プロフェッショナル社員を育てる

   
  ■プロ意識

   使命感とは、私たちが何のためにこの世に存在し、何をもって世の中に貢献するかを一言
   で表現したものであり、仕事人の心構え(職業観)を示すものです。

   企業が利益を追求するためだけにあるのではないように、私たちも単にお金のためだけ
   に働くのではありません。

   そこにはお金では買えない働く喜びや働き甲斐がなければ、どんな仕事でも一生をかけて
   やるだけの価値はないでしょう。

   使命感なき企業が、成功・存続し得ないように、使命感なき社員も、一つの仕事を全うし
   成功を手にすることはできないのです。

   あなたが社内でどのような立場であっても、生きがいがあるはずです。

    ・毎日が生きているという実感がある時

    ・目標に向かって、一生懸命努力している時

    ・社会頁献(人のため)になる仕事をする時

    ・目標達成がかなえられた時

    ・自分の存在を他人に認められた時

    ・自分がこの世で必要な人間である主自覚した時

    ・自分を必要とする人と出会い、愛し合える時

    ・自由を感じる時

    ・張り合いある仕事を持ち、元気に働くことが出来る時

    ・未来に対してはっきりとした目標のある時
      
  □プロ意識

   人生において仕事の位置付けを示すとするならば、そのことを人生の「目的」とするか
   「手段」とするかでしょう。

   食べるため、生きるため、遊ぶためのみであるならば、それは手段であり、つまりは
   「アマチュア」の域を抜けることはできません。

   「プロとは仕事を人生の目的とする」のであって、私たちは改めて仕事を通じて自己の
   豊かさづくりを目指すことが近道であることを知っていただきたいのです。
 
   それは自己や家庭を犠牲にすることではありません。

   よい仕事をすることが、お客さまや仲間、会社(店)にとって役立ち、まわりまわって
   あなたに返って来るのです。

   仕事を通じてあなた自身の人間的魅力を増し、社会常職を備え、社会人としても成長して
   いけるのです。

   そのためにも、正しい物の見方・考え方(心根・価値観)を理解することが大切です。

  □目標を持つ

   多くの成功した会社(店)、人には共通点があります。

   それは、まず目標を持っているということです。

   それも具体的な目標を持つことが成功の基本なのです。

   「光陰矢の如し」という言葉がありますが、私たちの人生は実に短いものなのです。

   人に平等に与えられたもの、それは唯一「時間」ですが、1日24時間、睡眠時間を引いて
   残った時間をみると、働く多くの人は仕事の場に多くの時間を置いています。

   人生を創る時間を考える時、仕事に身を置く時間が何と多いことでしょうか。

   納得できる人生、豊かな人生、充実した人生…、誰もが願うことです。

   しかし、仕事に入るきっかけは人さまざまですが、いったん仕事に入ったならば、その仕
   事を通じて目標を持ち、あなたの人生を創造することが課題となります。

   お客さまの喜びがあなたの喜びになる、そんな仕事があなたの仕事です。

  □三感(感心・感謝・感動)

   どんなにあなたが一生懸命やったつもりでも、残念ながらそれを評価するのは、第三者
   であるお客さまです。

   お客さまは元来、「わがまま」な存在です。

   決してあなたの思い通りになるとは限りません。

   だからといって自分を抑えて、また店の方針、会社の考えを曲げてでもお客さまの言う
   通りものごとをやったのでは、スタッフとして、また会社(店)としても魅力に欠けてし
   まいます。

   利用していただいたお客さまを「財産」と考え、お客さまに感謝するということだけでは
   軽く、感謝される、喜ばれることが肝要です。

   それは、すでに「感心、感動」をお客さまがされているからこそできることなのです。

   私たちは、「感謝される会社、喜ばれる会社」、あなたは「感謝されるスタッフ、喜ばれ
   るスタッフ」となることを目指すことです。

   そして、この基本は大きく2つに分けることができます。

   基本とはやらなければならないことであり、逆にやってはならないことはやらないこと、
   と理解して下さい。

   私たちの仕事は、やるべきことをやり、やってはいけないことをしないことが重要な
   ポイントになります。

   これは当たり前のことですが、非常に難しいことといえましょう。
 
   当たり前のことを当たり前にやって、初めてお客さまが認めてくれるのが私たちの
   仕事です。

   少数精鋭で勝負する中小企業では、プロ意識が欠如している社員が数人混ざっている
   だけで、経営力は大きくダウンします。

   自社(店)にとっての「プロ」とはどのような社員かを考え、社員のプロ意識を向上させ
   るポイントについて考えていきましょう

   本来会社は「プロ」の職業人の集合体であるはずです。

   特に人材に限りのある環境で勝負する中小企業では、プロ意識が欠如している社員が
   数人混ざっているだけで、経営力は大きくダウンします。

   多くの社長は「成果を出せない社員」、「真剣さが足りない社員」に対して、「もっとプ
   ロ意識をもて」と叱咤した経験をお持ちでしょう。

   しかし、この「もっとプロ意識をもて」という言葉は、叱咤する側もされる側も「もっと
   頑張れ」という意味合いでしか使われません。

   その結果、社員は一時的な瞬発力を発揮したとしても、すぐに元の状態に戻ってしま
   います。

   社員が正しい「プロ意識」をもち続けるためには、プロ意識の定義を明らかにし、それを
   満たすための努力の方向性を示すことが必要です。

   プロ意識の有無は、たんに「給料以上の売上をもたらしたか」という表面的な成果のみから判断
   することではありません。

   本当のプロ意識とは、仕事を通じて関係するすべての人に好影響を与え続けられるように
   真摯に努力する姿勢・行動と定義づけることができます。

   自分自身が「任されている仕事に対して完全な当事者意識をもっていること」、「現時点で
   自分が保有する能力をフルに発揮していること」など仕事にプライドをもつということであり、
   つねにべストな状態で臨めるように健康管理に気を配ることも重要なプロ意識です。

   社員のプロ意識のあり方が、自社の社会的な存在価値、実際の成果、一人ひとりの社員の
   成長などに大きな影響を与えます。

  □プロ意識とは

   (1)自分に対して

     自分自身が行っている仕事にプライドをもつことです。

     具体的には、「任されている仕事に対して完全な当事者意識をもっていること」、
     「現時点で自分が保有する能力をフルに発揮していること」などがあげられます。

     また、自分の将来を見据えて、「成長に向けた努力を継続していること」も重要
     です。

     自分の現状とめざすべき将来を認識し、そのギャップを自ら解消していくことが必要
     です。

   (2)同僚に対して

     同僚に対しては健全なライバル意識をもち、互いに切礎琢磨していくことが求められ
     ます。

     苦しいときには励まし合ったり、逆に同僚に慢心がみられるときは厳しく指摘するこ
     とも必要でしょう。

     また、チーム力を最大限に発揮するためには良好なコミュニケーションを心掛け、
     適切な人間関係を構築するのも同僚に対するプロ意識です。

   (3)組織・会社に対して

     社員には自分の所属する部門や会社全体を自らが主体となって、引っ張っていくと
     いう気概が求められます。

     パレートの法則(2:8の法則)では、組織において2割の優秀な人財が収益の8割を
     つくり、残り8割の人材(人在、人罪)で2割の収益をつくっているといわれるよ
     うに、「2割の優秀な人が残りの8割を養っている」と言われています。

     自分から進んで「8割」の側に入っている人は、会社に対するプロ意識を放棄してい
     ることになります。

     プロ意識を養うためにも、組織人としてやらなければならない行動である基本動作
     習得が急務です。

   (4)顧客に対して

     社員の給料の源泉は買い手である顧客からの支払いです。

     したがってプロであれば顧客に対して十分な満足を与えることが絶対条件です。

     約束した納期や品質を厳守することはもちろん、プロである以上、顧客が何を求め
     ているかをつねに意識し、それに対して高いレベルで応えることが求められます。

     逆に、自分に与えられたノルマをこなすために、顧客の利益不在のまま、無理やり
     商談を進めることなどは、プロ意識に明らかに反した行為です。

 

     自社の商品、サービスを買ってくれた顧客に満足感を与えることは当然として、プロ
     であれば顧客の背景にある社会全体に与える影響まで気を配る必要があります。

     いまさらのことではありませんが、厳しい環境の中で生き残り、勝ち残っていくのは

     「本物」だけです。

     やらねばならないことを当たり前実践するのがプロですが、これができていない人も
     少なくありません。

     プロである以上、一定の成果を出すことは当然ですが、成果を出しさえすればプロと
     いうことにはならないのです。

     また、成果創出のためには何をしてもよいということでもありません。

     トップはプロ意識の本当の意味、特に自社(店)にとってのプロ意識の意味を朝礼な
     どの場を通じて繰り返し伝えます。

     プロ意識の骨子部分は経営理念などとともに唱和させるのも有効です。

     さらに、プロ意識をテーマにした体験談を社員にスピーチさせ、トップや部門責任者
     が講評を行うことで効果は増します。

     社内の定例ミーティングなどで、各自がプロ意識に基づいた行動を取れているかを
     具体的な事例を交えて確認・指摘し合うことも大切です。

     社員のなかには与えられた短期的な数値目標に目を奪われるあまり、顧客に対し
     て不適切な行動を取る者もいるかもしれません。

     直接的に顧客と接する機会のない管理部門の社員などは、管理業務を提供する自
     社の社員が「顧客」ということになります。

   (5)社会に対して

     自社の商品・サービスを購入してくれた顧客に満足感を与えることは当然として、
     プロであれば顧客の背景にある社会全体に与える影響まで気を配る必要があり
     ます。

     たとえば、省エネ家電は購入者に電気代節約という直接的なメリットがあるばかりで
     はなく、社会全体のエネルギー問題解消にも貢献します。

     このように自分の仕事が社会全体にどのような影響を与えているのかを考えるのも
     プロ意識です。

     また、仕事以外の場で反社会的な行為をしないというのも、最低限のプロ意識です。

     いかに顧客や会社に多大な利益を与えている社員でも、飲酒運転などの法令違反
     を起こせば、自分が罰せられるだけではなく、関係者に多大な迷惑を与えることに
     なります。

  経営理念、社長の考え方

   自社の経営理念に、プロ意識に関する言葉
   や考え方がすでに含まれていることも多いで
   しょう。 

   また、明文化はされていなくても、社長の頭
   の中には「顧客にとってこのような存在であり 
   たい」、「社会にこのような貢献をしたい」とい
   う思いがあるはずです。


  □我が社に必要なプロ意識の骨子(例)

   自分に対して:毎年の成長を実感できるように自己啓発を継続する 

   同僚に対して:成長を共に考えアドバイスする

   組織・会社に対して:組織のビジネスモデルを理解し、改善提案する

   顧客に対して:顧客ニーズの変化を捉え、いち早く対応する 

   社会に対して:自社の社会的役割を理解し、貢献拡大に努める


  □プロ意識を浸透させる

   プロ意識を浸透させることは、社員の意識と行動を改革することであり、一朝一夕に進む
   ものではありません。

   また、プロ意識は自社にとって普遍的な原則であるにもかかわらず、業績好調時には
   慢心から、業績不調時には目先の売上偏重から、それを軽視してしまうこともあります。


  □社長のプロ意識

   社長自身に必要なプロ意識について確認します。

   社長は「経営のプロフェッショナル」であり続けなければなりません。

   会社のあるべき姿を示すリーダーシップや、その実現に向けて全社を最適に運営するマネ
   ジメントが求められます。

   次代を担う人材育成(特に経営幹部の育成)なども社長の重要な役割です。

   社長自身が自分の努力のあり方を確認するためにも、また、社員に自分の決意を示す意味
   でも、社長に必要なプロ意識について明確にしておきましょう。


  □プロ意識の本質を繰り返し伝える

   プロである以上、一定の成果を出すことは当然ですが、成果を出しさえすればプロと
   いうことではありません。

   また、成果創出のためには何をしてもよいということでもありません。

   プロ意識の本質は「仕事を通じて関係するすべての人に好影響を与え続けられるよう
   に真摯に努力する姿勢・行動」にあります。

   社長はプロ意識の本当の意味、特に自社にとってのプロ意識の意味を朝礼などの場
   を通じて繰り返し伝えます。

   プロ意識の骨子部分は経営理念などとともに唱和させるのも有効です。

   また、社長自身が「社長のプロ意識」をどのように実践しているかについても説明しま
   しょう。


  □確認・指摘の場を設ける(社内会議・ミーティング)

   部内の定例ミーティングなどで、各自がプロ意識に基づいた行動を取れているかを
   具体的な事例を交えて確認・指摘し合うことも大切です。

   各メンバーが実際の業務のなかで、部門のプロ意識に沿った行動ができているか
   どうかについて、実際のケーススタディーを通じて、確認・指摘し合う場を設けま
   しょう。


  日報の必須報告事項に加える

   日報のフォーマットに「プロ意識の実践」の報告欄を設けることで、自分の行動がプロ
   としてふさわしかったかどうかについて、毎日考える習慣を植えつけます。

   反省点がある場合はその原因と明日からの改善策についても記入させます。

   報告内容は些細なことでも構いません。

   たとえば、若手営業マンにとっては「顧客企業の属する業界の業界紙を読んで理解を
   深めた」といったことも、立派なプロ意識の実践といえます。

   上司は部下がプロ意識を理解しているかどうか、実践に移せているかどうかを確認し、
   必要な指導を行います。

   どの業界でも、プロとアマチュアの垣根が低くなってきているが、お客様からお金を
   いただくからには、それ以上の対価を支払う(提供)するのがプロとしての基本です。

  人事制度の整備

   人材育成を側面から支えていくうえで重要なのが人事制度の整備です。

   人事評価を適正に行うことは、人材育成を行ううえで社員のやる気を高めるために有効
   な手段といえます。 

   社員一人ひとりの能力・個性を大切にし、育成に結びつけるための人事制度を整備し
   ます。
  
   今、「プロフェッショナル社員」が求められています。

   総合的な能力が高ければいいというものではありません。

   与えられた仕事で結果を出しているかどうか、それが問われているのです。

   若手社員であっても中堅であっても、プロフェッショナル社員でなければ会社(組織)
   では用済みとみなされてしまう、そんな厳しい時代の中にあります。

   プロフェッショナル社員となるためにも、
    ・変化を受け入れる

    ・大きなアイディアをもつ

    ・言い訳をしない

    ・人の役に立つ

   を常に意識して取り組む必要があります。 

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