保険営業にはセールストークのマニュアル化 


  セールストークは保険代理店の販売に欠かせない営業ツールといっていいでしょう。

  場当たりなセールストークからは販売のための効果は生まれません

  保険営業に効果のあるセールストークはマニュアルに基づいたものでなくてはならない。

  あなたはお客様を訪問する場合、目的に応じたベーシックトークが準備されていますか?  

  場当たり的にその時々で話す内容がばらばらになっていないだろうか?

  それも売り込みのトークを強調した内容では?

  セールストークは「説得」話法ではなく「納得」話法になっていますか?

  大多数の営業マンの悩みである「どうしたら購入してくれるのか?」を解決してくれるのが
  セールスの台本(アプローチブック)です。

  業務のすべては手順(書)に基づいて行うことが仕組みづくりの基本となります。

  営業部門においてもトークは台本(スクリプト)作りから始まります。

  「お客様が、あなたの提案するプランに加入することによって、得ることができるメリ
  ット、または、避けることができるデメリットは…」

  書き出したら、それを中心にトークを組立てます。

  その際、できるだけ具体的な表現を使い、お客様がその状況を想像できる身近な事例を
  交えた内容である(有名人や、あなたの身近)ことが大切です。

  例えば、

   「ガンになった時に、お金の問題で最新の治療をあきらめなければならない…、
   そんな理不尽な状況が避けられます。」

   今、ガンの最新医療として注目を浴びている治療法は…(内容や費用を説明)」
   など。

  トークは、お客様のメリットを中心に組立てます。

  お客様のメリットを考えるために、その答えを次の2つの質問に答えて下さい。

   (お客様からの質問1) お客様から「私がこのプランに入るメリットは何ですか?」
   と聞かれたら?

   その答えを7つ書いてください。


   (お客様からの質問2) お客様から「私があなたの会社(または、あなた)から入る
   メリットは何ですか?」と聞かれたら、何と答えますか?

   できたら、その答えを5つ書いてください。

   (質問1)と(質問2)の答えを入れて、トークを組立ててください。
  
  「保険」というだけで、「売り付けられるんじゃないか」といったネガティブなイメージを
  持たれるお客様も少なからずいるのも事実です。

  なぜ、社会から望まれるもの、必要とされるものを提供するのに、そのようなことが起こ
  るのでしょうか?

  その答えのカギは、「販売手法」にあります。
   
  □やってはいけない証券回収

   本来は必要なものでも、その販売手法が誤っていれば、お客様は聞く耳を持ちません。

   例えば、営業で多く行われる手法に証券回収・診断があります。

   保険証券は、満期日、加入内容などの情報の宝庫ですが、これらの情報の使われ方が、
   「もっといい内容の保険がありますよ」「もっと安くなりますよ」といった営業を行う
   ための較材料に使われています。

   証券回収が目的となり、「何とか証券を見せてください」といった証券提示を「お願い」
   するといったことがよく見受けられます。

   このような営業を行う結果、

    ○補償内容で勝るとは限らない

     ・他社比較で必ず補償内容が勝るとは限りません。
      内容が同程度だとしたらどうしますか?

     ・補償内容で選んで加入してもらっても、他社で新しい保険が出たら
      そちらに加入された。

    ○保険料が安くなるとは限らない

     ・他社比較で必ず保険料が安くなるとは限りません。
      保険料が同程度だったらどうしますか?

     ・保険料で選んで加入してもらっても、更改時にもっと安い保険会社に
      乗り換えられた。

   保険商品の比較を行って販売できたとしても、それはあなたの営業力によるものではあり
   ません。

   このような従来型営業をしていく限り、お客様からの感謝や感動は得られないでしょう。

   また、このような営業スタイルはお客様の立場が上といった状況になりがちです。

   結果的に真のお客様の立場に立った提案ができなくなってしまうことを意味します。

   従来の保険営業のスタイルとは、

    ・商品(保険)をモノとして販売し、お客様を単なる売り込み先と考えている。

    ・商品の優劣やその内容の説明に重点が置かれている。(商品のよさをアピール)

    ・保険の必要性を感じている人、加入してくれそうな人(刈り取り営業)を探す。


   保険に興味がない人に保険の提案を行うのは、満腹の人に弁当を売るのと同じです。

   集客活動の段階における大半のお客様は保険に興味をもっていないと理解していいで
   しょう。

   ではこの人に弁当を買ってもらうにはどうしたら
   良いか?

    1.たいていの人が抱える問題を指摘する。

     (A:Attention  まず“注意”を引く)

    2.問題点をお客様にあてはめる。

     (I:Interest  “興味”を持たせる)

    3.問題を放置すると、大きな問題に発展することを指摘する。

     (D:Desire   ほしいという“欲求”を
      引き起こす)

    4.動機づけてクロージングする。

     (M:Memory   ”記憶“に残す)

    5.最も理想的な解決策を提示する。

     (A:Action   “行動”を起こす)

   上記の1〜5の各手順をわかりやす解説すると。 

    1.不安・不満を感じさせる

      保険のセールスが難しいと言われるのは、見込客の多くは自分の抱えるリスク
      を認識しておらず、現状に不満を持っていないからなのです。

      営業担当者はまず見込客に不満(不安)を感じてもらうところからはじめなければ
      なりません。

    2.ニーズ喚起

      見込み客は、営業マンに指摘されて初めて、「もし交通事故が起こったら、自分
      たち家族の生活はどうなるか」という不安を抱きます。

      そして「現状のままではいけない」という気持ちが募って、「なんとかしたい」と
      いう欲求が起こらなければ、購入行動には至りません。

      ニーズが自覚(喚起)されていない時に、いくら保険の良さを売り込んでも、お
      客様にとっては関係のない話なのです。

    3.欲求

      不安を解消するには、この保険が必要だとわかっても、あなたの提案した商品を
      欲しいと思わなければ、最後のハンコは押さないのです。

      要するに、人は購入の決定を、最後は理論ではなく感情(エモーション)で行うの
      です。

    4.購入

      自分が欲しいと思った物を購入すると、人は周囲の人に自慢したり、伝えたくな
      るものです。

      この心理があなたのファンとなり、質の良い紹介を生むことになります。

      だからこそ、「保険が欲しい」と思って加入してもらうことが重要なのです。

      また、購入の心理として、 あなたはたいして必要でないものを衝動買い(感情
      に動かされて)してしまった後に、「いや、この買い物は正しい決断だったんだ」
      と自分自身を正当化しようとした経験はないでしょうか。

      保険は、「必要」と思って購入したけれど、「ちょっと保険料が高かった」と
      いうような場合、お客様は「ちょっと高かったけれど、自分の判断は正しかっ
      た」と自分自身を正当化しようとするのです。

      ですから、お客様が決断し購入した直後は、必ず、あなたが「素晴らしい決断で
      すね」と褒め(ハガキ、メール等)て差し上げることを忘れないことです。   

  □セールストークのポイント

   トークのポイントは「大切なこと、伝えたいこと、分かって欲しいことは一度ではなく 
   三度言う」です。

   あなたは、相手に同じことを言うのはしつこくて、不快な気分を与えるのではのではない
   かと、思うかもしれませんが、セールスの場合は、「言った」かどうかではなく「伝
   わって(分かって)いるか」かどうか
なのです。

   一度「言っただけ」では充分に伝わりません。

   また、ここでは「言う」だけでなく「見せる」ことも重要となります。

   「人間の五感は視覚と聴覚で93%を占め、言葉(文字)だけでは、7%しか相手には理
   解できない」のです。

   ですから、アプローチブックによりグラフ、写真、図を見せることで、理解しずらい数字
   や言葉を正確に伝えることができるのです。

   しかも、視覚に訴えるので、印象づけることができます。

   このように、相手が聞く耳を持って(聴く態勢になって)もらうことが必要となります。

   ニーズ喚起した後に聞くのでは、理解度、認識度、興味関心度は当然違ってきます。

   セールストークは最終的にお客様に「契約という行動を起こしてもらう」ためです。

   話しを聞いたお客様に、最終的に契約という行動を起こしてもらうことがゴールです。

   そのためには、どういう流れで話すか、そのためにもストーリー(物語)性が大切です。

   人を共感させる物語をつくるということです。

   人は面白く、共感する「物語」を聞きたがるものなのです。 

  □セールスの基本 

   スクリプトを覚える前に、是非押さえておきたい「セールスの基本(ポイント)」につい
   て説明します。

   1.断られることを気にしない

    お客様に断られることを気にしない(当たり前)と思うくらいの余裕を持ちましょう。

    できるだけ多くのお客様に会うことが営業の条件です。
    当然、多くのお客様に断られます。

    重要なのは「なぜ失敗した(断られた)のか」を考え、次に結びつけることです。

     ・売り急ぎしていないか(「言う」より「聴く」)

     ・「お客様のメリット」より「商品の特徴」を優先していないか

     ・お客様を単なる保険の販売先としか見ていないか

    断りの文句を少しでも減らす工夫も必要です。


   2.第一印象(見た目)が7割

    人はまず外見で他人を判断します。

    だらしのない身なりのセールスマンに「信頼できそう」「誠実そう」といったイメージ
    は持ちにくいものです。

    つまり、第一印象(見た目)の良し悪しでお客様の反応は大きく変わります。

    服装・態度などの見た目は思った以上に大切なのです。

     ・5S(整理・整頓・清潔・清掃・躾)は徹底されているか

     ・笑顔、元気さ

     ・気働き


   3.話し方や笑顔で信頼度は決まる

    自信のある話し方はお客様に信頼感を与え、笑顔は安心感・親近感を与えます。
    話し方や表情で商談は大きく変わります。

    ロールプレイング(ロープレ)は営業マンのトレーニングのすべて。

    その中で話し方・表情もしっかり身につけましょう。

     ・日々の練習(訓練)なくして、成果なし

     ・場面ごとのスクリプトを準備

     ・プレゼンはあなたにとっての舞台 だから台本が欠かせない


   4.スクリプトは丸暗記する

    一言一句すべてをスムーズに再現できるまで練習します。

    「だいたい覚えた」では、本番で自信を持って話すことができません。

    ロープレで完璧に再現できるようになれば、お客様の反応の「見え方」が劇的に変わ
    ります。

   5.お客様の話をよく「聴く

    お客様の反応は一様ではないため、スクリプトではお客様の発言部分の記載を
    必要最小限に留めておきます。

    しかし、一方的に話し続けるだけではお客様も「うんざり」してしまいます。 

    何よりも大事なのはお客様の話を「聴く」ことであり、それによりお実様の本当の
    「ニーズ」も引き出すことができるのです。

     ・「聞く」ではなく「聴く」


   6.商談ではスクリプトに戻す

    5で述べたとおり、お客様の話をよく「聴く」ことは大事ですが、提案したかったの 
    に、話がお客様のペースで進んでしまい、うまくいかなかった経験はないでしょう
    か?

    常にスクリプトの流れを意識すれば、脱線してもスクリプトの流れに戻してクロー
    ジングまで進むことができます。


   7.「私」ではなく「私ども」「弊社」という

    「私」というと個人の意見に受け取られますが、「私ども」と言うことによって組織
    の意見と感じるようになり、お客様に信頼感・安心感を不えます。

    心理学的には「拡散効果」と呼ばれています。


   8.影響力を使う

     「みなさんそのようにおっしゃっています」「○○さんも同じように考えておられま 
     した」などというように、他の人や紹介者、世論、報道機関などの意見や考え
     方を引用する。

     つまり第三者の影響力を使うことによって、お客様は「自分もそうしなければなら
     ないのでは」という心理になります。

      ・あなたの発する100回の言葉より1枚の「お客様の声(例)」、「写真」

      ・どんなことでもよいからマスコミに掲載された記事(犯罪記事は除く)

   9.二者択一を使う

     人は二者択一で聞かれると、他の解答があってもどちらかを選んでしまうもの
     です。

     「○日の午前中と△日の午後ではどちらがよろしいでしょうか」「ご検討されると
     したらAプランとBプランどちらがよろしいでしょうか」「もし保険料を下げるとし
     たら、方法は次の二つです」というように、必ず2つの選択肢を用意してどちら
     かを選んでもらうようにします。

      ・選択肢を増やすことはお客を迷わすことになる

   10.不利・デメリットな情報も正しく伝える

     有利な話ばかりでは警戒されてしまいます。

     有利な情報も正しくきちんと伝えることでお客様に信頼されます。

      ・この点において「通販生活」のカタログ(無料)は大変参考になる

      ・「お客様の声」が役立つ

   11.いつも明るく、元気に

     「また断られるんじゃないだろうか」と暗い気持ちで訪問すると、その雰囲気は
     お客様に伝わってしまいます。

     自信がなさそうで暗いセールスマンから商品を買いたいと思うお客様はいません。

     「いつも明るく、元気に!」が活動の基本です。 

 


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