くには時間がかかるが、信頼を失うのは一瞬である。

   たとえば、顧客が追突事故を起こした。その事故解決後どのようなアクションをとって
   いるだろうか。

   保険金の支払いは保険会社から被害者側に支払われ、その後、あなたのもとに支払
   い通知が来るのが一般のパターンである。

   あなたの顧客は被害者に支払われた金額の大きさに感謝しているでしょうか。

   たぶんしていないのが大多数でしょう。

   保険金の支払いが事務的になり過ぎ、死に金を払っているようなものだからです。

   ですから、被害者に支払われる保険金額・支払い日時を事前に確認し、あなたから
   顧客に支払いの案内をするのです。

   こうしなければ、顧客は何の感謝も、ありがたさも感じないからです。

   あなたの顧客にもたらした成果をアナウンスするべきです。

   顧客が察してくれるなどと期待しないことです。

   どんなに骨を折ったか、どんなに気を揉んでいるか、こんなに大変な思いをした
   か ―  。

   ほとんどの場合、こういったことを顧客は理解していない。

   あなたが仕事でどれだけお客さんにアピールしているでしょう。

   あなたにとってお客さんとの接触の場は舞台です。

   そして、あなたはアクター(役者)であり、プロデュサー(演出家)なのです。

   そんな舞台でのあなたの役割は『質問して聞く』です。

   あなたの役割は必要な情報を聞き出すことです。

   相手の情報が無ければ何を提案すればよいのでしょう。

   これでは竹やりで機関銃に向かうようなものです。

   契約者データではなく、顧客データを集めなさい。

   個人客であれば、家族全員のデータ、法人客ならTEL・FAX番号はもちろんのこと業
   種、従業員数、創立記念年月日、雇用保険加入の有無、就業規則の有無、社長の
   誕生日、建物の構造、車両台数、車両管理規定の有無等々。

   そうすれば、さまざまなサービスが提供できるし、提供したサービスに対してお客さんは
   お金を喜んで払ってくれるはずです。

   まずやってみること。

   お客さんにどんなサービスを提供・提案すれば財布を開いてくれるかを。
 
   保険代理店業は、言い換えるならコーディネータの役割を演じているといってもいい
   でしょう。

   自分1人でできることには限りがあります。

   だから異業とコラボすることで、同業他社(店)との差別化を図ることが必要なのです。

   今後益々仕組みなくして増収を図ることは困難になるでしょう。

   営業のプロセスをマニュアル化していくことです。

   富山の薬売りを思い出すことです。

   サービス業であるあなたは、顧客をどのように満足させているだろう?

   たいていのサービスは必要悪だと思われています。

   争い事を解決するために雇う弁護士、複雑で面倒な記帳が手に余るために雇う税理
   士、万一に備えるための保険。

   たいていの場合、サービスを選ぶのにワクワク胸を躍らせるようなことではないし、
   満足することも少ないのです。

   自ら欲しくて買う商品が継続的な満足を与えてくれる一方、我々のサービスはある
   時点で実施されればそれっきりである。

   満足を与え続けてくれたり、もう一度買う気にさせてくれたりするものではない。大切
   な保険証書はファイルに綴じ込まれたままで何をしてくれるわけでもない。

   顧客が良質なサービスを受けたことを思い出させてくれるものはほとんどないのです。

   満足のほとんどは、顧客の記憶だけの問題です。

   あなたは提供したサービスが継続的に役立っていることを顧客に意識させていくこと
   です。
    
  ■強力なインパクトを与える

   あなたが扱う保険商品は一般的な商品と違い目に見えません。   

   性能についても、使い勝手についても手にとって見て触ることができません。

   さらに欠陥についての保証もありません。

   まさしくサービス業なんです。

   ですから正直に見込み客に、既存客に聞くんです。

   お客様はあなたに何を望んでいるのか。

   あなたにどうあってほしいのか。

   法人先ならどんなことで悩んでいるのか。

   どんな問題を抱え、解決策を求めているのか。

   これらのニーズをアンケートによって引き出すことで、あなたがやるべきことが見えて
   くるはずです(これらの内容は必ずデータベース化しておく)。

   アンケートの目的は、あなたがお客さんに強い印象を与えることを目的としている。

   心の中に一気に入り込むためです。

   強力なインパクトを与えるための最も強力なコンセプトは、見込客の心の中にただ
   一つの言葉を植えつけることです。

   あなたが専門家として○○○を提供できることを。

   アンケートによって、焦点(あなたの強み・専門性)を絞り込むことができる。

   活動の領域を絞れば絞るほど、あなたの立場は強力になる。

   なにもかも追い掛けているようでは、結局なにもモノにはできない。

   小売産業を取り上げてみても今日苦境にあるのは、どの小売企業だろうか。

   それは百貨店である。

   百貨店とは何んだろうか。

   そこは、ありとあらゆるものを売っているところである(スーパーマーケットも同じ)。

   品揃えの豊富さは武器にはならないんです。

   これこそ失敗に至る手法なのです。

   あなたが万人の、すべての要望に応えようとすれば(保険のデパート化)、結局は何ら
   かの問題にぶつからざるをえません。

   “あらゆるところで弱みをさらすよりは、どこか特定のところで強みを発揮”すべきです。

   「なんでもできる」は「なんにもできない」に通じる。

   あなたが商品や市場、提携先を増やせば増やすほど、収益は減少するのです。

   「この分野は他に負けない」は「他の分野も他に負けない」に通じる(1つの強みが他の
   分野においても強み・信頼性を生む)。
 
   もし、あなたが成功することを望むなら、顧客の心の中に一定の地歩を築かなければ
   なりません。

   それは焦点を絞り込むことです。

   ビジネスの世界には、多様な才能を持つゼネラリストと、小さくて、極端に領域の狭い
   スペシャリストとが混在します。

   どちらが成功しているでしょう? 

   そうです。スペシャリストですね。ゼネラリストの大半が、苦境に陥っているのです。

  名刺電話の応対

   名刺も電話の応対も、いわばあなたの顔である。

   それだけに、相手の心証を大きく左右します。

   その後のビジネスをスムーズに進めたいなら、まずそのことを肝に命じて、相手によい
   印象を与えたいものです。

   名刺交換の順序に従うなら、先方の面談者があなたにとってお客様であれば、当然
   ながらこちらから先に名刺を渡します。

   逆に、あなたがお客様の立場であれば、先に名刺をいただくのが基本です。

   名刺交換の順序は一応決まってはいるが、その場その場に適した状況判断が大切
   です。

   名刺の中身、裏面を使うにも、箇条書きの業務案内程度のもではなく、裏面いっぱい
   に仕事に対する自分の思いをうめた個性的なものにする。

   大事なのは、一瞬にあなたの印象を相手の脳に刷り込むことです。

   見る名刺から、読ませる名刺へ。

   いま、あなたのしている仕事が、成約にどれだけ貢献しているかをきちんと評価し、
   貢献していない仕事は直ちにストップすること、貢献しているものについてはさらに
   徹底して取り組むことである。

   これが優先順位を徹底するという意味である。
   
  □リスクマネジメントサービス

   リスクマネジメントは企業や個人が自己の安全性を追求するために行うものです。

   しかし、これは各種のマネジメントの中でも、非常に難しい分野であり、リスクに対する
   深い専門知識が必要となります。

   すなわち「企業経営・個人生活・に伴うさまざまな潜在的・顕在的リスク(危険)を
   分析、これらのリスクヘの対処方法を体系化した経営・生活手法」であり、我々の
   提供する保険を購入するお客様の最も根源的なニーズといえるでしょう。

   お客様の様々なリスクをニーズとして捉え、そのニーズを満たしていくコンサルティ
   ングセールスを実現するための最も重要な活動の一つが、リスクマネジメントサー
   ビスの提供といえます。

   今までの代理店活動は、セールスに重点を置きお客様を単なる保険の売込み先と
   捉えてきました。

   従って、お客様の満足は主に「価格」で実現していたのです。

   しかし前述のように社会構造や経済情勢、又科学技術やライフスタイル等の変化に
   より、お客様のリスクやニーズも多様化し、より高度なサービスの提供が求められ
   ています。

   保険商品を売るだけでなく、「保険商品を通じて得られる、お客様のリスクに対する
   問題解決の効用を売る」ことができる代理店が求められています。

   保険は言わばツールであり、お客様の抱える問題(リスク)を解決することが重要と
   なるのです。

   リスクマネジネント活動そのものが、あなたの行なうコンサルティング活動の中心で
   あり、お客様の満足度は、その適、不適によって大きく変わってきます。

   更に、マーケットを創造する意味でもリスクマネジメントは重要な手段となります。

   100人の既契約者にも、100種類のリスクが存在します。

   100人の新規見込み客も100の危険に悩んでいます。

   そして、それぞれのお客様には、あなたが提供すべき最適な解決方法があるはず
   です。

   こう考えていけば既存契約者からも、もちろん新規の見込み先からも、つまりあなたの
   身の回りのさまざまなところからリスクマネジメントを活用することにより無限のマー
   ケットが創造されてきます。

   そして、今後異業種からの販売チャネルの台頭が続くでしょう。

   厳しい言い方になるが、果たしてどれだけの代理店が生き残るのか。

   メーカーである保険会社にとって増収してくれる販売チャネルにヒト・モノ・カネを
   投下するのは当然である。

   「あなたの存在価値はどこにあるのか」、このことを明確にしていかない限り「茹で
   ガエル」になってしまうことだけは間違いないでしょう。

   「まだ大丈夫だろう」と今までのやり方・考え方を継続していくことだけはやめよう。

   「保険のデパート」ではなく「保険の専門店」を目指そう。

   それがあなたにとっての存在価値につながるのです。
   
  ■感謝の思いを伝える

   営業活動において、技術もさることながら、「思い・人柄(基本動作)・モノ」の3点を
   身に付けることが重要です。

   初めに「思い」ですが、これは「売る」といった売る側の思いではなく、「お客様の問題
   解決のお手伝いをしたい」という相手中心のプラスの思いでなければなりません。

   これによってまず営業の考え方が変わります。

   次に人柄(基本動作)。

   基本動作の目的を一言集約すれば、

    “企業体質強化、業績向上の最大具体策=必須条件”

   です。

   即ち、社会(組織)人としてやらなければならない行動が基本動作であり、基本動作の訓練
   次第会社の体質強化、業績向上が左右されるのです。
   (基本動作:挨拶、電話対応、身だしなみ 等)

   そして具体的なモノですが、「思い」があり、その人となりの人柄があり、具体的な
   ツール(モノ)をもつことで初めて人の懐に入ることができるのです。

   お客様は正直です。

   営業マンが日頃から「こんなに感謝しています」と口だけでは、本当に感謝している
   とは思わないものです。

   高価なモノを贈る必要はありません。

   安価なモノでも贈り方によります。

   何度も送るほうが、手間をかけた分だけ伝わるものです。

   また、バースディカード、礼状(ハガキ)といったことも含まれます。

   要は、「目に見える形」で、心の思いを表現する必要があるのです。
 

   また、優秀な営業マンに共通することは、人の話をよく聴くということです。

   人は自分の話を真剣に聞いてもらいたいと思っていますが、話を一生懸命聞いてくれる
   人は非常に少ないのです。

   人は自慢話が好きですが、それをあなたがやってはいけません。

   相手に自慢話をさせることがあなたの高感度をあげる秘訣なのです。

   「購入するなら、もっと感じのいい営業マンから買いたい」という気持ちを多くの人は
   持っています。

   また、営業マンの人柄や誠意に打たれて購入したとか、担当者の人間性に惚れて購入す
   ることにしたとか、お客様のの購買行動は理屈ではありません。

   お客様は理屈で商品を購入するのではなく、感情(見た目)で購入するのです。

   そして、購入後にお客様の役に立つことです。

   どれだけお客様の身になって、扱っている商品やサービスを提供し、それを通じて
   役に立てるかということです。

   それが結果として顧客満足につながります。

   
  ■サービスの見える化

   あなたは顧客に対してあなたの存在価値をアピールしているでしょうか?

   保険という目に見えない商品を扱い、顧客に保険金支払いの事態が発生した時の
   サポートが主な業務となっています。

   そんな事態が発生して、あなたが顧客に親身になって対応をしても、それはほんの
   一時と心得ることです。

   誰でも顧客は良いサービスを忘れてしまうからです。
   (逆に悪い対応、サービスはいつまでも忘れない)

   ですから、あなたは顧客から忘れられないためのアクションを起こさなければなりま
   せん。

   定期の代理店ニュース(近況報告、有益情報)、礼状、四季の挨拶、顧客企業の創立
   記念日 等々、様々な方法がありますが、あなたが継続してできることを決めて実行
   してください。

   1年に一度しか顧客との接点が無かったり、電話による募集では顧客との接点は無に
   等しい状況となってしまいます。

   顧客があなたとの関係を「続けたい」「頼りにしている」「いなくては困る」という関係
   を作ることが、生き残り勝ち残るための絶対必要条件となります。

   増収のために「売る」にばかり固守しても、売れないことはあなたが既に承知のはず
   です。

   社会・経済環境は10、20年前とは劇的に変化しています。

   保険に関する情報はあなたよりお客様の方が豊富であると理解すべきです。

   上記に記載したサービス以外にも、CSを考えた基本動作、マナーなどお客様に態度
   で示すことが必要です。

   これらは従業員個々に任せっぱなしではなく、組織として「仕組み」として全員が実行
   していかなければ効果は発揮されません。

   商品におけるスキルアップも必要ですが、お客様に対して重要なのは「あなた自身」なの
   です。

   消費者の選択基準は保険商品ではなく、あなたであるということです。

   サービス活動は営業活動であり、特に保険という目に見えない商品だからこそ、お客様
   は商品を「あなた」に置き換えて見ているのです。

   言い換えるなら、商品としてのあなた(会社、店)の付加価値創造が求められます。

   人に好かれることは、あなたにとって非常に重要です。

   人はシンプルです。

   好きな人の売る商品は好きで、嫌いな人の売る商品は嫌いなのです。

   お客様に好かれるかどうかがあなたにとっての生命線といって良いでしょう。

   メラビアンは初対面の人物を認識する割合は、「見た目・表情・しぐさ・視線等」の視覚
   情報が55% 、「声の質・話す速さ・声の大きさ・口調」の聴覚情報が38%、「言葉
   そのものの意味・話の内容」の言語情報が7%と言われています。

   あなたはお客様に対して、もっとアピールする必要があります。

   
  ■無形の商品を扱う代理店に必要なサービス

   目に見えず、形のない商品・サービスを扱うあなたにとって重要なのは、目に見え、
   形のある商品・サービスに変えることです。

   そのためにはどうしたらよいでしょう?
   (これは無形の商品に限ったことではありません)
   
  □無形の商品・サービスを見える化

    ・お客様が感動する商品・サービスをストーリー(誕生秘話)にする

    ・疑似体験(お客様が商品・サービスを購入した後の利益・メリット)できる

    ・写真、図、グラフ等により「読む・話す」から「見せる」

   あなたの扱う保険商品は形もないし目で見ることもできない無形の商品です。

   ですから、あなたの商品は保険商品そのものではなく、サービスなのです。

   しかし、メーカーである各保険会社の掲げるサービスはどこも大差ありません。

   販社(代理店)は収益に直結した独自サービスを展開していかなければ、同業他社と
   同じ埋没された存在でしかないのです。

   それでは、売上げアップに不可欠であり、お客様に期待される真のサービスとは何で
   しょう。


   「人は製品やサービスを購入するのではない。期待を買うのである」と言っています。
   (サービス・マネジメント:カール・アルブレヒト、ロン・ゼンケ共著より)

   競合他社(店)との違いを強化していくことは、けして大変で難しいことではありま
   せん。

   「お客様を単なる保険の販売先と見ないことです。」

   お客様はそれを感じ取ることに敏感です。

   あなたが保険を売ろう、あるいは説得しようとしていることを相手に感じ取られた瞬間、
   たとえそれがその人にとって必要なもの、買える値段のものであったとしても、拒絶
   反応を示すでしょう。

   優秀な代理店に共通するのは、業務の隅々まで(事務・営業部門)、顧客が関与して
   おり、言い換えるなら『顧客に密着(接点拡大)する』ことを実践しているのです。


   『顧客に密着する』の事例として、ジョー・ジラード(自動車セールスマン)が引き合い
   に出されます。

   彼は11年連続で自家用車とトラックの新車売上げで全米第1位の座にありました。
   (15年間で通算13001台はギネス記録)

   彼は、「私は毎月、13,000枚のカードを顧客に送っているんです」

   そして、彼は「たいていのセールスマンがやらずに私だけがやっていることがひとつ
   ある。

   それは、セールスはものを売る前でなく、売った後に始まるのだ、と言う私の信念を
   実行していることです」

   (『私に売れないモノはない!』:ジョー・ジラード・著)

   この話から、彼が誰よりも顧客こそ大切だ、ということを身をもって実践していること
   です。

   結果として、一度彼から車を買った顧客は、彼のことをけっして忘れません。

   彼が忘れさせないのです。

   差異のない保険商品を差別化するためには、あなたの想像力こそがものをいい、徹底
   して現場での戦術(お客さんのニーズ、ウォンツ)が重要なのです。

   どうでしょう? 

   あなたも今から始めませんか。

  □原理原則

   どんなことにも原理原則はあります。

   どの時代にあっても変わらない普遍の法則です。

   あなたが保険代理店を始めた頃を思い出してください。

   お客様のために一生懸命に活動していたことを・・・。

   そして、研修などでもお客様からの『信頼』を得るための心得を学んだはずです。

    1.扱う商品の商品知識が十分にあり、商品の特徴と利点を明快に述べることがで
      きる。

    2.お客様に対する情報が整理されていて、お客様がかかえる問題を理解し、解
      決する能力をもち、お客様が最終的に何を求めているのかをはっきりとつかんで
      いる。

    3.競合する相手や会社を徹底的に研究して、なぜその会社が支持されているかを
      知ると同時に、自分が扱う商品が、それに匹敵する、あるいはそれを超える商品
      であることを実証できる。

    4.明るくユーモアがあり、話し方が丁寧で、言葉が明瞭である。敬語をきちんと使
      いこなせる。

    5.熱心で、礼儀正しく、落ち着いた雰囲気がある。

    6.服装が清潔で、身だしなみを心がけている。

    7.時間や頼まれごとなどの約束を守る。明らかに約束をしていなくても、これがお客
      様に必要だろうと思われる言外の約束も守る。

   これらのことは言うまでもないことだが、はたしてどれだけの人が実践しているで
   しょう。

   たったこれだけのことで同業他社(店)との差別化を図ることができるのです。

   営業センスなどといった特別な能力など無くても増収することはできるのです。

   どんな成功も一朝一夕で叶うものではありません。

   その秘訣というものがあるとするなら『継続』です。

   継続することで必ず変化の兆しが現れます。
   
  □サービスを演出する

   サービスは、お客様が予期しなかった、意外だといった感謝・感心・感動といったマイ
   ンドがなければ伝わりません。

   挨拶ひとつとっても、オーバーアクションは違和感を覚えます。

   “マナーはマネー”と言われるように、最近マナーに関するセミナーやコンサルティング
   がもてはやされています。

   近年業界を問わず、挨拶、電話対応、態度などのマナーの低下が多数見受けられる
   ようになった気がします。

   お客様は「あなたを見た目で判断している」のです。

   このことからも、サービスの見せ方が重要であることがいえます。

   例えば、あなたもホテルの便座やグラスに紙のシールが巻いてあるのを、見たことが
   あると思います。

   これらを見て、洗浄してあってもシールを巻いてあるのと、そうでないのとでは、明ら
   かに見た目が違います。

   これらのことから、お客様へのサービス提供をアピール(演出)する必要があります。

   よく、「当社(店)では○○を顧客サービスとして推進しております。」といった話を聞
   きますが、そのことが顧客に浸透しているのか疑問に思うことがあります。

   提供する側の思い込みだけで、提供される側に伝わっていないのではないでしょうか?

   伝えるためには名刺、会社案内、HPといった媒体を活用し、常に伝え続けていかなけれ
   ば意味がありません。

   その結果、あなたの会社(店)のブランドイメージとなるのです。

   ブランドと聞くと大企業や有名な老舗の話であって、小規模な会社(店)には関係ない
   と思っていませんか?

   小さな会社(店)が多数を占める代理店業界であってもブランドの構築は欠かせませ
   んし、決して大それたことをやろうというのではありません。

   オンリーワンを目指すことです。

   何か、よそとの違いを明確に打ち出すことです。

   これを打ち出さなければ、あなたは他の代理店となんら変わりありません。

   「そんな特別なことなんかないよ」と言われそうですが、必ずあります。

   それが保険に関係しなくてもかまいません。

   目的はあなたと競合他社(店)との明確な違いを現すことなんですから!
   
  □保険商品を視覚化させる

   保険商品・サービスは目に見えません。

   目で見えるからこそ、信じられるのです。

   人は耳で聞いたことより、目で見たことのほうをずっと早く信じ込んでしまうのです。

   あなたの名刺は、身だしなみは、電話の応対は、約束時間の厳守は、言い訳をしていな
   いかを見直してみましょう。

   事務所の整理整頓はどうだろう? 靴は磨いてあるか? あなたの目に見える部分は、
   あなたが売ろうとする商品・サービスという目に見えないものを、どう代弁している
   でしょう?

   お客様の耳より、目を意識しよう。これらはサービスを視覚化しでくれるものです。

   あなたも買い物をする時、まずはよく見て確かめて買うはずです。

   だから、見込み客が目に見えない商品を買うのをためらうのも当然なのです。

   となれば、目に見えることにこだわるべきです。

   あなたの事務所をとっても、テーブルや椅子や照明がそれらしく見えるか、いかにも
   繁盛している事務所に見せているか、差し出す飲み物にこだわっているか、顧客から
   の礼状の冊子は置いてあるか、あなたが記事になった雑誌や新聞は置いてあるか
   である。

   目に見えない抽象的なものを具体化する努力をしているだろうか。

   見込み客はあなたと契約する具体的な判断の手がかりを探し求めています。

   もしそれが見当たらなければ、それを持つ他社(店)に目移りするのは確かです。 

   だからこそ、サービスを視覚化(目に見える)することが重要なのです。

   見込み客は代理店のサービスが目に見えないだけに、具体的に見えるものを手が
   かりに選択するわけです。

   多くの見込み客はこの行動を繰り返しているのです。

   購入における判断の優先順位は 1)信頼に足る代理店 2)商品の品質(あなた
   のサービス) 3)価格  値段は二の次で、見た目を求め、信じるのが人間です。

   また、そういったお客さんがあなたにとって真の顧客であるはず。

   価格が安いからということで、お客さんを集めているなら別ですが・・・。

   だから、決して外見に注意を怠たってはいけないのです。

   あなたの営業戦術が価格(保険料)競争だけであるなら、あなた自身の存在意義は
   ないと思っていいでしょう。

   お客さんからあなたはどういったイメージで見てもらいたいのか。

   それを創るのはあなたです。

   通販でない限り、見込み客は、あなたと会わずに購買の決定に踏み切ることはしない
   のです。

   見込み客はあなたを値踏みしているのです。

   「いったいこの代理店はどんな人なのだろう?」と。

   見込み客のこうした疑問に、ほとんどの代理店は答えようとしていません。

   あなたの個性的な面を見せるどころか、他店との差別化など全くない、他と同じように
   見せようとさえしているようです。

   見込み客はあなたを知りたがっており、自分(会社)を売り込むとはまさしくこのこと
   なのです。

   見込み客があなたを信用して購買に踏み切る時は、会って確かめずにはいられない
   ことを知るべきなのです。

   保険という視覚化しにくい商品・サービスを扱っている世界では、その大半は言葉で
   正確に表現されねばならない。

   言葉こそが武器なのであり、その言葉でお客さんにあなたをイメージさせるのです。

   あなたは保険商品を販売するとき、商品説明に終始していないだろうか?

   商品説明のスキルをアップすることで増収できると思ったりしていないだろうか?

   新鮮で、相手が欲しがっているものを見つけよう。

   相手が必要としているものを探し出そう。

   そして相手をよく知ろう。

   「言うはやすし、行うは難し」であるが、これこそが「売り」への近道なのです。

   結局は、お客さんの支持があるかどうかである。

   お客さんから必要とされているかである。

   代理店を事業としている人たちのどれだけが「お客様さんのために」をミッションに
   かかげ、日々実践しているだろうか?  甚だ疑問である!
   
  ■カスタマー・サービス(顧客サービス)

   人と上手くやる能力、人に影響を与える能力こそ、最も価値あるビジネス・スキルの
   一つ。

   商品・サービスが良かったとか、保険料が安かったとかではありません。

   お客様は「私を、どのように扱ってくれたか」が問題なのです

   己の欲するところを人に施せ。

    ・ 電話をかけてきた人を、保留にして待たせたり、ほったらかしにしたりしない

    ・ 待っているお客にお茶やコーヒーを出す

    ・ 質問に対しては、丹念に、よく考えて答える

    ・ 顧客がオフィスに入って来た時には、立ち上がって出迎える

    ・ 顧客が、担当者に出会えるよう、手を貸す

    ・ 「ありがとう」と言う

    ・ 顧客にとって有益であると思われる知識を吸収するよう努力する

   売り上げや利益は、顧客によってもたらされるのです。

   あなたの給料は、他のどこからでもなく、顧客によって支払われているのです。

   顧客こそが、あなたの収入を左右しているのだということを思い出して下さい。

  □5つのカスタマー・コンタクト(顧客と接する)注意点

   1.一般の人々にとっては、あなたが、あなたの会社を代表しているのだということを
     忘れないようにすること

   2.一人一人の顧客に対して、あなたが親友に対してするように接する

   3.カスタマー・ディプロマシー(顧客との関係づくり)が、常に最優先事項

   4.顧客こそが、あなたの収入を左右している

   5.カスタマー・サービス・ディプロマシーでは、常になお、「もうひとがんばり」の努
     力が求められる

   お客様は、ただ優しい言葉や、心からの笑顔や、本当に気持ちの良い挨拶といったもの
   が欲しいだけということも多いのです。

   あなたにとって最優先にすることは、顧客との関係づくり・接点拡大のための仕組み
   づくりです。

   代理店業としての成功は、社内の問題に費やされる時間とエネルギーとお金を、トップが
   どれだけマーケティングに振り向けられるかにかかっているのです。

  □あなたの価値を高める「5S」の実践

   あなたの評判を広めるために、「うちは同業他社(店)とここが違いますよ」といった
   ことを、会社案内名刺、DM、代理店ニュースなどを活用してアピールしていきます。

   しかし、ここで問題が起きます。

   例えば、自社(店)内の環境整備です。

   ここに、言っていることと、やっていることの違いが如実に現れます。

   あいさつ、電話応対などを見ることで、その会社のすべてが見えてきます。
 

   お客様はどのような時に「満足」や「信頼」を感じるのでしょうか?

    ・担当者の顔を知っている

    ・いつでも連絡がとれる

    ・常に自分のことを気にかけてくれている

    ・担当者は保険・保険に関する周辺知識について何でも知っている

   収益を上げている代理店は、なるべくお客様とよく連絡をとって、お客様のニーズを
   肌で感じ、常に的確なサービスができるように努めています。

   さらに、

   ・ 問合せ対応については

    すべての顧客情報・契約情報・事故処理状況などをシステム化し、そのファイルを共
    有することにより、誰が電話を受けても瞬時に同じ答えができるようにする。

    また基本的な電話対応の訓練を自社(店)の勉強会(ロープレ)でトレーニングし、
    お客様に丁寧な応対ができるようにする。

   ・ 事故処理については

    お客様にはポイントごとに必ず報告の連絡をいれるようにする。

    また進捗状況について問い合わせ電話があっても、前述のシステムによって、誰
    もが最新の状況を即座に答えることができる。

   ・ その他

    代理店としての責任を明確にするために、契約案内・各種提供資料には代理店名
    を入れ、連絡先や土曜日も営業していることなども記載する。

   日本電産の永守社長は、「5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)のできていない会社で利
   益が上がっているところを見たことがない」と言っています。

   このように、社会人として組織人として当たり前のことが出来ずに、表面だけを繕う
   ようであっては、逆効果であることはいうまでもありません。

   実態を改善し、ギャップを埋めていかない限り、どんな活動も効果はありません。

   売ることが先行し、これらのことを蔑ろにすれば収益の低下は免れません。

   「5S」の実践はあなたにとっての最優先課題です。

   まずは、「5S」を当たり前に出来ることから始め、さらに進化させることです。

   お客様は、あなたの一挙手一投足を見ています。

   そのためにも、「5S」の徹底した訓練と実践を継続して行うことです。

   お客様が感心しているだけでは差別化になりません。

   「5S」の実践により、感心を感動へと進化させることで、初めてお客様があなた 
   のファンとなってくれるのです。

   実践の効果は、あなたに継続した収益を必ずもたらしてくれるはずです。

                     代理店強化マニュアルについてはこちら

  □顧客が、本当に買っているものは

   お客様は保険という商品そのものではなく、「将来に向けての安心」を買っています。

   しかし、その「安心」という商品が使われるのは、事故や災害があってからです。

   当然お客様は「安心」を購入しているのだから、すべて滞りなく手続きしてくれると思う
   わけです。

   ここで問題が発生します。

   その「当然やってくれるだろう」ことが履行されず、苦情という形で多々現れます。

   各保険会社でも、お客様の苦情を集め代理店に公開し、CSの向上を図ってはいますが、
   効果のほどは定かではありません。

   保険毎日新聞が掲載している顧客不満足の内容を見ても、毎年同じような苦情内容
   なのです。

   なぜ、このように同じことが繰り返されるのでしょう。

   もちろん保険業界だけに限った話ではありませんが。

   要因は多数あり、あなたもすでに承知だと思います。

   売ることばかりが先行し、従業員の教育(訓練)、ESの仕組みがないからです。

   場当たりな行動が、さまざまなムリ・ムダ・ムラとなって、問題を引き起こしている
   のです。

   「当たり前のことを当たり前に行う」

   あなたのところでは当たり前のことが当たり前にできているでしょうか。

  電話基本対応

   たったこれだけの当たり前のことですが、継続することがカギとなります。

   そのためには、毎日5〜10分全員でロープレをし、実践をしてみてください。

   半年、1年続けた時、社内環境、お客様のあなたを見る目が違ってきます。

   「たったこれだけのことで?」、とあなたは思う
   かもしれませんが、こんなことが大多数の代
   理店では出来ていないのです。

   サービスという言葉の意味は多岐にわたりま
   すが、あなたにとって増収に欠かせない行動
   といってもいいでしょう。

   あなたがお客様にアピールしない限り、お客
   様には伝わりません。

   些細なことと思うことであっても、お客様の受
   け取り方は千差万別です。

   「あれもこれもやろう」と欲張らず、できることを
   絞って継続実行していくことが重要です。

     同業他社と同じことをしていては、この厳しい
   経済環境で勝ち残っていくことはできません。

   あなたと同業他社(店)の徹底した違いをつくりましょう。

  □商品はあなた

   あなたの売るのは保険商品そのものではありません。

   あなたが商品なのです。

   なぜなら、お客様はあなたを見た目で判断し、その結果として契約の決定をします。

   あなたが自分(お客様)にとって「この人の対応はどうか」「清潔か」「感じのいい人か」
   「正直そうか」などといった勝手な? 自己判断であなたを値踏みします。

   そういった判断から気に入られれば第一関門は突破です。

   お客様との信頼関係を早期に構築することが重要となります。

   どんなにすばらしい商品・サービスを提案しても、第一関門を突破しなければお客様は聞
   く耳を持たないでしょう。

   そのためには、タイミングも重要です。

   聞く耳を持たない状況下で売る側の勝手な判断で、営業を仕掛けても失敗に終わること
   が多いのです。

   商品・サービスを購入するのは理屈ではありません。

   お客様は感情(代理店の対応、自分を大切に扱ってくれそうだ、誠実そうだ)で購入の判断
   を決定します。

   ですから、5Sや基本動作が重要なのです。

   お客様はあなたを気に入って(信頼)くれたから契約してくれたのです。

   あなたの今行っているサービスでは不十分と自覚すべきです。

   そうすれば、サービス強化につながります。

   あなたは自身の判断基準でお客様サービスを決めていないだろうか?

   サービスの良し悪しを決めるのはあなたではなくお客様なのです。
   
  □セールスは価値の交換 

   まず、好かれること 嫌われないこと。

   お客様があなたの保険に加入してくれたのは、あなたを見た目で判断し、「この人なら
   安心して任せられるだろう」「この代理店は信頼がおけそうだ」といった判断で加入
   してくれていると言っていいでしょう。

   成約が決まったら終わりではなく、その後もきめ細かいフォローしていくことが大事
   です。

   この一人ひとりの顧客に徹底的に気に入られ、貢献することが初めの一歩です。

   目の前のこの人に全力投球するのです。

   その結果は、顧客からの紹介であったり、その顧客のリピート購入であったりしますが、
   それは「あなたを気に入り、これからもお付き合いさせていただくよ」という次の局面
   への手形のようなものです。

   セールスというのは、価値の交換です。

   お客様にとって価値(必要)の無いものを、強引に売りつければ、その後あなたは信頼
   を失うことになります。

   価値のあるものを、そのメリットをきちんと伝えて売るのがセールスです。

   そして、セールスにおける基本は、お客様の立場に立って、お客様はどんな問題を
   抱えているのか、どうしてもらいたいのかを考えて行動することが最優先なのです。

   相手に好かれたいと思ったら、相手が求めているものを先に知り、提案する必要が

   あります。

   あなたが何をしたいかではなく、相手がどうしてもらいたいと思っているかを知ること
   です。

   セールスをするとき、売ろうとする意識が働くと、あなたが売ろうとする意識と相手の
   売られまいとする意識とが相反します。
 
   その結果、お互いが不愉快な気持ちになることもあるでしょう。

   ですが、人から好かれる優秀な営業マンは決してお客様と対立しません。

   相手の欲していることを与え、自分が求めているものを手に入れる技術を持っている
   からです。

   押し売りとセールスは違います。

   「営業マンの鉄則は押しの強さだ」と言われた時代もありました。

   相手が望んでいるものを本当に欲しくなって購入してもらうのがセールスです。

   お客様の欲求を高めるには、相手の描くイメージを明確にしてあげることです。

   できるだけ具体的に提示してあげることです。

   たとえば、車を販売する場合は、触ってもらう、試乗してもらうなど五感に訴えます。

   そうすると、その車のイメージがより強まります。

   スーパーなどの試食は匂い・音(シズル)、味、見た目などを感じてもらいます。

   試食で販売員から薦められて、「ひと口どうぞ」と言われて、商品を食べた時に「ここ
   までしてくれたんだから買わなければ悪いな」と言う気持ちになることです。
   (人には返報性という習性があり、与えてもらうと、要求されなくてもお返しをした
   くなる生き物)
   
   こんなときは、「今のリスクをカバーするための保険を、そのままにしていたら損害を
   被る場合がありますよ」という情報を伝える。
   (新商品がでたら、お客様には必ず伝える)

   変化の激しい時代にあって、単にそのままの内容で継続していては、顧客にとって
   デメリットが発生することもあります。

   しかし、お客様は反射的に売り込まれるのではないかと警戒します。

   そこで、機会損失(チャンスロス)について教えてあげるのです。

   人は心理的に損をしたくないという気持ちが働き、「このままでは損をしてしまう」と
   思うと、行動せずにはいられない感情を持つようになります。

   そこで、その損を解決するための解決策を提案してあげるのです。

   その結果、お客様のほうから「一度、設計(提案)書を作成してくれないか」と、もちかけ
   られるでしょう。

   解決策の提案をしてあげ、相手のメリットをしっかり伝えることです。
   
  □サービス活動は営業活動

   どんな業界であっても、サービスという行為を抜きに収益を上げることはできません。

   ものがない時代であるならともかく、今の世の中にはモノが溢れています。

   こんな時代の中で、同業他社との差別化を図っていくにはサービス活動しかありません。

   サービスという行為は売る側にとっては営業活動なのです。

   新規開拓、多種目販売、単価アップといった営業活動において欠かすことのできない行為
   です。

   サービス活動は、お客様から感心さらに感動を得なければなりません。

   そのためにはお客様に分かる(目立つ)ようにしなくてはならないのです。

   人は些細と思うことであっても喜び・感動するものです。

   売る側の判断であってはなりません。

   例えば、

   企画書・提案書

   あなたの企画書・提案書は単なる計算書になっていないだろうか?

    ○お客様の名前が表紙に大きく書かれているか。

    ○相手が法人であれば、建物の全体・各建物・什器備品・車両の

     写真(事前に了承を得る)があるか。

    ○個人であれば、火災・自動車事故・障害事故に関する写真・グラフ・
     データがあるか。

    ○企画書・提案書は厚さが重要

     法人なら相手の業界情報、個人なら地域に関する情報が入っているか。

    ○お礼(営業)状

     あなたはお客様に対して年賀状以外にハガキを活用していますか?
     ハガキは同業他社(店)がまったくといっていいほど活用していません。

     原因に、面倒、何を書いていいのか分からないといったことが挙げられます。
     全部手書きにしようとするからであって、9割は印刷、残り一割が手書きで
     よいのです。

     似顔絵・写真の横に吹き出しを設け、そこにちょっとしたコメントを手書きする
     だけだけでいいのです。

     要は、出すことが重要なのです。

    ○創立祝い

     FAX、ハガキ、メールどんな方法でもよいから出すことです。
     なぜ出すのかというと、他の代理店がやっておらず経営者が喜び・感動するから
     です。(注:ハガキの宛名はタックシールではなく手書きですよ)

    ○バースディカード
     特に中小企業経営者(平均年齢65歳)は喜んでくれますよ。

    ○規定集等の提供

     相手に提供する資料等は相手が使用するもの。
     よって、「手間が掛かりました」と分かってもらう必要があります。

     表紙には相手の名前を大きく入れ、フッターには自社(店)の名前を入れる。

   お客様に提供するものにはすべて気を配る必要があります。

   保険会社の名前が入ったものをそのまま提供するようであっては能がない。

   オリジナリティを演出するためには多少手間を掛けることです。

   そして、お客様にどんなことをしてあげれば感謝・感心・感動を得られるか? です。

   これら提供物は「あなたにとってどうか」、ということより提供される「相手にとって
   どうか」を意識しなくてはなりません。

   同業他社(店)がやっておらず、感心・感動を得られることは何かを、アンテナを張る
   (お客様を知る)ことです。

   お客様との強いパイプ作りは結果として、顧客の流出防止策・多種目販売につながる
   ことは間違いありません。

   保険商品そのものによる差別化が困難である今、同業他社との差別化を図っていく
   ためには、他の代理店がやっていないこと、真似のできないことを実践することが条件
   となります。

   この条件をクリアする行為には限りがあります。

   それは情報提供であり、礼状であったりします。

   情報というと、なんとなく堅苦しく感じますが、あまり気にする必要はありません。

   対象となる顧客が個人なら、あなたの近況報告であったり、今旬な話題(介護・年金・
   医療)であったり、教育・健康をテーマに情報発信していけばいいのです。

   そして、対象顧客が法人であるならヒト・モノ・カネ・ジョウホウをキーワードにした中
   小企業が抱える問題についての情報発信していくことです。

   法人マーケットを攻略する場合、従業員数50名以下の企業に絞り込むと、効果的です。

   保険代理店にとって、この情報提供という行為こそサービスという名の営業活動です。

   では、これらの行為をどれだけの代理店が実行しているかといいますと、皆無に近いとい
   っていいでしょう。

   継続した代理店ニュースの発行、お客様の生の声(例)顧客企業に関連した情報の提
   供、礼状(成約、更改、紹介、更改落ち)等々。

   人は理屈でモノを買うのではなく、感情で購入するといわれています。

   あなたもそうではありませんか。

   お客様に「自分は特別扱いされている」といった思いを持たせることが重要なのです。

   これらのサービスはあなたの商品・サービスを購入してもらうためのニーズ喚起であり、
   多種目販売、単価アップのために欠かせないアクションとなります。

  □コストは10円、62円

   また、礼状も同様のアクションなのです。

   10円のコストで電話FAXを活用し、62円のコ
   ストで礼状ハガキを出すことは大きな営業活動
   として、あなたに返ってきます。

   このアクションには高度なセールステクニック
   や、営業スキルは必要ありません。

   お客様が喜び、感動してくれる行為こそが増収
   の秘訣なのです。

   売り上げを上げるための魔法の杖はありませ
   ん。

   必ずしも優秀な営業マンでなくても継続した増
   収は可能です。

   これらの行為を得意とするのが、生保のセールス
   パーソンです。

   サービスを営業活動と位置づけ、同業他社の
   やらないことを継続してやり続けることこそ、
   圧倒的な違いを見せるための差別化策であり強みなのです。 

 

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