保険は売り方を変えなければ売れない


  保険が売れない。 更改落ちが止まらない。

  売上減少の原因を景気の低迷、少子高齢化、商品のせいにしていないだろうか?

  今までのような実店舗の保険代理店だけが頼りだったの時代から、販売先の選択肢が広が
  り、専業代理店のあなただけから加入する必要がなくなったのです。

  保険代理店にとって、このような厳しい環境の中で継続した増収を達成していくには今まで
  の売り方を変えて行く必要があります。

  そのキーワードとなるのが付加価値です。
    
  ■保険商品のパッケージ化

   保険を単なる商品としてそのまま販売しているのが代理店の現状ではないでしょ
   うか?   

   商品に大きな差異がない状況下で、情報豊富な今の消費者を満足させるためには商品づ
   くりが欠かせません。

   メーカーである保険会社のつくった段階では、保険はまだ未完成といっていいでしょう。

   これはどんな業界にも共通することです。

   扱うものが何であれ、市場で売買の対象としてとらえるときには「商品」であり、製造
   されたものの状態は「製品」と思っていただければいいでしょう。

   「製品」を「商品化」させるのは販社であるあなたの仕事です。

   それでは「製品」を「商品」にするためにはどうしたらよいのでしょう?

   キーワードは『付加価値』です。


             「製品」×「付加価値(差別化)」=商品


   よく耳にする言葉に、「すばらしい商品がよく売れるのではなく、売れる商品がすばら
   しい商品」なのです。

   では、どうしたら売れる商品をつくることができるのでしょう?

   それは、売る前の営業活動(サービス)と「商品化」です。

   対象とするマーケットにはどのようなニーズ(リスク)が存在するのか?

   「売る前の営業活動」とは、ニーズ喚起・購買意欲の喚起のためのプロセスです。

   「商品化」とは、トータルリスクマネジメント(パッケージ化)の考え方です。

   例えば建設業をターゲットにした場合

   建設業が抱えるリスク(問題)は様々あります。

   企業の抱える3大問題(売上げ、資金繰り、労務)を含め、労災事故などがリスクとして
   挙げられます。

    1.そのマーケット(市場)にリスク(問題)を提起する

      売上げ、資金繰り:利益の平準化、内部留保(キャッシュフロー)、資金調達 
      等々労務:複雑・多様化する労務問題は企業にとって大きなリスクであり、企
      業にとっても耳を傾けてくる問題です。(就業規則、退職金、サービス残業、 
      ハラスメント、等々)

      社内規定の整備:就業規則の見直し、賃金・退職金、災害補償、等々

    2.そのリスクが発生した場合の損失(経済的損失、信用の低下、社会的責任の
      発生)

      3つの損失について事例(写真、グラフ、数字)を交えて炙りたてる。これらは保
      険会社にさまざまなRMレポートなどに掲載されている。

    3.解決策の提示

      2の損失を回避・解決するための就業規則の見直し、退職金原資の確保、労
      働問題の予防策。
      起こってしまったときの損失を最小限に抑える対策など、ここで初めて対策の手
      段としての「保険」が登場します。

   文章で解説すると煩雑に感じるかもしれませんが、了承ください。

   これはエンドユーザー(個人)も同じ手順で進めていきます。

   この手順をみても、保険商品の位置づけが分かると思います。

   そして、3の解決策に必要な保険商品もみえてきます。

   保険をお客様の抱える問題解決の手段(切り口)として位置づけるのです。

   保険を単一商品として扱うのではなく、パッケージ化して提案します。

   これが欠けているため、売るための努力に拍車がかかるのです。
   
  ■保険代理店にとってのブランディング 

   企業は、ブランドの力を創りあげるためにブランドコンセプトを捻出し、高い広告費を
   投入して時間と手間隙を掛けて日夜構築の努力をしています。

   TVのCMを見ていてもよく分かります。

   本来ブランドは創るものではなく創られるものと理解すべきです。

   ブランド構築と聞くと、異業種の大企業の話のように聞こえるかもしれませんがそう
   では
ありません。


   あなた(会社)が競合他社との違いを明確にし、ある分野でNO1(オンリーワン)になるこ
   とです。

   そうでなければあなたの存在価値がないからです。

   ブランドを構築するためには日々の積み重ねしかありません。

   あなたが持っている他に無い強みを、よりブラッシュアップさせ、他が真似のできない
   ものにします。   

   大多数の代理店が万人向けの営業手法を採用しています。

   弱者の戦略(ランチェスター戦略)にもあるように、万人向けの営業は大企業のやり方
   です。

   自身を弱者と認識し、今までのやり方・考えの再構築が重要となってきます。


   ブランド構築のためのポイントは、

    1.カテゴリー(分野)の設定

      ブランドをどの分野で構築していくのか。

      保険商品、周辺分野(例:PL、労災、公的年金・介護・医療)、趣味、・・・。

    2.ターゲットの設定

      万人向けにブランドを構築することは不可能です。 

      誰に認知されたいのか。

      メーンターゲットは法人(経営者 or 従業員)なのか個人なのか、個人であれば男
      性なのか女性なのか、中高年齢層なのか若年齢層なのか、富裕層なのか中低
      所得者層なのか、これを明確化することで、ネーミング、デザイン、品質・機能を
      絞り込むことができます。

    3.ポジション設定

      市場には同様の商品を同様の顧客層にした競合他社が存在します。

      競合との差異化が必要となる場合、ブランドの位置付け、メーンターゲットの再調
      整などのポジション設定が必要になります。

    4.ブランドの伝達 

       お客様にあなたのブランドを認知してもらうためには覚えやすく、目を引き見つけ

      やすいことが重要であり、そのようなブランド名やロゴ・シンボルが必要です。

      まずはお客様に認知されて始まりとなります。

      ブランドは認知されるだけでなく、好ましいブランドイメージがお客様に伝わらな
      ければなりません。

      ブランドの力によって顧客が購買意欲を喚起されるようでなければならないの
      です。

    5.名称

      ブランド名:名称は覚えやすく、なじみやすく、伝えやすいが条件となります。

      ロゴ・シンボル:他社ブランドと混同が生じないもので、違和感がなく、皆に親し
                まれるものにしましょう。

      パッケージ:パッケージもブランドの一部分であると考えるなら、封筒、便箋、ハ
              キなど、お客様の目に留まるデザインにしましょう。


     例えば、HPのサイト名も会社(代理店)名ではなく、ブランド名にすることも一
     考です。
     (サイト名は、SEO対策上、最も重要な部分です。「サイト名」は他のサイトか
     らリンクされる時に使われるため、サイト名にキーワードを含めることをお勧め
     します)

    6.差別(差異)化 

      他社がまねのできない優れた面を持つことで競争を優位に展開することができ

      ます。

      差異化の方法は、

     イメージ、商品の利点(お客様にとってのメリット)、販売チャネル、販売ター
     ゲットなどが挙げられます。

     限られた経営資源を局所に集中させ、限定された地域で一番を目指すことが必要
     となります。

     他業界と比べ、ブランド構築に関心が薄いように感じられますが、販社である代理
     店にとって商品の差別化が難しい業界だからこそ必要なのです。
   
  □営業センス

   よく「センスがある」といった言葉を使ったり聞いたりします。

   営業センスがある人とそうでない人の違いは何でしょう?

   そして、センスがなければ増収させることはできないのか?

   これらについて考えてみましょう。

   損保系代理店と比較すると、生保セールスパーソンに多数見受けられるのが各種セミナー
   開催です。

   例えば、、MDRT(Million Dollar Round Table:年間を通して一定数字ををクリアし
   た成績秀者に与えられる称号)を売りにした生保セールスパーソン達が販売セミナーや研
   修、CD販売などを手がけています。

   しかし、彼らの話す内容は本来彼らが持ち合わせている営業センスのなせる業なのです。

   それを営業センスがないものが聞いても、高揚感のあるその場では「なるほど!」と感じ
   ても、いざ実践にもっていこうとしてもムリなのです。

   センスのある人は自分の技をさらにブラッシュアップして、センスを高めることができ
   ます。

   それでは、そうでない人はどうしたらよいのでしょう?

   今までのように場当たり営業や御用聞き営業を続けるしかないのか?

   私は今まで1,500人以上の代理店さんと接点を持ってきました。

   そして、営業センスのない代理店でも確実に増収している現場を見てきました。


   20年以上にわたり定期に代理店ニュースを発行し、増収増益している代理店さん。

   営業活動をハガキだけに絞って継続増収している代理店さん。

   営業センスのないスタッフ全員が、CS(挨拶、電話対応、身だしなみ等)の徹底訓練によ
   り増収している代理店さん。

   ファックスによる情報の定期配信(人事、労務、税金、年金、介護、医療)により顧客
   から信頼され、顧客の60%近くから紹介を勝ち取っている代理店さん。

   これら代理店さんには共通していることがあります。
    ○営業が上手ではない

    ○モチベーションアップが続かない

    ○営業担当者個人の能力に期待できない

    ○自分(トップ)が早くマネジメントに専念したかった

    ○マンパワーに頼った営業からチーム営業への改革を図りたい


   トップ、営業責任者自身に営業センスがある場合、どうしても営業担当者個人に自身
   のやり方・考えを強要しがちですが、あなたの能力を持ち合わせている従業員はいな
   いと理解すべきです。

   もし、そういった従業員がいるなら、早晩独立して自分で始めるでしょう。

   それよりも、従業員個人の能力に頼る方法からそうでない方法に変えなくてはなりま
   せん。

   トップ、営業責任者が担当者を叱咤激励しても人のモチベーションをアップし続ける
   なんてムリです。

   人の意思なんて弱いものなのです。

   ですから、モチベーションの品質を気にすることなく、特別な能力がなくても継続して
   増収できる方法を作らなくてはならないのです。

   優秀な営業マンでない人であっても継続して増収できるようにすることです。

   そのためにも、

    ○得意分野をつくり、それを切り口にアプローチしていく

    ○経営者の興味関心ごとについて知識習得し、対等に話せる環境をつくる


   改革には困難を要します。

   だからこそ必要なのです。

   優秀な営業マンほどマネジメントの苦手な人が多いと言われています。

   例えば、藤沢武夫と本田宗一郎は共に本田技研工業(ホンダ)を創業、「技術の本田、経
   営の藤沢」といわれ、役割分担が明確でした。

   苦手な分野は自分だけで解決しようとせず、他の人に任せる度量も必要となってくるでし
   ょう。

   今の経済環境をみてみても、過去の延長線上から増収のための解決策を講ずることは
   困難を極めるでしょう。
   
  ■あなただけが頼りだった

   販売を担う代理店チャネルも様変わりしました。

   販売チャネルというのは、一種の伝達メディアです。

   お客に対して「ここが買うところですよ」とお知らせする告知メディアです。 

   保険で言えば、今までの販売チャネルはほとんどが専業(副業を含む)代理店が主体
   でしたが、今では通販、店舗のチェーン展開、銀行、コンビニなどでも保険は売られて
   います。

   保険販売代理店の営業マンだけが頼りだった時代には、保険を契約する場合、最初の
   きっかけは、知り合い、友人、会社の推薦、上司のすすめ、取引先からの依頼など、
   いわゆる緑で始まるケースが圧倒的に多かった。

   したがって、保険の営業マンはせっせと縁づくり
   に励む。

   足繁く会社、店、家などに通う。

   人との接触をなるべく頻繁に行なう。

   数多く接触しなければ契約が取れない。

   契約が取れても取れなくても、顔なじみを増
   やし、なんとかお近づきになる。

   縁故型営業の最たるものでした。

   現在であっても顧客を獲得するには、人との
   接触を頻繁に行うことは重要です。

   成熟化市場でシェアアップを図るには、今まで
   以上に「顧客に近づく」ことが必要となってきます。

   ただし、顧客との接触が重要だからといって、意味
   のない御用聞き訪問を推進しているわけではありません。

   顧客との接触は面談だけではないことを理解し、質を重視したものでなくてはならない。

   施策として、
    1.データベースを活用した営業で顧客に近づく

    2.マーケティングを活用した営業で顧客に近づく

    3.顧客主導型の発想で顧客に近づく

   「データベースマーケティング」による営業は、これまでの個人の営業力に依存する営業
   から、チーム型営業への転換を果たすものです。

   既存顧客や見込み客のデータベースを構築し、ダイレクトメール、FAXDM
   テレマーケティングなどで新規の有望見込み客を発掘します。

   データベースの拡充に努め、情報を活用してアフターフォロー支援に励む。

   営業のプロセスを営業担当者個人に依存する属人的なスタイルから脱却することが緊急
   課題となります。

   情報が一元化されることによって、同じような作業の重複がはぶかれ、効率アップを図る
   ことが可能となります。

   代理店は、顧客とマンツーマンで収益に直結した営業に、より専念することができる
   のです。

   「リレーションシップマーケティング」とは、文字どおり、顧客一人ひとりとの関係を
   強化するためのマーケティング手法です。

   契約者の顧客管理により個人データをしっかり管理して、継続契約を維持する。

   一般に損害保険の継続率は70%程度で、30%の顧客は保険を止めるか、他社の保険に
   乗り換えるのです。

   リレーションシップ・マーケティングを、営業フォローにうまく連携させることができれ
   ば、顧客との絆を強固にして、継続率を90%以上にもっていくことも、既に実証済み
   です。

   このような効率化が実現されることで、営業にかかる費用が削減されるだけでなく、
   成約率アップすなわち利益アップにまでつながるのです。
   
  □マーケットシェアからカスタマー(顧客)シェア

   一人の顧客のライフタイムバリュー(LTV:顧客生涯価値)を見直す。

   1人の顧客と末永くお付き合いして頂く関係ができれば、おのずと利益率はアップします。

   一般的に新規顧客開拓コストは既存顧客開拓(単価アップ、多種目販売)の6倍と言われ
   ている。 

   既存客への他種目販売こそ顧客単価を上げ、優良顧客へとなっていくのです。

   契約者数も大切だが、その顧客が点であっては増やすのにも限界がある。

   顧客同士が線、面で繋がる増やし方をしていかなければならない。

   よく言われる口コミ、紹介依頼が一般的です。

   しかし、保険契約をして頂いた顧客にどれだけ紹介のお願いをしているだろうか。

   確かに、保険という目に見えない商品の紹介だけになかなか紹介をもらいづらい面もある
   でしょう。

   契約者から紹介を取り付けるには、

    1.まずは、紹介のお願いを習慣化しお願いし続ける。

    2.商品を具現化し、目に見える(商品のネーミング、キャッチフレーズ)形にする

    3.営業ツール、名刺、会社(代理店)案内をインパクトのあるものにする

    4.あなたについて明確にする

      (1)どんな会社(代理店)?

      (2)何処にあるの?

      (3)何をやってきた会社(代理店)なの?

       (4)何をやってくれるの?

       (5)特徴・利点(メリット)は何?

   上記5点はプレゼンやセールストーク、会社(代理店)案内に必ず含めます。

   商品・サービスについてのスキルを磨くことも必要ですが、商品・サービスの本質を理解
   し、あなた(会社、店)自身が商品であることを忘れてはいけません。

  □あなたが実行すべき戦略

    1.新規顧客の獲得

    2.一顧客当たりの収入を上げる(アップセル・クロスセル)方法を開発する

    3.確実に顧客をあなたのファンにする方法を開発する

   顧客があなたから保険商品を買うのは、満たしたいニーズがあるからです。

   そして人は、一度に二つ以上の商品を購入したり、何かを購入したついでに別の
   商品を購入したりすることが多々ある。
 
   このようなことが起こるのは、一つのニーズが満たされることで、別のニーズが顕在
   化するためです。

   顧客は一般的に、一つの流れの中で商品やサービスを購入する。

   このことに気がつけば、そこから大きな利益をあげることができるのです。

   顧客が常に明確なニーズ・ウォンツを持っているわけではありません。

   あなたが顧客のニーズ・ウォンツを顕在化させるのです。

   今後ますます、顧客の争奪戦は激しくなってきます。

   そのときに、他社(店)と何ら代わり映えのしないやり方で、顧客との関係を続けて

   いけばどうなるかはあなたの想像に任せます。

   ハガキを出しなさい、ニュースレターを出しなさい、新聞・雑誌で顧客の関連情報
   が載っていたら、すぐ配信しなさい。

   顧客の創立記念・社長のバースデーに祝電(FAX、メール、カード・・・)を出しなさい。

   何でもいいから、あなたが目立つことを継続しなさい。
   
   他の誰も真似のできないことを!
   
  ■営業力を強化するには「売り方」を変える

   セールスにおいてお客様の断りは数多くあります。

   お客様が断ろうとする理由は様々です。

    1. 説明不足

     お客様はまだ十分な知識を得ておらず、もっと情報を得たいと要求してくる反
     論です。

    2. 理解が不足している

     売り手が思っている以上に、お客様が理解出来ていない。

     自分の伝え方が不十分だったことを伝え、再度お客様の立場に立った分かり
     やすい説明が必要です。

    3. 限定的な条件がある
     お客様の金銭経済的な問題や全く必要性を感じていないなどのケースがあり 
     ます。


   お客様は、あなたのプレゼンテーションを聴いて、自分の見通しというものをたてよう
   とします。

   懇切丁寧に、お客様が購入後をイメージできるようなプレゼンテーションをする必要が
   ある。

   それがうまくイメージできないと、上記のような断り文句が出てくるのです。

   人がものを購入するのは『願望を満たすため』と『問題解決のため』の2つです。

   保険を売ろうとした場合、プレゼンテーションで焦点を当てるべきなのは、お客様の
   不安を解決するべき手段が、あなたの扱う保険であるということです。

   経済的な不安、将来の不安、自分に何かあったとき残された家族への不安、経営リスク
   (倒産、賠償、信用、コンプラ等々)の不安。

   現状のままでは解決できない問題が、あなたの保険を利用することで、どう変わる
   のかということを、いかにイメージさせられるかで、プレゼンテーションの質は変わっ
   てきます。

   この現状と願望のギャップを、あなたの意見ではなく、事実として提案することが成約
   に結びつく重要なポイントでしょう。

   保険における『利点』というのは、その保険(手段)に入ることによって、自分や家族に
   対する経済的な不安や会社経営における経営リスクから開放される、ということに
   なります。

   一方、「特徴」とは保険商品の内容(商品内容のよさ)を同業他社商品と比較して売る
   売り方です。

   今まで営業マンの多くがこの「特徴」をメインにした売り方を行ってきましたが、ご承知
   のように今では、それは通用せず、利点(お客様にとってのメリット、利益)を主体とし
   た売り方がメインとなっています。

   保険は精神的な安定・安心であり、災害、倒産、病気、医療、命の保障といったあらゆる
   面で全て一緒だと言えます。

   お客様に『利点』を示すには、相手は何を望んでいるのか? 相手の抱えている問題は
   何か?

   ということを明確にしなくてはなりません。

   そのためには、いかに相手の立場にたち、問題解決につながる質問ができるか? です。

   たとえば、対象者が経営者であれば、売上げ(利益)、資金繰り、人(従業員)などに
   関する問題に興味を示します。

   まず、

    ・ 「御社の利益を伸ばす提案がありますが、ご興味がありますか?」

    ・ 「銀行の資金繰り対策で 利益を平準化できる仕組みがあります。この仕組みを
      取入れれば、納税のタイミングも自分で選ぶことができますが、ご興味がありま
      すか?」

    ・ 「低金利固定で返済期限なしで、しかも審査がなく、使用使途が問われず、4営業
      日以内に振り込まれる資金調達の方法があったら、いかがですか?」

    ・ 「万が一のときに銀行に頼らず、しかも固定金利でお金を用意する方法があった
      ら、いかがですか?」

    ・ 「最近、社員が鬱病を悪用して休んでしまうケースですが、働いて1年経ちますと、
       黙って働かずに給料の3分の2を18ヶ月貰えて(『傷病手当金』)しまうんです
      が、そのための対策(長期休職のルールづくり)は講じていますか?

   このような質問をすることで、最初の「イエス」をもらうことができるでしょう。

     そして「売上に関する悩みをお持ちですか? コストの削減でしょうか?」「マーケティ
   ングですか? 営業スタッフについてお悩みですか?」といった質問で、絞り込んで
   いけるでしょう。

   中間層、管理職は利益よりも売上、業績を上げることを求めます。

   昇進、昇格に関わってくることですので、売上向上に焦点を当てるのです。

   もし相手が一般社員や個人の場合、感情に焦点を当てるべきです。

   いずれにしても、イエスに向かって効果的に
   質問を投げかけ、問題の所在を明らかにする
   必要があるのです。

   「伝える」より「伝わる」は「話が上手い」という
   だけではないのです。

   商品を売り込む前に、あなた自身の表情や、
   身だしなみ、しぐさなど言葉以外のコミュニ
   ケーションに気を配る必要があります。

   言葉を発しなくても、体全体でメッセージを発
   しているのです。

   例えば、基本動作のできていない営業マンは
   先方より後から名刺を出すことがあります。

   名刺交換の場面から、このメッセージが伝わっ
   ていなければ、セールスが成功する確率は著しく
   下がってしまいます。

   営業マン本来の能力に、それほど大きな差があるわけではありません。

   あるとするなら、それはほんのちょっとした態度、身だしなみ(接遇)だったりします。
   
  □営業マニュアル

   優秀な営業マンと同程度の営業を凡人営業マンができたらいいと思いませんか。

   この問題の解決策となるのが営業マニュアルを作ることです。

   営業を手順書どおりに実行するのです。

   営業活動の手順に始まり、営業マンの基本的なトーク、アプローチブック、クロージン
   グに至るまでのプロセスを標準化することで、優秀な営業マンと同程度、あるいはそれに
   近い営業活動が可能となります。

   営業マニュアルは新規開拓、他種目(単価アップ)販売において基本的には同じです。

   しかし、現実では多くの代理店営業マンの行動が場当たり的になってしまっている
   ことです。

   このことは営業に限らず、内務体制においても同じことが言えます。

   このような行動から何も生まれません。

   場当たりな活動はムリ・ムダ・ムラの発生につながり、結果的に様々なリスクを生む
   ことになってしまいます。
   
   業務の標準化は代理店業を事業運営して行く上で、欠かすことのできない最優先課題と
   いえます。

   小規模で限られた資産しか持ち合わせてない代理店が多い中で、知恵を働かせた効率的
   で効果的な運営手法を実行していかなければ、生き残り勝ち残っていくことは困難となっ
   てしまいます。

   弊社HPではこれらの問題を解決していただくためのノウハウが満載されていると自負し
   ております。

   これらノウハウは私が現役時代に15年以上の歳月と数千万をかけてつくりあげたもの
   です。

   ぜひ、真似て(学び)あなたのノウハウとして活用してください。

   今のままだと、次世代にバトンタッチするにも10、20年前のやり方・考えまで承継する
   ことになりかねません。

   さらに、継続的な増収を図ることも不可能になってしまいます。

   たとえば、代理店の平均多種目販売率は、今も昔もほとんど変わらず1.5〜1.6件を
   推移しています。

   多種目化が進まない原因は何でしょう。

    ・代理店業務のすべてが、マンパワーに頼っている。

    ・従業員個々に任せっぱなしにしている。

    ・経営計画をたてても遵守していない。

    ・経営者、トップのリーダーシップの欠如。

    ・従業員満足(ES)がおざなりになっている。

   これらは営業部門のみならず、すべての業務に共通する問題です。

   営業会社(店)である代理店にとって営業は経営の根幹を成すものです。

   優秀な人材ばかりであればいうことはありませんが、そうではないことが現実である
   限り、マニュアルの整備は急務となります。
   
  ■保険業界は成熟産業

   保険業界は成熟産業として様々な販売チャネルの台頭や社会環境の変化により、
   お客様の保険に対する豊富な情報の入手、商品の選択肢の広がりなど売り手である
   代理店にとって過去の営業手法が通用しな状況であることは既に承知のことです。

   あなたの代理店としての形態(法人、個人)は別にして、今後保険商品を販売し、継続
   した収益を上げていくためには、今までのやり方から今の時代にあったやり方に変え
   なくてはなりません。

   景気の衰退に伴い、世の中には詐欺的商法が多発していますが、収益を上げるための
   「魔法の杖」や「インスタントなテクニック」などないのです。

   過去のやり方・考えを変えようとせず、過去の成功事例を引きずったまま、これからも
   続けることは不可能です。

   場当たりな事務業務や営業活動は「労多くして、益少なし」です。

   「魔法の杖」や「インスタントなテクニック」のノウハウはありませんが、これらに代わ
   るものがあるとすれば、それは「仕組み」です。

   「仕組み」についての詳細は弊社HPをご覧いただくこととして、「仕組み」は場当たり的
   な業務活動に終止符を打つために欠かせません。

   「同じやり方を続けて、違った結果を求めていても増収できない」のです。

   それでは、継続した増収を図るために準備しなくてはならないツールとは何でしょう。

  □セールスにおけるスクリプト(台本)の準備

   営業はセールストーク、セールスプロセスが手順に則って実行されていることが基本
   となります。

   これらの準備がないまま、場当たりな営業活動を行っていてはお客(顧客)様情報も、
   集客による見込み度も営業マン個人の情報にとどまり、会社(組織)の情報として蓄積
   できません。

   もったいない話です。お金をドブに捨てるようなものです。

   顧客情報がどれだけ重要かをトップや管理者は十分認識すべきです。

   組織としての情報収集は日報を活用しましょう。
     
  ニーズ喚起 

   今では、お客様との面談でいきなり商品を売り込むといったことはないでしょうが、それ
   でも「売る」が先行した営業活動をしている営業マンが少なくないのも事実です。

   これは上記のセールスプロセスがないか、あるいは身についていないことから起きる
   ことです。

   「ニーズ喚起」は成約率を高めるためにも欠かせない活動です。

   人は理屈で商品やサービスを購入するのではなく、「感情で購入する」ことを理解しま
   しょう。

   損保商品が必要保障型商品なら、生保はニーズ喚起型商品と言われ、損保営業より生
   保営業の方が難しい理由がここにあります。

   今までのように、いきなり保険の話から切り出してもお客様が耳を傾けてくれる時代では
   なくなりました。

   そのためにも、「ニーズ喚起」により、お客様が「何を必要とし、求めているのか」を
   知ることが重要です。


  集客、新規開拓、多種目販売、顧客流出防止のためのマニュアル(手順書) 

   この課題を解決するためには、正しい活動の手順に沿った営業が必要となります。

   既存客への多種目販売だけでは限界があります。

   そのためにも、集客(見込み客開拓)に始まり、新規顧客の獲得までの手順、新規の
   顧客をどのように固定客化していくかを標準化しなくてはなりません。

    ・達成可能な経営計画の策定 

     「計画なくして実行なし 実行なくして成果なし」です。

     業界問わず、計画の達成が画餅に帰する中小企業が少なくありません。

     画餅に帰さないためには達成可能な計画をじっくり練ることです。

     目標達成には『目標管理(シート)制度』と『評価制度』が欠かせません。

   我流で物事を進めていくことで、成功することもあるかもしれませんが、それはたまた
   まうまくいっただけです。 

   経営はバクチではありません。

   決めたことを計画通りに実行するだけです。

  ■あなたのお客さんは誰?

   あなたは「あなたのお客さんは誰ですか?」と問われたとき明確に回答できますか?

   「保険に加入してくれた人すべて」と回答する人が大多数ではないでしょうか。

   このことが増収を阻害する要因の一つです。

   原因は営業のやり方にあります。

   あなた(自社)を選んでくれて新規の顧客になってくれた理由は?

   商品の品揃えの豊富さ? 価格? 熱心さ(足しげく通う)? 保険会社名?

   本来、新規開拓であれ多種目販売であれマーケットを絞った営業活動が重要です。

   「マーケット(ターゲット)を絞る」事例として、今企業が抱える問題の一例として、
   東日本大震災におけるBCP問題が挙げられます。

   中小企業が、今後の事業におけるBCP対策に真剣に取り組まなければならないという
   ことです。

   しかし、中小企業のBCP策定率は8.6%に留まっています。

   企業規模による格差が拡がっているのが実情です。

   顧客に聞いてみてください。

   「社長のところが例えば被災された場合、困るところはありますか?」、「関連の他社が
   被災した場合、社長のところは困ることがありますか?」

   社長が「ある」と答えたなら、「サプライチェーン全体(グループ)で対策を講じませ
   んか」と言うのがあなたの役割です。

   間違っても、対策を保険対策といった提案はしないことです。

   多くの中小事業所がサプライチェーンに組み込まれていることにより、自社が震災の
   被害に被らなくても、関連他社が直接・間接的に被害を被れば、自社にも多大な影響
   を及ぼします。

   事業所に対し「BCP(事業継続計画)」対策レポートや防災コンサルティング、防災マ
   ニュアルの整備を提案することです。

   提供する情報は生ものです。

   時機を逸した情報では相手は何の興味・関心も示しません。

   さらに、このメンバーの中には別のサプライチェーンのグループに組み込まれている
   可能性もあります。

   こうやってお客様の輪を広げていきましょう。

   個人向けであっても同じです。

   防災マップの配布や、我が家の耐震診断、防災キットなどの情報を提供することです。

   このように「商品」が先行するのではなく、「防災、BCP、RM」がキーワードとなった
   マーケットが出来上がり、そこで何が必要で、何を提案すべきかを知ることができます。


   まず、「予防対策(リスクコントロール)」を提案して次に「起きてしまった場合の対策
   (リスクファイナンシング)」手段の提案をします。

   大多数の代理店が「まず、商品があって、マーケットに受け入れてもらうことを期待」
   しているが、これが収益拡大を阻害している要因のひとつです。

   例えば、安い価格で顧客を増やすことは簡単ですが、価格だけでビジネスを維持していく
   のは困難です。

   「マーケットが何を求めているかを知ってから商品をつくる」

   この点を理解する必要があります。

   「商品があって、マーケットに売り込む」のではありません。

   結果、マーケット、商品を絞り込むことで、その商品に関連した周辺知識が豊富になり、
   あなたは専門家と見られ、連動して他の商品・周辺知識も豊富と思われるのです。

   『人が行動する動機とは?』一つは、「欲」です。

   言い換えるなら、自分にとってのメリット、自分のためなのです。

   誰もあなたのために行動するということはありません。

   お客様は、自身のために行動するのですから、あなたが話すこと、あなたが伝えることは
   全て、彼らの立場に立って表現され、まとめられなければなりません。

   <ご参考>   
    日本建築防災協会(わが家の耐震診断
    「誰でもできるわが家の耐震診断」は、木造住宅の耐震診断・耐震改修を推進する
    ためのものです。

    転ばぬ先の杖 自己診断をお勧めします。(お客様にも教えてあげてください)

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静岡・愛知県内、東京周辺を中心に中小規模企業の問題解決支援としてマーケティング・業務改善・リスクマネジメント
企業運営に欠かせない3つの仕組みづくりを支援いたします。
経営者にとって重要課題は会社をつぶさないことです。
しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
少しでも多くの企業が、このような危機に見舞われず、最悪の事態を招く
ことのないよう、私ども専門家集団は事業運営に欠かすことのできない
マーケティング、業務改善、リスクマネジメントについて全力投球で支援
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