スクリプト(台本)はセールスの基本 


  ■保険セールスの台本(スクリプト)

   台本といえば役者の世界で使われるせりふが書かれたものですが、営業活動におい
   ても欠かせません。

   なぜなら、特に小規模組織が多数を占める代理店業にとって、営業マン個人の能力に
   頼るのは継続した収益の確保を困難にさせるからです。


   以前報道番組で、土を使わない農業を世界に輸出していく内容で、そのためには徹底
   したマニュアル化(どの国であっても共通のやり方)を図っているとのことです。

   国によって人の品質、気候、風土の違いがある中、マニュアルは農業の輸出に欠かせ
   ないノウハウであると、語っていた。

   これは農業に限らず、すべての業界にいえることではないでしょうか?

   「うちの業界は特別だから」とか「うちは大手ではないから」といったことなど言って
   いられない環境にあります。

   業務の標準(マニュアル)化は必須であり、それが自社(店)にとってのノウハウとなる
   のです。

   電話対応、内務業務、事故対応、セールストーク、苦情対応、更改・異動手続きなど、
   台本を作成し、台本どおりに業務を推進できたら楽だと思いませんか?

   誰に代わっても業務の品質を保つことは代理店業にとって欠かせません。

   スタッフ個人の能力に頼ることで、能力のあるスタッフに負担がかかるやり方・営業
   マンによってセールス活動に違いが生じることは組織にとってリスクとなります。

   マニュアルについてあまりにも誤解が多い。

   人間の行動を束縛する道具だとみなしているからです。

   マニュアルといわれる多くは注意書きであり、マニュアルを必要としない優秀な人たち
   にのみ理解できる内容になっているのです。

   本来、マニュアルは業務の手順を指示する書類であり、スタッフはその手順に沿っ
   て業務を実行することです。

   各個人には能力に差があります。

   業務手順を繰り返し正確に再現することはむずかしいのです。

   その差を埋め、組織の品質を均一にさせるためにはなくてはならないツールであり、
   業務を確実に実行するためにはマニュアルという文書が欠かせません。

   スタッフがより確実に、より楽な気分で仕事が進められるように工夫の限りを尽くした
   業務(作業)手順の方法が、マニュアルなのです。

   正しい業務のあり方は「口頭ではなく、文書のみで表現できる」ものなのです。

   「マニュアルで自由も創造性も否定されてしまう」というのは曲解です。

   たとえば車や家電を操作するのに、最初から知識ゼロの状態では、操作はムリで
   しょう。

   操作する人はマニュアルどおりに運転しますが、それでも、運転能力のほうは個々
   にまったく異なるのが実態です。
 
   マニュアルとは、一定の段階までの絶対的な条件・方法を示すもので、そのあとは
   マニュアルの範囲内でいくらでも能力は向上させていけるのです。

   マニュアルは、果たすべき業務を具体的に明示するもので、そこに書かれたことを
   完全に遂行できるかどうかは、本人の業務遂行能力の程度を示すバロメータにもなり
   ます。

   正当なマニュアルがあれば、毎日が訓練ということになり、しかもそのマニュアルを
   実行するごとに無理なく収益(増収)が上がっていくことを確約します。

   決めたことを決められた通り、継続実行していくには無理があってはなりません。

   行動計画(マニュアル)はシンプルでなければならず、どうしたら途中で断念せず続け
   られ、どうしたら効果があがるのか。

   この答えを出すには、(1)苦労して作り  (2)何度も試してみて (3)修正を続ける


   「保険」というだけで、「売り付けられるんじゃないか」といったネガティブなイメージ
   を持たれるお客様も少なからずいるのもです。

   なぜ、社会から望まれるもの、必要とされるものを提供するのに、そのようなことが
   起こるのでしょうか?

   その答えのカギは、「販売手法」にあります。

   本来は必要なものでも、その販売手法が誤っていれば、お客様は聞く耳を持ちません。

   たとえば、保険営業で多く行われる手法に証券回収・診断があります。

   保険証券は、満期日、加入内容などの情報の宝庫ですが、これらの情報の使われ方
   が、「もっといい内容の保険がありますよ」、「もっと安くなりますよ」といった営業を
   行うための比較材料に使われています。

   このような保険商品の比較を行って販売できたとしても、それは営業力によるものでは
   ありません。

   さらに、この営業手法を行って内容や価格が思うような結果でなかったらどうします?
  
   このような営業をしていく限り、お客様からの感謝や感動は得られないでしょう。

   また、このような営業スタイルはお客様の立場が上といった状況になりがちです。

   結果的に真のお客様の立場に立った提案ができなくなってしまうことを意味します。

   従来の営業スタイルは商品そのものをアピールするものです。

    ・商品の優劣やその内容の説明に重点が置かれている。(商品のよさ・特徴をアピール)

    ・保険の必要性を感じている人、加入してくれそうな人(刈り取り営業)を探している。

   スクリプト(台本)は営業活動における各ステップごとの営業場面をスクリプト(台本)
   にまとめたものです。

   スクリプトは成果の上がっている営業マンのやり方を基本にして作り上げます。

   また、実際に多数のセールス活動をスクリプトに基づき商談をし、その効果を検証
   します。

   台本はセールス活動の基本であり、同じことを繰り返すことで、応用が可能となります。

   スポーツでも、この「基本」をしっかりマスターしている人が上達し、勝利するのです。

   「基本=スクリプト」です。

   極端な言い方になるかもしれませんが、台本を完璧(一字一句)に覚えるのは舞台
   (相手先)にあがった役者(営業マン)であるといっていいでしょう。

   そのためにも、

    ・外見(服装、態度、清潔感)を大切にする

    ・話し方、表情に気をつける

    ・台本を信じて徹底して覚えこむ

    ・セールス活動では、お客様の話を聴くことが8割、残り2割が営業マンの話す
     (台本)部分

   営業スキルも大切ですが、まずは営業マンとしての基本を徹底してマスターすること
   です。

   損害保険代理店、生保営業マンには営業力強化のためのスクリプト(台本)が欠かせま
   せん。

   場当たりな営業からスクリプト(台本)に基づいた営業は手数料(収益)アップに大きな
   武器となります。

   損害保険代理店、生保営業マンが営業スキルを高めるためにも、スクリプトを作成・
   活用したセールスの基本を身に付けることをお勧めします。

    セールスの標準化=スクリプト(台本)

   損保代理店、生保営業マンにとって継続した増収を図る営業の仕組み公開します。 

   ここでは、小手先のテクニックについて解説するつもりはありません。

   自動車の免許を取得するときのように、徹底して基本を体得することで、継続して増収で
   きる「営業の仕組み」についてお話します。

  優秀な保険代理店、生保営業マンといわれている人はほんの一握りの人たちだけです。

  トップ営業マンの書籍を読んだり、セミナーを受講してもトップ営業マンにはなれないでし
  ょう。

  なぜなら、もともと彼らに備わったセンス(感性)なのです。

  ですから、センスのない我々が彼らのまねをしてもトップ営業マンにはなれないのです。

  まねようと努力しようとしても1ヶ月も続かないでしょう。

  「それじゃ いつまでも凡人営業マンで過ごすのか!」と言った声が聞こえてきそう
  ですが・・・。

  そこで、営業のプロセスを凡人営業マンでも出来るようにするための台本(手順書)を作ること 
  をお勧めします。

  そして、営業をスクリプト(手順書)どおりに実行するのです。

  これなら、誰にでも出来ると思いませんか?

  営業活動の手順(集客〜顧客の維持・管理)に始まり、営業マンの基本的なトーク、
  営業ツール、クロージングに至るまでの武器(小道具)を準備・活用することで、優秀な
  保険代理店、生保営業マンと同程度、あるいはそれに近い営業活動が可能となります。

  多種目化・単価アップが進まない原因は何でしょう。

  代理店業務のすべてがマンパワーによって行われ、規模の大小に関わらず「仕組み」が
  ないことです。

  継続した増収を図るには「営業の仕組み」となるスクリプト(台本)を作らなければなりま
  せん。

  言い換えるなら、営業活動の仕組み(標準化)です。

  ぜひ、あなたの代理店手数料を継続的にアップさせるためにも、営業スクリプトを自分の
  ものにすることをお勧めします。

  多種目販売・単価アップは、以下の1〜9のプロセスの繰り返しとなります。
  (これは新規開拓においても同じ)

   1.販売商品の選定

   2.販売先データの絞込み

   3.ニーズ喚起ツールの作成

   4.アクションプラン(アプローチ方法、開始日、期限)の作成

   5.台本の準備・作成(会社案内、ベーシックトーク、セールスブック)

   6.アクション(ニーズ喚起)

   7.募集中における情報収集と募集の修正

   8.クローズ

   9.顧客の固定化

  それでは、項目ごとに台本作りを始めてみましょう。

 

  1.切り口商品の選定と活用

   単品種目契約のみの顧客への多種目販売は2ステップで行っていきます。

   ダイレクトに保険商品の提案をしないことです。

   この点を間違えると、労多くして益の少ない結果となってしまいます。

   保険商品がどのような役割・効果を果たすかを考えなくてはなりません。

   顧客の興味・関心を引き出す(ニーズ喚起)ために1ステップでは、保険商品に関わる
   周辺情報の提供をすることです。
   (周辺情報には保険の売り込みに関する情報は掲載しないこと)

   ニーズ喚起をし、顧客の感情に訴えることです。

   お客さんは自分にとって関心のない・興味のないことには無反応なのです。

   個人顧客であれば、抱える問題・悩みは多岐にわたりますが、多くの人が抱える問題・
   悩みを考えると、介護、年金、医療、教育費、健康、交通事故、地震、風水災といった
   生活に密着したテーマが一般的ではないでしょうか?

   上記に関した情報を定期に配信していくことです。

   人は理屈でものを購入するのではなく、感情で購入すると言われています。

   そうであるなら、顧客の感情に訴えなくてはなりません。

   それがニーズ喚起です。

   例えば、あなたが多種目販売で医療保険の加入を推進していくなら、1日入院した場合の
   費用、差額ベット代、高度先進医療といった情報の提供。

   車両、地震・風水災が担保されていない顧客に加入推進していくなら、車両修理にかかる
   コストを写真(破損した車両)で見せ、地震や風水害が国内で発生したら(3日以内)に案内
   していくことをお勧めします。

   無風状態ではニーズは喚起されません。

   情報提供はそのような無風状態を打破し、顧客の感情を喚起させるためのものです。

   ニーズを喚起させるために重要なのは、写真・データ・図・絵といった視覚に訴えるツー
   ル
を活用することです。
   (文字だけの情報伝達では相手の記憶に残らない)
    
   顧客が法人(事業所)ではどういった情報提供が有効でしょうか。

   中小企業経営者の興味関心ごとはヒト・モノ・カネ・ジョウホウといわれ規模が小さけれ
   ば小さいほどこれらの4点が弱点であり、抱える問題であり悩みなのです。

   中小企業の抱える問題解決をサポートすることが、あなたの役割です。


   多くの代理店が法人マーケットを苦手としています。

   この苦手意識を克服し、チャレンジしていかなければ大幅な増収拡大は望めません。

   法人に提供する情報としては、人事・労務、税務、労働・交通安全、後継者問題などが
   ありますが、大切なことは、これらの情報提供は継続して発信していくことです。

   人は理屈でものを購入するのではなく、感情で購入すると言われています。

   そうであるなら、顧客の感情に訴えなくてはなりません。
   それがニーズ喚起です。

 

  2.「販売先データの絞込み」について考えてみましょう。

   多種目販売を実行していくには販売商品ごとに顧客を分けて活動を行います。

   傷害保険が未加入の顧客、賠責が未加入の顧客といったように種目毎にです。

   業界問わず、あなたにとってもデータは財産であり、代理店業を事業化するためにも
   顧客データの整備は欠かせません。

   PCを営業ツールとして活用し、大きな武器になることを理解しましょう。

   どんなに高額なシステムを作ってもデータを入力しなければPCは単なる箱に過ぎないの
   です。

   継続した増収策を図っていくためには、お客様を知ることが欠かせません。

   データの蓄積によりお客様が見えてきます。

   お客様が見えるということは、抱える問題や悩みが見えてくるということです。

   その問題・悩みを解決するお手伝いをすることが、問題解決業のプロとしてのあなたの
   役割なのです。 

  3.ニーズ喚起ツールの作成

   あなたの商品を販売する前にやることがあります。

   販売でうまくいかない原因に、いきなり保険の話からから入ることが挙げられます。

   これが原因で、売り込み(売る努力)に走ってしまうことです。

   常に相手の買う側の立場に立って考えてみてください。

   「買う」という感情になっていないときに、売る側が商品の案内をしてきたらあなたはど
   う感じますか?

   そんな感情を買う気にさせていくために必要なのがニーズ喚起ツールです。

   ニーズ喚起は、あなたが販売しようとする商品によって違うことはお分かりでしょう。

   第三分野の商品を売ろうとするなら、入院にかかる費用、差額ベット代、生活習慣
   病、高度先進医療等に関する周辺情報。

   年金・介護保険を販売しようとすれば、年金・介護に関する周辺知識の習得も含め、
   公的介護保険制度や公的年金に関する情報。

   ニーズ喚起ツールはお客様の購買意欲を喚起させるためのものであり、保険商品を
   販売する前に必ず提供すべきツールです。

   法人顧客であれば、人事・労務情報、各種規定(賃金、退職金)、交通安全、労働安全
   といった提案すべき保険商品に関する情報提供が必要となります。

   上記の内容を定期のニュースという形で発信していく方法もあります。

   お客様からあなたへ声を掛けてもらうには、お客様へ定期にメッセージ(周辺情報)を発信
   していくことが欠かせません。

   1年に一度しか顧客との接点がなければ、あなたの契約は他のどこかの代理店に移っ
   ていくでしょう。

 

  4.アクションプラン(アプローチ方法、開始日、期限)の作成

   営業活動を始める前に準備しなければならないことがあります。

   アクションプラン(行動計画)の作成です。

   アクションプランを作成する手順は5W2Hで作成することをお勧めします。

    When  :始期と終期を必ず決める

    Where  :攻略するマーケット そのマーケ
      ットの地域を絞る

    Who     :誰を対象にするのか(経営者、
      従業員、主婦、世帯主、独身者 
      等々)

    What    :商品(切り口商品は、販売した
      い保険商品は)

    Why     :その商品を販売する目的は
      (提案する商品はお客様にとって
      どのようなメリット、効果があるのか)

    How to :どのような方法で営業展開していくのか
         (直接訪問、テレアポ、FAX、DM)

    How much :営業にかかるコストはいくらか

   営業活動を行っていくうえで、目標数字を決め、途中でうまくいっていなければ、なぜ
   効果がないのかを検証し、軌道修正していくことが必要となります。

   営業にかかるコストはいくらか、この営業活動で得た手数料はいくらかその結果、プラ
   スなのかマイナスなのかといった費用対効果を測定していくことです。

   こういったことを測定していかなければ、経営がドンブリ勘定になってしまいます。

   確かに面倒と思うかもしれませんが、保険業務を事業と位置づけているなら、当然やる
   べきことです。  


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しかし、毎年1万件以上の中小企業が倒産に見舞われています。
「知っていれば」「対策を講じていれば」倒産せずに済んだはずの企業が数
多くあったことを、私どもは見聞きしております。
少しでも多くの企業が、このような危機に見舞われず、最悪の事態を招く
ことのないよう、私ども専門家集団は事業運営に欠かすことのできない
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