従業員満足(ES)なくして顧客満足(CS)なし

        

          顧客満足(CS)度と従業員満足(ES)度の向上 


  ■購買後の評価

   商品・サービスの購入後も、消費者の一連の購買行動は終了するわけではありません。

   実際に購入した商品の使い勝手など、商品から得たさまざまな経験などは消費者の中
   に記憶され、次回の購買行動に影響を与えます。

   次回の購買行動に大きな影響を与える要因は「消費者の満足度」です。

   消費者が実際に商品・サービスを購入・使用して大きな満足を得ることができれば、次回
   に同様の商品を購買する際にも同じ商品を購入する可能性が高くなります。

   逆に、消費者が不満を感じれば次回は別の商品を購入することになります。

  □満足・不満足の要因
   「消費者(顧客)満足」の重要性はあらゆる場面で語られます。

   では、消費者の満足・不満足という評価はどのようにして形成されるのでしょうか。

   消費者は商品・サービスを購入する前にあらかじめ商品に対する「期待」を抱いています。

   一般的には、この期待と実際に購入した商品から得られる「成果・経験」などの差異が、
   消費者の満足・不満足を決定するとされています。

   すなわち「期待<成果・経験」であれば消費者は満足し、逆に「期待>成果・経験」であ
   れば不満足を感じるようになるのです。

   また、消費者は購買に際して料金を支払ったり、情報の収集を行ったり、実際に商品を
   購入するために店舗に足を運ぶなど、さまざまな経済的負担や労力を費やしています。

   これらの経済的負担や労力に見合った成果が購入した商品から得られるか否かも、
   消費者が感じる満足・不満足に影響を与えます。

   不満足を感じた消費者は、製造メーカーや商品・サービスを購買した店舗などに苦情
   を申し出るなど、なんらかの行動を起こす場合があります。

   しかし、製造メーカーや販売した店舗などに何らかの意思表示を行う消費者は非常に少
   なく、不満を感じた消費者の数%程度にしかすぎないといわれています。

   最も多いのは製造メーカーや商品を購買した店舗などに対して「何のアクションも起こ
   さない」という消費者です。

   これらの消費者は、企業の全く知らないところで、他社(店)の商品に乗り換えているの
   です。

  □顧客主導
   顧客満足度(CS)とは顧客のルールによるものです。

   市場が成熟したことで、市場の主導権は企業から顧客に移っています。

   また、市場の成熟に伴い、顧客は多くの商品知識を持つようになり、顧客主導型の市場
   が確立されました。

   このような市場において、企業が差別化を図るために取るべき手段の一つが顧客満足
   度の向上です。

   顧客満足度の向上策に大きな効果を発揮するのがリレーションシップを図るための
   『顧客との関係強化』があります。

   リレーションシップの強化はCSの向上を図るだけでなく、クレームの予防策、営業力強化
   にも大きな効果を発揮します。

  ■顧客対応
   電話対応、事務処理などはあなたからみれば日常的な数多くある業務のうちの一つに
   過ぎませんが、多くの顧客にとってあなた(会社)を意識する機会は多くはありません。
   (顧客との接点拡大はあなたを意識してもらう機会を増やす)

    ○約束したこと・時間は常に守られているか

    ○説明はわかりやすい言葉で丁寧に行われているか

    ○正しい言葉遣いで親切・丁寧に対応されているか

    ○『顧客の声』を取り入れ、それを改善する仕組みがあるか  

   これらのことはできて当たり前のことばかりです。

   自社に照らし合わせ、考えてみましょう。

  □お客様の期待に応える
   お客様が「〇〇してくれて当たり前」と思っていることを確実に実現する。

   言ったこと、約束したことを実行するのは当然ですが、言っていなくても、世間からみて
   「こうしてくれるのが当たり前」と思われていることも実行しなければなりません。

   お客様の期待に応えたいと思っていても、ついうっかりしたり、お客様の期待を誤解し
   ていたりすることもあります。

   理由はどうであれ、一度でもお客様の期待を裏切ってしまうと「万一の時は大丈夫か?」
   と不安にさせ、信頼を失ってしまうおそれがあります。

   お客様は100%期待通りにしてもらって当たり前だと思っており、組識全体が常にお客
   様の期待に応える体制作りが急務です。

   そのためにも業務の遂行を勘と経験で行うのではなく、標準化してマニュアルを作成し
   活用することで、自社(店)の品質を継続して維持していくことが欠かせません。

  □お客様が主語
   満足かどうかはお客様が判断します。

   ところがお客様に聞きもせず自分の判断基準で勝手に「こうすればお客様は不満はな
   いはずだ」と思い込んでいる場合はないでしょうか。

   「お客様のことはわからないのが当たり前」ではなく、「お客様のことを知っている」にす
   るためにはお客様に謙虚に聴き、それにしたがって改善する姿勢と体制(顧客管理)が
   大切です。

    *あるアンケート調査によると、「折り返しお電話します」といった場合、お客様
     の時間の許容範囲は5分位と回答しており、それに対して15分後に電話し
     たら「遅い」という不満が残るでしょう。

     お客様の期待はわからないので、「○○分位でお電話できると思いますがよろ
     しいでしょうか?」と確認すれば期待通りに電話することができます。

  □お客様のことに注意を払う
   お客様は何を望んでいるか、どう思っているかなど、常にお客様のことを気にかけ、理
   解するように努めることです。

   それによってお客様の期待を知ることができれば期待に応えられ、不満そうな時には
   改善することもできます。

   また、お客様にとっても「気にかけられている」ことが、満足度の向上に大きく影響します。

  □初心を忘れない
   あなたにとっては慣れているので大した事はないと思えることでも、素人であるお客様
   がとても気にしていることは少なくありません。

   慣れで対処すると、お客様にとっては事務的だったり冷たいと感じられ不満になる場合
   があり、実際にこのような苦情や不満はまだまだ数多く発生しています。

   初心を忘れず慎重かつ丁寧に対処するよう日頃から注意しましょう。

   いつの時代にあってもCSが語られないことはありません。

   業界問わずCSは経営における永遠のテーマであり、実践がおろそかになっている課
   題でもあります。
   
  □CSこそ差別化策
   商品の品質やイメージだけでは差別化できないこの時代に、高品質のサービス提供こ
   そ数少ない差別化策なのです。

   しかし、現実には顧客が求めるサービスを実践しているところはほんの一握りしかあり
   ません。

   それがよく分かるのが、顧客との接点の最前線である営業や内務事務における電話対
   応といった現場においてである。

   そこでは、きわめて劣悪なサービスが日常茶飯事のように行われ、顧客満足どころか、
   不満やストレスを提供するといった経営がなされているのが実態です。

   これまでの活動が商品を“モノ”としての発想でしか見ていなかった会社(店)、経営者、
   社員が圧倒的に多かったのです。

   「買ってもらえばそれでおしまい」と考え、お客様に対して質の高いサービスや付加価値、
   気持ちよく契約してもらい、いつでも安心して任せられるといった“満足感を提供する”
   ことまでには考えが及んでいないのです。

   商売の基本となる

    商品の品質管理+サービスの品質管理=CS

   という構造に気付いていません。

   自分たちの都合を優先している多くの会社(店)を見受けるのです。

   情報が不足な時代の、つくれば売れた時代から、今「心の満足感、充足感」を実現する
   ための努力が求められ時代になってきているのです。

   継続して収益を上げるのにインスタントな方法などありません。

     「あれもこれも」と手を出さず、まず1つのことを愚直なまでにやり続ければ、次にやる
   べきことが明確に見えてきます。


  □マインド × スキル × 仕組み
   お客様に伝わるサービスにはマインドが重要な要素です。

   正しいCSの実行は、基本を仕組み(マニュアル)で理解し、応用となるスキル(技術)
   は訓練で身につけ、マインド(心のこもった)で対応。

   CSは、お客様が判断するものであって、あなた(会社)が判断するものではありません。

   CSを実現するためには、お客様の要望・意見に真摯に耳を傾け、お客様の期待・要望
   を把握し、お客様の期待を上回る商品やサービスを提供することが大切です。


  ■お客様を満足させる5つの基本

    1.信頼性 
      約束した事柄を約束どおりに実行する能力・信頼度・正確さ。

    2.迅速性
     すばやく直ちにお客様の役に立とうとする、やる気。
     (直接利益にならないことでもいやな顔を
     せずテキパキ処理をする)
顧客満足2.gif
    3.安心感
     お客様に示す知識・丁寧さ・確かさ

    4.共感性 
      お客様に示す配慮、個人的感情の度合い、
     問題を解決するのにお客様の立場を理解
     し、そのニ−ズ(不足)に細かく配慮する。

    5.仕事場の整理・整頓、身だしなみ
     ・現場スタッフが商品であり、CSのカギを握る

      ・現場スタッフが会社の代表者

      ・現場は会社の顔

 

   顧客満足とは、お客様が満足していること、すなわちお客様があなた(企業)の対応に喜
   びや感動、感謝といった感情をもつことです。

     『顧客は満足を買っている。 しかし、だれも、満足そのものを生産したり
     供給したりはできない。満足を得るための手段をつくって、引き渡せるに過
     ぎない』(ドラッカー)

   顧客満足で一番難しいのは、あくまでそれはお客様の判断、主観、感情であるという
   ことです。

   よくあるケースですが、お客様があなた(会社)のサービスに対する苦情を申し立てて
   きた場合に、苦情を受けた側に聞くと、「自分は、特にあのお客様には充分すぎるほど
   のサービスを提供してきた」という答が返ってきます。

   しかし、それはあなた(会社)の判断(すなわち、顧客ニーズとあなたの顧客サービスと
   のミスマッチに気づかない)であって、お客様は実際には満足していないというケース
   が見受けられます。

   どんなにすばらしい商品・サービスを提供したとしても、お客様が本当に満足している
   のかどうかを自問すべきです。

   あなたの挨拶、身だしなみ、態度はお客様を不快にしていないだろうか。

   お客様はあなたを見た目で判断しています。

   このように、顧客満足度向上のためには社会人・組織人としての基本である基本動作
   習得が不可欠です。

   お客様のニーズは、お客様に聞くのがもっとも確実な方法ですが、あなたとしては、日頃
   から顧客との関係づくりの強化を図っていくことがCSに繋がるのです。

   また、顧客満足、特にお客様のあなたに対しての満足度は、本質的には、お客様が
   購入した商品・サービスに支払った料金の額と、提供を受けるサービスの価値が同額か、
   それ以上の時に得られるものです。

   お客様から頂く料金とあなたがお客様へ提供するサービスは、必ず等価交換(または
   サービスがより大きい状態)でなければなりません。

   料金額に見合わないサービスしか提供しないあなたからは、やがてお客様は離れてい
   きます。

   ネットビジネスは別にして、あなたの価値は人間が介在して、お客様の目の前で提供さ
   れるサービス、すなわち提供する付加価値の一つ一つ、そしてそのことによってもた
   らされるお客様の信頼感、満足感などです。

   お客様はそれらのことをあなたに求めているということがいえます。

   あなたの価値はまさにそこにあります。

  □それではお客様はどのような時に「満足」や「信頼」を感じるのでしょうか?

    ・ 担当者の顔を知っている

    ・ いつでも連絡がとれる

    ・ 常に自分のことを気にかけてくれている

    ・ 担当者は提供した商品・サービスについて何でも知っている

   あなたがお客様に自分の持っている価値やサービスを提供する場合、以下の点を明確
   に意識しておくことが重要です。

  □自分のもっている価値やサービスは何か、競合他社と差別化できる
   強みは何か。

     1.企業として当然提供しなければならない基本的な価値、サービス
       (基本業務サービス)

     2.基本的な価値やサービスに付加して提供できる付加価値サービス

     3.これだけは、自社しかできないと言える差別化サービス
       (セリングポイント

  □その価値やサービスは、誰が、どのような手順でお客様に提供していくのか。

    これは必ず「行動」として明確化し、実践していかなければなりません。

           

             従業員満足度(ES)とは 


  ■顧客満足(CS)より従業員満足(ES:Employee Satisfaction)

   近年の労働環境では「労働力の流動化」が当たり前になった状況下では、どんな
   会社であっても、この「定着・退職」の問題は、避けて通ることのできない事態になっ
   てきています。

   各社が「理念」として「顧客満足」「社会貢献」といった内容の文言とともに、「社員一
   人ひとりがいきいきと仕事をする」「プロとしての誇りを持ち続ける」「成長していく実
   感を持つ」といった「ES」にかかわる内容のものを掲げていると思います。

   そうであれば、当然、そういった「ES」を実現することが、企業としての重要な業績指
   標の一つであるととらえるべきですし、逆に、この「ES」の実現無しに、「業績が良
   かった」とは言えないのです。

   従業員に対し、トップ・責任者が声を大にしてCSの重要性を訴えても、従業員の日常
   における業務におけるストレスを軽減しなければ掛け声だけに終わってしまいます。

   ES対策は金銭面による報酬だけでなく、従業員がいい仕事ができるような社内環境
   をつくることです。

   CS(顧客満足)はよく使われる言葉ですが、ESがCSより後回しにされています。

   顧客満足の向上には、同時に従業員満足(ES)の向上も不可欠です。

   「従業員満足度」とは、従業員の仕事や会社・職場に対する満足感の総称として使
   われています。

   顧客と接する従業員が満足していなければ、顧客に真の満足を与えることはできない。

   経営者・責任者がいくら顧客満足の重要性を唱えたとしても、顧客と実際に接する従
   業員にその意志が理解されていなければ、顧客満足の向上は実現しません。

   そのためには、従業員が仕事に意欲的に取り組む環境を整備し、従業員満足を高
   める必要があります。

   それでは、従業員にとっての満足とはどのようなものでしょうか。

   例えば、ある従業員にとっては「給料が高い」という金銭的な満足が大きなウエイト
   を占め、別の従業員にとっては、「仕事にやりがいを感じる」といった仕事のやりがい
   の満足が大きいかもしれません。

   このほかにも「経営者が優れているので、会社の将来性がある」といった企業経営や
   経営者に対する満足や、「人間関係がよいためストレスを感じない」といった人間関係
   面の満足もあるでしょう。

   このように、従業員満足を決める要素は、個々の従業員によって異なります。

   従業員の意識を把握することで労働条件や組織体制などの見直しに着手し、トップ
   ・責任者が従業員満足を高めることの必要性を認識することです。

   トップ・責任者が本気で取り組む姿勢を見せることが重要であり、トップ・責任者は従
   業員満足を高めることが、顧客満足を向上させ、さらには自社の利益につながるこ
   とを改めて認識しなければなりません。
   
  ■ES(従業員満足)

  □会社全体で夢を共有する
   従業員と一緒に夢を見るために、企業経営者は朝礼の場などを利用して、
    ・事業の社会的な意義(ミッション)
    ・企業が尊重する価値基準(バリュー)
    ・企業が望む将来像(ビジョン)

   を熱く語ることが大切です。


  □従業員がやる気を失うパターン
    ・企業(経営者)に夢を感じられなくなった
    ・賃金など労働条件に不満がある
    ・結婚、出産など家庭が心配で仕事に集中できなくなった
    ・実はもともと、やる気がなかった
    ・五月病など季節的なもの

   などが考えられます。

  □労使のニーズは一致しない
   理想的なのは、企業が提示する労働条件に従業員が心から満足することです。

   しかし現実問題として、これは不可能に近いといえます。

   従業員は少しでも多くの賃金をもらいたいと考えますが、企業がこれに応え続けるこ
   とはできません。

  □会社が従業員評価の姿勢を見せる 
   一生懸命働いているのだから、もっと厚遇して欲しいと考えるのは自然なことです。

   しかし、企業が従業員の希望を全面的にかなえることはできないため、その代わり、
   企業として適正に従業員を評価している態度を示すことが重要となります。

   最近は、人事考課の基準を公開する企業が少しずつ増えてきています。

   こうした取り組みは、従業員を安心させるものなのです。

   また、評価基準の中心を年齢や勤続年数に置くのはやめ、能力や成果も総合的に判
   断しなければなりません。

  □社内制度の導入・見直し
   今までの人事制度から能力・成果主義的な賃金制度の導入が考えられます。

   賃金額決定の際に、能力、成果、成功へのプロセスを考慮することで、既存の賃金体
   系を見直します。

   同時に、人事効果の基準を公開すれば、「企業は従業員の何を評価しているのか」が
   従業員に伝わり、納得を得やすくなります。

   あるいは、企業の期待以上の水準の働きをした場合に、特別手当などを支給するこ
   とも一つの方法です。

   育児・介護休業制度なども導入しただけでは不十分です。

   重要なのは、気兼ねなく育児・介護休業制度を利用できるような社内の雰囲気を作
   ることです。

   育児・介護休業制度は、性別に関係なく利用できる制度ですが、やはり、男性従業員
   は「取得しにくい」と考えます。

   男性の場合は、企業経営者のほうから育児・介護休業制度の取得を勧めるくらい
   の配慮が求められるかもしれません。

   同時に、従業員の家庭環境に目を配り、出産を控えた従業員などの業務をほかの従
   業員も対応できるようにすることが大切です。
   
    □経営理念が徹底されている会社ほどES度が高い

    ・経営理念が明確
    ・経営方針が明確
    ・入社してよかった
    ・社内に活気がある
    ・将来性に期待できる
    ・やる気、意欲が高い


   社長は、従業員の笑顔が絶えない活気ある職場を目指していることでしょう。

  しかし、そのような社長の考えとは裏腹に、従業員はやる気を失ってしまうことがあります。

  社長にとってはショッキングなことでしょう。

  しかし、立ち止まっていてはいつまでたっても問題は解決しません。

  従業員がやる気を失ったことが分かったら、積極的にアプローチしていきましょう。

  これができるのは、社長と従業員の距離が近い、中小企業ならではの特権なのです。
   
  ■会社の競争力は従業員のスキルと気遣い

   本当の意味で人を大切にできている企業は千に一つもない。

   商品やサービスがどれほどすばらしくても、企業のすべては、そうした商品やサービ
   スを作り出し、顧客に届けてくれる人にかかっているのです。

   この段階でさまざまな間違いが生まれる。

   企業の競争力は、従業員のスキルと気遣いにかかっています。

   競争相手が何をしようと、社員が仕事を喜びとし、顧客に接するのを楽しいと思い、
   心から顧客のことを思って働いてくれていれば、その影響力は絶対に真似のできな
   いものになります。

   競合他社がどんなことをしても、この雰囲気だけは、おいそれと作り出せるものでは
   ないからです。

   優れた人材を採用し、その人を逃がさないようにするのは、事業をする上で最も難し
   いことなのです。

   しかし同時に、最も価値あることでもあるのです。

   人を得れば競争相手をぐっと引き離し、その地位を保てるようになる。

   人を雇うのは簡単だが、正しく人を選んで雇うのは、そう簡単なことではありません。

   あなたの雇った人があなたの会社を作るのです。

   企業文化やサービスや品質や評価、そして究極的には利益も、彼らが生み出すも
   のです。

   優れた人を雇えばあなたも優れた人になり、仕事は楽になる。

   逆に人の選び方を間違えると、あなたの仕事も会社の値打ちも、すべて台無しにな
   ってしまいます。
 
   自分よりも優れた技術を持ち、大きなビジョンを描ける人を雇えば、すばらしい会社
   ができるでしょう。

   しかし、正しく人を雇えるようになるためには、どのようにして人を選び、その人の特長
   をチェックして、人材として最大限に活用するのかを学ばなければならない。

   「顧客満足度」という言葉は頻繁に耳にしますが、その一方で従業員満足を高める取
   り組みがおざなりで、「言葉と行動が一致していない」というケースも少なくありません。

   あなたが従業員満足を高めることの必要性を認識し、本気で取り組みを進めていく
   ためには、経営者が本気で取り組む姿勢を見せることが重要です。

   そのためには、経営者は従業員満足を高めることが、顧客満足を向上させ、さらに
   は自社の利益につながることを改めて認識しなければなりません。
   
  □ESそしてCS
   顧客満足実現のためには従業員満足度の向上が不可欠となります。

   顧客と接する従業員が満足していなければ、顧客に真の満足を与えることはできま
   せん。

   トップがいくら顧客満足度の重要性を唱えても、顧客と実際に接する従業員にその意
   識が備わっていなければ、顧客満足の向上は実現しません。

   全社員が「顧客満足度を向上する」という共通の目標を持ち、一人一人がその目標
   に向かって意欲的に取り組むことが重要です。

   そのためには、組織として従業員が仕事に意欲的に取り組む環境を整備し、従業員満
   足度を高める必要があります。   

   従業員満足(ES)の向上 顧客満足(CS)に対する従業員の意識の向上  顧客
   満足向上に向けた取り組み 顧客満足向上の実現

   従業員満足度を決める要素は、個々の従業員によって違ってきます。

   従業員満足度(ES)」とは、従業員の仕事、
   会社(職場)に対する満足感を意味します。 ES.gif

   「仕事に従事することで得られる各種の
   報酬が、自分自身の期待している基準
   に達している、もしくはそれ以上であるこ
   とよって得られる満足感」といっていいで
   しょう。

   満足度が高ければ高いほど、高業績が
   期待できます。

   逆に、「従業員満足度の低さが、退職や長期
   欠勤という結果につながっている」ということです。

   そして、それらのことが新たな募集・採用や教育訓練といった経費の増大を招き、さら
   に産性の低下につながるのです。  

   員満足を大きく高めるためにはどのような経営改善手法やツールの活用が考えられ
   るでしょうか。

   ○成果主義
    従業員の人事制度を根本的に改めた成果主義に基づく人事制度。

    従業員の能力と成果に対して公平かつ正当に人事評価を行うことにより、従業員
    のモラールを高め、結果に対して責任感の強い従業員を育成します。


   ○目標管理 
    従業員一人ひとりの目標を明確にし、達成度合いにより評価する制度。

    会社の年度目標に基づいて個人の目標を設定し、目標の達成度合いをもと
    に個人を評価します。

    この制度を運用することで従業員1人1人の当事者意識を高め、モラールを高
    めます。

   ○ワーク・ライフ・バランス(WLB)
    WLBは「仕事と生活の調和」を意味し、これが実現された社会では、一人ひと
    りが、自ら望むバランスで仕事・家庭生活・趣味・地域活動などに取り組むこと
    が可能になると考えられています。

    取り組み例として、フレックスタイム制、育児時間、ノー残業、年次有給休暇、
    手当(出産、保育、家族)などがあります。


   CSはもちろんですが、その前にESについての実践が重要となります。

   ESで代表的な事例として、東京ディズニーランド、サウスウエスト航空、リッツカール
   トンホテルなどが挙げられます。

   これらの企業は常にCSにおいてトップクラスですが、言い換えるならどの企業もES
   への取り組みが結果としてCSに連動しているということです。

   顧客不満足のほとんどは人為的過誤や失敗(ミス)などのヒューマンエラーによるも
   のです。

   これらのエラーはESに起因していることが大です。

   世界的な経営者であるジャック・ウェルチ(GEの前CEO)は従業員満足について
   「自社の健全度を測る3つの指標」の中で、

    ・従業員満足度
     熱意に満ちた社員がいなければ、会社は競争に勝てない。

    ・顧客満足度
     会社が長期的に生存していくためには成長がカギとなる。

     発注数が安定していないか減ってきたような難しいタイプの顧客のところに出
     向き、当社がもっと良くなるには何ができるでしょうかと質問して回る。

    ・キャッシュフロー
     キャッシュフローは嘘をつかない。純利益などの損益計算書の数字には、ち
     ょっと「ごまかし」を施す余地がある。だが、フリー・キャッシュフローだけはビ
     ジネスの真の姿を教えてくれる。


   顧客の不満は「不満を持つ1人の顧客の背後には、29人、同じように不満足を感じ
   ている顧客がいる」ことを常に念頭に置き、従業員満足度の向上を目指しましょう。

  ■従業員満足度の調査
   従業員の満足度を測る調査には、「モラルサーベイ(意識調査)」、「従業員満足度調査」
   などがあります。

   調査では、従業員の満足度を測るために、従業員に対してアンケート調査を行います。

   これにより従業員の意識がどのようなものであるかを統計的に把握し、労働条件や組
   織体制などの見直しに役立てます。

   主な調査項目は、以下のように、経営の方向性や仕事、福利厚生など幅広い分野に及
   びます。

   調査方法は、従業員にアンケート用紙を配布して、後で回収する方法が一般的です。

   【モラルサーベイにおける主な調査項目(例)】
    ・経営の方向性 
     経営ビジョン・経営者のリーダーシップ、組織風土など

    ・上司
     上司の人間性、上司からの動機付け、上司との人間関係など

    ・仕事
     仕事量、仕事に対するやりがい、権限や責任の範囲など

    ・コミュニケーション 
     チームワーク、他部門との連携、問題解決支援など

    ・能力向上
     教育トレーニング、自己啓発支援、仕事を通じた成長など

    ・職場環境や福利厚生
     設備機材、遊休休暇、安全対策など

    ・人事制度
     報酬、昇進昇格、人事評価、転勤など

  □調査結果の分析
   調査の結果、自社の従業員が働くうえでどのような要素を重要視しているかが分かり
   ます。

   例えば、モラルサーベイの調査結果を分析したところ、従業員は報酬や福利厚生には
   満足しているが、経営ビジョン・経営者のリーダーシップへの満足度は低いといった結
   果が出たとします。

   この場合に企業は、「経営ビジョンを明文化して従業員へ浸透させる」「経営者と従業員
   との意見交換の機会を増やす」といった対策を取ることが考えられます。

   また、従業員を全体としてではなく部門別や役職別にとらえれば、部門ごとあるいは役
   職ごとの固有の課題を発見することができます。

   例えば、「生産部門の従業員は教育トレーニングの充実を望んでいる」「課長職は報
   酬に大きな不満をもっている」といった個別の意識を把握することができます。

  □従業員満足度を構成する各種報酬
   ・金銭、待遇:給与、福利厚生、休暇、その他優遇制度

   ・仕事の環境(条件):職場の環境・設備・機器、勤務時間、上司のマネジメ
    ント力(状況)、情報伝達(コミュニケーション)、社内のルール・諸制度

   ・所属、帰属意識:会社(経営トップ)に対する信頼感、知名度(評判)

   ・人間関係:職場の風土、同僚・上司との関係、チームワーク

   ・評価、承認:上司・同僚からの評価、人事考課、褒賞、昇進

   ・業務そのもの(モチベーション):達成感、充実感、成長感、貢献感

  上記の各種報酬を基に、自社独自の従業員満足(ES)の仕組みを構築してみて
  ください。

 

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