人はストーリー(物語)に感動する


  ■ストーリー

   ストーリーとは物語です。

   このストーリーをセールストークやプレゼンに活用することをストーリーテリングと言い
    ます。

   伝えたいことやコンセプトを想像させるために、印象的な体験談やエピソードなどの
   “ストーリー(物語)”を引用して話すことで、聞き手に強く印象付けるセールス手法の
   ことです。

   聴きなれない言葉かもしれませんが、国内でも企業の広告に多く使われ始めてきました。 

   ソフトバンクの白戸家のCMや過去にはサッカー界のスーパースターメッシ選手が自らの人生を
   語るアディダスのCMが典型でしょう。

   「これが僕のストーリー」というメッシの語りで始まるCMです。

   このCMでは、メッシ選手の少年時代に起きた成長ホルモンの分泌による病気を克服して
   現在に至ることと、アディダスの品質(クオリティ)とは何の関係もありません。

   しかし、ほとんどの人はそんな風に感じません。

   このCMのストーリーに心を動かされ、アディダスの商品価値は消費者の中に確実に
           高まったのです。

   人は理屈ではなく、感情でものを買うのです。

   他にも、リッツカールトンホテル、ディズニーランド、ロールスロイス、アフラック、ボ
   ルヴィック(ミネラルウォーター)など、挙げたら切がありません。

   ネットビジネスの世界で多数活用されているセールスレターも、物語風にかかれたレター
   を活用して、商品・サービスを販売しています。

   ストーリーテリングを活用するとしたら、アプローチ(セールス)ブック会社案内
   プレゼンなどのトークにも効果的です。

   アプローチ(セールス)ブックは紙芝居と言い換えてもいいでしょう。

   ストーリーテリングとは、伝えたいことやコンセプトを想像させる印象的な体験談や
   エピソードなどの“ストーリー(物語)”を引用して話すことで、聞き手に強く印象付ける
   セールス手法のことです。

   米国アップル社の故スティーブ・ジョブズ氏は、聞いている者の心を動かす“感動の
   プレゼン”を行うとして世界中を魅了してきました。

   ジョブズ氏のプレゼンがなぜ人々の心を感動させるのか、その理由はさまざまですが、
   一つには「プレゼンに納得感のあるストーリーがあること」だと言われています。

   「納得感のあるストーリー」とは、相手にとって「なぜ、自分はこの商品を購入したほう
   が良いのか?」が明らかになっているということです。


   
  □ストーリーで価値を売る

   悪徳業者に騙される事件はどの時代にあっても後を立ちません。

   不適切な例かもしれませんが、わかり易く説明するために悪徳業者や結婚詐欺師の手口
   で説明してみます。

   彼らは決して商品やサービスそのものの特徴や良さは話しません。(なぜなら粗悪なもの
   だから)ですから、徹底してお客様の利益やメリットをストーリーを交えて話します。

   購入後のお客様のバラ色の環境を想像させることに長けているそうです。

   同様に、結婚詐欺師も相手のいいところ(どんな不美人であっても自分の○○はステキ
   だと思っている箇所が必ずあるとのこと)を徹底して褒めちぎるそうである。(会うたび
   ごとに)

   単に「綺麗だね」ではなく、「君の瞳は澄んだ湖みたいだね」とか・・・。

   歯が浮くようなセリフに聞こえるかもしれませんが、言い続けることで相手はそう思っ
   てしまうそうである。

   近年(2011年)に捕まった結婚詐欺師は独身女性6人から7240万円を騙しまし取っ
   たそうだ。

   殺し文句や手口はターゲットを絞込み(被害者は40代が中心)、知り合った女性に
   BMWやレクサスなどの高級車で会いに行き、高級時計をちらつかせてIT企業社長を
   名乗っていたそうである。

   虚栄心をくすぐり、年齢的にも結婚を焦っている被害者はコロッと騙されたそうで、
   中には3千万円も騙し取られた女性もいたとのこと。

   どちらの例も商品やサービスの良さを売るのではなく、相手にとってのメリットとなる
   価値をストーリーを交えて語るそうである。

   この例からもわかるように「人の心理」を突いているということを言いたかったのです。

   ですから、いつの時代でも単純で同じ手口が通用するのでしょう。  

   話を元に戻します。

   商品の良さ、品揃えだけではモノは売れません。

   「分かりやすく、選びやすく、迷わせない工夫をする」。

   お客様との接点における商品のアピールや情報発信で大切なのはそこです。

   その組み立てを何通りも考え、試してみることが大切なのです。

   その商品・サービスがお客様の生活・事業の中の何と結びついてくるのかの実感が湧かな
   くてはなりません。

   あなたの売りものは扱う商品・サービスそのものではなく、お客様の満足を獲得するため
   の手段であることを忘れないでください。

   そうでなければ、いつもの売り込み営業に走ってしまいます。

  □相手にとっての『価値』

   そこで、ストーリーを組み立てる際に肝となるのが、相手にとっての『価値』を考え
   ることです。

   この「価値」とは、「商品を購入することで相手にとってどんな良いことがあるか」を
   指しており、プレゼンは、まさにこの「価値」を伝えるために行うと言っても過言で
   はありません。


   「価値」が相手に伝わりやすいのは、

    「現状(問題点)→ 問題点を改善するための方法(ニーズ)→ 問題点を改善した
    姿(ゴール)」といった順番で組み立てられたストーリーです。

   ストーリーの活用は、セールストーク、ニュースレター、会社案内などのトークにも
   使われます。

   ソフトバンクの白戸家のCMなどが代表例です。

   このようにストーリーを交えたトークは聴く人や見る人の心に強い印象として残ります。

   トップセールスマンがなぜ優秀なのかといいますと、初めから自身が扱う商品・サー
   ビスそのものや特徴などは決して話しません。

   お客様の感情に訴える(お客様の利益・メリット)のが上手です。

   しかし、多くがトップセールスマンのような能力を持ち合わせていません。

   ですから、物語が必要なのです。 

  □「体験」を売る

   ストーリーはさまざまな場面で使われています。

   通販では特にセールスレターの良し悪しで売上げが決まってきます。

   このセールスレターの内容のほとんどが物語風に書かれています。

   商品そのものを売るのではなく「○○のある毎日の生活シーン(場面)」

   例えば、
   セブンイレブンは店内にはいろいろなモノを並べてありますが、モノを売っているので
   はなく、急に何か欲しくなったとき「5分以内で買えて、いつでも買える」というコン
   セプト。

   「峠の釜飯」で有名な弁当屋さんは横川駅(信越線)という閑散とした駅で1日に6
   000食を売るそうです。

   そして、一人が平均2〜3個、多い人だと5個以上も買うとのことです。

   弁当そのものを売っていれば、空腹を満たすためということになり、1個で十分なはずで
   コンビで買って、持ち込むことでもいいはずです。

   お客さんはモノとしての弁当を買っているのではなく、「旅情」という味わいを体験
   (コト)したいからです。
   
   そして、この旅情の体験を友人や家族にも味わせてあげたい気持ちから複数個買う
   のです。

   これらの事例からも分かると思いますが、人は体験(experience)というストーリー
   を思い描くのです。

   先程も述べたように、ストーリーはプレスリリース、セールスレター、セールストーク、
   会社案内(社名の由来、会社の理念)などにも使われます。

  □ストーリーテリング

   例えば、会社案内では会社の物語が必要です。

   起業から草創期、苦難期、成長期、変化期、再出発‥‥‥企業の物語は実に多
   くの示唆、教訓を与えてくれます。

   こうした会社の成長の足跡をストーリー化し、企業文化の充実、企業ブランドの向
   上、社員モラルの徹底などに結びつけ、企業価値の向上に貢献します。

   知識を伝え、「共感」や「感動」という価値をもたらすのは、ストーリーです。

   情報やデータは、つねにある文脈の中に置かれて人の内面に定着する力を持ちます。

   情報やデータを豊かな文脈の流れにのせて生活者の心の中に定着させ、共感や
   感動といった価値を通じて、さまざまなブランドや企業活動を深く、広く浸透させていく。

   これがストーリーテリングです。

   人は、情報やデータに心を打たれ、笑い、涙を流すことはありません。

   ストーリーにこそ自分自身を重ね合わせ、深い心の体験を共有するのです。

   断片ではなく、部分でもなく、あくまで全体を統合的に提示することによって、他の
   手法では得ることのできない価値を生活者と企業が共有できます。

   起業から草創期、苦難期、成長期、変化期、再出発といった流れでストーリーを作っ
   ていきます。

   1.語り手の情熱

     ストーリーを語る前に、自分がどうしてその
     話をしようとしているのかを理解する必要が
     あります。

     なぜこの商品を提案するかのストーリー、
     そして自分の体験談などから商品の販売
     につながるストーリーを導き出します。

    2.苦難(困難)

      内容のすべてがサクセスストーリーとい
      うのは相手に感動を与えません。

      ヒーロー物の映画はとんでもない悪役がいる
      からこそ、勝利が際立つわけです。

      貧困から這い上がった、コンプレックスを乗り
      越えたなど、困難から始まるストーリーに人は
      心を揺さぶられます。

    3.気付き

      誰も運良く成功した人の話は聞きたいとは思いません。

      苦難の中で解決策を求めながら、何かしらの気付きを得た瞬間がストーリーの
      キーポイントです。

      ガイアの夜明けをご覧になったことがある方ならば、苦難の連続から抜け出す中
      に気付きの瞬間やブレイクスルーの瞬間が映し出されていたことに気付いたはず
      です。

    4.結果

      ストーリーの結果はハッピーエンド(幸せや成功がもたらされているもの)で
      ある必要があります。

      そうしないと、商品を購入してもらうという本来の目的を逸してしまうからです。


    上記から、商品を語るのではなく自分の罪や過失、失敗談を交えた物語風なトークが相
    手を感動させるのです。

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